テレギブ

「テレギブ」を弾くジェフ・ベック、1979年

テレギブ (Tele-Gib)とはジェフ・ベックの使用ギターのテレキャスターに、ギブソンのピックアップとフレットに変更改造された個体の通称である。セイモア・ダンカンにより改造され、ベックに受け渡された。また、海外でもこのように呼称される。

概要

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1974年ロンドンにあるフェンダー社の修理部門で働いていたダンカンは、自身が所有していた1959年製の壊れたテレキャスターに改造を施すことを思いつく。今では貴重なギブソン社のPAFピックアップを2基搭載しているが、これも使い物にならない状態のフライングV(前所有者はLonnie Mack)から取ったパーツであり、コイルが断線していたため、ダンカン自身がリワインドしたものである[1]。テレキャスター独特のブリッジはハムバッカーを載せるため半分くらいにカットされており、ボディの肘があたる部分は、もともとジェフのエスクワイアのコンターを真似ようとしていたため、削ったままになっている。ピックガードの色は黒、ボディとネックはブロンド。ネックはメイプルで、指板は別のメイプルを貼ったものであり、フレットはギブソン用のもので、通常のフェンダー用より太い。

ジェフ・ベックが使用し、現在セイモア・ダンカン所有のエスクワイアのレプリカ

ジェフ・ベックのファンであったダンカンは、近傍のCBS社スタジオ(当時フェンダー社もCBS傘下にあった)でベック・ボガート & アピスの未発表に終ったセカンド・アルバムをレコーディング中であった彼を訪れ、このギターをプレゼントした。ダンカンは見返りを求めていたわけではなかったが、このギターを弾いたベックが気に入り、後に自身の所有する3本のギターから好きなものを選んで交換すると申し出た。ダンカンはベックがヤードバーズ時代から使用していたエスクワイア(ウォーカー・ブラザーズのギタリストから譲り受けたとされる)を選んだ[1]

「テレギブ」はベックの翌1975年のソロ作、『ブロウ・バイ・ブロウ』収録の『哀しみの恋人達』のレコーディングに使用された。

このギターに用いられたリワインドPAFはのちに「SH-2 Jazz Model」(フロント)、「SH-4 JB Model」(リア)というセットの原型となり、セイモア・ダンカン社の主力商品となった[2]が、当時はベックがレコーディングを終える前に作業を完成させねばならないこともあり、必要な量のワイヤーを手に入れるのに苦労したそうである。2基分はゲージの違うものしか手に入らなかったため、巻き数を多くし、アウトプットを増やすために、細いほうのゲージのものをリア用に使用した[1]

脚注

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  1. ^ a b c The Story of the Tele-Gib. 2014年12月19日閲覧。
  2. ^ ヤング・ギター公式ウェブサイト. “セイモア・ダンカン・マニアック 第1回:SH-4 JB Model / SH-2 Jazz Model”. 2014年12月19日閲覧。

外部リンク

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