プラチナカード
プラチナカード(英語: Platinum card)とは、クレジットカード・デビットカード・プリペイドカードの一つである。なお、「プラチナ・カード」は、アメリカン・エキスプレスが日本に於いて商標登録している[1]。
概要
[編集]プラチナカードは、クレジットカード・デビットカード・プリペイドカードの券種の一つで、それぞれのカードのゴールドカードより上位に位置付けられる。
ゴールドカードを超えるサービスが受けられる。特に、旅行傷害保険は、ゴールドカードのそれより補償額が高い。また、これを実現させるためのゴールドカードより高い年会費が特徴であるが、海外に於いては無料で発行している金融機関もある。
プラチナカードの名称の由来は、「ゴールド(金)より上の高い価値と稀少性」を持つ、プラチナ(白金)をイメージしたものとされている。また、プラチナカードの券面は、その名称に合わせてプラチナ(白金)をイメージした銀色を基調とするデザインが多いほか、黒をベースにブランド名などに銀色を配したものも多く見られる。
日本におけるプラチナカード
[編集]日本におけるクレジットカードのプラチナカードは、1993年に American Express International(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル)日本支社が「プラチナ・カード」を発行したのが始まりである[2]。
デビットカードのプラチナカードは、2006年にトヨタファイナンスが当時の日興コーディアル証券(後のシティグループ・オーバーシーズ・ホールディングス)と提携し「日興プラチナデビットカード」を発行した(2010年に終了[3])[4]。
プリペイドカードのプラチナカードは、2019年にクレディセゾンがMastercard Prepaid Management Services Japanと提携し「キャッシュパスポートプラチナ」を発行した(2023年に終了[5])[6]。但し、現行の「キャッシュパスポートプラチナ」は、トラベレックスジャパンが同社と提携して発行している[7]。
クレジットカード
[編集]クレジットカードのプラチナカードは、一般のクレジットカードと同様に自ら申し込む事が出来る申込制と、特定の者を招待する招待制に大別する事が出来るが、その多くは申込制である。2010年に三井住友カードの「三井住友VISAプラチナカード」(現在の「三井住友カード プラチナ」[8])が招待制から申込制に変更、2019年にアメリカン・エキスプレス・インターナショナル(日本支社)の「プラチナ・カード」が招待制から申込制に変更された。また、ジェーシービー(JCB)が2017年から発行する「JCBプラチナ」は当初から申込制であった[9]。
招待制のプラチナカードは、エムアイカードが2018年から発行する「エムアイカード プラス プラチナ」などがある[10]。
国際ブランド別のプラチナカード
[編集]American Express
[編集]日本では、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル(日本支社)のほか、クレディセゾン[11]、三菱UFJニコス[12]がそれぞれ発行している。
JCB
[編集]日本では、JCB[13][14]のほか、楽天カードがそれぞれプロパーカードを発行している。住信SBIネット銀行は2023年[15]、三井住友カード(当時のSMBCファイナンスサービス)は2024年にそれぞれ新規の申込受付を終了している[16]。
また、JCB[17][18][19]のほか、伊予鉄フィナンシャルサービスが提携カードを発行している。
楽天カードが発行している「楽天ブラックカード」は、「ブラック」と称しているが、ブラックカードでなくプラチナカードである(券面に「JCB PLATINUM」のロゴが描かれている)。
Visa
[編集]日本では、ユーシーカード[20]、三井住友カード[21][22]、三井住友トラスト・カード[23][24]、三井住友トラストクラブ[25]、りそなカード[26]、道銀カード[27]、七十七カード[28]、むさしのカード[29]、北陸カード[30]、池田泉州VC[注 1]、紀陽カード、中銀カード[注 1]、阿波銀カード、九州カード[31]、FFGカード[注 1]、鹿児島カード、大東クレジットサービス[注 1]、しんきんカード[32][33]、中部しんきんカード[34][35]、近畿しんきんカード[36]、東邦銀行[37]、福岡銀行[38][39]、エムアイカード[10]、エポスカード[40]、楽天カードがそれぞれプロパーカードを発行している。
また、三井住友カード[41][42][43]、三井住友トラストクラブ[44]、九州カード[31]、FFGカード[45][46]、クレディセゾン[47]、エムアイカード[48][注 2][50]、JFRカード[51]、エポスカード[52]、トヨタファイナンスがそれぞれ提携カードを発行している。
楽天カードが発行している「楽天ブラックカード」は、「ブラック」と称しているが、ブラックカードでなくプラチナカードである(券面に「VISA PLATINUM」のロゴが描かれている)[53]。
Mastercard
[編集]日本では、三井住友カード、三井住友トラストクラブ[54]、オリエントコーポレーション[55]、ジャックス[56]、楽天カードがそれぞれ発行している[57]。
また、アプラス[58]、ジャックス[59]、ライフカードが提携カードを発行している。
銀聯
[編集]日本では、三井住友カードが「三井住友銀聯プラチナカード」を発行している。但し、同社が発行する「三井住友カード プラチナ」(提携カードを含む)又は「三井住友カード プラチナプリファード」(三井住友銀行と提携し発行する「Oliveフレキシブルペイ プラチナプリファード」を含む)の会員に限り申し込む事が出来る。
その他
[編集]三井住友トラストクラブが取り扱っているダイナースクラブでは、「プラチナ」と称するクレジットカードは発行されていない。但し、同社が発行している「ダイナースクラブカード」は、同社が発行している「TRUST CLUB プラチナマスターカード」を追加して発行する事が出来る[60]。
デビットカード
[編集]デビットカードのプラチナカードは、クレジットカードのような審査はなく、取り扱っている金融機関に口座を開設していれば申し込む事が出来る。
国際ブランド別のプラチナカード
[編集]JCB
[編集]日本では、福岡銀行、十八親和銀行、熊本銀行が法人デビットカードを発行している[61]。
Visa
[編集]日本では、千葉銀行がプロパーカードを発行している。また、ソニー銀行[62]及び三井住友カード[42][注 3]が提携カードを発行している。
Mastercard
[編集]日本では、住信SBIネット銀行[63]、GMOあおぞらネット銀行[64]が発行している[57]。
プリペイドカード
[編集]プリペイドカードのプラチナカードは、デビットカードと同様に審査不要で申し込む事が出来る。
日本では、トラベレックスジャパンが発行している[7]。
米国におけるプラチナカード
[編集]米国における歴史
[編集]米American Expressが米国で発行している「American Express Gold Card」[注 4]より上位のクレジットカードとして1984年に米国で発行したのが始まりである。
現在では、米国発行のクレジットカードの内、最上級のサービスを提供するとの意味から、クレジットカードにPlatinumの刻印がされているものがあり、付帯サービスは日本よりも高い補償などが付いているカードも発行されている。 近年海外口座の開設増加に伴い、日本在住者も、米国同様のサービスを付帯しているクレジットカードが発行されており、所謂ボーダレスカードが多く発行されている。
なおその後、富裕層を中心とした上級顧客の囲い込みを画策した多くの競合他社が、これを模倣したコンセプトのカード(その多くがプラチナカードの名称を使用している)を発行したこともあり、同社は1999年に更に上位の「Centurion Card」を発行しサービスの差別化を図っている。
米国で発行されるプラチナカード
[編集]米国で発行されるクレジットカードには、Platinumと称するものもあるが、必ずしも特別なサービスの提供があるわけでも高いステータスを意味するわけでもない。多くは申込に招待は必要なく、Platinumを称する普通のクレジットカードの年会費は無料又は数十米ドルである。
例えば、米American Expressが米国で発行している「The Platinum Card」の年会費は695米ドルであり、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル(日本支社)が日本で発行している「プラチナ・カード」の年会費(税込165,000円)以下である[2](為替レートの問題もあるが)。なお、日本では家族カードを4枚まで無料で発行する事が出来るのに対して、米国ではAdditional Platinum Card(追加プラチナ・カード)を発行する場合は1枚当たり195米ドルの年会費を要する[67][68]。この為、2枚まで追加する場合は米国の方が安いが、それ以上追加する場合は日本の方が安くなる(1米ドル = 150円の場合)。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “商標”. 2023年8月12日閲覧。
- ^ a b "個人向けの「プラチナ・カード® 」と 中小企業経営者・個人事業主向けの「アメリカン・エキスプレス® ・ビジネス・プラチナ・カード」 2 枚同時にリニューアル" (Press release).
- ^ “「日興プラチナデビットカード」サービス終了について”. 2017年10月14日閲覧。
- ^ 『「日興プラチナデビットカード」発行についてのお知らせ』(プレスリリース) 。
- ^ “㈱クレディセゾン発行の「キャッシュパスポートプラチナ」サービス終了のご案内” (PDF). 2024年1月8日閲覧。
- ^ 『トラベルプリペイドカード「キャッシュパスポートプラチナ」発行開始』(PDF)(プレスリリース) 。
- ^ a b “【重要】キャッシュパスポートプラチナの新規申込み受付再開のご案内” (PDF). 2024年1月8日閲覧。
- ^ “カードデザイン一新・名称変更について”. 2024年4月10日閲覧。
- ^ 『JCB、「プラチナ」「ポイント優遇」「女性向けサービス」をコンセプトに3種類のカードを新たに募集開始』(プレスリリース) 。
- ^ a b 『2018年春、エムアイカード、エムアイポイントが変わります』(PDF)(プレスリリース) 。
- ^ 『「セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カード」リブランディングと新サービス開始』(PDF)(プレスリリース) 。
- ^ 『三菱UFJニコス、三菱UFJカードで「アメリカン・エキスプレスのタッチ決済」対応開始!』(PDF)(プレスリリース) 。
- ^ 『新デザインのJCB ORIGINAL SERIESを発行開始』(プレスリリース) 。
- ^ 『JCBプラチナにナンバーレスカードが新登場』(PDF)(プレスリリース) 。
- ^ 『「ミライノカード (JCB)」 入会受付終了のお知らせ』(プレスリリース) 。
- ^ “セディナプラチナカード、OMC GOLDカード、OMCカード、セディナゴールドカード、セディナカード、セディナカードJiyu!da!新規お申し込み受付終了のお知らせ”. 2024年4月10日閲覧。
- ^ 『「ANAカード」ラインアップの最上位「ANA JCBカード PREMIUM」誕生』(プレスリリース) 。
- ^ 『「JAL・JCBカード プラチナ」が誕生します』(プレスリリース) 。
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- ^ “Annual Fee & Authorized User Fee – American Express Platinum”. 2024年1月8日閲覧。
- ^ “For Platinum Card® Accounts, excluding Morgan Stanley Platinum Card® Accounts”. 2024年1月8日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- プラチナ・カード (American Express International)
- Visa Platinum (Visa)
- プラチナMastercard (Mastercard)