ベッカ・スティーヴンス
ベッカ・スティーヴンス Becca Stevens | |
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![]() 2016年 メールス・フェスティバル | |
基本情報 | |
生誕 | 1984年6月14日(40歳) アメリカ合衆国ノースカロライナ州ウィンストン・セーラム |
ジャンル | ジャズ、フォーク |
職業 | 音楽家、作曲家 |
担当楽器 | ボーカル、ギター、ウクレレ、チャランゴ |
レーベル | Sunnyside, CORE PORT, GroundUp, Universal |
共同作業者 | Becca Stevens Band, Tillery, Jacob Collier |
公式サイト | www |
ベッカ・スティーヴンス(Becca Stevens)は、 アメリカ合衆国のジャズ 、ポップ 、フォーク音楽のシンガーソングライターであり、ギタリストである[1] 。
概要
[編集]これまで彼女はピアニストのブラッド・メルドーやテイラー・エイグスティと共演してきたほか、グラミー賞を受賞したことがあるスナーキー・パピーとも共演してきた。スティーヴンスは、アコーディオンとキーボードのリアム・ロビンソン、ベースのクリス・トルディーニ、ドラムとパーカッションのジョーダン・パールソンを擁する、ベッカ・スティーヴンス・バンドを率いる。スティーヴンスは、グレッチェン・パーラトおよびレベッカ・マーティンと共に、3人組のグループ「ティレリー」のひとりでもある[2] 。
幼少期と進学
[編集]宗教合唱曲の作曲家であるウィリアム・スティーヴンスと歌手であるキャロリン・ドーフの3人兄弟の末っ子としてノースカロライナ州ウィンストン・セーラムに生まれる。スティーヴンスは幼少の頃、家族の子供向け音楽グループ、チューン・マンマルズで演奏し、ツアーを行った[3]。10歳のとき、母親と一緒にミュージカル『秘密の花園』の全国ツアーに1年間出演した[3][4]。両親の別居後、彼女はニュージャージー州のペディ・スクールの9年生と10年生に通った[3][4]。高校はノース・カロライナ・スクール・オブ・ジ・アーツでクラシック・ギターを学んだ。高校卒業後、ニューヨークのニュー・スクール大学に進学するまでの1年間をゴマチで過ごし、ヴォーカル・ジャズと作曲で芸術学士の学位を取得した[3][5][6]。
キャリア
[編集]スティーブンスはリーダーとして『ティー・バイ・シー』(2008年)、『無重力(Weightless)』(2011年)、『パーフェクト・アニマル』(2015年)、『レジーナ』(2017年)、『ワンダーブルーム』(2020年)、『メイプル・トゥ・ペイパー』(2023年)の6枚のアルバムをリリースしている[7][8]。これまでにジェイコブ・コリアー、ローラ・ムヴラ、ビリー・チャイルズ、デヴィッド・クロスビー、テイラー・エイグスティ、ティモ・アンドレス、ブラッド・メルドー、トラヴィス・サリヴァンズ・ビョークストラ、マイケル・マクドナルド、スナーキー・パピーなどと共演。グレッチェン・パーラトやレベッカ・マーティンと共にティラリーというバンドのメンバーだった[3][9][5]。
デヴィッド・クロスビーのマイケル・リーグがプロデュースしたアルバム『ライトハウス』の1曲で、クロスビー、リーグ、スティーヴンス、ミシェル・ウィリス(ピアノはビル・ローレンス)がスティーヴンスとクロスビーが書いた曲「By the Light of Common Day」を演奏した。このカルテットはザ・ライトハウス・バンドとなり、クロスビーのアルバム『ヒア・イフ・ユー・リッスン』で演奏した[10]。
ジャズ・ヴォーカリストのカート・エリングは、彼女をお気に入りのジャズ・ヴォーカリスト5人のうちの1人に挙げている[11]。そして音楽評論家テッド・ジョイアは、彼女のアルバム『無重力(Weightless)』(2011年)と『パーフェクト・アニマル』(2015年)を該当年のベストアルバム100枚に挙げている[12][13]。
スティーヴンスのアルバム『レジーナ』(2017年)はマイケル・リーグとトロイ・ミラーによってプロデュースされ、ダウン・ビート誌からは「最も壮大なアルバム」と5つ星の批評を受け、BBCラジオ2は「リリカルなこのアルバムは驚異的だ」と絶賛した。
2021年には『ワンダーブルーム』に収録された「Slow Burn」で、2022年には共同編曲者であり夫でもあるヴィオリスト、ナザン・スクラムとの『ベッカ・スティーヴンス|アタッカ・カルテット』に収録された「2 + 2 = 5」でグラミー賞の最優秀編曲賞(インストゥルメンタル・ヴォーカル部門)に2度ノミネートされている[14]。
私生活
[編集]スティーヴンスはアタッカ・カルテットのヴィオラ奏者であるネイサン・シュラムと2017年に結婚。スティーヴンスとシュラムはニューヨークのブルックリンに住んでいる。二人の間には2人の娘がいる[8][15][16][17]。
ディスコグラフィ
[編集]リーダー作品
[編集]- ベッカ・スティーヴンス・バンド, ティー・バイ・シー - Tea Bye Sea (自主製作) 2008年 のち日本版(CORE PORT) 2015年再発(ボーナストラック3曲)
- ベッカ・スティーヴンス・バンド, 無重力 - Weightless (Sunnyside) 2011年
- ベッカ・スティーヴンス・バンド, パーフェクト・アニマル - Perfect Animal (CORE PORT/Universal) 2014年(日本版先行発売)
- レジーナ - Regina (GroundUP) 2017年
- ワンダーブルーム - WONDERBLOOM (GroundUP) 2020年
- ベッカ・スティーヴンス&イーラン・メーラー, パレット・オン・ユア・フロア (GroundUP) 2020年
- ベッカ・スティーヴンス&シークレット・トリオ (GroundUP) 2021年
- ベッカ・スティーヴンス&アタッカ・カルテット (GroundUP) 2022年
- メイプル・トゥ・ペイパー - Maple to Paper (GroundUP) 2024年
ティレリーの作品
[編集](ベッカ・スティーヴンス、レベッカ・マーティン、グレッチェン・パーラト)
- ティレリー - Tillery (CORE PORT) 2016年
客演作品
[編集]- ジェレミー・ペルト&ワイアードの作品に参加, Shock Value: Live at Smoke (Maxjazz) 2007年
- フランク・ロクラストの作品に参加, When You're There (Maxjazz) 2007年
- トラヴィス・サリヴァンズ・ビョーケストラの作品に参加, エンジョイ! - Enjoy ! (Koch/akashic ensemble) 2008年
- ダップ・セオリーの作品に参加, Layers of Chance (ObliqSound) 2008年
- サム・サディガースキーの作品に参加, Words Project II (New Amsterdam) 2008年
- テイラー・アイグスティの作品に参加, 真夜中の昼光 - Daylight at Midnight (Concord Jazz) 2010年
- エスペランサ・スポルディングの作品に参加, ラジオ・ミュージック・ソサエティ - Radio Music Society (Heads Up) 2012年
- トラヴィス・サリバンズ・ビョーケストラの作品に参加, I Go Humble (Zoho) 2013年
- デイナ・ステファンズの作品に参加, I'll Take My Chances (Criss Cross) 2013年
- アンブローズ・アキンムシーレの作品に参加, The Imagined Savior is Far Easier to Paint (Blue Note) 2014年
- ホセ・ジェイムズの作品に参加, ホワイル・ユー・ワー・スリーピング - While You Were Sleeping (Blue Note) 2014年
- ビリー・チャイルズの作品に参加, マップ・トゥ・ザ・トレジャー:ローラ・ニーロ・トリビュート - Map to the Treasure: Reimagining Laura Nyro (Sony Masterworks) 2014年
- ニュー・ウエスト・ギター・グループの作品に客演, センド・ワン・ユア・ラヴ - Send One Your Love (CORE PORT/Summit) 2015年
- ピーター・エルドリッジの作品に参加, <Wish You with Me> Disappearing Day (Sunnyside) 2016年
- サッチャル・アンサンブルに客演, ソング・オブ・ラホール - Song of Lahore (Universal) 2016年(ドキュメンタリー映画のコンパニオン・アルバム)
- スナーキー・パピーの作品に参加, ファミリー・ディナー vol. 2 - Family Dinner – Volume 2 (GroundUP) 2016年
- デヴィッド・クロスビーの作品に参加, Lighthouse (Groove Masters) 2016年
- デヴィッド・クロスビーの作品に参加, Sky Trails (BMG) 2017年
- デヴィッド・クロスビー、マイケル・リーグ、ミシェル・ウィリスとの共同制作,Here If You Listen (BMG) 2018年
- デヴィッド・クロスビーの作品に参加,For Free (BMG) 2021年
出典
[編集]- ^ “Becca Stevens”. Official Website. 2013年4月6日閲覧。
- ^ “Tillery”. Official Website. 2013年4月6日閲覧。
- ^ a b c d e Chinen, Nate (August 2, 2008). “Influenced by a Variety of Sounds, Becca Stevens's Style Is All Her Own”. The New York Times August 28, 2020閲覧。
- ^ a b “Famous Winston-Salemites: Becca Stevens”. The Man Van Blog (March 5, 2016). August 28, 2020閲覧。
- ^ a b Morrison, Allen (July 2016). “Becca Stevens”. Down Beat (Elmhurst, Illinois: Maher).
- ^ “Smartists: Becca Stevens | Amy Poehler's Smart Girls”. amysmartgirls.com (27 March 2014). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ “Becca Stevens album discography”. AllMusic. August 28, 2020閲覧。
- ^ a b “Singer Becca Stevens and Violist Nathan Schram Perform A Duet From Brooklyn”. NPR (May 29, 2020). August 28, 2020閲覧。
- ^ “Biography – Long Form”. tillerygals.com (May 11, 2011). September 4, 2016閲覧。
- ^ “Michael League: Snarky Puppy's Jazz-Schooled, Grassroots Visionary”. All About Jazz (December 10, 2018). June 8, 2019閲覧。
- ^ “NPR Music”. Kurt Elling on World Cafe
- ^ “Ted Gioia”. The 100 Best Albums of 2011. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ “Ted Gioia”. The 100 Best Albums of 2015. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ “Becca Stevens”. Grammys. 2023年2月21日閲覧。
- ^ Becca Stevens (September 14, 2017). “Wedding Facebook post”. Facebook. August 28, 2020閲覧。
- ^ Becca Stevens (March 12, 2022). “First child Facebook post”. Facebook. March 19, 2022閲覧。
- ^ Becca Stevens (March 27, 2024). “Second child Facebook post”. Facebook. March 28, 2024閲覧。
参考文献
[編集]- 若林恵「Interview Becca Stevens」『Jazz The New Chapter 2』柳樂光隆編 シンコーミュージック 2014年 ISBN 978-4401640461
- 「INTERVIEW ベッカ・スティーヴンス」『ACOUSTIC GUITAR MAGAZINE』2017年 12月号 Vol.74 リットーミュージック