ハイアロクラスタイト
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ハイアロクラスタイト(英: hyaloclastite)は、水中で形成される火山岩の1つである[1]。高温のマグマが十分な量の水に急に接し、急冷収縮して破砕することで形成される[2]。
日本語では水冷破砕溶岩[3][4]、水冷破砕岩[5]、水砕岩[2]、水中自破砕溶岩[6]と呼ばれる。
定義
[編集]従来はパラゴナイトタフと呼ばれていたが、この用語の対象範囲の広さから命名の混同がみられたため、1960年代にリットマン (Alfred Rittmann) により、成長中の枕状溶岩のガラス質部の破砕の堆積物と定義された[7]。この用語の命名の由来はギリシャ語の「粉砕されたガラス」である[7]。
この他の定義として、イタリアのシシリー島の海底火山噴出物を研究していたサルヴァトーレ・ククッツァ・シルヴェストリ は、溶岩の水中での冷却・破砕の連続の結果、ガラス質の破片が海底での玄武岩マグマの固化殻に付着し、集合して形成された火山岩のことをハイアロクラスタイトと定義した[8]。
なお、現在では安山岩質・デイサイト質・流紋岩質の溶岩・岩脈・ドーム等が水中で破砕され形成された破片の集合物として、広義に用いられている[9]。
特徴
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脚注
[編集]- ^ 山岸 1994, p. 11.
- ^ a b 「ハイアロクラスタイト」『改訂新版 世界大百科事典』 。コトバンクより2023年12月30日閲覧。
- ^ 「III 山形地区の地質、地形概要、地質概要」『土地条件調査報告書(山形地区)』(PDF)D.2 - No.39、建設省国土地理院〈国土地理院技術資料〉、1985年3月、7頁 。
- ^ 小池敏夫 著「第2章 地形と地質 I. 丹沢山地の地形・地質概要」、(編著)財団法人神奈川県公園協会、丹沢大山自然環境総合調査団企画委員会 編『丹沢大山自然環境総合調査報告書』(PDF)神奈川県、1997年3月6日、12-17頁。 NCID BA32584131 。
- ^ 山岸宏光「ハイアロクラスタイトと岩盤崩落」『北海道地区自然災害科学資料センター報告』第11巻、北海道地区自然災害科学資料センター(北海道大学工学部)、1996年7月1日、9-24頁、CRID 1570291224900966272、NAID 10010411261、NDLJP:3201207/1/12。
- ^ 後藤芳彦「知床半島における海底火山体の復元」『北海道大学演習林試験年報』第7号、北海道大学演習林、1990年2月、4-5頁。
- ^ a b 川内ほか 1976, p. 355.
- ^ 山岸 1994, p. 7.
- ^ 周藤・小山内 2002, p. 96.
参考文献
[編集]- 川内洋佑、C.A.Landis、渡辺暉夫「ハイアロクラスタイト」『地質学雑誌』第82巻第6号、1976年、355-366頁、doi:10.5575/geosoc.82.355。
- 山岸宏光『水中火山岩 : アトラスと用語解説』北海道大学図書刊行会、1994年。
- 周藤賢治、小山内康人『記載岩石学―岩石学のための情報収集マニュアル』共立出版〈岩石学概論〉、2002年。