ゎ、ヮは、日本語の仮名のひとつである。前の音と組み合わせ1モーラを形成する場合と、単独で1モーラを形成する場合がある。わ、ワを小書きにした文字である。
「く」、「ぐ」に後続して、合拗音を構成する。このとき、一般に「わ」は「ゎ」のように小さく書く。現代標準語の音韻はそれぞれ「か」、「が」と変わらず (/ka/、/ɡa/)、現代仮名遣いでは「か」、「が」と書かれる。なお、/kwa/、/ɡwa/の音を書き表したいときには「クァ」、「グァ」と書くことがある。現在でも、シークヮーサー、サングヮチャー[1]は一般にこの文字を使用する。また、ドイツの古楽集団である、ムジカ・アンティクヮ・ケルン(ラテン語: Musica Antiqua Köln, ただしケルンの表記はドイツ語による)はしばしばこの文字を含んだ形で表記される。
- 具体例
- かじ:火事 → くゎじ 家事 → かじ
- かんとう:関東 → くゎんとう 竿灯 → かんとう
- かいが:絵画 → かいぐゎ
- けんか:喧嘩 → けんくゎ
- がいこく:外国 → ぐゎいこく
- 現代標準語では同一表記だが、昔の使い分け例
- カとクヮ
- カ【下/加/伽/架/嘉/可/何//河/苛/荷/歌/仮・假/暇/瑕/霞/価・價/佳/夏/家/嫁/稼/箇】
- クヮ【化/花/訛/貨/靴/火/科/瓜/果/菓/課/顆/華/譁/嘩/渦/過/禍/寡】
- ガとグヮ
- ガ【牙/芽/雅/我/俄/峨/蛾/餓/賀/駕】
- グヮ【瓦/臥/画・畫】
- ガイとグヮイ
- ガイ【亥/劾/咳/孩/該/骸/害/崖/涯/凱/街/慨/概/碍・礙/蓋】
- グヮイ【外】
- カクとクヮク
- カク【各/客/挌(例:挌闘)/格/閣/角/脚/革/核/殻・殼/覚・覺/攪/較/隔/嚇/確/鶴】
- クヮク【拡・擴/郭/廓/画・畫/劃/獲/穫】
- カツとクヮツとグヮツ
- カツ【喝/渇/褐/割/葛/轄】
- クヮツ【刮/括/活/闊/滑】
- グヮツ【月】
- カンとクヮン
- カン【干/刊/奸/汗/旱/肝/悍/幹/甘/柑/箝/甲/侃/函/姦/看/陥・陷/乾/勘/堪/寒/喊/感/憾/敢/瞰/間/簡/癇/閑/漢/監/檻/艦/鑑/翰(例:書翰)/諫/艱(例:艱難辛苦)/韓/菅】
- クヮン【缶・罐/完/冠/浣/官/棺/管/館/巻・卷/患/貫/慣/喚/換/款/勧・勸/歓・歡/観・觀/灌/寛/関・關/緩/還/環】
- ガンとグヮン
- ガン【含/岸/岩/巌・巖/眼/雁/贋/顔】
- グヮン【丸/元/玩/頑/願】[2]
いわゆるギャル文字の一種として、助詞「は」の代わりに"ゎ"を用いる場合がある(こんにちは→ こんにちゎ)[3]。