英雄伝説 軌跡シリーズの登場人物
この項目のページサイズが非常に大きくなっております(1,300KB以上、日本語版最多)。 |
以上の問題から、内容加筆の際は可能な限り出典を明示するようにお願いします。 |
英雄伝説 軌跡シリーズの登場人物とは、日本ファルコムのコンピュータRPGシリーズである〈英雄伝説 軌跡シリーズ〉に登場する人物に関する解説等をまとめたものである。
- 凡例
- 作中で主に活動している地域・所属している組織を元に分類。(各シリーズの主人公のみページ先頭にリンクを表示して示す)
- 登場作:そのキャラクターが登場する作品、およびその作中でプレイヤーキャラクターとして加入するかどうかを略号(下記)で示す。なお、伝聞や回想で語られているのみの場合は登場として扱っていないことがある[注 1]。その場合、下記の「来歴」で補足している。
- 声:ゲーム内の戦闘ボイスおよびドラマCD・OVAでの担当声優[注 2]。
- 一部の登場人物は要素の整理のため、以下のように節を分けている。
- (概要):物語における位置づけ、役割について冒頭に記載。
- 来歴:そのキャラクターの前歴、各ゲーム本編における役割とあらましを簡潔に記載。この項目の「年」は本作品の作品世界で使われている暦である「七耀暦」の年を記載している。
- 人物:その登場人物の人物像(性格、戦闘スタイルなど、本編における役割とは基本的に結びつかないもの)を記載[注 3]。
- (その他):その登場人物の要素として、上記に当てはまらないものの内で特記が必要な事柄に項目名をつけ記載。
- 作品略号
- 英雄伝説VI 空の軌跡:『空』
- 空の軌跡FC:「FC」、「空FC」
- 空の軌跡SC:「SC」、「空SC」
- 空の軌跡 the 3rd:「the 3rd」、「空3rd」
- 英雄伝説VII:『VII』
- 英雄伝説 零の軌跡:「零」
- 英雄伝説 碧の軌跡:「碧」
- 英雄伝説 閃の軌跡:『閃』
- 英雄伝説 閃の軌跡(I):「閃I」
- 英雄伝説 閃の軌跡II:「閃II」
- 英雄伝説 閃の軌跡III:「閃III」
- 英雄伝説 閃の軌跡IV:「閃IV」
- 英雄伝説 創の軌跡:『創』
- 英雄伝説 黎の軌跡:『黎』
- 英雄伝説 黎の軌跡:「黎I」
- 英雄伝説 黎の軌跡:「黎II」
- スピンオフ作品
- 英雄伝説VI 空の軌跡:『空』
- ※各タイトルの派生版は「Evolution」は『空Evo』、「:改」は「零:改」のように表記。
- キャラクター略号 - 該当作品の略号の後ろに付与。
- プレイヤーキャラクター:
- レギュラーのプレイヤーキャラクター:P
- スポット加入、もしくは特定のイベントのみで操作をするキャラクター:S
- ブレイブオーダーのみ使用可能なキャラクター:O
- ゲストとして加入し、戦闘にも参加するが、プレイヤーが操作できないキャラクター:G
- 敵方のボス主役:B
- その他:記号なし
- プレイヤーキャラクター:
各シリーズの主人公
[編集]- エステル・ブライト、ヨシュア・ブライト
- 「空FC」「空SC」の主人公。#エステル・ブライトと#ヨシュア・ブライトを参照
- ケビン・グラハム
- 「空3rd」の主人公。#ケビン・グラハムを参照
- ロイド・バニングス
- 「零」「碧」『創』の主人公。#ロイド・バニングスを参照
- リィン・シュバルツァー
- 『閃』『創』の主人公。#リィン・シュバルツァーを参照
- ルーファス・アルバレア
- 『創』の主人公。#ルーファス・アルバレア及び#《C》を参照
- ナハト・ヴァイス、クロエ・バーネット
- 『暁』の主人公。#ナハト・ヴァイスと#クロエ・バーネットを参照
- ヴァン・アークライド
- 『黎』「界」の主人公。#ヴァン・アークライドを参照
- ラヴィアン・ウィンスレット
- アニメ『閃NW』の主人公。「英雄伝説 閃の軌跡#テレビアニメ」を参照
リベール王国
[編集]大陸南西部に位置する王国で、北をエレボニア、東をカルバードと隣接する『空』の舞台。
ブライト家
[編集]- エステル・ブライト
- 登場作:『空』P・「零」P・「碧」・『暁』P・「閃IV」S・『創』P
- 声:神田朱未
- 年齢:16歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→17歳(「the 3rd」[W 3])→18歳(「零」[W 4]・「碧」[書 1])→20歳(「閃IV」[注 4])
- 「FC」と「SC」の主人公。リベール王国出身の遊撃士で、父カシウスから学んだ棒術を操る。物怖じしない性格。[2][3]
- 来歴
- 父カシウス、母レナの下、ロレント地方でのびのびと育つ[3]。
- 「FC」の10年前(1192年)に起きた《百日戦役》で、自分をかばったことにより母を亡くし、その後、「母のように誰かを守れるくらいに強くなりたい」との思いから遊撃士を目指す[4][5]。
- 「FC」の5年前(1197年)、カシウスがヨシュアを連れてきて[4]、養子にしたことで、以降は彼を「弟」としてともに日々を送る。
- 「FC」 - ヨシュアとともにシェラザードの指導を受け、16歳で準遊撃士となる[4]。
- 《審判の指環》[書 4][注 5] - ヨシュアとともにサポート役の帝国の遊撃士トヴァルを加えて旅をしている中、遊撃士協会に来た依頼により帝国辺境のアルスターを訪れる。そこで古代遺物《審判の指環》による事件に遭遇し、トヴァルとともに解決に導く[書 5]。この事件解決時に、古代遺物回収のため現れたアインにより、レンがクロスベル自治州にいることを教えられ、ヨシュアとともにクロスベルに向かう[書 6]。
- 「零」 - ヨシュアとともに遊撃士協会・クロスベル支部に転属し、主人公ロイド・バニングスら特務支援課の(格上の)ライバル的立ち位置となる[6]。物語の中でロイドらと親交を深めてゆき、クロスベル自治州で起きた大事件の解決に向けて協力することになる[7]。
- 『暁』 - 「零」の後、ヨシュア、レンとともにリベールに帰国していた中、カシウス暗殺計画に巻き込まれることとなる。
- 「碧」 - 物語終盤で、ロイドらに協力するため、ヨシュア、レンとともに再度クロスベルを訪れ、アイオーンTYPE-γと交戦する[8]。
- 「閃III」 - 登場なし。遊撃士協会支部を手助けするため、帝国入りしようとしたが、入国許可が下りなかったと語られている[9]。
- 「閃IV」 - 遊撃士ランクはA級目前と言われている[10]。ヨシュア、レンとともにクロスベル入りし、ロイド、エリィ、キーアを一行に加えて、オルキスタワーに潜入して帝国で起きた異変の情報を探る[10][注 6]。その後はパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、『VII』の主人公であるロイドら特務支援課、『閃』の主人公であるリィン・シュバルツァーらトールズ士官学院の新旧VII組とも邂逅を果たす[1]。進行する状況を食い止めるべく、オリヴァルト皇子が提唱した《光まとう翼》に参加し、最終決戦では、リィンらVII組を《幻想機動要塞》に送り込むため、ヨシュアらとともに《塩の杭》のひとつを攻略しに向かう[11]。
-
- 人物
- 人々に親しみを与える天真爛漫な性格。自分も他人も輝かせる太陽のような強さを持ち[12]、「太陽の娘」と呼ばれることもあるが[13]、本人は自分の良さには無頓着である[14]。純粋な人柄による言動に(敵対者も含め)周囲が毒気を抜かれる場面もしばしばある。女性としての自覚はあるものの、活発で少年のような趣味が多く、子供時代は父を呆れさせている[4]。
- 恋愛面には非常に疎く鈍感で、ヨシュアからの好意に長らく気付く気配もなく、シェラザードや友人たちから呆れられていた。しかし、「FC」の正遊撃士になる旅の中でそれまで弟のようにしか見ていなかった彼を異性として意識するようになり、「SC」の事件後は晴れて恋人同士になった[15]。
- 義弟ヨシュアより実際には年下だが、ブライト家に先に住んでいたことを理由に姉として振るまいたがる[4][注 7]。
- ヨシュア・ブライト
- 登場作:『空』P・「零」P・「碧」・『暁』P・「閃IV」S・『創』P
- 声:斎賀みつき
- 年齢:16歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→17歳(「the 3rd」[W 3])→18歳(「零」[W 4]・「碧」[書 7])→20歳(「閃IV」[注 8])
- 「FC」と「SC」の主役の一人。リベール王国出身(生まれはエレボニア帝国)の遊撃士。
- 「FC」時点より5年前にブライト家の養子となり、エステルの義弟となる。冷静な性格で、エステルのフォローに回ることが多い[2]。
-
- 来歴
- 元の名前はヨシュア・アストレイで、エレボニア帝国南部のハーメル村出身。ハーメルは小さな村で子供が少なく[1]、姉のカリン、兄同然のレオンハルト(レーヴェ)とともに育つ[17]。
- 「FC」の10年前(1192年)に起きた《ハーメルの悲劇》で、村民はほぼ全滅し、ヨシュアは生き延びたものの、姉を含めた家族を失い、このことで心を壊す[17]。その後、壊れた心を結社《身喰らう蛇》のゲオルグ・ワイスマンによって組み替えられて彼の操り人形となり、結社の《執行者》No.XIII《漆黒の牙》として暗殺を繰り返すようになる[14][17][18]。
- 「FC」の5年前(1197年)、11歳の時にカシウス・ブライトの暗殺を命じられるが失敗[4][14]。そのことで組織から狙われる立場になったが、カシウスに保護され、後にブライト家の養子となる[14]。
- 「FC」 - エステルとともにシェラザードの指導を受け、16歳で準遊撃士となる[4]。カシウスの乗る旅客飛行船が姿を消したことで、父の行方を追う旅を始め、エステルとともにリベール王国各地を巡る。自身が感じていた違和感と状況証拠から、一連の事件の黒幕がアルバ教授(ワイスマン)であることに気づくが[注 9]、一対一で問い詰めた際に暗示を解かれ、自身がカシウスの下に諜報員として送り込まれていたということを知ってしまう[14]。真相に耐えられなくなったヨシュアは、姉の形見のハーモニカを残してエステルの元を去る[14]。
- 「SC」 - 「FC」の最後でエステルらの前から姿を消した後、ワイスマンを殺すための策をめぐらせ、カプア一家と手を組み密かに《結社》を追う。終盤、エステルと再会[19]。エステルの説得により、改めてエステルを守ることを誓い[19]、ともにリベール全土を巻き込んだ事件の解決に尽力する。最終決戦の場「リベル=アーク」の中核塔にてついにレーヴェと対峙[20]。一騎討ちの末、一瞬の隙を突いて全力を込めた連続攻撃を行い、彼の剣を弾き落とし勝利した[20]。
- 「SC」の事件解決の後、《執行者》として犯した過去の罪の贖罪のために大陸各地を旅して回ることを決意し[18]、「the 3rd」以降は、恋人となったエステルと行動をともにしている。「the 3rd」以降の来歴はエステルと基本的に同一なので「#エステル・ブライト」の来歴を参照。
- 人物
- 執行者時代は感情の起伏が薄く、暗殺者としての非情さを持っていたが[18]、カシウスとエステルとの生活で影響を受け、優しく穏やかな少年に育つ[注 10]。
- ワイスマンはヨシュアの心を修復する際に「どんな目的も目的を合理的に考え任務を遂行する思考フレーム」を与えるとともに[14]、任務の邪魔とならないよう恐怖を感じることがないように調整を施している[19]。そのため、ヨシュア自身も自分のことを感情を持たない人形のように認識し続けていたが、それが欺瞞であることは後にエステルに喝破されることになる[19]。
- エステルに対しては、エステルがヨシュアに対する思いを意識し始める前から好意を寄せていた[14][18]。エステルはそのことに気づいていなかったが、ヨシュアも自分に対する好意には非常に疎く、逆にエステルからの好意に気づかないという立場の逆転をさせてしまうこともあるなど、どこか複雑な関係でもある。
- 戦闘能力としては、ワイスマンの調整により、大部隊相手でも単独で渡り合えるよう、肉体と反射神経を限界まで強化されている[14][3]。ブライト家に入ってから、相手を倒すためではなく命を奪わず無力化させるという戦い方をカシウスから学んだ[20]。情報収集能力も高く、「SC」以降も独自のルートでケビンの正体やワイスマンの最期を知っている[13]。
- エステルとヨシュアの設定
- キャラクター造形として、太陽のように明るいエステルを光とする影という対比の関係になる[書 9][W 5]。「FC」を制作するにあたり、「男の子と女の子が主人公で、どちらかが屈託のない明るさを持っているのに対して、もう片方のパートナーが闇の部分を抱えている。そして、その2人を描くことで光と影みたいなものを主軸として物語を紡ぐ」という設定はかなり初期の段階で決まっていた[書 10]。最初期にはエステルと性別が逆で女の(元)暗殺者にするという案もあったという[W 6][W 7]。「エステル」と「ヨシュア」という名前の出典はたどれば『旧約聖書』に行きつくものだが、設定としては関係がなく、名前は人物像と名前の響きなどを比較してイメージに合うかで決められた[書 10]。
- 「FC」はヨシュアがエステルの元を去るところで終幕となる。この構成は最初から予定されていたものではなく、「FC」と「SC」はもともとは1本のタイトル(『英雄伝説VI』)として構想されていたものだが、制作開始から1年半経った時点で予定の半分しかできていなかったため、後編を出せない可能性があることを承知で前編のみ発売するか、省略して1本に収めて発売するか、二者択一となった[書 11]。2本にした場合、前半のラストにヨシュアの話を(クリフハンガーとして)持ってくることができるということも一因となって、前編(「FC」)のみの形で発売されることが決断されたという[書 11]。
- カシウス・ブライト
- 登場作:『空』・『暁』・「閃IV」・『創』
- 声:岸野幸正
- 年齢:45歳(「FC」[4][W 1]・「SC」[W 2])→49歳(「閃IV」[書 12])
- エステルの父。かつて軍人としてリベール王国を危機から救った英雄であり、遊撃士としては、「FC」開始時点ではゼムリア大陸全土に4人しかいないS級遊撃士の一人。
- 武術では《理(ことわり)》に至った達人であり[12][21]、現在は棒術を使うが、かつては
八葉一刀流 という流派を極めた剣士で、《剣聖》と呼ばれる[2][注 11]。『空』三部作通してレオンハルトと並んで最強を誇る人物。 - 知略に優れ、《百日戦役》ではエレボニア帝国軍の侵攻に対する反攻作戦を立案、指揮して王国を危機から救った。しかし、戦役中に妻を失ったことで本人が栄誉を望まず退役したため、その功績は王国民の多くには知られておらず、娘のエステルにも秘密にしていた[4][2][18]。
- その才幹と功績を知るリベール王家、王国軍、遊撃士協会などから寄せられる信頼には絶大なものがある。一方、エレボニア帝国や結社といった潜在的な敵対者からは、一個人でありながら、重大な脅威として認識され警戒対象になっている[14][23]。
-
- 来歴
- 士官学校在学時にユン・カーファイに出会い、八葉一刀流の指南を受ける(「FC」の20年以上前の出来事)[24]。
- 「FC」の10年前(1192年)に起きた《百日戦役》において、リベール王国は国土の大部分をエレボニア帝国軍に占領されるが、警備飛行艇を用いた戦術で帝国軍を分断各個撃破する反攻作戦を立案、指揮して、その侵攻を食い止める[25][26]。この戦役で妻を失ったことで、戦役後に軍を退き、剣も捨て、遊撃士に転向する[25][注 12]。
- 「FC」の4年前(1198年)に、遊撃士協会と複数の国の合同で行われた《D∴G教団》殲滅作戦の総指揮を執り[27][28][22]、その功績により遊撃士ランク・S級に昇格[14][W 8][書 13]。
- 「FC」 - エレボニア帝国で《帝国遊撃士協会支部連続襲撃事件》が発生し、救援のために王国を離れ、解決に尽力する[23]。このため、同じタイミングでリベール王国で発生していた王国軍情報部による陰謀には介入できなかった。一連の事件の後、弱体化した王国軍を立て直すべく軍務に復帰[14]。
- 「SC」 - 王国軍に復帰して間もなく、モルガンから司令[29]と作戦本部長の座を委ねられ、事実上、軍のトップとなる[30]。リベールに陰謀の影が迫っていることは予感していたが、自身は軍務に忙殺されることになったため、陰謀への対処をエステルらに委ねる[31]。そんな中でも結社の動きを読んで《零力場発生器》製作をラッセル博士に事前に依頼したり[12]、リシャールら旧情報部を隠し札にするなど[32]、策を講じて結社に対抗する。終盤には帝国軍の第三機甲師団により国境のハーケン門に侵攻を受けるが、オリヴァルト皇子と一芝居打つことでこれも退ける[32]。《リベル=アーク》攻略には状況を考慮して参加しなかったが[32]、その崩壊に際して、古い知己である古竜レグナートの力を借りてエステルとヨシュアを救う[33]。
- 「the 3rd」 - 《影の国》によって守護者として再現されて主人公たちの前に敵として現れ、「FC」と「SC」では謎だったその圧倒的な実力を見せることになる[21]。
- 「閃IV」 - リベール王国軍総司令、中将になっている[10][1]。ミュゼの招待により、クローディア王太女とともにパンタグリュエルでの極秘会談に参加し[1]、《
千の陽炎 ()》作戦で最高司令官を務めることが決まる[22]。世界大戦前日にはユン老師に代わってリィンに奥義伝承の試しを行う[34]。帝国の異変が収まった後はヴァンダイクとともに世界大戦を停戦させた[35]。
- 人物
- 基本はしっかり者だが、家族の前ではおちゃらけており[2]、ヨシュアからは「(エステルと一括りにして)似た者父娘」と呆れられている[4]。家族に対する愛情は深く、実娘のエステルはもちろん、養子のヨシュアにも惜しみない愛情を注いでいる[36][18]。王国軍の部下や遊撃士協会の後輩たちへの面倒見も良く、多くの者に慕われている。
- その人物は、海のように懐が深い、雄大な強さを持つと形容される[12]。《理》に至った達人と言われるカシウスの強さの真の理由は「本質を見抜く」ことにあるとされ、遊撃士としても軍の司令官としても常人離れした力を発揮できるのはそれが理由だとされる[12][21]。その力は多くの人に影響を与え、そうした人々の力をまとめることによって、一人では不可能なことでも必ず成し遂げることができる、というものである[21]。
- 《剣聖》
- 八葉一刀流のユン・カーファイから「一の型《螺旋》」と「七の型《無》」を授かり[22][注 13]、《剣聖》と呼ばれるほどの剣の使い手だったが、遊撃士になった際に剣を捨て、棒術を扱うようになった[24]。自らの武の型を「無にして螺旋」と称し[21][注 14]、それを示すように回転の力を駆使した攻撃を繰り出す。
- 棒術も、ダン・ラッセルに教わった基礎をベースに、自分なりに解釈した八葉の教えを組み込んだものとしており[22]、剣の達人であるヴィクター、アリオスと伍するほどの腕前を持つ[34]。
- 「閃IV」ではユン・カーファイの代理で、八葉一刀流の兄弟子(師兄)として剣を執り、リィン・シュバルツァーに「七の型《無》」の奥義伝承の試しを行い、奥伝を授ける[34]。
- レナ・ブライト
- 登場作:『空』
- 声:板東愛(『空』OVA)
- カシウスの妻でエステルの母親。優しくも強い女性で、カシウスですら彼女には頭が上がらない[3]。《百日戦役》の折、ロレントの街のシンボルである時計塔の崩壊からエステルを守った末に亡くなっている[4]。
- レン(レン・ブライト)
- 登場作:「SC」B・「the 3rd」P・『VII』・『暁』P・「閃IV」S・『創』P・「黎I」・「黎II」P/B・「界」P
- 声:西原久美子(『空』・『VII』)→悠木碧(「閃IV」以降)
- 年齢:11歳(「SC」[W 2])→12歳(「the 3rd」[W 3]・『VII』[書 16][注 15])→16歳(「閃IV」[書 17])
- イタズラ好きでおしゃまでおませな少女。その正体は結社《身喰らう蛇》の執行者No.XV《
殲滅天使 》。身の丈ほどもある巨大な鎌を振るい、容姿に似合わぬ強烈な一撃で敵対者を殲滅する。 - あらゆる情報を瞬時に吸収して自分の力として取り込んでゆくことができ、どんな環境にも即座に適応して自分と周囲を制御してゆくということができる天才[36]。
- 《十三工房》で開発された巨大人形兵器《パテル=マテル》を操る。
-
- 来歴
- クロスベル自治州の貿易商人ヘイワース夫妻の間に長女レニ・ヘイワースとして生まれる[38][39]。物心つく頃に両親が商売で失敗し、一時的にカルバード共和国の夫妻の友人の元へと預けられる[40][注 16]。
- 1196年頃、その友人宅が《D∴G教団》に襲われ、教団に拉致される[40]。その後は教団ロッジ《楽園》に連れて行かれて、《グノーシス》を投与され続け、天才的な適応能力を示して他の検体である少年少女の人格を取り込んでいくこととなる[41][注 17]。《楽園》では投薬実験を受けるとともに虐待を受け続け、そうした生活が半年ほど続いた頃[36]、結社の任務で《楽園》を壊滅させたレオンハルトとヨシュアによって救出される[42]。結社で適性を認められて執行者候補となり[42]、この時期にレーヴェからは武術を、ヨシュアからは隠形術を学び、結社のほかの者たちからもそれぞれが得意とするところの様々なことを習得する[36]。その後、ヨシュアが結社を去った(1197年)後、《パテル=マテル》を使役するようになるとともに[36]、正式に執行者となる[42][注 18]。
- 「SC」 - 当初は正体を隠し、ヘイワース夫妻を模した人形とともに旅行者と偽ってエステルたちの前に現われる[30]。その後正体を現し、執行者としてエステルたちの前に立ちはだかる[29]。両親の抱えていた事情を全く知らないために実の両親を偽物と呼び、常に自分のために行動する《パテル=マテル》を本当の両親と呼ぶ。エステルとは数度の交戦を経て《リベル=アーク》の中枢塔で対峙し、戦闘の決着後、あくまでレンを更生させようとするエステルが差し伸べた手を困惑ととともに拒絶し、《パテル=マテル》とともにいずこかへと飛び去っていく[43]。
- 「the 3rd」 - 《リベールの異変》終息後は結社に戻らず、自分を捜しているエステルとヨシュアから逃げながら《パテル=マテル》とともにさまよっていた。そんな中で《影の国》に取り込まれ[44]、再会したエステルたちと触れ合ううちに、彼女に対する態度を少しずつ変えてゆく。最終決戦の後、レンを家族として迎えたいと申し出るエステルとヨシュアに対して気持ちの整理はつけられず、エステルに捕まらないよう全力で逃げると言い残し、《影の国》を立ち去る[45]。
- 「零」 - クロスベル自治州のローゼンベルク工房に身を潜め、導力ネットワークの扱いをすぐに覚えて《
仔猫 ()》と名乗りハッキングを行い、ハッキングの天才を自称するヨナをも上回る腕前を見せつつ、気ままに過ごす[46]。《特務支援課》のロイド・バニングスらの気遣いによって両親の真実を知ってわだかまりがなくなり[40]、これによりクロスベルに来た理由のひとつがなくなる[書 18]。パテル=マテルの修復も終わり、教団における人体実験の首謀者がヨアヒムであることも突き止め[47]、《太陽の砦》で特務支援課に加勢してヨアヒムの最期を見届ける[48]。これによりクロスベルに滞在する理由は全てなくなり立ち去ろうとするが、頑なに閉ざしていた心をレンの過去を全て受け止めた上で家族として迎えたいと言うエステルとヨシュアに対してようやく開き[48]、一連の事件が終わった後でブライト家に迎えられた[49]。 - 「碧」 - 《パテル=マテル》、エステル、ヨシュア、とともにクロスベル市解放作戦に加勢し、アイオーンTYPE-γと交戦[8]。その戦いで、《パテル=マテル》は絶体絶命のレンを助けるべくアイオーンを道連れに自爆し、3人に見守られながら別れの言葉を遺して機能を完全に停止してしまい[8]、《パテル=マテル》を失ったレンは悲嘆にくれる[50]。
- 「閃III」 - ティータの回想で、後ろ姿のイラストのみ登場[9]。ジェニス王立学園に通いながら遊撃士協会の手伝いをしつつ、リベール王国の導力ネットワーク構築に貢献しているということが、ティータによって語られている[9]。ティータが帝国への留学を希望した際、周囲が反対する中で唯一賛同し、周りの人々を説得[9]。ティータと再会したら互いにひとつだけ頑張ったことを話そうと約束している[9]。帝国、特にクロスベルに自分も行きたかったが事情があって行けなかった[9]。
- 「閃IV」 - 学園を休学し、エステルとヨシュアとともにクロスベル入りし、ロイドらとも協力してオルキスタワーに潜入して帝国の情報を探る[10][注 20]。クロスベルに来たVII組に助力し[52]、キーアとともにエリンの里までVII組に同行し、リィンが囚われている《黒の工房》の位置の特定に協力し[53]、リィン救出作戦もバックアップする[51]。その後はミュゼの招待によりパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、ティータらとも再会[1]。パンタグリュエルでの一件後は《光まとう翼》の一員として活動し、引き続きエステル、ヨシュアと行動をともにする。終盤、両親であるヘイワース夫妻に対面する[38][39]。最終決戦では、エステル、ヨシュアらとともに《塩の杭》のひとつを攻略しに向かい、巡り合わせにより《パテル=マテル》の仇の後継機(の複製)であるアイオーンTYPE-γII・ニゲルと対峙する[11]。
- 人物
- わがままな気分屋でマセていて、こまっしゃくれていて何でも面白がる癖があるが、意外と面倒見が良く他人を気遣うこともできる、とエステルに評されている[21]。化学、数学、情報理論の博士号を習得しており、代理人を通じて定期的に論文も発表している[W 2]。
- 「殲滅天使」という二つ名については気に入っていない旨を表明しており[29]、「閃IV」の頃には「ちょっとした黒歴史」だと言っている[10]。
- 《パテル=マテル》
- レンによって使役される《ゴルディアス級》人形兵器。全高15.5アージュの巨体に加え、《十三工房》で開発された最新鋭の性能と能力を誇っており、導力エネルギー砲を主体とした各種導力兵器を備え、飛行能力も有する[54]。パワー、装甲ともに「FC」ラストボスの《トロイメライ》以上と言われている[36]。
- 自我を持っているが、正確な意思疎通を行えるのは使役者であるレンのみ。さらに「零」では改修を受けたことで自己判断に従っての行動ができるようになり[48]、この自己判断しての行動は「零」と「碧」において大きな役割を担うことになる。
-
- 「SC」 - レンからはなんでも言うことを聞いてくれる「パパとママ」として見られており、家族のように大事にされている。レンに従いエステルらの前にたびたび姿を現し、《琥珀の塔》で交戦し[36]、次いで《リベル=アーク》の中枢塔の戦いでは、レンの命令によりリミッターを解除して戦闘に参加する[43]。
- 「the 3rd」 - プレイヤーの選択次第で登場する。レンが《影の国》の中で、《影の国》の特性を利用して再現した複製品を実体化させることができる[21][注 21]。
- 「零」 -「SC」でエステルらとの戦闘で脚部の関節部を破損したため[43]、レンの依頼を受けたヨルグによる修理を受ける。姿勢制御と関節部分が弱点だったが、ヨルグによる改修を受けたことでこれらの欠点も克服する[55]。レンとともに最終決戦の場に駆けつけ、ロイドたちを絶体絶命の窮地から救い出し、彼らに勝機をもたらす[48]。決戦を終え、エステルとヨシュアから逃げようと抵抗を見せたレンを自身の判断でエステルたちのほうに後押しし、彼女らが和解する最後のきっかけを作った[48]。
- 「碧」 - 「零」の後でリベールに去ったレンには同行しなかったようで、ローゼンベルク工房に置かれている[56]。終盤、クロスベル市解放作戦に加勢するためクロスベルに戻ってきたレンに従い、アイオーンTYPE-γと交戦する[8]。その際、絶体絶命のレンを助け、相打ちになる形でアイオーンTYPE-γとともに上空で自爆し、レンに見守られながら別れの言葉を遺して機体としての死を迎える[8]。後にこの話を聞いたロイドたちは、ヨアヒム・ギュンターとの戦いで助けてもらったことを思い出し改めて感謝を示した[50]。
リベール 遊撃士協会
[編集]王都グランセルを含む五大都市に支部があり、各地方での活動を管轄している[注 22]。準遊撃士が正遊撃士になるには5支部全てからの推薦状が必要になる。
遊撃士
[編集]- シェラザード・ハーヴェイ
- 登場作:『空』P・『暁』P・「閃IV」O・『創』O
- 声:塩山由佳
- 年齢:23歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→24歳(「the 3rd」[W 3])→26歳(「閃IV」[注 23]))
- ロレント支部に所属する女遊撃士。「《
銀閃 》のシェラザード」の異名を持つ。鞭の使い手だが併行してアーツも駆使する攻撃を得意とするタイプ[30]。 - エステルとの付き合いは長く、「シェラ姉」と呼ばれ、頼れる姉貴分として慕われている[注 24]。
-
- 来歴
- 幼少期をスラム街で身寄りのない孤児として過ごしており、生き延びるためにスリ、置き引き、かっぱらいといった軽犯罪を繰り返す荒んだ生活を送っていたが、7歳くらいの時(1186年頃)に旅芸人集団「ハーヴェイ一座」の座長に拾われる[12][58]。一座で姉貴分となったルシオラに様々な芸を教わり[12]、やがて踊り子として一座の芸人に加わる[58]。
- 「FC」の12年前頃(1190年頃)、巡業で訪れたロレントでエステルをきっかけとしてブライト家と親しくなり[3]、以降巡業でロレントを訪れる度にブライト家に遊びに行く関係となる[4]。
- 「SC」の8年前(1194年)、ハーヴェイ座長が死去したことで一座が解散し、ルシオラも姿を消したため、唯一頼れる大人だったカシウスを頼り、彼の指導で遊撃士を目指す[4][3][12]。
- 1197年[書 20]、準遊撃士としてリベール王国の各地方を回って各地の遊撃士協会から推薦状をもらい、正遊撃士となる[58]。
- 「FC」 - ロレント支部所属の正遊撃士としてエステルとヨシュアの遊撃士研修(ブレイサー研修)を担当し、最終試験に合格した二人を準遊撃士に任命[4]。その後、カシウスが行方不明になり、エステルとヨシュアとともにボース地方まで旅をともにする[57][注 25]。ボース地方の事件の解決後、ロレントに一旦帰るが、終章では応援として王都に向かい、エステルらに協力する[14]。
- 「SC」 - 《身喰らう蛇》の調査を依頼され、王国内を回る[30][注 26]。かつての姉分で結社《身喰らう蛇》の執行者となったルシオラと再会し、たびたび対峙、交戦することになる[3]。
- 「the 3rd」 - ロレントでアイナと飲んで酔いつぶれていたところ《影の国》事件に巻き込まれる[13]。「月の扉」では準遊撃士時代にグランセルで修行をしており、その時にロレント支部受付となるアイナとの出会いが描かれる[58]。
- 「閃III」 - 直接は登場しない。帝国の遊撃士協会を助けるため、アガットとともに帝国入りした[9]。帝都ヘイムダル地下で共和国の特殊部隊《ハーキュリーズ》の掃討作戦が行われた際はアガットやVII組らとは別のエリアを受け持ち[59]、黒キ星杯が出現した際にはティータの傍にいるようにアガットの尻を叩いている[60]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》後は他の遊撃士たちとも連絡を絶ち、密かにオリヴァルト皇子らと合流し[1]、カレイジャスIIでパンタグリュエル救援に駆けつけた[61]。パンタグリュエルでの一件後は《光まとう翼》の一員として活動し、世界大戦終結後にオリヴァルト皇子と結婚する[62]。
- 『創』 - オリヴァルト皇子(オリビエ)と結婚した事で、エレボニア皇族の一員に加わり、姓が「アルノール」に変わっている。遊撃士協会には名前だけは残しているが、立場が立場である為、事実上は遊撃士を引退。カレイジャスIIでオリビエと共に新婚旅行に赴くも、ノルドで反軍縮派の帝国師団に拘束されてしまうが、リィンらの活躍により救出。この時点でオリビエとの子を妊娠している。
- 人物
- リベールの若手遊撃士の中でも1、2を争う凄腕で、エステル、ヨシュアらの遊撃士としての師でもある[4]。自身は自他ともに認めるカシウス・ブライトの一番弟子であり、彼のことを「先生」と呼んでいる[14][21]。
- 芯の強い人物で[13]、姉御肌で後輩たちの面倒見も良いが、大酒飲みでカラミ上戸という悪癖も持つ[W 1]。
- 物腰は丁寧だが、口が悪いところもあり、エステルに教育上良くない単語を教えていたりもする[18]。また、敵に対してはサディストの一面をみせることもある
- 酒は未成年の頃から嗜んでおり[3]、酒量は底なしで[29]、酒好きのサラでさえ撃沈するほどの大酒飲み[59]。加えて酒癖の悪さは折り紙付きで、本人は自分と同じペースでゆっくり酒を楽しんでほしいだけだと語るが、そのペースは相当に速く[29]、絡み酒でもあるため[58]、同席する機会が多いオリビエから恐れられている。
- 同年齢の遊撃士であるサラのことは意識しており、サラは最年少のA級遊撃士で若手ではトップクラスで、カシウスにも頼りにされていたことから嫉妬を感じていたが[63]、酒好きという共通点があり、一度飲んだら意気投合した[22]。
- 口癖は「慎重に、そして確実に」で、準遊撃士時代から口にしている言葉であり[58]、後輩のエステルやアネラスも真似して使っている[31]。
- アガット・クロスナー
- 登場作:『空』P・『暁』P・「閃III」S・「閃IV」S・『創』P
- 声:近藤孝行
- 年齢:24歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→25歳(「the 3rd」[W 3])→28歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」[1][書 22])
- 「《
重剣 》のアガット」の異名を持つ正遊撃士。二つ名の示す通り身の丈を超すほどの巨大な剣を武器としており[64]、直接攻撃を中心としながらアーツは補助に使うという戦闘スタイル[30]。 -
- 来歴
- 「FC」の10年前の《百日戦役》で故郷のラヴェンヌ村が戦火に晒され、妹を亡くす[12]。妹の死に責任を感じたことで、償いの方法を探し求めて村を飛び出し、その答えが見つからない憤りから荒れた生活を送る[12]。
- ルーアン地方に流れ着き、不良集団《レイヴン》のリーダーをしていたが、カシウスによって更生し[注 27]、遊撃士になる[16][注 28]。
- 「FC」 - ボースでの空賊事件が起きる少し前に、カシウスから黒装束の男たち(情報局の特務兵たち)の調査を頼まれ[2]、道すがらエステルらとも顔を合わせる[57]。特務兵を追ってツァイスまでたどり着き、そこでエステルとヨシュアに協力し、誘拐されたラッセル博士を救出し、ラッセル博士とティータを安全な場所まで連れて逃げる役目を買って出る[2][注 29]。
- 「SC」 - 《身喰らう蛇》の調査を依頼され、王国内を回る[30][注 30]。「FC」から「SC」において《剣帝》レオンハルト(レーヴェ)とはたびたび激突し戦っていたが[2][注 31]、彼の正体が判明した「SC」では全く歯が立たず敗北し、手加減されていたことが判明する[12]。そのことから一時自暴自棄になってしまうが、ティータや仲間たちの支えによって立ち直り[12]、レーヴェも認めるほどの剣士へと成長を果たした[20]。
- 「the 3rd」 - ツァイスに到着し、飛行船発着場でダン・ラッセルと出くわしたところで《影の国》事件に巻き込まれる[13]。
- 「閃III」 - 帝国の遊撃士協会を助けるため、シェラザードとともに帝国入りし[9]、トールズ士官学院・第II分校に入学されたティータの付き添いも務める[67]。14年前にリベール王国と帝国の間に起こった《百日戦役》の発端となる《ハーメルの悲劇》の真相を探ろうと独自に動き出す。《第II分校》のサザーラント州での特務実習では、リィンたち《旧VII組》に協力し、ハーメル事件のことを話す[26]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》後はトマスやランディと合流し、《黒の工房》ではリィンたちに加勢し脱出を援護する[51]。その後、ティータ(とアルフィン皇女)救出作戦[68]、パンタグリュエルでの極秘会談に参加[1]。パンタグリュエルでの一件後は《光まとう翼》の一員として活動し、最終決戦ではエステルらとともにリベール組で《塩の杭》のひとつの攻略を引き受ける[11]。
- 人物
- がさつな口調や熱い人柄の一方、遊撃士としての慎重さと冷静な判断力を持っており、状況に対しては思慮深く判断を下す。誰に対しても横柄な態度を取るものの、対応そのものは丁寧[12]。厳しい性格の持ち主でもあり、遊撃士の仕事に人一倍責任感とプライドを持っており、新米遊撃士のころのエステルたちに対しても甘えを許さなかった[16]。
- 地元であるリベール王国を中心に活動しているが、特定の所属支部を決めることはせず、王国全土を渡り歩いている[30][書 23]。しかし、ロレントにはカシウスがいるため敬遠して寄り付かず、そのため「FC」で旅するエステル、ヨシュアと実際に会うまで彼女らと面識がなかった[30]。カシウスのことを父親のように見ている節があり、(偉大な父親に反抗期の息子が持つような)コンプレックスを感じている部分がある[69][書 24]。
- 「SC」の古竜レグナートをめぐる一連の事件以来ティータに対しては頭が上がらなくなってしまい[12]、それ以降もティータとの関わりが深くなっていき、ともに戦った仲間たちからは「年の差カップル」とからかわれるようになった[13]。アガット本人はティータは年の離れた妹みたいなもので、妙に懐かれている関係だと言っているが[26][注 32]、ティータとの仲を知ったエリカ・ラッセルからは目の敵にされており、散々な目に遭わされることになる[66][72]。
- クルツ・ナルダン
- 登場作:「FC」・「SC」S・「the 3rd」・『暁』
- 声:金子英彦
- 王都グランセル支部所属の正遊撃士。29歳(「FC」・「SC」[書 25])。
- 槍術と東方由来の「方術」を操り、リベール王国ではカシウスに次ぐ実力を持つ遊撃士とされている[30]。後輩の育成にも積極的に取り組んでいる。遊撃士ランクは「SC」序盤の時点でB級で、もうすぐA級に昇格予定と言われている[30]。
- 実力は確かなのだが、作品中では桁違いの実力を持つ敵の相手をしているために不覚を取るシーンが目立つ。
- 新人の頃は王都グランセル支部の受付を兼業していたこともある[58]。「SC」でスポット加入する他、「FC」では武術大会で対戦相手として当たり、「the 3rd」では《影の国》によって守護者として再現され主人公たちの前に敵として現れる。「the 3rd」から「零」にかけてのエステルとヨシュアが不在の期間もリベール唯一人のA級遊撃士として実績を上げていたらしく、「暁」では市民にも犯罪者にも名前が知られている。また、とある事件の支援のためにクロスベルから派遣されてきたナハトとクロエに戦闘の指南を行った。リベール王国で爆破テロの予告があった際は王都防衛を担当し、単身で《ニーズヘッグ》の部隊員の20名以上撃破、同時に部隊長であるアイリを一撃で退けA級遊撃士の力を見せつけた。
- アネラス・エルフィード
- 登場作:「FC」・「SC」S・「the 3rd」P・『暁』P
- 声:大河内雅子
- 年齢:18歳(「FC」・「SC」[W 2])→19歳(「the 3rd」[W 3])
- ボース支部に所属する正遊撃士の少女。出身もボース地方で、「FC」で新米の正遊撃士として登場し、「SC」ではランクFに昇格している。大きなリボンが特徴でかわいいものに目がなく、「可愛いことは正義」が口癖[31][13]。
- 祖父ユン・カーファイから八葉一刀流を学んでおり[24]、直弟子にはあたらないものの[1]、総合的な潜在能力は高いとユンから評価されている[1]。アネラスにとってカシウスは剣の兄弟子にあたる。後にエステルの活躍に刺激され、よりいっそう修行に励むようになる。
- 「FC」登場時はただのサブキャラクターだったが一部で高い人気があったため、「SC」ではスポット加入を果たし、「the 3rd」でプレイヤーキャラクターに昇格してエステルらとともに行動するようになった[書 26]。
- 来歴
- 「FC」 - エステルらとボース地方で出会うほか[57]、終章の武術大会では対戦相手として登場する[14]。
- 「SC」 - 序章でエステルとともにル=ロックルに赴き、特訓をともにする[31]。その後、クルツらと探索任務を行い、ヴァレリア湖北西で《結社》の秘密施設を発見し潜入するが捕らえられ、ワイスマンの暗示にかけられてエステルらの前に敵として現れる。ケビンの法術により暗示から解放される[21]。
- 「the 3rd」 - 《影の国》事件に巻き込まれる[13]。
- 「閃IV」 - 本編には登場しない。エンディングで帝国の混乱収拾に協力するため大陸各地から派遣されてきた遊撃士の一人として登場している[35](服装が『空』の頃とは異なっている)。
- カルナ
- 登場作:『空』・『暁』P
- 声:大河内雅子(みんな集まれ!ファルコム学園) → 柚木涼香(『空Evo』)
- 主にルーアン地方を拠点に活動する女遊撃士。導力銃とオーバルアーツを得物とする後方支援型で、姉御肌。
- 「FC」、「SC」ではクルツ、アネラス、グラッツとのチームで活躍することが多い。「FC」では武術大会で対戦相手としてエステルたちと当たり[14]、「SC」ではワイスマンの暗示により[19]、「the 3rd」では《影の国》によって再現され[21]、それぞれ主人公たちの前に敵として現れる。
- 『暁』では、遊撃士を志したクロエに助言や支援を行ったことがクロエから語られる。
- グラッツ
- 登場作:『空』・『暁』P
- 声:近藤孝行(みんな集まれ!ファルコム学園)→ 野島健児(『空Evo』)
- ボース支部所属の正遊撃士。赤髪を特徴とする青年。大剣を得物とし、必殺技は「グラッツスペシャル」等、必ず自分の名前が頭についている。
- エステルとヨシュアとは護衛の任務の際に偶然すれ違い知り合った[57]。
- 「FC」、「SC」ではクルツ、アネラス、カルナとのチームで活躍することが多い。「FC」では武術大会で対戦相手としてエステルたちと当たり[14]、「SC」ではワイスマンの暗示により[19]、「the 3rd」では《影の国》によって再現され[21]、それぞれ主人公たちの前に敵として現れる。
- 『暁』ではクロエにその赤髪からアガットに間違えられていた。
- その他の所属遊撃士
-
- リッジ
- 「FC」・「SC」・「the 3rd」に登場。ロレント支部所属の正遊撃士[注 33]。エステル、ヨシュアと同じく、シェラザードに師事し、「FC」時点で遊撃士になって3年目の若手。
-
- スティング
- 「FC」・「SC」に登場。ボース支部所属の正遊撃士。腕は立つが、無愛想で寡黙[注 34]。
-
- メルツ
- 「FC」・「SC」に登場。ルーアン支部所属の準遊撃士。語尾に「ッス」と付けて砕けた口調で話す人物。
-
- グンドルフ
- 「FC」・「SC」・「the 3rd」に登場。ツァイス支部所属の正遊撃士。ベテラン遊撃士で、カシウス・ブライトが抜けた後、リベール王国の遊撃士では一番の古株となる。
-
- ウォン
- 「FC」・「SC」・「the 3rd」に登場。ツァイス支部所属で、若手の正遊撃士。東方出身。
- ロッコ、ディン、レイス
-
- ダン・ラッセル
- リベール王国で活動していた元遊撃士。詳細は「#ダン・ラッセル」を参照。
受付
[編集]- アイナ・ホールデン
- 登場作:『空』・『創』
- 声:鹿野優以
- ロレント支部の受付。
- シェラザードをザルとしたらアイナはタガが外れているというほどの酒豪で、いくら酒を飲んでも顔色一つ変えない[57]。そのせいで何も知らず飲みに付き合ったオリビエ(オリヴァルト皇子)は悪夢を見ることになり、それがトラウマと化している[14][29]。「SC」では彼女に一目惚れしたアントンが、絶対に酔わない薬を使って飲み比べ勝負を挑んできたが、用法を誤ったために酔いつぶされている[12]。
- 実はホールデン飛行公社という会社を経営する富豪の家の出で、アイナが祖父サウル・ジョン・ホールデンの遺産を相続することになったことを発端とする遺産相続問題の時に当時準遊撃士のシェラザードに助けてもらっており、彼女とはその頃からの付き合いである[58]。なお遺産はアイナに相続完了された直後、彼女の意思でリベール王国の福祉政策に全額寄付された[58]。
- 仲間からの信頼は厚いが、慎重な性格と行動から急を要する事態では周囲と意見がくいちがうこともあった。
- ルグラン
- 登場作:『空』
- 声:平井啓二
- ボース支部で受付を務める好々爺。リベールの遊撃士支部では古参であり、皆からは「ルグラン爺さん」と呼ばれている。《百日戦役》以前は当時のリベールで唯一の支部であった王都グランセル支部で受付を務めており、《百日戦役》後に他の五大都市にも支部が設立され始めた際、新設されたボース支部へ赴任した[12]。
- ジャン
- 登場作:『空』
- 声:石川英郎
- ルーアン支部の受付。人当たりが良く優秀なのだが、好奇心が強く不要なことにも首を突っ込みたがるのが玉にキズ。
- キリカ・ロウラン
- ツァイス支部の受付。詳細は「#キリカ・ロウラン」を参照。
- エルナン
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:岸尾だいすけ
- グランセル支部の受付。物腰が柔らかく、礼儀正しい青年。「the 3rd」でシェラザードが準遊撃士だった頃の話(「FC」の話より5年前)では登場していないことから[58]、リベール王国で受付を務めるようになってから5年も経っていない可能性がある。情報収集・分析能力に優れているだけでなく、作戦立案など用兵にも通じていて、「FC」では軍の1個中隊と特殊部隊が守るエルベ離宮解放作戦を立案し、精鋭とは言え10数人程度の兵力での制圧を成功させている[3]。
王族とその関係者
[編集]- クローディア・フォン・アウスレーゼ(クローゼ・リンツ)
- 登場作:『空』P・「碧」・『暁』P・「閃IV」・『創』
- 声:皆口裕子
- 年齢:16歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→17歳(「the 3rd」[W 3])→18歳(「碧」[書 27])→20歳(「閃IV」[注 35])
- 女王アリシアII世の孫。「FC」・「SC」では身分を隠して偽名クローゼ・リンツを名乗り、ジェニス王立学園に通う女学生として登場した。「SC」途中で次期女王となる決意を固め、王太女となる[32]。
-
- 来歴
- 生まれて間もない頃(1187年)に両親を亡くし、祖母に引き取られて育つ[16][73]。
- 《百日戦役》(1192年)の際、たまたま訪れていたルーアンで混乱に巻き込まれて保護者と離ればなれになり、戦役が終わるまでの数か月間をルーアンで孤児院を営む夫妻の世話になり、家族がどのようなものか知る[16]。
- 「FC」の1年前(1201年)に、「クローゼ・リンツ」として身分を隠してジェニス王立学園に編入の形で入学[74]。当時生徒会長だったレクター・アランドールらと知り合う[74]。
- 「FC」 - ジェニス王立学園の2年生として在学中、エステルとヨシュアが学園に滞在することになり、行動をともにする[16]。その間にヨシュアに好意を寄せるようになるが、エステルとヨシュアの互いの気持ちを知っているため、自らは一歩引いてエステルを応援する立場をとる[30]。エステルらと一旦別れた後、女王生誕祭に合わせて王都に帰省したところでリシャールら情報部に囚われ、エステルらに救出され、自らの身分を明かす[14]。
- 「SC」 - 「FC」の事件後、ジェニス王立学園で普段通りの生活に戻っていたが、ヨシュアを探す旅をしていたエステルに協力し、旅の仲間となる[30]。デュナンと並ぶ王位継承順第1位であり[14]、「SC」の物語の中で、自分が次期国王として相応しくないのではないかと思い悩み続けるが、エステルたちとの交流の中で決意を固め、略式ながら立太女の儀を経て王太女となる[32][注 36]。
- 「the 3rd」 - 《影の国》事件に巻き込まれる[29]。
- 「碧」 - 祖母アリシアの名代として「西ゼムリア通商会議」に出席するためにユリアとともにクロスベルを訪れる[37]。会議に先立って、オリヴァルト皇子とともに特務支援課に接触し、会議を取り巻く事情を語り、《帝国解放戦線》と《反移民政策主義》によるテロが発生する可能性を密かに伝える[37]。
- 「閃IV」 - リベール王国代表としてカシウスとともにパンタグリュエル号を訪れ、《千の陽炎》作戦への参加を承認する[1]。
- アリシア・フォン・アウスレーゼ(アリシアII世)
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:笹木綾子(『空』ドラマCD)→勝生真沙子(『空Evo』)
- リベール王国の女王で、第26代国王[25]。60歳(「FC」[14][注 37]・「SC」)。
- 40年以上に渡って王国を統治し[73]、巨大な軍事力を誇る帝国と共和国に挟まれながらも、したたかな外交力で互角の立場を維持させている。慈愛をもって国政に励む姿から国民に慕われている。クーデターを起こしたリシャール[75]、強盗と脱獄の罪を犯したカプア一家らに対し[76]、国に貢献したという理由で恩赦を与えている。
- 《百日戦役》は裏面の事情を知らされていたが、苦悩の末、一日でも早い平和の実現のために停戦協定に応じた[77]。《ハーメルの悲劇》については帝国とともに沈黙することになり、その後も後悔を抱えることになる[25]。
- 『空』のリベール王国を取り巻く設定は『アップフェルラント物語』の影響があり[書 29]、アリシアII世は同作のカロリーナ2世からのフィードバックが見られる。
- デュナン・フォン・アウスレーゼ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:阪口大助
- 公爵。アリシア女王の甥であり、クローディアと並んで王位継承順第1位に位置する次期国王候補の一人。劇画雑誌を読むことが趣味でドーナツが好物。35歳(「FC」・「SC」[書 25])。
- 放蕩癖があり、わがままで思慮の足りない性格ゆえ、いつも執事のフィリップを困らせている。酒癖が悪く、酔った時にメイドに扮したエステルと出会い「夜伽」を命じたりしていた[14]。
- 国王の座をチラつかされ情報部に利用されたものの、アリシアII世のことは君主としても伯母としても非の打ち所のない人物として尊敬している[29]。クローディアのことは女王としての器がある可能性については認めつつ、公式行事などにも出ず、上に立つ者としての覚悟を示していないことに苛立ちを覚えていた[29]。
- 「FC」では「劇中随一の愚者」というていで[書 30]、王族でありながらエステルらからも軽口を叩かれるなどするが、「SC」では人が変わったかのように王城の政務に精励するようになる。
- 「FC」終盤、エステル、シェラザードの怒りを買う発言をしてクローディアにも「さすがに弁護できない」と言われ3人の敵として登場するが、倒してしまうとボーナスポイントが得られなくなる。
-
- 来歴
- 「FC」 - アリシアII世が、自分を差し置いて女王になる覚悟も固まっていない未熟なクローディアを次期女王に指名しようとしていることに納得しておらず[29]、リシャールにそそのかされ、次期国王の座を餌に反乱の片棒を担ぐことになる[14]。
- 「SC」 - 反乱の片棒を担いだ罰としてエルベ離宮で謹慎の身だったが、人目を忍んで抜け出したところをカノーネらに捕らわれ、人質同然の状態でリシャール救出作戦に同行させられる[29]。デュナンとしてはもう懲りており、国王の座を約束されても情報部に協力するのは嫌がっていた。クローディアとエステルに叱咤され、次第に感化されていき、救出されてからは真面目に政務をするようになる。終盤、結社による王都襲撃の際には自ら兵を指揮して女王の楯となり、王族の意地を見せて男を上げた。この際、ブルブランとルシオラから「少々噂とは違っていた」、「少なくとも放蕩者には見えなかった」と評価を改められる[32][注 38]。
- 『暁』 - 武闘大会におけるカシウス暗殺阻止作戦に乗り、無知を装いながら司会を務めたが相手が猟兵団であることから内心恐怖し続けており、作戦成功時には緊張の糸が解けたのか気絶してしまった。
- 「閃IV」 - 登場はしない。エレボニア帝国の帝都ヘイムダルで開催された第二次・西ゼムリア通商会議にリベール王国代表として出席したことが『帝国時報』で報じられている[78]。
- フィリップ・ルナール
- 登場作:『空』・『暁』P
- 声:麻生智久
- デュナン公爵の教育係にして公爵の執事。公爵のわがままに振りまわされながらもその身を気遣い続ける苦労人。主人とは対照的に礼儀正しく、エステルらに対しても腰の低い態度を見せる。
- かつては「鬼の大隊長」と呼ばれた元王室親衛隊の大隊長であり、5つの神技を操る《剣狐》とも呼ばれるレイピアの達人[21][書 31]。老いてもなお実力は健在であり、実際の戦闘シーンはないものの、「SC」においてはグランセル城を襲撃してきた4人の《執行者》を相手に戦い、ヴァルターから「歯ごたえがあったのはあのジジイくらい」、ルシオラからは「なかなかの達人」と評されている[32]。
- 「the 3rd」にて、《影の国》によって守護者として再現され、主人公たちに立ちはだかる第一の関門として戦いを挑んでくる[21]。秘技「エスメラスハーツ」の演出は普段の穏やかな性格とは想像もつかないほどに派手で、高威力を誇る。この時にレンをパーティーに加えていると「ヴァルターやブルブランとばかり遊んでいてレンとは遊んでくれなかった」というやり取りが見られる。
- ヒルダ夫人
- 登場作:『空』
- 声:大越多佳子
- アリシア女王の信任厚いグランセル城の女官長。デュナン公爵の執事フィリップとは幼馴染みの間柄。「FC」でエステルたちを女王と引き合わせる仲立ちを行う[14]。
- セレスト・D・アウスレーゼ
- 登場作:「SC」(名が語られるのみ)・「the 3rd」(名が語られるのみ)
- リベール王家の始祖で、およそ1200年前の人物。《輝く環》を封印するため、仲間とともに《封印機構》を組織した。#隠者の庭園の住人も参照。
王国軍
[編集]掲載順番は階級順。
- モルガン
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:小原雅人
- リベール王国軍の国境師団所属の将軍[注 39]。62歳(「FC」・「SC」[書 25])。
- 《百日戦役》で帝国軍を撃退した功労者として知られ、リベール王国では教科書にも載っている[57]。
- 「FC」でエレボニアとの国境に位置する要塞ハーケン門の守将として登場する[57]。非常に頑固かつ短気な性格で、怒鳴り声のすさまじさは有名で、怒鳴られた新兵が泣くこともある。また極度の遊撃士嫌いでもある(これは、過去に自身の有能な部下であったカシウス・ブライトが軍を辞め、遊撃士としての道を歩んだことに起因する)。孫には弱い。
- 軍の機甲化以前は大斧槍(ハルバード)を得物として数多の敵兵を粉砕し、「リベールの武神」と称された豪傑[21]。前線に立たなくなった今でも毎年のように「武術大会」に出場している[29]。「the 3rd」にて他の軍人たちと同様、《影の国》によって守護者として再現され、主人公たちに立ちはだかる敵として戦いを挑んでくる[21]。
- カシウス・ブライト
- 《百日戦役》時に反攻作戦を立案・指揮。その後退役して遊撃士となるが、「FC」のクーデター事件後に軍に復帰。名目上、王国軍のトップはモルガンのままだが、モルガンの意向により、事実上のトップとなっている[31]。
- アラン・リシャール
- 登場作:「FC」B・「SC」・「the 3rd」P・『暁』P
- 声:三浦祥朗
- 年齢:34歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→35歳(「the 3rd」[W 3])
- 王国軍情報部の責任者を務める大変な切れ者。
-
- 来歴
- 士官学校を首席で卒業し、カシウス・ブライト率いる独立機動部隊に配属される[14]。以降、カシウスが退役するまで公私に渡って世話になり、《百日戦役》もカシウスの下で戦い、多大な戦功を挙げる[14]。カシウスの退役後は軍作戦本部に転属し、ここでも多大な功績を残す[14]。
- 「FC」の前年(1201年)に、情報部の設立を提案し容れられ、アリシアII世の承認の下、王国軍に情報部が発足し、その初代指揮官となる[14]。その後、「アルバ教授」を名乗っていたゲオルグ・ワイスマンの記憶操作能力によって《輝く環》の存在だけを記憶に残され、「王宮の地下に至宝が封印されている」という偽りの記憶を植えつけられ利用され始めてしまう[14][注 40]。
- 「FC」 - 情報部を率いて陰謀を進め、最終的に王城を掌握し、王城地下の封印区画に到達する[14]。自身が信じた計画は達成したものの、封印区画に《輝く環》はなく、意図せずに《第一結界》を解除してしまい、《環の守護者》トロイメライを復活させてしまう[14]。トロイメライと戦うエステルたちを援護するが、反撃され窮地に陥る[14]。そこを駆けつけたカシウスによって救われ、叱咤されたことで過ちを受け入れ改心、捕縛された[14]。
- 「SC」 - 国事犯として収監されていたが、未だに自分を崇拝していたカノーネがリシャール救出のため反乱を起こしたため、カシウスの計らいにより、自暴自棄となった彼女を説得する役目を与えられ、情報部の解散を宣言して彼らの未練を断ち切る[29]。終盤ではカシウスの計略に従い、結社《身喰らう蛇》の執行者たちによる王都襲撃を旧情報部の特務隊とともに阻止し、自身はシードとともに王城に駆けつけ、女王やエステルたちの窮地を救う[32]。その後はハーケン門に向かったエステルらに代わって、王都の守りを王国軍とともに引き受ける[44]。
- 「SC」の後、王都を結社の襲撃から守った功績から、アリシアII世から恩赦を受け釈放された[75]。軍を退役して故郷のルーアンに戻り、カノーネらかつての部下とともに民間の調査会社「R&Aリサーチ」を立ち上げ所長に就任する[79]。
- 「the 3rd」 - プレイヤーキャラクターのひとりとして登場[44]。退役したにもかかわらず情報部時代の軍服姿で《影の国》に送り込まれたことにとまどいつつ[44]、ケビンらに協力して《影の国》攻略にあたる。《影の国》の出口が現れると、名残惜しさから誰も動かない中、年長者の務めとしてジンとともに最初に《影の国》を去る[44]。
- 「碧」 - 登場はしない。クロスベル市解放作戦の頃、カルバード共和国のアルタイル市に出向いてきていることをレインズが語っている[8]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。王国の五大都市で帝国軍情報局が暗躍しており、R&Aリサーチ社がそれに対抗して動いていることが語られている[61]。終盤、レインズから帝国の状況について報告を受けている[34]。
- 人物
- 王国軍に入隊以来、カシウスの部下を務め、彼の不在を惜しむ気持ちと愛国心の強さから、彼なしのリベールの将来に強い不安を覚えており、その心の隙をワイスマンに突かれてしまう[14]。
- カシウスからリシャールへの信頼も厚く、彼が《百日戦役》後に軍を退役したのも「おまえ(リシャール)がいたから安心して軍を辞めることができた」と後に語っている[14]。リシャールの退役後も、リシャールが戻ってくれば自分はリシャールとシードに軍務を押し付けて自分は退役できるとカシウスから惜しまれている[21]。
- 本来は穏健派であり、問題が起こった際には仲裁役を買って出て場を沈めるタイプである。
- 退役後も多くの者から「大佐」と呼ばれ、その度にもう大佐ではないと訂正している。
- 八葉一刀流
- カシウスより剣術の指南を受けた居合いの達人で、八葉一刀流・五の型《残月》を多少アレンジして用いている[24]。その居合は神速と評され[14]、刀を鞘に納めるまで敵に斬られたことを気付かせないほど高速で鋭い。
- ユン・カーファイの直弟子ではないものの、素質は自分より上かもしれないとカシウスから評されており[34]、《剣聖の後継者》と目されている人物でもある[21]。「the 3rd」では既に軍は退役しているが、カシウスから継いだ剣はどんな立場であろうとも活かすことができるとして、剣の道を引き継いだことの覚悟を示している[21]。
- マクシミリアン・シード
- 登場作:『空』・『暁』P
- 声:高塚正也(『空』ドラマCD)→石川英郎(『空Evo』)
- リベール王国の軍人で、《百日戦役》以前はカシウスの部下だったこともある。既婚者。
- 戦闘ではリシャールに匹敵すると言われ、カシウス仕込みの剣技に加え、高度なアーツも駆使する。遠距離・近距離と距離を選ばない戦い方を得意とする。守備を要とする作戦で特に力を発揮するため、防衛作戦の際に指揮を執っている描写が多い。
- 律儀な性格をしている[21]。
-
- 「FC」 - レイストン要塞の守備隊長として登場[2]。リシャールに家族を人質に取られており、ラッセル博士誘拐などに協力させられるが、服従している振りをしながらエステルらを密かに手助けし、密かに博士を逃がす作戦に協力する[2]。
- 「SC」 - クーデター鎮圧時の活躍により、中佐に昇進[69]。カノーネからは「ただの昼行灯」と見られていたが、彼女が王都襲撃を計画した際は、それを見越してユリアを派遣し、彼女の襲撃を阻止する[29]。リシャールとは前作で脅迫を受けて服従させられていた関係だが、彼に私心がなく愛国心から動いたことは認めており、その彼が投獄されたことで昇進したも同然のため、カノーネの取調べの際には彼女からそのことを責められて気まずそうにしている[29]。ストーリー終盤にて執行者たちに王都を襲撃された際は、リシャールとともにエステルたちに加勢し執行者たちを退かせる[32]。
- 「the 3rd」 - モルガンやフィリップ同様、《影の国》によって守護者として再現され、主人公たちの前に敵として立ちふさがる[21]。この時点で指揮に関してはリシャールを超えているとリシャールに評されている[21]。
- 『暁』 - 大佐に昇進。ユリアとともに女王生誕祭におけるカシウス暗殺を阻止し、元ジェスター猟兵団員たちを捕縛する。
- カノーネ・アマルティア
- 登場作:『空』B・『暁』P
- 声:甲斐田ゆき
- 年齢:27歳(「FC」・「SC」)
- 王国軍情報部に所属する女性士官で、階級は大尉。
- リシャールに心酔しており、(彼と異なり暗示にかけられていたわけではないが)「FC」で彼の計画に加担する。知略を得意とし、リシャールの副官として作戦指揮の補佐をする立場にある[14]。
- ユリアとは士官学校の同期であり、自身の「文のカノーネ」に対して彼女は「武のユリア」と並び称されており、現在も強いライバル心を向けている。しかし互いに相手の気に入らない部分を意識しながらも当人を嫌ってはいなかった。
- 佐官にすぎないリシャールを「閣下」と呼んでいるが、これはリシャールもあまり良く思っていない[21]。
-
- 来歴
- 士官学校を優秀な成績で卒業し、軍作戦本部を経て、新設された情報部に異動し、リシャールの副官となる(1201年)[14]。
- 「FC」 - クーデター事件の中核に関わり、最終的にエステルたちに倒されるが、その後の混乱に乗じて逃亡したことが語られている[14]。
- 「SC」 - 結社《身喰らう蛇》の執行者であるレンからゴスペルを渡され[21]、収監されているリシャールを救うべく、元情報部の残党を集めて再起を図ったが、エステルたちに阻止される[29]。リシャールを助けられなくなったことで自暴自棄となるが、カシウスが連れられてきたリシャールに説得され、情報部解散を告げられたことで使命感から解放され泣き崩れる[29]。物語終盤、《結社》の執行者たちによる王都グランセル襲撃に際して、元情報部の特務隊を指揮して王都防衛にあたる[32]。
- 「SC」の後、王都を危機から救った功績により、リシャールらとともにアリシアII世から恩赦を受け、リシャールを追って軍を退役[75]。リシャールとともに民間の調査会社「R&Aリサーチ」を立ち上げ、秘書として補佐している[75]。
- 「the 3rd」 - 他の軍人らと同様、《影の国》によって守護者として再現され、主人公たちの前に敵として立ちふさがる[21]。
- オルグイユ
- 王国軍情報部が密かに製造していた導力戦車。最新鋭の技術が盛り込まれており、エレボニア帝国の戦車の二倍の火力に値するという。欠点としてはそれだけの兵器を動かすためのエンジンが手に入らないこと。そのため完成の一歩手前で保管されていたが、新型エンジンが手に入ったことでカノーネら情報部の残党によって完成。彼女たちの切り札となり、王城を襲撃して女王アリシアを拉致し、リシャール救出の材料にしようと画策していた。内部にはカノーネが入り込んで操縦する。圧倒的な火力と装甲によって他を寄せ付けない強さを披露するが、ケビンが手にしていたアーティファクトをぶつけられたことで大破。カノーネとの直接対決となり、決着をつけることとなる。
- ユリア・シュバルツ
- 登場作:「FC」・「SC」S・「the 3rd」P・「碧」・『暁』P
- 年齢:27歳(「FC」・「SC」[W 2])→28歳(「the 3rd」[W 3]・「碧」[書 33][注 15])
- 声:小松由佳
- リベール王国で女王直属の王室親衛隊で責任者を務める女性士官。クローディア姫の護衛兼養育係も兼務している。
-
- 「FC」 - 階級は中尉で、王室親衛隊の中隊長。この時点で王国親衛隊には大隊長がいないため、実質的な親衛隊長を務めている。新造された親衛隊所属艦アルセイユ号の指揮を任されており、試験飛行をしている際にルーアンで起きたダルモアの事件に介入し、その際にエステルらと面識を得る[16]。その後、情報部の陰謀により親衛隊が陥れられると[2]、自らは七耀教会のシスターに扮して再起の機会をうかがう[14]。
- 「SC」 - 大尉に昇進し、当初は親衛隊中隊長だが[29]、物語終盤で親衛隊大隊長となり名実ともに同隊の責任者となる[33]。終盤、アルセイユの艦長としてエステルらを同艦に乗せて《リベル=アーク》に乗り込む[33](PSP版からはプレイヤーキャラクターとして、終章でパーティーに加えることが可能になった[W 10])。
- 「the 3rd」 - アルセイユで演習に出ていたところ[29]、《影の国》事件に巻き込まれる[30]。
- 「碧」 - 准佐に昇進。引き続きアルセイユの艦長とクローディア王太女の護衛を兼任しており、彼女とともにクロスベルにやってくる[37]。
- 『暁』 - 女王生誕祭におけるカシウス暗殺計画を阻止するためにシードとともにカシウスの計略に加わり、首謀者のジェリコ部隊長と交戦、一撃で撃破する。
- 「閃IV」 - 本編には登場しない。少佐に昇進していることと[63]、《千の陽炎》の準備のためクローディア王太女に同行できず、リベールに留まらざるを得なかったらしいことが語られている[22][注 42]。そのためか、クローディア王太女はパンタグリュエルにはアルセイユではなくパンタグリュエル搭載の飛行艇で来訪している[1]。エンディングのみ登場しており、オリヴァルト皇子とシェラザードの結婚式に(ジークとともに)参加している[62]。
- 人物
- 生真面目な性格で、姫の護衛兼養育係としての職に誇りと愛着を持っている。
細剣 ()を用いた剣技を得意とし、士官学校時代にカシウスから剣術の基礎を学び、その後も自分で研鑽を積み、その実力は王国軍の若手で最強と言われている[29]。自身はクローディアに剣術を指南したため[74]、彼女も細剣を用い、指南する際に剣は人を守るために振るうよう教える[16]。- 凛々しい立ち居振る舞いからか士官学校時代から女性ファンが多く[66]、「the 3rd」ではリベール通信で特集記事が組まれたために、グランセル城に大勢の女性が押し掛ける騒ぎになったエピソードが語られている[80]。ミュラーとは似たもの同士ということで気が合うようであり[80]、「閃IV」でも交流が続いている[63]。
- グランセル大聖堂と関係が深く、聖典についても知識を持つ[13]。
- ジーク
- ユリアを主人としているシロハヤブサで、親衛隊の伝令係を務めている[14]。『空』では「クローゼ」として生活するクローディア姫の護衛を兼務して常に寄り添っており[14]、彼女の友達でもある[16]。
- 時速1,800セルジュほどで水平飛行することができ、これは旅客飛行船の倍の速度であり、導力通信を除けばこの世界で最速の情報伝達手段であることから伝令係を任せられており[69]、『空』本編の中でも活躍することになる。
- 「the 3rd」ではクローディア王太女ともども《影の国》に巻き込まれている[29]。
- 『空』の戦闘ではクローゼのクラフト「ケンプファー」で参加する。
- ロランス・ベルガー
- 詳細は「#レオンハルト」を参照
- 情報部の特務部隊隊長で、階級は少尉[14]。元は傭兵だったが、リシャールによって引き抜かれたという経歴を持つ[14]。その実力は底知れず、リシャールよりも強いとされている[14]。実際は名前も経歴もフェイクであり《結社》のエージェントとしてリシャールを監視していた。
- センダー
- 登場作:「the 3rd」・『暁』P
- 情報部特務部隊の若手。「3rd」のイベントではクーデター後も王国軍に残留し、社長となったリシャールの愛国心を慕い王国軍に戻るように説得するが、拒否されてしまう[79]。
- 『暁』では少尉に昇進し、顔グラフィックも追加された。女王生誕祭におけるテロ予告に対して爆弾処理班を率い、作業員に変装させて処理させるなど情報部時代の経験を生かして活躍した。
各市長とその関係者
[編集]- クラウス
- 登場作:『空』
- 声:増谷康紀
- ロレント市長。温厚かつ気さくな性格で市民からも支持されているが、やや警戒心に乏しい一面も持つ。動揺すると、人並み以上に取り乱すなどの部分もある[注 43]。
- メイベル
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:木戸衣吹
- ボース市長。前市長であった父の死後すぐに市長職を継いでいる[12]。市長としては有能で商家の出であり、年は若いが並外れた経営手腕を以って商業都市を支えている。特に自らがオーナーを務めているボースマーケットにかける情熱は並ならぬものがあり、市民からの信頼も厚い。
- 信心深いとは言えず、教会のお祈りはサボる癖があり、シスターやメイドのリラを困らせており、(市長としての)素行に関しては難があり、それにはシェラザードからも断言された。
- リラ
- 登場作:『空』・『暁』・「黎II」・「界」
- 声:山崎エリイ
- メイベル市長のメイド。口数が少なく職務に忠実。自らの体調も顧みず仕事に没頭するメイベルを心配しているなど慕っているが、我儘だと思っている所もある。本名は「レーニ」といい、出身はレマン自治州。《百日戦役》の頃、親子でボース市を訪れていた折に戦災で両親を亡くし、メイベルの父に引き取られて育つ。
- モーリス・ダルモア
- 登場作:「FC」・「SC」・『暁』
- 声:平野正人
- ルーアン市長。元貴族の家柄で、代々治めていたルーアンの代表となっている。表向きは人当たりがよい市長ではあるが、個人的な借金から1億ミラにも及ぶ莫大な公費を横領し、孤児院への放火事件などを起こして逮捕される。このとき、家宝でもあったアーティファクト「封じの宝杖」も没収されている。「SC」では保釈中の身ではあるが、王都でセピス屋を営んでいる。
- ギルバート・スタイン
- ジェニス王立学園OBで、ダルモアの秘書。詳細は「#ギルバート・スタイン」を参照。
- ノーマン
- 登場作:『空』
- 声:山本圭一郎
- 選挙で選ばれたダルモアの後任市長。ホテルの経営者であり観光業推進派だが、古くからルーアンの経済を担ってきた港湾の産業の重要性にも理解を示している柔軟派。
- マードック
- 登場作:『空』
- 声:幸野善之
- ツァイス中央工房の工房長で、ツァイス市長としての役割も担っている。仕事だけでも多忙な上にラッセル父娘のトラブルの対応などもあり、心労が絶えない苦労人。
ラッセル家
[編集]- ティータ・ラッセル
- 声:今野宏美
- 年齢:12歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→13歳(「the 3rd」[W 3])→16歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」[22])
- 登場作:『空』P・『暁』P・「閃III」S・「閃IV」P・『創』P
- 高名な導力学者アルバート・ラッセル博士の孫娘であり、ツァイス中央工房(ZCF)の見習い技師。
-
- 来歴
- 「FC」 - ツァイス中央工房(ZCF)の見習いとして登場し、エステルらと行動をしばらくともにする[2]。祖父ラッセル博士が情報部によって誘拐される事件が発生し、エステルらによって博士が救出された後、博士とともにアガットに守られて逃避行に出ることになる[2]。物語終盤、女王生誕祭近くに彼らとともに王都に行き、王都地下施設の攻略を始めたエステルたちに協力する[14]。
- 「SC」 - 王都での事件後はツァイスに戻っていたが、ツァイスに再びやってきたエステルに同行を申し出、旅をともにするようになる[69]。途中、正体を知らぬままレンと知り合い[29]、彼女の正体を知ってからはその間違いを正したいと考えるようになる[43]。ボース地方の古代竜《レグナート》による事件に際して、以前より慕っているアガットの過去を知るとともに、《剣帝》レオンハルトとの敗戦などで消沈する彼に活を入れて立ち直らせる[12]。
- 「the 3rd」 - ツァイスで月一のアガットの訪問を待っていたところ、《影の国》事件に巻き込まれた[81][注 44]。
- 「閃III」 - オリヴァルト皇子とジョルジュから、高名な導力学者であるG・シュミットが顧問を務める色々な技術に触れられる学校が帝国にできると聞き、自分の可能性を広げるため、留学を決意する[9]。反対する周囲をレンの協力もあって説得し[9]、トールズ士官学院・第II分校に入学[67]。《IX組主計科》にクラス分けされ[67]、クラブ活動は料理研究会に所属。ミュゼや新VII組とも特別演習などを通して仲良くなっていく。シュミットに弟子候補として師事して導力技術を学びつつ、機甲兵や戦術殻という謎の技術を自分の目で確かめ、シュミットから「四番弟子」と認められるようになる[82]。修行の成果として、「オーバルギアIII」を完成させる[9]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》後、アルフィン皇女とともに囚われの身となるが[51]、アガットやVII組の尽力で解放される[68]。リィンらと行動をともにし、本校生らによって占拠されていた第II分校をランディやVII組とともに解放する[83]。その後はミュゼの招待によりパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、エステルたちと再会し[1]、以降は《光まとう翼》の一員として活動する[61]。
- 人物
- 健気な性格とかわいらしい容姿で、周囲の誰からも可愛がられている。祖父アルバートの影響か、機械をいじり始めると周囲が見えなくなるほど没頭してしまうこともしばしばある[注 45]。
- 何かを決断すると頑固なところがあり、「SC」でエステルの旅に同行を申し出た時や「the 3rd」でオーバルギア開発計画に参加を申し出た時、祖父のラッセル博士や母エリカに譲歩させている[69][66]。
- 両親は技術者で、国外へのオーブメント技術指導のためにほとんど家にはいない。親交を深めてからは、エステルとヨシュアを「お姉ちゃん」「お兄ちゃん」と呼び、兄姉のように慕っている。また、アガットの不器用な優しさを身を持って知り、彼を「大切な人」と呼び好意を寄せている。そのことを知った母・エリカが娘かわいさにアガットを目の敵にするが、当のティータ本人は原因が自分であることと判らず戸惑っている[66][72]。
- 大型の導力砲とラッセル博士秘蔵の火薬式ガトリング銃を操る。「閃III」でも、プレイヤーキャラとして戦闘に参加する際はオーバルギアIIIに乗っているが、他の士官学院生と共闘する時には導力砲を携えている。
- アルバート・ラッセル
- 声:青野武(『空』ドラマCD)→龍田直樹(『空』OVA、『空Evo』)、玉井勇輝(「界」)
- 登場作:『空』・『暁』
- ティータの祖父で、リベール王国随一の導力学者[2][書 34]。
導力器 ()を発明したC・エプスタイン博士の直弟子で、G・シュミットやL・ハミルトンと並ぶ「三高弟」の一人[2]。ツァイス中央工房(ZCF)の設立者であり初代工房長[73]。68歳(「FC」[W 1])。 - リベール王国において導力器の普及を促したことから「導力革命の父」とされ[85][注 46]、王国における成功により、それまであまり良い印象を持たれていなかった導力器に対する人々の認識を改めさせ[85]、その名はリベール国外でも《導力革命》の功労者の一人として広く知られる[87][88][89]。
- 作品本編の時代も現役で発明を続けており、作品中ではその発明品を用いてエステルらにたびたび協力する。
-
- 来歴
- 「FC」のおよそ50年前(1150年頃)、レマン自治州でC・エプスタインの弟子の一人として導力器の技術を学び、エプスタインの死にともない、1155年にリベール王国に帰国[73]。
- 1157年、ツァイスの時計職人組合と組んでツァイス技術工房を設立し[73]、レマン自治州以外で初めて導力器の製造に成功[85]。その後も導力飛行船などを発明[73]。ラッセルの取り組みにより、導力器は徐々に普及していくことになり、リベール王国は導力器先進国となっていく[73][85]。
- 「FC」の10年前(1192年)の《百日戦役》でリベール王国が帝国の侵攻を受けた際は、王国軍大佐カシウス・ブライトからの依頼に応え[12]、レイストン要塞で警備飛行艇を開発し、それを作戦に組み込んだカシウスにより王国軍は反攻に成功する[25][90]。
- 「FC」 - エステルらに《黒の導力器》の解析を依頼される[2]。情報局に囚われるが、エステル、ヨシュア、ティータ、アガットの尽力で解放され、その後は一時的に身を潜める[2]。
- 「SC」 - 「FC」の事件後はツァイスに戻り、同地方でヴァルターが起こした事件でエステルらに協力する[69]。結社《身喰らう蛇》が《ゴスペル》による導力停止現象を広範囲で発生させる可能性を想定したカシウスにより対策を望まれ[12]、《零力場発生器》を発明して密かに準備し、《リベル=アーク》が出現して《導力停止現象》が始まると試作品を王国軍と遊撃士協会に提供して通信の回復に一役買う[32]。終盤、試作品を基にアルセイユ用に大型の《零力場発生器》を作成し、エステルらが《リベル=アーク》に乗り込む手立てを与え[32]、自身もアルセイユに同乗してエステルたちをサポートする[33]。
- 「the 3rd」 - 本編に直接の登場はせず、レマン自治州に旅行中であることが語られている[13]。また、ティータらの過去が語られる中で登場する[注 47]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。カレイジャスIIの設計に関わっていたことが語られている[63]。
- エリカ・ラッセル
- 声:ゆきのさつき[注 48]
- 登場作:「the 3rd」・『創』
- ティータの母親で、アルバートの娘。33歳(「the 3rd」[W 3])。
- 父アルバートと同じく導力学者で、基礎理論こそ父親に譲るものの、応用工学では父を上回る才女で、演算導力器《カペル》や導力飛行船《アルセイユ》の基本システムの設計も手がけた[91]。父親以上に強引かつパワフルな性格で[29]、たびたび周囲を振り回す。
-
- 人物
- 情熱に突き動かされて研究や発明を行う父アルバートとは異なり、明確な研究動機を持ってそれらに取り組むタイプである[66]。そのため、アルバートからは発明品を「ケチ臭い」とも言われているが[66]、能力は確かで、G・シュミットからは見込みがあり、いずれ父ラッセルやハミルトンを超えるかもしれないと高く評価されている[82]。
- 父であるアルバート・ラッセルとは思想の違い等から発明勝負を繰り広げており、往来で取っ組み合いの喧嘩をすることもあるが[29][66]、周囲の者に言わせれば、喧嘩するほど仲がいいという種類の関係[29][12][82]。
- 可愛い女性に目がないらしく、ユリアのことは士官学校時代からのファンで[66]、リースのことは初対面で気に入っている[91]。
- ティータのことは溺愛しており、アガットのことは「娘に近寄る悪い虫」として目の敵にしている[66][72][92]。ティータのことも無分別に溺愛しているわけではなく、兵器であるオーバルギアの開発計画に参加したいと言われた時は一旦は拒否している[66]。
- ダン・ラッセル
- 声:草尾毅[注 50]
- 登場作:「the 3rd」・『暁』P
- ティータの父親で、設計技師。36歳(「the 3rd」[W 3])。
- 温和で物静かな性格だが[29]、ティータ関連では人当たりがやや強くなるところがあり[72][71]、アガットについては妻エリカほど極端ではないが、娘のティータが彼の影響を受けていることに一抹の不安を覚えている[72]。
- 『空』本編の10年ほど前までは棒術を得意とした凄腕の遊撃士だったが、怪我を原因に引退して設計技師に転向した過去を持つ[29][72]。遊撃士を引退する間際、剣を捨てたカシウスに棒術の基礎を教えている[72]。遊撃士を引退して10年経つ現在も、がっしりした体格をしている[29]。
- 「the 3rd」で帰国するまでは、エリカに同行してゼムリア大陸辺境へ導力器の技術指導の旅に出ていた[29][66]。
カプア一家
[編集]元は帝国の貴族で、近郊都市リーヴスを治めていたが、長兄ドルンが悪徳商人にだまされて領地と財産を失う。その後わずかに残った家臣とともに、飛行艇「山猫号」を使った空賊団《カプア一家》(カプア空賊団)を結成する。「SC」の事件後は恩赦を得て空賊稼業から足を洗って《カプア特急便》を立ち上げ、現在はボース市内にオフィスを置き、大陸を飛び回っている。
- ジョゼット・カプア
- 登場作:「FC」B・「SC」P・「the 3rd」P・『暁』P・「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:庄司宇芽香
- 年齢:16歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2][注 51])→17歳(「the 3rd」[W 3])→20歳(「閃III」[書 35]・「閃IV」[書 3])
- カプア三兄妹の末娘。一人称は「ボク」で、エステルからは「ボクっ子」などと呼ばれる[4][注 52]。
-
- 来歴
- 「FC」 - 空賊団《カプア一家》の頭目兄妹の一人として登場。登場当初はロレントにて市長宅を訪れ、「ジョゼット・バール」という偽名とジェニス王立学園の生徒を名乗り、おしとやかに振る舞って油断させ、市長の部屋の金庫に入っていた七耀石を盗み出そうとするが、エステルたちに追いつかれて交戦の末に敗北し、その際に運良く訪れたキールに救われて撤退する[4]。その後、兄ドルンの豹変により、ボース地方で定期飛行船リンデ号の強奪と乗客の拉致に関与するが、最終的にエステルらによって空賊団のほかの面々とともに逮捕され、王国軍に引き渡され収監される[57][2]。その後、女王生誕祭の武術大会に兄たちと参加し、ロランス・ベルガー率いる情報部特務兵チームと互角に渡り合ったが、ロランスが動き始めた途端に戦局が傾き敗北した[14]。しばらく後、リシャール率いる情報部が起こした事件に乗じて脱走に成功する[14]。
- 「SC」 - 「FC」終盤で脱走後、エステルのもとを去ったヨシュアが空賊団に合流し、彼の働きもあって王国軍に没収されていた《山猫号》の奪還に成功する[3]。その後はヨシュアの計画に付き合い、《紅の箱舟》グロリアス潜入をサポートする[19]。終盤、《リベル=アーク》出現時にたまたま上空を飛行していた《山猫号》は《導力停止現象》に巻き込まれて《リベル=アーク》に墜落してしまい[32]、エステルらと合流してからは彼らに協力する[33]。
- 「the 3rd」 - クロスベル自治州近くの上空にいた折に《影の国》事件に巻き込まれる[93]。
- 「閃III」 - 《山猫号II》を任されており、兄たちからは離れて《カプア特急便》の支社長として部下たちと行動している[52][注 53]。リーヴスやクエスト時に登場する。物語終盤、帝都動乱のとき、帝都の街で新旧VII組たちに助太刀をする[60]。
- 「閃IV」 - 仕事関係の知り合いであるアリサの依頼で《山猫号II》を利用してVII組をクロスベルに送ったり[52]、《黒の工房》で脱出を手伝ったりしている[94]。荒事になりそうだったため、《山猫号II》用にジンゴから中古の連装機銃と砲台を購入している[94]。パンタグリュエルで会談が行われた際は招待され[1]、その後は《光まとう翼》に協力し、最終決戦ではエステルらリベール組を《塩の杭》のひとつに送り届ける[11]。
- 人物
- 勝ち気な性格で、特にエステルに対しては「ノーテンキ女」呼ばわりし[注 54]、性格的にもウマが合わず[12]、常に喧嘩腰になる。ただし女心に鈍感なヨシュアに対しては、エステルと共闘態勢を取る一面を見せたり[45][18]、「the 3rd」では別れ際にいつもの如く張り合いつつも「楽しかったことだけは認めてあげる」などと発言していることから嫌ってはいないようである[45]。
- 「SC」では兄ともどもヨシュアと行動をともにし、その過程で次第にヨシュアに惹かれていく。本来は仲間想いの心優しい性格の持ち主で、エステルたちと行動をともにするようになったときには多くの仲間たちから好意的に受け入れられるが、逆に同郷の軍人かつ厳格な人柄のミュラーとは相性が悪く、厳しい態度を取られて反発する様子を見せる[33]。また、エステル以外にもケビンに対しては「エセ神父」と呼んでたり、ミュラーに対しては「軍人バカ」と呼んでいたりするなど口はあまり良くない[93]。
- キール・カプア
- 登場作:『空』・『暁』P
- 声:藤本たかひろ
- カプア三兄妹の次兄。23歳(「FC」・「SC」[W 2])。
- 頭の良さと冷静な性格から、作戦の立案を行い、暴走しがちなジョゼットをたしなめる役回りになることも多い。必要に応じて露悪的な態度を取ることもあるが、基本的に気の良い青年であり[書 36]、(ワイスマンに操られた)ドルンが人質を皆殺しにすると言った際には妹とともに反抗するなど良心は持ち合わせている[57]。「the 3rd」で《カプア特急便》が立ちあげられてからは副社長を務めている[21]。
- 機械関係に強く、操縦のエキスパートでもあり[書 36]、《山猫号》の操舵を担当している。戦闘では剣と手榴弾を扱う。
- ドルン・カプア
- 登場作:『空』・『暁』P
- 声:銀河万丈(『空』ラジオドラマ / OVA / Evo)
- カプア三兄妹の長兄で、空賊団《カプア一家》のリーダー、後に運送会社《カプア特急便》社長。30歳(「FC」・「SC」[W 2])。
- 大型導力砲を軽々と扱う怪力の持ち主で[書 37]、人相も性格も豪快だが、かなりお人好しな人物であり、悪人とは程遠く、空賊時代も「殺しと暴行はご法度」とするほどで[3]、それが災いしてあまり儲かっていなかった。
-
- 来歴
- カプア家は帝国で男爵位を持つ貴族だったが、悪徳商人にだまされて領地と財産の大半を失う[3][注 55]。飛行船好きだった父親の形見である飛行艇《山猫号》を借金のカタに差し押さえられる前に何とか持ち出し[52]、弟と妹、わずかに残った家臣とともに空賊団を結成する。
- 「FC」 - ワイスマンに操られて定期便「リンデ号」を襲ったことで王国軍に逮捕され[57]、《山猫号》は没収される[3]。
- 「SC」 - ヨシュアの助力で《山猫号》の奪還に成功し[3]、その後はヨシュアにしばらく協力する[19]。物語終盤、《山猫号》が《リベル=アーク》に墜落した際、ジョゼット以外の団員とともに結社《身喰らう蛇》に拘束されてしまうが、エステルらによって救出される[33]。
- 「SC」の事件後はアリシアII世から恩赦を得たことを契機に空賊稼業から足を洗って運送会社《カプア特急便》を立ち上げ、自分は社長となり、弟のキールを副社長として、大陸全土を飛び回る生活を続けている[76]。
リベール通信社
[編集]社名を冠したニュース雑誌『リベール通信』などを発行している出版社。本社は王都グランセル。
- ナイアル・バーンズ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:藤原啓治
- 年齢:29歳(「FC」[W 1]・「SC」)→30歳(「the 3rd」[注 56])
- リベール通信社の男性記者。特ダネを求めて、いつも全国を飛び回っている。ドロシーとコンビを組まされたことに対して、よくグチをこぼしているが2人で取材した記事(主にエステルやヨシュアが関わっていることが多い)はよく売れている。ただし、ゴシップ関係の取材だけはことごとく失敗している。無愛想で淡白に振る舞いながらも、ドロシーが店で壊した飾り時計の修理費を自腹で出す、情報の見返りにエステル一行に食事を奢るなど、面倒見はいい。軍の知り合いに部外秘の書類を持ってきてもらうなど、記者だけあって顔が利く様子。「ペンが剣に屈するのを見てられるか」と危険承知でエステルたちに情報を提供するなど、ジャーナリスト精神に富んでいる。常に煙草を加えているヘビースモーカーだが、酒には弱い。
- 「碧」では「リベールの異変」の報道が評価され、ドロシーとともに「フューリッツァ賞」(ジャーナリストに与えられる最高の栄誉[14])を受賞したことが語られている[96]。
- ドロシー・ハイアット
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:新井里美
- 年齢:20歳(「FC」[W 1]・「SC」)
- リベール通信社の女性新米カメラマン。天然ボケな性格が災いして、ことあるごとに失敗を繰り返す[注 57]。浪費癖もあるようで、失敗から損害賠償が発生した際には払うことができず、会社の経費やナイアルのポケットマネーから払ってもらうことも少なくない。出歩いて撮影に夢中になっているうちに魔獣に絡まれることもしばしば。ただしオーバルカメラの扱いは天才的で、その撮影の腕はナイアルを唸らせるほど。建物を撮影するときも相手が人であるかのように話しかけながら写真を撮る。本人曰く、「表情が見える」とのこと。フルーツ牛乳が大好物。
- 「the 3rd」では、若き日のシェラザードがグランセルで正遊撃士を目指しているサイド・ストーリーでナイアルとの出会いが描かれている[58]。
- 「碧」ではナイアルとともにフューリッツァ賞を受賞したことが語られる[96]。
ジェニス王立学園
[編集]- クローゼ・リンツ
- クローディア姫が王立学園に在籍するにあたり、身分を隠すために使用した偽名。詳細は「#クローディア・フォン・アウスレーゼ」を参照。
- コリンズ
- 登場作:『空』
- 声:麻生智久
- 王立学園の学園長[16]。リベール随一の賢人とされ、市長たちとともに王国会議のメンバーとしての職責を担っている[14]。市長不在時にはルーアン地方の代表も務める。王立学園内でクローゼの事情を知っている数少ない人物の一人[74]。
- ジル・リードナー
- 登場作:『空』
- 声:広橋涼
- 「FC」の時点での生徒会長で、クローゼのルームメイト。学園祭の演劇では監督を務める[16]。エステル、ヨシュアが学園祭の手伝いのため滞在した時にはエステルを部屋に迎える。
- 成績優秀にして明るくさばけた性格の持ち主だが、悪乗りしやすく軽口が過ぎる傾向がある。ふだんはおちゃらけているが、政治家志望で、生徒会長として指示を出す時は的確に行う[30]。クローゼが王族であることは彼女が編入して半年ほどした頃に見抜いて知っているが、そのことに気兼ねすることはなく友人として接している[30]。
- ハンス
- 登場作:『空』
- 声:私市淳
- 「FC」の時点での生徒会副会長。学園祭の演劇では脚本・演出を務める[16]。「FC」でエステル、ヨシュアが学園祭の手伝いのため滞在したときは、ヨシュアのルームメイトにもなる。人当たりがよくヨシュアともすぐ打ち解けた仲になり、「SC」でヨシュアが失踪した後もその態度は変わらなかった[30]。「the 3rd」ではルーシーに憧れていたことが判明する[74]。ジル同様、クローゼの事情を知っているが普通に友人として接している[30]。
- レクター・アランドール
- クローゼが学園に通い始めた当時の生徒会長。詳細は「#レクター・アランドール」を参照。
- ルーシー・セイランド
- レクターと同学年で彼が生徒会長を務めていたときの生徒会副会長。詳細は「#ルーシー・セイランド」を参照。
- レオ・E・ローレンツ
- 登場作:「the 3rd」
- 声:岡本寛志
- レクターと同学年で彼が生徒会長を務めていた時の生徒会書記(会計を兼務)[74]。だらしないレクターに代わって実質上生徒会を取り仕切っており、生徒の中には彼が会長だと思っている者もいる[74]。言葉は鋭く端的だが、冗談も真顔で言うのでわかりづらいと評されている。だが、レクターが退学届けを出して姿を消したときには、冷静な彼からは信じられないくらいの怒鳴り声を上げている[97]。
- 関連は不明だが、「閃III」で図書館に置かれている「RFグループ ~武器工房から世界企業へ」という本の著者は「E・ローレンツ」となっている。
マーシア孤児院
[編集]現在の院長テレサとその亡夫ジョセフによって開設されたルーアン地方にある孤児院。
- テレサ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:柿沼紫乃
- マーシア孤児院の院長で、優しさと包容力を持った女性。幼少時のクローゼを一時期保護していた[16]。「FC」で発生した放火事件を乗り越え、建物を再建して引き続き孤児たちの面倒をみている。
- クラム
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:安西英美
- マーシア孤児院にいる少年。偶然あったエステルの遊撃士の紋章を盗むなど、イタズラ好きで反抗期らしい性格だが、放火事件の際には単身レイヴンの溜まり場に乗り込む正義漢ぶりを発揮する。テレサ院長に泣かれると弱い。
- マリィ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:藤本有美(『空』ドラマCD)→照井春佳(『空Evo』)
- マーシア孤児院にいる少女。しっかりした性格で、孤児たちの中ではリーダー的存在であり、クラムのイタズラ癖にはウンザリしている。「the 3rd」ではあるエピソードで主役として活躍する。
- ポーリィ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:松下唯(『空』ドラマCD)→三上枝織(『空Evo』)
- マーシア孤児院にいる少女。言動はゆっくりしているが独特のカンを有しており、「FC」の学園祭や「SC」の幽霊騒動では執行者を目撃する。
- ダニエル
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:河本啓佑(『空』ドラマCD)→日比愛子(『空Evo』)
- マーシア孤児院にいる少年。やや気が弱くおっとりしている。クラムの子分的な存在。
レイヴン
[編集]港湾都市ルーアンの倉庫外を溜まり場にする不良集団。名称は「ワタリガラス」の意。「the 3rd」では、3人ともある特定のイベントで、一時的にプレイヤーキャラクターとして操作をすることになる。
- ロッコ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:赤羽根健治
- レイヴン幹部の一人で、実質的なリーダー格。短気でキレやすい性格の持ち主で「ニトロッコ」という異名を持つ。「FC」で初登場したときはただのチンピラだったが、孤児院の放火を発端とする一連の事件に巻き込まれたことで己の無力さを痛感したことや、エステルに「遊撃士になってはどうか?」と勧められたことから成長を見せ、「SC」終盤で導力停止現象が起きたときは率先して街の力になるまでに至る。「the 3rd」ではディン、レイスとともに遊撃士を目指す姿が描かれており、3人の中では一番戦闘能力が高い。
- ディン
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:松本大督
- レイヴン幹部の一人。緑色の髪をしており「地獄のほうれん草」という異名を持つ。ルーアンの北街区にあるカジノバーのマスター・プレミオとは兄弟。元リーダーであるアガットからは「洞察力はあるが臆病」と評されている。
- レイス
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:阿座上洋平
- レイヴン幹部の一人。見た目も乗りも軽い性格。エステルのことを気に入ったのか「SC」以降はちゃん付けで呼んでいる。アガットからは「直感に優れているが行動が軽率」と、ディンとは対照的な評価をされている。
その他リベールの住人
[編集]- グスタフ
- 登場作:『空』
- 声:平井啓二
- 工房都市ツァイスにて、飛行船の整備をしている技師長。職人気質で仕事には厳しいが人当たりがよく、エステルたちに色々と手を貸す。ツァイスのためなら軍人も帝国も怖くない、といった強気な性格。
- マオ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:中友子(『空Evo』)
- エルモ村で温泉宿を経営する肝っ玉婆さん。皆からは「マオ婆さん」と呼ばれている。若い頃にカルバード共和国からやってきた。ティータのお婆ちゃん的存在でもあり、孫のように思っている。ラッセル博士の昔馴染み。
- ミーシャ・クロスナー
- 登場作:『空』
- アガットの妹。《百日戦役》で被害にあったラヴェンヌ村の6人の戦没者のうちの一人[12]。兄の誕生日にプレゼントするはずだったアクセサリーを家に取りに戻り、焼夷弾で負傷し死亡[12]。12歳没。
- 古竜レグナート
- 登場作:「SC」B
- 声:平井啓二
- 1200年前の《大崩壊》以前より生き続けている竜。
- 《七の至宝》の行く末を見守ることを使命として、女神によって遣わされた聖獣のような存在の1体であり[98]、《空》を司る至宝である《
輝く環 ()》を見守る存在。 - 「SC」の20年前、当時剣の道を極めんとしていたカシウスに戦いを挑まれたことがあり、彼とはその頃からの「友人」である[12][33]。
- 「SC」で眠りについていたところを、ワイスマンにより《ゴスペル》の実験台にされ操られる[12]。《輝く環》が失われたことで使命から解放され、《リベル=アーク》崩壊に際して、カシウスを乗せて飛翔し、エステルとヨシュアを救出する[33]。そして、「運命の歯車は、今回り始めたばかり」だと告げ、リベールの事件と同様のことが今後ほかの場所で起き、それに立ち向かう別の者たちが現れるということをカシウスとともに予見する[33]。
- 同じ聖獣である神狼ツァイト、灼獣ローゼリアとは交流があったようだが、「SC」で《空の至宝》がなくなり、使命から解放された後は行方知れずとなっていると語られている[63]。
- 「the 3rd」では幼体のような姿をした「ちびレグナート」が登場している[99]。
- ハーバード・フィッシャー
- 登場作:『空』・「碧」
- 王都グランセルに本部を構える釣公師団の代表者。元は貴族の出で、通称《釣り男爵》。名前の通りの釣り好きで、それが高じて愛好者たちの交流の場として釣公師団を立ち上げるに至る。
- 「零」ではその名を冠した釣り大会がクロスベルで行われ、「碧」では《釣皇倶楽部》に対する「最終兵器」としてクロスベルを訪れる。
- ロイド
- 登場作:『空』・「零」
- リベール王国の釣公師団に所属する特級釣師。「SC」でエステルに釣り道具を渡した人物で[30]、釣り勝負を行ったこともある。「零」では同じ名前のロイド・バニングスに釣りのコツを教えた。
- ペイトン
- 登場作:「FC」・「SC」・「閃I」・「閃II」・「閃IV」
- ツァイス中央工房(ZCF)に所属する整備士。導力飛行船の整備を担当しており、《アルセイユ》には試験飛行の頃から乗り、二番艦《カレイジャス》、三番艦《カレイジャスII》にも竣工当初に乗船しており、『閃』でたびたび帝国を訪れている。
- 「閃I」でカレイジャスの処女航海に参加した後、帰国しようとした折に内戦が勃発し、リベールに帰国できなくなってしまい、オリヴァルト皇子の要請に応じて《カレイジャス》にふたたび乗り込み、トールズ士官学院(ジョルジュ)に引継ぐまで乗艦した[100]。「閃IV」でも竣工間もない《カレイジャスII》に乗艦し、引継ぎを終えるまで乗り込んでいる[63]。
- アントン
- 登場作:『空』・「零」・「閃I」・「閃II」・「閃IV」
- 声:アントン - 菅沼久義→佐原誠(「閃IV」[書 3])
- 「FC」から登場しているモブキャラクター。胡散臭い言動で惚れっぽい青年。
-
- 「FC」 - 王都グランセルの百貨店近くを歩いている女性メーシャにひとめぼれして告白するが、彼女が通るたびにジロジロとみつめていたことを気味悪く思われていたため振られる[14]。
- 「SC」 - 結社の実験の影響で起きた地震に巻き込まれ、一念発起して旅に出たはいいものの濃霧で飛行船を停められる。今後を相談しようと立ち寄ったギルドでアイナに一目ぼれしてしまい、成り行きでオリビエとともに呑み比べ勝負を挑むが逆に酔いつぶされる[12]。
- 「the 3rd」 - 本編には登場しない。「月の扉」で語られる過去のエピソードの中で登場している[58][74]。
- 「零」 - 新しい出会いを求めてクロスベルを訪れている。しかし、異性に消極的な態度のために出会いはなく、仕方なしに路上ポエマーと名乗り[注 58]、街角でポエムを披露するが、内容がシュール過ぎたため誰にも相手にされなかった。創立記念祭の最終日になくした財布を探すのを手伝ってくれたフランに一目惚れし、お礼のプレゼントを特務支援課と一緒に選ぶが、「大好きな人(ノエル)ならいます」という言葉を誤解し、クロスベルを去る。
- 「閃I」 - エレボニア帝国の各地に登場する他、会話時にCGイメージが表示され、モブキャラクターの中でも少し上の扱いを受けている。学院祭で厨房を手伝っていたシャロンに出会い、落としたハンカチを拾ってもらったことをきっかけに惚れ込む。リベールに帰国する日にそのハンカチを宿に忘れ取りに戻るかでリックスと口論になり、先にリックスが帝都に向かった途端に帝都は襲撃され内戦が開戦。離れ離れになってしまう。
- 「閃II」 - 飛行船ハイジャック事件に巻き込まれていたリックスを見つけるが彼は記憶を失っており、シャロンとの出会い、ポエムを読んでいたことを独白していたのをきっかけにリックスの記憶を取り戻す。内戦終了後、シャロンをVII組の協力を得てお茶に誘うが、勢い余って告白し、RFのメイドの立場を理由にふられてしまう。だが今までに経験のない愛の形を見せたことを評価され、頬にキスを受け別れる。
- 「閃IV」 - 「閃II」の出来事によりシャロンと文通を始め、執行者復帰に際して自分のことを忘れるよう手紙に記したシャロンに会うために、単身エレボニア帝国に入国する[101][注 59]。最終決戦前のミシュラムでついに再会、改めて告白し、二人の時間を過ごす[34]。
- リックス
- 登場作:『空』・「零」・「閃I」・「閃II」
- アントンともども「FC」から登場しているモブキャラクター。アントンの失敗を面白がりながら生暖かく見守っている青年。「the 3rd」で描かれた「FC」の1年前の時点ではジェニス王立学園に所属している[58](彼も留年しているかは不明)。
- 『閃』ではエレボニア帝国の各地に登場する他、会話時にCGイメージが表示され、モブキャラクターの中でも少し上の扱いを受けている。「閃I」最終盤でリベールに帰国しようとした際にアントンと離れ離れになり、その後飛行船ハイジャック事件に巻き込まれていたところを見つかり再会できたのもつかの間、頭を打って記憶喪失になってしまっていたことがわかるが、シャロンにポエムを送ろうとするアントンを見て記憶を取り戻す。
- アルム & エアリー
- 登場作:『空』・「碧」・『暁』
- 「FC」ではリベール各地を旅行しているモブキャラクターのカップル。「SC」で結婚して一子を授かる。「碧」ではアルムの父親に会うためにクロスベルを訪れる。他人との会話中でも自分たちの世界に入ってしまうほどの熱々ぶり。
- ジミー・バーネット & ソフィー・バーネット
- 登場作:『暁』
- ルーアン市で暮らしているクロエの両親。幼い頃の娘の境遇もあって少し心配性なところがあって、クロエが久しぶりに実家に帰ってきた際には、母親のソフィーが娘と顔を合わせて即座に「遊撃士を辞めて帰ってきた」と勘違いしてしまった程だった。
- ジミーは、現在はルーアンの会計士。元は貿易商であったが、娘のクロエの医療費を捻出するために、職はもちろん前の自宅を売却するなどをしてやりくりを行っていた。
その他
[編集]- 《環の守護者》トロイメライ
- 登場作:「FC」B
- 「FC」におけるラストボス。当初は古代文明のアーティファクトと思われていたが、その正体は《リベル=アーク》の住民たちの反意を察知した《輝く環》が生み出した守護者。導力によって稼働する、人類殲滅目的の戦闘マシンである。
- 合成音で喋ることができるが自我や人格はなく、ただただ与えられた任務と役割を遂行するのみとなる。このため意思疎通は不可能となっている。
- 過去に《輝く環》が封印されたことで機能停止し、封印区画の深部にて封印されていた。しかしリシャールが《第一結界》を解除したことで《輝く環》の封印が弱まり活動を再開、復活を果たす[14]。
- 手始めにエステルたちを侵入者と見なし襲い掛かる。その造形はエステルからも「ブサイク」と言われるほどのものだったが、これは「MODE:侵入・索敵(イントルード&サーチ)」という形態に過ぎず、ある程度ダメージを与えると支援ユニットと連結した「MODE:完全殲滅(ジェノサイド)」へと移行し、ドラゴンの頭部を模した形態となる。
- エステルたちを疲弊させるほどの攻撃力と耐久力を誇り、改心したリシャールの刃も通じず一方的に追い詰める。しかし駆け付けたカシウスの一太刀によって大ダメージを受け、そこに勝機を見出したエステルたちの総攻撃によって完全破壊された[14]。
- だがその戦闘データは《結社》に回収され、それを基に生み出されたT・M・ドラギオンが「SC」にてエステルたちの前に立ちはだかる。
クロスベル自治州
[編集]大陸西部に位置し、西のエレボニアと東のカルバードに挟まれている。『VII』の舞台。
クロスベル警察
[編集]特務支援課
[編集]「零」「碧」における主人公たち。
- ロイド・バニングス
- 登場作:『VII』P・「閃II」S→P・『暁』P・「閃III」・「閃IV」S・『創』P
- 声:柿原徹也
- 年齢:18歳(「零」[W 4]・「碧」[書 38][注 60])→19歳(「閃II」[W 12])→21歳(「閃IV」[書 39])[注 61]
- 『VII』、『創』の主人公で、クロスベル警察の特務支援課に所属する捜査官。武器は特殊警棒のトンファー[87]。警察学校で学んだ制圧用の逮捕術を用いる[37]。
- 殉職した兄ガイの意思を継いで捜査官になった。まじめな常識人で、不正や暴力に敢然と立ち向かう熱血さを持つ。
- 特務支援課発足に際して、メンバーの中で捜査官の資格を持つのは彼だけだったため、暫定的なリーダーとなる[87]。物語の中で不可解な事件を地道な捜査と推理力により解決するとともに、仲間に素直な本心をぶつけて信頼を得ていき、そして兄から受け継いだ困難に直面しても諦めない心を発揮することにより、名実ともにリーダーとなっていく。
-
- 来歴
- 物心がつく前(1189年)に両親を旅客飛行船の墜落事故で失い[105]、歳の離れた兄ガイを親代わりに育つが[106]、その兄もロイドが15歳の時(1201年。「零」の3年前)に殉職してしまう[107]。
- 兄を失った後は、カルバ―ド共和国に住む叔父の元に身を寄せ[87]、2年ほど暮らした後[108]、クロスベル警察学校に入学する[87]。警察学校の課程を終えるとほぼ同時に、異例ながら、捜査官試験にも合格して捜査官資格を取得[87][注 62]。
- 「零」 - クロスベル市に3年ぶりに帰ってきて[注 63]、警察に入った初日に新設の《特務支援課》に配属され、リーダーを任される[87]。発足当初は遊撃士の真似事という見方をされていたが、徐々に実績を積み重ねていき、《D∴G教団》残党による事件に迫っていくこととなる。
- 「零」の後、特務支援課は一時的に解散となり、ロイドは研修として捜査一課に加わる[109]。
- 「碧」 - 逃亡したアーネストとハルトマンを逮捕するため、ノエル、ダドリー、アリオスとともに旧アルタイル・ロッジを強制捜索し、2名を逮捕する[109][注 64]。再始動した特務支援課で再びリーダーを務め、《碧の大樹》に至る事件に挑むことになる。
- 「碧」の後、クロスベル自治州はエレボニア帝国によって併合され[110]、自治州政府はなくなり帝国の総督府が開設され[111]、クロスベル警察はクロスベル軍警に再編され、特務支援課は解散する[112]。支援課の解散後は帝国によるクロスベル占領に対し、有志とともに抵抗活動を始める[111][112]。
- 「閃II」 - クロスベル自治州のデータが帝国に渡ることを阻止するため、集中端末の初期化をすべくジオフロントに潜入し、その過程でリィン・シュバルツァーと交戦する[111]。
- 「閃III」 - イラストのみの登場[114]。旧《特務支援課》メンバーが勝手に動いて事件を解決してしまうことをクロスベル総督府から警戒され、「鳥籠作戦」によってミシュラム方面に閉じ込められ[115]、アリオス、キーアとともに湿地帯方面に追いやられる[116]。「鳥籠作戦」が終了したことで解放され、トールズ士官学院・第II分校の面々がデアフリンガー号でクロスベルから帝国に去ろうとする際に丘の上からアリオス、キーアとともに分校の面々に姿を見せ、一行を見送る[114]。
- 「閃IV」 - 帝国で起きた異変の真相を探るべく、エステル、ヨシュア、レン、エリィ、キーアとともにオルキスタワーに潜入する[10]。そこで得た情報を各所に送り、ユウナらVII組がクロスベルを訪れカンパネルラたちと交戦した際は彼女らに加勢する。ミュゼの招待によりパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、ティオ、ランディ、ユウナと再会し、『空』の主人公エステルらリベール遊撃士協会、『閃』の主人公リィンらトールズ士官学院・VII組とも邂逅を果たす[1]。その際、《巨イナル黄昏》のトリガーを引いてクロスベルにも呪いが広がったことに罪悪感を抱いていたリィンを励まし、かつて交戦した間柄であることも気に病んでいた彼と和解する[1]。オリヴァルト皇子が《光まとう翼》の結成を宣言すると《特務支援課》として参加して活動し、最終決戦では、リィンらVII組を《幻想機動要塞》に送り込むため、特務支援課メンバーとともに《塩の杭》のひとつの攻略に赴く[11]。最終決戦後、クロスベル州からの帝国正規軍の撤退が始まったが、総督府治安部隊(総督親衛隊)はそれを了承せずクロスベル市内全域を占領したため、特務支援課を中心とする有志の手によってクロスベル市を解放したということが語られている[35]。
- 人物
- 捜査官としては、直感で捜査をする兄ガイとは異なり[117]、地道に集めた情報から仮説を組み立て、真相を突き止めるというアプローチを取る。少ない情報から推理して真相に至る直感にも優れ[118]、「碧」の時点で推理にかけては兄を超えたと言われている[117]。
- それが事件解決に資すると判断すればライバルや敵対者であろうと協力を求める柔軟さがあり、その姿勢は時に相手や仲間を呆れさせることもある。
- 捜査官としての冷静さを持つと同時に、《壁》があれば乗り越えようとする「熱血野郎」であり[87][7][注 65]、その姿勢は《特務支援課》のメンバーにも影響を与えていくことになる。熱量が高いためか、相手の男女を問わず、無自覚に口説き文句のようなセリフや聞いてるほうが恥ずかしくなるようなクサい言葉を浴びせる癖があり、特務支援課メンバーのほぼ全員が被害者となる[117]。
- その洞察力、推理力への評価は高く、「碧」ではレクターからは性格が悪ければ諜報に向いてると言われており[118]、グレイスからは(警察をクビになったら)クロスベルタイムズに[103]、ツァオからは黒月に、ワジからは星杯騎士団に、それぞれ(半ば冗談として)勧誘を受けている[119]。
- 「零」制作にあたってはまず「特務支援課」という設定が先に決められており、ロイド一人の活躍が突出するような形ではなく、ロイドを含めた4人のやり取りが好まれるよう意識をしたシナリオ作りがされている[書 41]。ロイド個人については、主人公として好感を持ってもらえること、捜査官としての知性、熱血さ、の3点のバランスを意識して造形されたという[書 42]。「ロイド」という名前が『空』ですでに使用されている(《釣公師団》のロイド団員)ということは、設定の制作がすでに進んでから発覚したが、その時点で「熱血派の警察官で、まだまだ青臭さを残しているけどひたむきで」という設定に対して「ロイド」という名前でキャラクター像を練り上げていたため、変更はされなかった[書 10]。
-
- 弟キャラ
- 年上の女性に好かれるタイプらしく、セシルとイリアに立て続けに抱擁されるなどしたために、他の3人からやっかみと嫉妬の視線を向けられたこともある[107]。ランディからは「弟貴族」、「弟ブルジョワジー」、「弟野郎」などとたびたびなじられ[107][120]、ティオには「ダメダメで、にぶちんで、ヘタレ弟キャラ」と言われ[121]、女性関係全般については、エリィには「天然っていうか、すごく女たらしな所がある」と評され[107]、ワジには「天然ジゴロ」[117]、ノエルには「思っていた以上に危険な人物」[122]と言われている。引き籠っているヨナに対して「引き籠ってないでデートでもしてきたらどうだ」という言葉が自然に出たため、「弟系草食男子を装った喰いまくりのリア充野郎」と罵られている[123]。恋愛に関しては、かつて兄の鈍さに嘆息したこともあるが、自分が同じように鈍いことに自覚がないようであり、周りをやきもきさせることもある。「碧」の2年後が舞台の「閃IV」では、(鈍いことに)少しは自覚があり、鈍感と言ってもリィンほどではないと自己弁護しているが、ヨシュアからは(縁の多さが違うだけで)「同レベルだ」と言われている[34]。
- 「零」ではそれまでの『空』とは物語や舞台を一新したため、発売前は日本ファルコム社内で多くの懸念が持ち上がっていたが、主人公のロイドについても「こんな弟キャラな男で大丈夫だろうか」という不安があったという[書 43]。
- 「零」序章のロイド・バニングス
- 「零」序章でロイドの夢の中に出てきたロイドたち。「零」ゲーム本編のロイドらと同じく《太陽の砦》に突入したが、暴走した魔人ヨアヒムによって殺されてしまう[125]。
- このロイドたちはゲーム本編とは異なりエステルらとそれほど親しくはならなかったが[125]、その流れはキーアによって書き換えられ[125]、ゲーム本編のロイドらはレンの身の上における誤解と苦悩を解いたことでエステル、ヨシュア、レンと強い結びつきができ[40]、《太陽の砦》突入にあたってヨシュアとエステルの助力を得た上[7]、魔人ヨアヒムに追い詰められた際にはレンとパテル=マテルに窮地を救われ、死地を脱することができた[48]。
- エリィ・マクダエル
- 登場作:『VII』P・『暁』P・「閃IV」S・『創』P
- 声:遠藤綾
- 年齢:18歳(「零」[W 4]・「碧」[書 45])→21歳(「閃IV」[書 46])[注 61]
- 『VII』のヒロインで、特務支援課の参謀役[書 47]。クロスベル自治州の共同統治者であるマクダエル市長の孫娘。
- ロイドとは違った形ながらも、芯の通った強い意志を持つ。政治家志望であり、留学の際に学んだ政治や国際情勢の知識は豊富で、市町の孫娘として多方面の権力者と面識がある。特務支援課では、交渉術や豊富な知識を使ってメンバーの力となる。
-
- 来歴
- 幼い頃、議員であった父ライアンはクロスベルの政治改革に乗り出したが、政争に敗れてクロスベルを去ることになり、両親は離婚し[注 66]、それぞれ共和国と帝国に去り家族は離散してしまった[107]。エリィはクロスベルに残って祖父の下で育てられる。
- 「零」の直前頃、留学を終えて帰郷した後、クロスベルを別の視点から見る社会勉強のため警察官を志望し[書 48]、警察学校の出ではないが、採用試験においては筆記と射撃で満点を獲得していたことなどから警察官として採用され、特務支援課に配属される[87][注 67]。
- 「零」 - 《特務支援課》ではその豊富な知識とバランス感覚から、参謀役としてメンバーをサポートする。祖父の苦境やクロスベルの暗部を目にして、一時は周囲から警察を辞めるのではないかと心配されるほど落ち込むが、ロイドの前向きな正義感が光明となり[107]、警察官として立ち向かうことを決意する。
- 「零」の後、特務支援課は一時的に解散となったことで、クロスベル州議会議長となった祖父を補佐し、周辺各国への旅に同行する。
- 「碧」 - 再始動した特務支援課に復帰する[109]。旧知のディーターと親友マリアベルがクロスベル独立国を起こすと、政治の観点からは彼らのやろうとしていることを否定しきれなかったものの、すっかり特務支援課に染まってしまったため、キーア奪還のため彼らに立ち向かうことを宣言する[126]。
- 「閃II」 - 登場はしない。ランディ、ノエルと同様、クロスベル総督府により監視がつけられていることが語られている[111]。
- 「閃III」 - 登場はしない。「鳥籠作戦」によってミシュラム方面に閉じ込められ[115]、祖父ヘンリーとともに要人の応対に忙殺される[116]。その直後の頃にアリサと知り合い、情報交換を行うようになる[注 68]。
- 「閃IV」 - 帝国で起きた異変の真相を探るべく、エステル、ヨシュア、レン、ロイド、キーアとともにオルキスタワーに潜入する[10]。その後はミュゼの招待によりパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、ティオ、ランディ、ユウナと再会し、リベール遊撃士協会、トールズ士官学院・VII組とも邂逅を果たして交流する[1]。オリヴァルト皇子が《光まとう翼》の結成を宣言すると《特務支援課》として参加して活動し、最終決戦では、リィンらVII組を《幻想機動要塞》に送り込むため、特務支援課メンバーとともに《塩の杭》のひとつの攻略に赴く[11]。
- 人物
- 才色兼備のしっかり者。普段は温厚で包容力があり、子どもとすぐに打ち解けられる人当たりのよい性格をしている。
- いずれは政治の道に進むことを志しており、《特務支援課》にはそのための社会勉強の一環として参加した[107]。しかし、《特務支援課》に参加したことによって図らずも大きな影響を受けることになる[127]。
- IBC総裁の娘であるマリアベルとは親友だが、マリアベルの側からはやや過剰に好意を寄せられており、セクハラ紛いのスキンシップにメンバーが引いてしまう場面もある[104]。
- 「零」で自分の過去を話した頃から[107]、ロイドのことは同僚として尊敬するのみならず異性として意識することがあり、彼が他の女性と親しげにしているのは内心面白くないようで、ジト目を向けてロイドを困らせることがある。「零」終章の絆イベントでは、日曜学校に通っていた頃に知り合えていればよかったと思うことがあると述べている[128]。「碧」では(プレイヤー次第になるが)終盤に起こせる絆イベントで、晴れてロイドと恋人同士になることもできる[129]。絆イベントでもはっきりと恋愛関係に発展するのはエリィのみであり、その際に「本当の意味で綺麗な女性だと思ったから、いいところを見せようとして背伸びをしていた」ことをロイドから打ち明けられた[129]。
- 怒ると非常に怖く、怒鳴るよりも笑顔で怒るタイプで主にランディの悪ふざけに対してそういった面がみられる[1]。幽霊を大の苦手としており、幽霊やお化けに似た魔獣に悲鳴を上げることもある。
- キャラクター造形としては、政治家志望であることから、現実をしっかり見つめ、自分がどうするべきかというところを逃げずに考えるという部分を意識して描かれている[書 42]。
- ティオ・プラトー
- 登場作:『VII』P・『暁』・「閃III」S・「閃IV」S・『創』P
- 声:水橋かおり
- 年齢:14歳(「零」[W 4]・「碧」[書 49])→16歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- エプスタイン財団からクロスベル警察に出向してきた少女。特務支援課の情報担当で[112]、導力ネットワーク端末の操作をはじめ、導力機器の扱いや知識をほぼ一手に手がける。
- 外界の事象に関して常人の数倍の感応力を持ち、人の気付かない音や導力波の流れ、属性の気配、生物の感情や心の揺らぎを感じ取れ、人語を話さない動物ともある程度の意思疎通が可能。
- 特務支援課には新型の導力兵器「魔導杖(オーバルスタッフ)」の実戦テストのために(という名目で)加入[87]。「エイオンシステム」(下記)を使った超高速演算を得意としている[112]。
-
- 来歴
- レミフェリア公国出身で、5歳の頃(1195年頃)に《D∴G教団》に誘拐され[123]、教団が管理するロッジのひとつであるアルタイル・ロッジで感応力強化の人体実験の被験者となり、3年の間、人体実験を毎日のように受ける[103]。
- 「零」の6年前(1198年)、8歳の時に《D∴G教団殲滅作戦》の一環でアルタイル・ロッジを制圧していたガイ・バニングスらクロスベル警察のセルゲイ班によって救出される[103]。半年間の入院生活の後にガイに送られてレミフェリア公国の実家に戻るが[103]、教団の実験により向上した知能や知覚などで家族や周囲の人々との間に軋轢が生じ、「零」の3年ほど前(1201年)に家出する[123]。ガイを頼ってクロスベルを訪れるが、すでに彼は殉職したあとであった[123]。行くあてもなく途方に暮れていたところ、エプスタイン財団の人間と知り合い、常人を遥かに上回る感応力を見込まれて当時発足したばかりの「
魔導杖 ()」開発チームにスカウトされ、レマン自治州の財団本部に身を置くこととなる[123]。魔導杖に付属する《エイオンシステム》にも関わり[46]、魔導杖の開発では実戦テストを担当するようになる[87][112]。
- 「零」 - クロスベル警察に出向し、「魔導杖」の実戦テストのため《特務支援課》に加入する[87]。エイオンシステムや導力端末操作といったスキルを駆使して支援課の力となり、その中でロイドたちにガイに助けられた過去を語る[123][103]。一連の事件は過去に自身を拉致した《D∴G教団》の残党であるヨアヒムによるものであったことから、自身の過去と向き合うこととなる。
- 「碧」 - クロスベルに戻るタイミングは遅れ、西ゼムリア通商会議の直前にクロスベル市に戻ってくる[37]。特務支援課がミシュラムで敗北して捕らえられると[131]、聖ウルスラ病院に軟禁されるが、救出に来たロイドと合流する[132]。終盤の絆イベントでは封鎖されたクロスベルの現状を心配して両親から手紙が送られてきたことをロイドに話す[133]。今まで何のために生きているのかわからないと考えていた彼女だが、事件が一段落したらロイドを両親に合わせて「大切な人の側で生きたいからクロスベルから離れない」ことを説明したいと述べ、互いに思いを通わせて抱きしめあった[133]。
- 「碧」の後(1205年)、レマン自治州の財団本部に戻り、導力ネット経由でロイドらに協力するようになる。
- 「閃II」 - 登場はしない(この時点でクロスベルにいたのかは不明)。ランディらにクロスベル総督府による監視が付きだしたため、情報操作を行うことでロイドとキーアには監視の目がひとまず及ばないようにしたことが語られ、ジオフロントのデータを渡すことでロイドの活動を支援する[111]。
- その後、「閃III」の年(1206年)の春に、エプスタイン財団の開発主任としてクロスベル市に戻る[112]。帝国軍情報局の監視を受けながらも、開発主任としての仕事をこなしつつ、“連絡役”として水面下で活動を開始する[W 13]。
- 「閃III」 - エプスタイン財団・クロスベル支部に所属する開発主任として登場し、クロスベルを訪れたリィンらに依頼主という形で関わる[112]。終盤、帝都ヘイムダルを訪れ、《黒キ星杯》が現れるとランディらトールズ士官学院・第II分校に加勢し、オズボーン側の勢力と交戦する[134]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》前で行われた戦いの後に捕らえられ、エリゼとともにリーヴスのトールズ士官学院・第II分校に軟禁される[51]。VII組らによって救出され、ランディ、ユウナと再会[83]。その後はミュゼの招待によりパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、ロイド、エリィ、キーアと再会する[1]。オリヴァルト皇子が《光まとう翼》の結成を宣言すると《特務支援課》として参加して活動し、最終決戦では、リィンらVII組を《幻想機動要塞》に送り込むため、特務支援課メンバーとともに《塩の杭》のひとつの攻略に赴く[11]。
- 人物
- 基本的にクールな話し方で素っ気ない態度をしており、ツッコミも手厳しいが、特に人嫌いというわけではない[W 14]。
- ロイドがガイの弟であることは特務支援課が発足する前から知っており[123]、それゆえ気になる存在だったのか、序盤からロイドの女性問題に対して白い目を向けている(見方によってはヤキモチにも見える)。
- 《D∴G教団》に拉致されて以降の経験から、「なぜ生きてるのか」、「どう生きればいいのか」という答えを探しており、その答えを聞きたくて家出をしてガイに会おうとしたが、彼はすでに死去していた[103]。その彼女が特務支援課に身を置いた理由について、セルゲイは「ガイの意志が息づく場所にいたかった」からだろうと述べている[103]。
- 『空』のリベールから「零」のクロスベルに舞台が変わるにあたり、登場人物たちの服装は大きく変わったが、中でもティオの外見はそれまでのものから大きく飛躍したものだったため、不安視されたという[書 51]。「ティオ」という名前が『空』ですでに使用されている(エステルの幼馴染)ということは、「零」のイベントのデバッグ中に発覚し(「ロイド」の重複が発覚したタイミングより遅い)、ティオが自己紹介する際にエステルが無反応なのはおかしいということでその場面のリアクションは修正されている[書 52][注 69]。
- 紋切型の感情が薄いキャラクターに見えるが、「人を好きでいたい」という部分を個性として造形されている[書 42]。
-
- エイオンシステム
- 人間と機械を共鳴接続させることができ、魔導杖によるノーウェイトの導力魔法の発動を実現させているほか、導力端末の処理に介入する際は驚異的な高速演算を可能にしている[104]。ティオの持つエプスタイン財団製の魔導杖に内蔵されており[46][135]、胸部のプロテクターや[104]、ヘッドギアと連動して作動する[112]。
- 導力端末の処理に介入できるため応用範囲は広く、ぽむっとでは常人では組めないような大連鎖を組むことを可能にしている[104]。「碧」の終盤、オルキスタワーで発見したエイドロンギアもエイオンシステムと連動させることで操っている[8]。
- 術者に膨大な情報を送り込むことになるため、常人には使用できず、ずば抜けた感応力を持つティオが使って初めて意味を成すという種類のシステムである[書 50]。そのためか、『閃』で登場するラインフォルト社製の魔導杖にはエイオンシステムは搭載されていない[書 50]。
- 結社《身喰らう蛇》の神機「アイオーン」と響きが似ていることから、ロバーツ主任とシュミットは両者に何らかの関連があることを疑っている[50][60]。その疑念について、ティオは結社の《十三工房》にはエプスタイン財団、ラインフォルト社、ヴェルヌ社、ZCFの研究を掬い上げるなんらかの仕組みが構築されているのではないかと推測している[60]。
- ランディ・オルランド
- 登場作:『VII』P・『暁』P・「閃III」S・「閃IV」P・『創』P
- 声:三木眞一郎
- 年齢:21歳(「零」[W 4]・「碧」[書 53])→24歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」[書 54])[注 61]
- クロスベル警備隊出身で、スタンハルバードを得物にする青年[87]。ロイドらにとっては頼れる兄貴分的な存在。
- 本名は「ランドルフ・オルランド」。大陸西部最強の猟兵団のひとつである《赤い星座》の団長バルデル・オルランドの息子で、オルランド一族特有の赤毛をしており、猟兵時代は《闘神の息子》、《赤い死神》という異名で呼ばれていた。
-
- 来歴
- 4歳から戦闘技術を仕込まれ、9歳の時に初の実戦を経験[136]。12歳で小隊を、14歳で中隊を任され[136]、18歳頃に次期《闘神》となるための試験として、《西風の旅団》の大部隊と交戦[137]。部隊を率いて戦闘には勝利したものの、作戦中に一般人の友人を意図せず巻き込んで死に追いやってしまい、猟兵としての人生を送ることに疑問を抱くようになり、《赤い星座》を抜ける[120][102]。
- 「零」の1、2年前(1202年[117]か1203年[112])、流れ着いたクロスベルで、(カジノに入り浸った後)警備隊に入隊[136]。この際、猟兵時代に得物としていたブレードライフル《ベルゼルガー》を封印し[136]、警備隊に入隊して以降はスタンハルバード(導力ライフルと合わせて警備隊隊員の標準装備)を得物とするようになる[137]。
- 導力ライフル(アサルトライフル[書 55])を使用することを拒否していたことから、警備隊司令に目を付けられて除隊にされかけたところ[136][137]、警備隊副司令のソーニャからセルゲイに紹介され特務支援課に配属されることになる。
- 特務支援課の一時解散後は警備隊に戻り、《教団事件》で弱体化した警備隊のリハビリにつきあう[130]。
- 「碧」 - 《赤い星座》がクロスベルに進出してきたため、自らの過去と向き合わざるを得なくなる。《赤い星座》が動きを見せると、自らも支援課を去り、一人で立ち向かおうとするがロイドに説得され支援課に戻る[139]。終盤、特務支援課が敗北して捕えられるが脱出に成功し、ミレーユらレジスタンスと合流して、マインツ方面で活動した後、ロイドらに合流[140]。《碧の大樹》で叔父シグムントに挑むことになる[141]。
- 「閃II」 - 登場はしない。特務支援課の中で最初に監視が付けられていて、身動きが取れないことが語られる[111]。
- クロスベル併合とクロスベル警察の再編により特務支援課が解散した後、クロスベル警備隊が再編された帝国軍・クロスベル方面軍警備部隊へ配属される[W 15]。クロスベル総督ルーファス・アルバレアからトールズ士官学院・第II分校の教官として推薦され[注 70]、乗り気ではなかったが、《赤い星座》が帝国で動き始めているという話を聞き及び、仕方なく赴任を承諾する[114]。
- 「閃III」 - 第II分校の教官として登場し、VIII組戦術科の担当教官となる。リィンやトワと同僚となるもクロスベル出身ということもあって最初の一月ほどはどこか壁を感じる付き合い方だったが、リィンがクロウと間違えて声をかけるという出来事があり、それをきっかけに壁を取り払った付き合いをするようになる[142]。その後、クロスベルでの特別演習で他の特務支援課メンバーと同じく動きを封じられることになった際、「代役」を買って出たリィンら旧VII組メンバーに全てを託すなど[116]、信頼関係を深めていくこととなる。
- 「閃IV」 - VII組とともに隠れ里エリンに転移[143]。ユウナら新VII組のサポート役として、エリンでの修行やサザーラント州での探索に付き合うが、ハーメル廃村での戦闘後はサザーラント州で活動するタチアナら分校生のサポートをするため、ユウナらと別行動を始める[101]。その後、アガット、トマスと合流して、《黒の工房》でアガットとともにアリアンロードと再戦[51]。その後、分校生たちをフォローするため再び別行動を取るが、リーヴス奪還にあたってトールズ士官学院・第II分校の教官としてVII組とともに戦い、ティオを救出[83]。そしてロイドたちと再会したパンタグリュエルでの一件後は《光まとう翼》の一員として活動する。最終決戦では、リィンらVII組を《幻想機動要塞》に送り込むため、特務支援課メンバーとともに《塩の杭》のひとつの攻略に赴く[11]。
- 人物
- 普段は軟派でお調子者な言動も多く、一見するとだらしのない人物のように思われるが、仕事に関しては誠実であり、年長者としてメンバーのフォローを的確に行うこともできる頼れる兄貴分として慕われている[120]。ロイドとは軽口を言い合いながらも互いを信頼し合う相棒のような関係で、また兄貴分として彼の成長を見守っている。
- 元の職業柄か、長時間の徒歩をものともしないスタミナを持ち、魔獣に関する知識も豊富。
- 趣味はナンパで、任務の最中でも女性と見ると声をかけることがあるため、ティオに突っ込まれたり、エリィに怖い笑顔を向けられたりしている[注 71]。好みの女性はセシルらしく[注 72]、彼女と親しくなるために「ロイドと付き合っても構わない」と冗談めいたことをさらっと言ってのけるが、そのことに関してはロイドは非常に嫌がっている。
- 基本的に美人には弱いが、警備隊のソーニャやウルスラ病院のセイランド教授のように「おっかない」という印象を持っているタイプには気後れしている様子を見せている[137]。
- エリィのことを「お嬢」、ティオのことを「ティオすけ」、キーアを「キー坊」、シュリを「シュリぞう」、ユウナを「ユウ坊」と独特の符丁で呼んでおり、ランディ本人は癖だと言っている[145][注 73]。
- 「碧」では《赤い星座》のザックスから「団にいた頃より遥かに強ぇ」と[126]、「閃IV」では《西風の旅団》のルトガーから「団を抜けてから器がデカくなった。《
闘神 ()》も心残りはねぇだろ」と賞賛されている[101]。 - 口癖は「おいおい、マジかよ!?」、「そう繋がんのかよ……!」などで、「おいおい」で始まる言い回しや、語尾が「~かよ(!・?・!?)」となる言い回しが多い。「
合点承知 ()」もよく使い、ティオやユウナもランディの影響を受けてかよく口にしている。
- セルゲイ・ロウ
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:石塚運昇(「VII」)→小山力也(「創」)
- 年齢:38歳(「零」[W 4]・「碧」[書 57])
- 特務支援課の課長で、ロイドたちの上司。
- 優秀な捜査官だが、アクが強すぎるので上層部から煙たがられている。
-
- 来歴
- 以前から警察でもはみ出し者だったため、かつて(1196年頃)、ロイドの兄ガイとアリオスという規格外の新人2人を押し付けられて上司となり[103]、3人だけの「セルゲイ班」で捜査一課以上の実績を上げていた[146]。《教団》殲滅作戦(1198年)では捜査一課に代わってクロスベル警察を代表して参加し、ガイとアリオスとともにカルバード共和国最西端にある教団ロッジ(アルタイル・ロッジ)の制圧を担当した[103]。
- 「零」の5年前(1199年)、アリオスが警察を辞めてチームが解散すると、警察学校に異動し[146]、導力車運転の教官も担当する[147]。この時期にソーニャと離婚する[137]。
- 「零」 - 特務支援課を設立し課長となり、ロイドらの上司となる[87]。基本的に放任し、ロイドたちにも最低限の助言しか与えないが、終盤ではロイドらを《太陽の砦》に導力車で送り届ける役目を買って出る[147]。
- 「碧」 - 特務支援課の再始動にあたって、導力車の手配を行い[130]、他組織との連携が多くなった支援課で警察本部、警備隊、遊撃士協会との仲介をする描写が多くなる。
- 「碧」の後、帝国によってクロスベルが併合されるとクロスベル警察はクロスベル軍警に再編され特務支援課は解散させられるが、セルゲイは処分は受けた上でクロスベル軍警に残る道を選ぶ[148]。
- キーア(キーア・バニングス)
- 登場作:『VII』・『暁』・「閃III」・「閃IV」O・『創』O
- 声:釘宮理恵
- 推定年齢:9歳(「零」[W 4]・「碧」[書 58])→11歳(「閃IV」[書 59])
- 「
黒の競売会 ()」にてロイドたちに保護された、記憶喪失の少女。 - 人懐っこく、天真爛漫な性格であっという間にロイドたちに懐き、ロイドたちも彼女に並々ならない愛情を注ぎ、支援課の精神的支柱となっている。
-
- 来歴
- ゲーム本編のおよそ1200年前、《幻の至宝》の消滅に惑ったクロイス家を中心とする一派が失われた至宝と同等の存在を生み出すために研究を始め、錬金術という魔導技術を編み出し、およそ500年前、彼らによって新たなる至宝の「核」となる存在である
人造生命 ()として生み出され、《教団》に託された[98]。 - その後の500年間に渡って《教団》の信仰対象として《太陽の砦》の《揺篭》で密かに眠りについたまま、教団によって人体実験にかけられた被験者の知識や人格などの膨大な情報を送り届けられて高位の人格が生み出される[98]。
- 本編の時代の頃になって、マリアベルが錬金術に導力技術を融合させた《魔導科学》を編み出したことで《零の至宝》として誕生させる目途が付き、クロスベル自治州全域を使用した《式》の構築などの準備が密かに進められる[118]。
- マリアベルとアリオスによって《太陽の砦》の地下から密かに連れ去られ、《
黒の競売会 ()》で出品予定だったローゼンベルク人形と入れ替えられる[105]。
- 「零」 - 《黒の競売会》で、ロイドらによって救出される[138]。その後も身元がわからなかったため、成り行きで特務支援課でそのまま保護養育されることになり、支援課ビルで暮らし始める[150]。インターミッションではクロスベル市内をロイドらと歩き回り、出会う人々全員がキーアに好意的な反応を見せる[151][書 60]。
- 「碧」 - 至宝としての力が徐々に発現し出したことで自分の正体に密かに思い悩んでいたが、悩みを打ち明けるようマリアベルから促され[120]、クロスベル市が《赤い星座》の襲撃を受けて蹂躙された際、マリアベルの計画に乗ることを決意する[152]。
- クロスベルの運命の日、アリオスに伴われて特務支援課ビルを去り、マリアベルによって導かれ、クロイス家が張り巡らせた魔導科学による「式」である導力ネットと古代遺物である「大鐘」によって変換された七耀脈のエネルギーがキーアに注入され、ミシュラムワンダーランドの「鏡の城」の最上階にて《
零 ()の至宝》として覚醒を果たす[118]。理不尽な今の世界を創りかえるため《零の至宝》としての力を行使しようとするが、ロイドの説得により考え直す[125]。しかしマリアベルによって「周囲から向けられる好意は、能力によるもの」であることをロイドたちにばらされ、最も知られたくないことを知られたことで暴走状態となってしまう[125]。その結果として《碧のデミウルゴス》を生み出し、《碧のデミウルゴス》が特務支援課によって敗れると、内面世界である"零"の世界に閉じこもる[125]。ロイドによって精神を救われて元の世界に帰還し[153]、《零の至宝》としての能力を消失し、元の姿に戻り普通の女の子として生きられるようになる[125]。
- 「閃III」 - イラストのみの登場[116]。「鳥籠作戦」によってミシュラム方面に閉じ込められ[115]、ロイド、アリオスとともに湿地帯方面に追いやられる[116]。「鳥籠作戦」が終了したことで解放され、トールズ士官学院・第II分校の面々がデアフリンガー号で演習地から帰投する際に丘の上からロイド、アリオスとともに分校の面々に姿を見せ、一行を見送る[114]。
- 「閃IV」 - エステル、ヨシュア、レン、ロイド、エリィとともに、オルキスタワーに潜入して帝国の情報を探る[10]。《零の至宝》の能力が消えても、因果が視える能力は残っていることから[10]、それを利用してオルキスタワーに送られた霊子情報の解析を手伝っているほか、霊脈の流れの解析を行うことで《黒の工房》の場所の特定に協力し[53]、リィン救出の鍵となる。その後はミュゼの招待によりパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、ティオ、ランディと再会する。
- 人物
- 天真爛漫な性格で好奇心も旺盛だが、その率直過ぎる言動は時折ロイドたちの肝を冷やす。
- 《揺籠》で眠っていた頃に吸収した情報により、料理をすれば何かに目覚めたかのように上手に作り[150]、日曜学校では年齢不相応の難問を解くなど[130]、ふだんの様子からは想像できないほどの高い能力を見せる。
- 特務支援課の面々からの溺愛や、どこか遠慮しがちなシズクが打ち解けて友達になるなど、周囲からの好意はキーアの能力が無意識に発動した結果であることが後に発覚する[125]。魔獣やヨアヒムでさえも懐柔する大きな力であり、偽りの生命と記憶、さらには向けられる好意まで偽りであることはそれを知ったキーアに重圧を与えることとなる[125][153]。
- 「キーア(KeA)」という名前には、すべてのはじまりの鍵である「Key of A」という意味が込められている[書 58][注 75]。
- 「閃III」以降の変化
- 《揺籠》で眠っていた間はコールドスリープ状態のようなもので、肉体そのものは人間と変わらないため、「零」で目覚めた後は成長を続けており[書 61]、「閃III」の再登場時には11歳くらいの見た目に成長しており、髪型はツインテールになっている[書 54]。
- 至宝としての力は失ったが、因果を視認することができる能力を持っている[10]。
- 身寄りがないため、ロイドの姓であるバニングスを名乗っている。また、元《
零 ()の御子》と呼ばれることが多い。 - 「碧」でエンディング用に2年後の姿がデザインされていたが[110][書 58]、「閃III」で再登場するのにあたって新規にデザインされており、髪型などが異なる。
-
- 零(ぜろ)の至宝
- キーアの覚醒した姿で、外見は13歳くらいに成長した姿になり、髪は銀色になる[書 62][書 58][注 76]。
- ディーターらからは教団の呼び名にならって《御子》と呼ばれるようになり[118]、『閃』以降では《
零 ()の御子》の通称で知られる[注 77]。 - 因果律と認識を司る《幻の至宝》を再現するために創造されたものだが、さらに《クロスベルの鐘》の共鳴を利用することでその力を増幅し、《空の至宝》と同様の空間を操る力も行使することができる[154]。《空》の力は《神機》を通して行使することも可能で、《幻の至宝》を見守る役割を担っていた《神狼》ツァイトに言わせてもその力はオリジナルの《幻の至宝》を超えている[98]。
- プレロマ草は《幻の至宝》の端末のようなものであり、七耀脈を通じてクロスベル中に咲き乱れており、《零の至宝》もプレロマ草を通じて付近にあるものの存在を感知することができる。
-
- 碧(あお)の大樹
- 《零の至宝》の完成形としての姿で、「全ての調停者となる存在」とマリアベルらは呼ぶ[155]。《零の至宝》であるキーアは中心部に取り込まれている[125]。
- 《鐘》の共鳴をロイドらによって止められたことで至宝としての力が低下したため、「全てを叶える」ためにキーアが決断し[154]、クロスベル自治州南に広がる湿地帯に出現する[155]。高さにして2,000アージュ(メートル)以上の巨大な樹の姿をし[156]、青白い光をまとっている[155]。
- その力はオリジナルの《幻の至宝》を完全に超えており、七耀の力の全てを操り、特に《幻》(因果律と認識)、《時》(時間)、《空》(空間)の力を併せ持ち、女神に匹敵するとまで言われる力を持つに至る[50]。七耀脈を通じて世界とリンクしており、過去、現在、未来の事象全てを書き換える能力があり、その力は「世界を紡ぐ力」とも呼ばれる[125][注 78]。
- これらの力を使うことで過去、現在、未来の出来事を書き換えることができ、「零」の序章でロイドが見た夢はただの夢ではなく、暴走したヨアヒムに殺されたロイドたちを助けるためにキーアによってこの力を用いて取り消された歴史であったことが判明する[125]。
- 物語中ではロイドらの活躍により消滅することになるが、そもそもこれほどの大きな力を制御していける保証はどこにもないため、ツァイトは(ロイドらが何もしなくても)結局《幻の至宝》と同じ結論にたどり着いて自ら消滅する可能性があるのではないかとも言っている[50]。
- 碧(あお)のデミウルゴス
- 「碧」におけるラストボス。マリアベルによって暴走させられたキーアが形成した巨大な《碧の
虚神 ()》で、《零の至宝》と《碧の大樹》が完全に融合した姿[125]。 - キーアを体内に取り込んで活動し、《零の至宝》としての力を行使する。始めは誕生したばかりで不完全な形態だが、戦闘中に完全体へと移行する。非常に厄介な特性を多々持っており、キーア同様上位三属性を統べる。特にSクラフト「時空大崩壊」の性能は非常に凶悪で、一度発動されたらどのような手段を用いても絶対に防げず、「全てを零に」帰され強制的にゲームオーバーとなる。しかし1200年に及ぶ妄執も特務支援課の絆の前に敗れ去る[125]。
- 「時空大崩壊」はいわゆる初見殺しになっており、シナリオ上では最強の力を持っていると言われていることとの折り合いをつけるため導入された[W 16]。
- ツァイト
- 登場作:「零」・「碧」P/S・『暁』・『創』
- 声:滝下毅(『VII』)、平川大輔(ドラマCD)→龍谷修武(「碧Evo」『創』)
- クロスベルの伝説で《神狼》として伝えられる白い狼[注 79]。
- 市民からの人気が高く、特に西通りの子供たちからの人気が高い[107]。
-
- 来歴
- 「零」 - 各地で起こった謎の生物による襲撃事件をきっかけにロイドらの協力者となり[157]、警察犬という名目で特務支援課ビルに住み着く[107][注 80]。《特務支援課》の未熟者たちを見守り、力を貸すというスタンスであり、普段は分室ビルの屋上など、日あたりのいい場所で日向ぼっこするようになる。キーアの正体には当初から気付いている。
- 「碧」 - 特務支援課の一時解散時は姿を消していたが、マインツの鉱山でランディとともに姿を現し[103]、以降は再びロイドらに力を貸す。キーアがアリオスに促されて支援課ビルを跡にした際に追いかけるが見失ってしまい、同日に特務支援課がミシュラムで敗れたため支援課ビルには戻らず、マインツ山道の部下たちと合流する[118][132]。部下の狼たちに猟兵の動きに注意するよう言い含めて自身は単独行動をとり[140]、拘置所を脱走したロイドを本来の巨大な《神狼》の姿で助け、自らの正体を明かすとともに過去にクロスベルで起きた《幻の至宝》にまつわる出来事を語る[98]。それまでの付き合いからロイドが諦めないことは察知していたため、ロイドらが囚われている間にワジに再会して星杯騎士団に協力を要請し、支援課に再起の足掛かりを与える[98]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。《碧の大樹》の消滅後に特務支援課の前から姿を消したことと、その際にローゼリアと少々言葉を交わしたことが語られている[63]。
- ノエル・シーカー
- ワジ・ヘミスフィア
捜査一課
[編集]優秀だが杓子定規な考え方をしており、また縄張り意識も強く他者の介入を快く思わない面を持つ。しかしいずれも正義感は強く、警察官としての誇りと意識は強い。
- アレックス・ダドリー
- 登場作:「零」S・「碧」P・『暁』・『創』
- 声:中井和哉
- 年齢:27歳(「零」[W 4]・「碧」[書 65])
- クロスベル警察の捜査一課に所属する捜査官で、警部補[37]。武器は軍用の大型導力銃。
- 捜査一課の中でも主任捜査官であり[109]、エースとして名高く[103]、現場では彼が指揮を担当することも多い。
-
- 「零」 - エリートである捜査一課の捜査官として当初は特務支援課を軽視し見下す態度を取っていたが、彼らが実績を挙げるにつれて認め、ルバーチェ商会にあたって協力したのをはじめ[135]、終章ではキーアを守ってクロスベル市内を逃走する特務支援課に協力する[158]。
- 「碧」 - 序章で、アーネストとハルトマンを追ってロイドらとともにアルタイル・ロッジに潜入する[109]。支援課とは緊密な連携を図るようになり、第2章で途中加入するほか[37]、終章のクロスベル市解放作戦以降は特務支援課と行動をともにする[8]。キリカとレクターからディーターによる一連の事件の裏に黒幕(フィクサー)が存在する可能性を告げられた際、ダドリーだけがイアンを疑っている[8][書 66][注 81]。それが事実だとわかると、足繁く事務所に通っておきながら気づけなかったことを恥じる[50]。
- 人物
- 眼鏡をかけたインテリ風の容貌とは裏腹に身体を鍛えており、軍用の大型導力銃やショットガンを使いこなす。
- エリート意識が強く、素人同然のロイドたち特務支援課を快く思っていなかったが、必要であれば支援課と協力し、闇ブローカーのアシュリーと情報交換する柔軟性もあり、堅い性格だが分別は持ち合わせている。警察としての使命感と正義感は本物であり、それゆえに上層部の圧力で満足に捜査できない状況に苛立っている[103]。
- 次第に特務支援課を認め始め、厳しい態度を取りながらも彼等を叱咤したり、自分から同行を強く申し出たり[37][8]、時には微笑を浮かべてロイドたちを肯定したりなどの一面を見せていく。
- あまり素直になれない様子をティオから「一種の照れ隠し」と突っ込まれ[103]。
- セルゲイやイメルダなどの年配者には頭が上がらない模様。キーアに対して唯一厳しく、しつけがなっていないと注意したこともある。その際に「おじさん」と呼ばれ怒っている[37]。
- 目上の人間以外には姓で名前を呼ぶ傾向がある(バニングス、オルランドなど)。話す時に「フン」と一拍置いてから話を始める癖がある。
- 続編でプレイヤーキャラクターなることは考慮されて作られたキャラクターだが、「零」の制作時点では特務支援課とどういう関係性になるかはわからない部分があったものの、結果的に好人物となったため当初の考えの通り「碧」でも終章でレギュラーのプレイヤーキャラクターになることになったという[書 67]。
- ガイ・バニングス
- 登場作:「碧」
- 声 - 小西克幸
- 年齢:享年25歳[書 68]
- 故人。ロイドの10歳年長の兄であり、セシルの婚約者。
- 捜査一課の上級捜査官だったが[1]、「零」の3年前に殉職した[107]。
-
- 来歴
- 1189年に両親を旅客飛行船の墜落事故で失い[105]、それ以降は男手ひとつでロイドを育てる[107][106]。
- クロスベル警察の警察官となり、同期のアリオスとともに規格外の新人として扱いに困った上層部からセルゲイに押し付けられ、彼を上司とするセルゲイ班に配属され(1196年頃)[103]、3人だけで捜査一課以上の実績を上げる活躍をするようになる[146]。
- 自身とは対照的な生真面目な性格をしているアリオスとは逆にウマが合い、2年足らずでクロスベル警察最強の若手コンビと言われるようになる[103]。
- 《D∴G教団》殲滅作戦(1198年)では捜査一課に代わってセルゲイ班がクロスベル警察を代表して参加し、アリオスとセルゲイとともにカルバード共和国最西端にある教団ロッジ(アルタイル・ロッジ)の制圧を担当し、そのロッジの唯一の生存者であるティオを救出する[103]。その後、聖ウルスラ病院に入院したティオが回復すると、彼女の実家があるレミフェリア公国まで鉄道の旅に付き合い、彼女に強い印象を残す[103][書 69]。
- 「零」の5年前(1199年)、アリオスが警察を辞めてセルゲイ班が解散すると、捜査一課に異動する[146]。真面目な一課の水には合わず、特にダドリーとは衝突しつつ[135]、もっぱら単独で捜査を行うようになる[103]。
- 「零」の3年前(1201年)、アリオスが後ろ暗い陰謀に加担していることに気づき、曇天小雨の日に彼をオルキスタワー建設予定地に密かに呼び出し、翻意を迫るが受け入れられなかったため彼と死闘を演じる[105]。死闘の末にお互い体力の限界に達したため、アリオスに休戦して飲みにいこうと呼び掛け、アリオスも応じかけるが、死闘の様子を隠れて見守っていたイアンによって背後から撃たれ、致命傷を負う[105]。意外な黒幕に驚きつつ、イアンに「俺の代わりは現れますよ」と言い残し、ロイドとセシル(翌月に結婚式を控えていた)の名を呟いて息絶える[105]。この死に他の目撃者はおらず、殺害した組織は不明であったため、彼の死は謎を残すこととなる。
- 「零」 - 登場はしない。ロイドやティオらによって過去にあった出来事が語られる。
- 「碧」 - 最終盤で、キーアの内面世界である"零"の世界に飛び込んだロイドの前に現れる[153]。キーアが世界を書き換えガイが存在する世界を作り出そうとしていたことから、これまでの事情を全て知っている様子であり、キーアを捜し求めて迷うロイドに助言し、励まし、兄として導く[153]。
- 人物
- 直情的で無鉄砲だが優秀な捜査官で[103]、大胆不敵ながらも危険や陰謀へのすさまじい嗅覚を持っていた[159]。捜査一課に移った後は水こそ合わなかったものの、その捜査手腕の高さは一課の誰もが認めていた[135]。
- 武術の腕はアリオスがやや上で[105][注 82]、ガルシアに言わせれば、他もセルゲイやダドリーに比べて捜査官として抜きんでたものはなく、抜きんでたところがあるとすれば「諦めない」ところくらいだった[98]。しかし、その絶対に諦めないという気質が半端ではない行動力や大物に食い下がっていく原動力になったのだろうと推測されており[98]、この絶対に諦めないという思いはロイドにも受け継がれている。
- 特務支援課は彼が生前残した言葉に動かされてセルゲイが設立した[103]。
- 『VII』では、アリオスが《特務支援課》にとっての越えるべき《壁》として描かれているのに対して、ガイはロイドにとっての越えるべき《壁》という位置づけが与えられている。
- ロナード・グリフィン
- 登場作:『暁』P
- 声:日野聡
- 『暁』の主要人物の一人で、クロスベル警察、捜査一課に所属する上級捜査官。捜査のためなら手段を択ばない性格で時には暴力を振りかざしてしまうこともあるが、基本的には“罪を憎んで人を憎まず”の主義で、面倒見もそれほど悪くない。
- オーバルストア「ゲンテン」の店長フェルナンドをターゲットとした《N資金》詐欺事件捜査の担当となったことが縁でナハト、クロエと知り合う。当初は誤解とナハトの猜疑心からギクシャクした関係ではあったが、事件解決後は《クロスプロジェクト》の警察側担当としてナハトたちに協力した。唯一の大人として彼らを見守り時にはデリカシーのない発言がきっかけで口論になりながらも、次第に3人に対して親しみを覚えていく。
- 幼少期はクロスベルの旧市街にある貧しい家で育ち、同じ日曜学校に通ったジリアンとは貧富の差はあれど親しい幼馴染で、ジリアンの妹であるシェリルには「ロナードお兄ちゃん」と呼ばれ懐かれていた。やがて日曜学校の帰宅途中にシェリルが行方不明となり、クロスベルに危機感を覚えた両親とともにジリアンは帝国へと戻ること。その際に『刑事になって必ずお前の妹を見つけてやる』と約束した。約束を果たすために猛勉強の末、当時最年少で捜査官試験に合格した。その4年後、クロスベルに戻ったジリアンと再会して火が付き、エリート刑事であることからジリアンの両親の覚えも良く、あれよあれよという間にジリアンとの婚約を果たした。また、当時ジリアンの上司であったライトナーとも親しく、彼の突拍子もない計画によく手を焼いていた。だが結婚式を目前に控えて《D∴G教団》殲滅作戦にセルゲイ班の一人としてライトナーらと駆り出されることになり、捜索先のロッジにあった教団の儀式で犠牲となった子供たちの死体の中に、シェリル・スカイの亡骸を見つけてしまう。当時浮かれていた彼は卒倒し、アリオスに運び出され事なきを得るが、シェリルが変わり果てた姿で見つかったことが原因でジリアンとの結婚は有耶無耶になった。シェリルの死をきっかけにクロスベルに恐れを抱いたロナードは、教団の残党や協力者を捜しを名目に逃げるようにしてクロスベルから頻繁に出張するようになり、やがてジリアンへの恋心を失ってしまった。
- 2章でクロスベルを正すべくテロ行為を仕掛けたライトナーと再会する。彼が自分と同じく《D∴G教団》殲滅作戦をきっかけに壊れてしまったことに気づき、クロスベル地下水路で対峙した際にはライトナーの銃弾を身を挺して受けながら、クロスベルから逃げずに生きて償うことを彼に懇願し、意識を失った。クロスベルから出張するたびに買い漁ったお守りの一つが運よく銃弾を防いでくれたことで事なきを得たが、無茶をしたことからジリアンの説教を受けた。また、銃弾を防いだお守りは捨てたと偽っていたジリアンとの婚約指輪だった。その後、彼はシェリルの死に関わったニーズヘッグを追いかける。
- 課長
- 捜査一課の課長でダドリーの上司。本編では名前・姿ともに明かされなかった。ダドリーの態度から捜査の打ち切りを告げざるを得ないことに無念であった模様[103]。
その他警察関係者
[編集]- フラン・シーカー
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:有島モユ
- 年齢:17歳(「零」[書 70]・「碧」[書 71])
- 警察本部のオペレーターで、ノエルの1歳下の妹。
- 特務支援課のバックアップも担当しており、各種連絡や報告書の処理などを行う。
- 「碧」でも引き続き支援課のバックアップを行っていたが、警察署を襲撃してきた《赤い星座》の攻撃で、一時昏睡状態になるほどの重傷を負う。しかし捜査二課のドノバンが身を挺してかばったことで後遺症もなく復帰。ディーター大統領に対して反旗を翻したロイドたちに味方し、ヨナとともにバックアップに回る。
- 自分にとっての一番はいつだってお姉ちゃんというほどのお姉ちゃんっ子[122]。ノエルのようにかっこよくて頼れる女性になることを目標にしているが、そこまで姉好きであるにもかかわらず同じ警備隊に入らなかったのは、警察学校では事務系の成績が良く、自分に合った方法でクロスベルを守っていきたいと考えたためである[122]。
- ノエルとおそろいのクマのぬいぐるみを持っており[27]、「バンバン」と名づけている[151]。
- ピエール
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:織田優成
- クロスベル警察の副局長。
- 典型的な小役人タイプの人間で、上司にはこびへつらい、目下の者には尊大に振舞う。特務支援課の存在を疎ましく感じており、ことあるごとにロイドたちにネチネチと小言を言ってくる。一方で重度の恐妻家であり、結婚指輪をなくしたときにはパニック状態になっている。また、酒に酔うと妻のことで愚痴る姿が方々で見られる。
- 「碧」では自分の後輩が局長になってしまったことに落ち込んだ他、あるイベントでは妻から離婚届を突き付けられそうになり、ロイドから同情される。最終的に離婚の危機は回避されるも、妻にはますます頭が上がらなくなる(結婚指輪をなくした一件もバレていた)。
- よくある現場に口を出す無能な上司というわけではなく、ダドリーの実力は認めており、オルキスタワーの警護の指揮を彼が執っていた際には自分の出る幕はないと余計な口出しはしていない。
- 終盤では市内に混乱を広めたディーターを問い質しにオルキスタワーに乗り込んだり、ロイドたちを心配したりするなどの一面を見せる。妻に対して立ち上がらないといけない時があると語るが、似合わないことをしたせいで結果的にタワー内に監禁されてしまったことを指摘されている。
- ジリアン・スカイ
- 登場作:『暁』
- 声:藤井ゆきよ
- 『暁』の主要人物の一人で、クロスベル警察のオペレーターで、ロナード捜査官の同僚兼お目付け役。正義感が強く、生真面目な性格で生まれもっての苦労人気質。
- 導力ネット関連の犯罪を一手に引き受けたり、ロナードが各地で起こした事件の後処理に追われるなど、日々のストレスに悩まされている。
- その実は今は無き情報課の一員でありサミュエル・ライトナーの元部下。そしてロナードの元婚約者。また、年の離れたシェリル・スカイという妹がいた。
- 両親はエレボニア帝国人であり、子供の頃は日曜学校でクラスが一緒だったロナードとは貧困の隔たりなく遊んでいた。
- しかし10年前の日曜学校の帰り、シェリル・スカイが拉致され事件が迷宮入りしたことで、両親とともに帝国へと帰ることになった。
- その4年後、クロスベルに戻り再会したロナードと婚約することになるが、《D∴G教団》殲滅作戦でシェリル・スカイの亡骸が見つかったことにより、互いに婚約どころではなくなり、次第に有耶無耶になってしまった。
- ホガース
- 登場作:「零」・『暁』
- 警察の局長だが、名前・姿ともに本編で明かされなかった。ルバーチェから賄賂を受け取って捜査を妨害したため、エンディングで警備隊の司令官ともども、解任されたことが語られる。
- 『暁』にて顔グラフィックと名前が追加された。接待能力に目を付けたエルフェンテック社にプレストンともども引き抜かれ、同社の常務となっている。今の職場の方が断然いいと語っている。
- フランツ
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:坂泰斗(『創』)
- クロスベル警察本部前の警備を担当する、広域防犯課の巡査で、ロイドの警察学校時代の同期。捜査官を志しており、警備の仕事をしながら受験勉強に励む姿も見られる。しかし、ルバーチェによる《グノーシス》の流通に伴い、警備の仕事が忙しくなり、勉強のための時間が取れないとこぼす場面も。受付嬢レベッカが気になる様子。
- 『暁』にて顔グラフィックが追加された。
- サミュエル・ライトナー
- 登場作:『暁』
- ガイたちが活躍していたクロスベル警察黄金期に存在していた《技術課》の元課長。《D∴G教団》殲滅作戦にも暗号解読班として参加した。
- エブリスタイン財団で導力学を学び、魔獣を退治する清掃マシンを設計、利権の問題で広く実用化はされなかったが、ロバート主任にも天才と称されていた。
- その知識を買われる形でクロスベル警察入りし、発展途上の動力ネットを犯罪から守るべく《技術課》を立ち上げ1課や2課をサポートした。
- だが、未熟な導力ネットがいずれ犯罪の温床になることに危機感を覚え、上層部の会議に乱入、導力ネット犯罪の対策の重要性を伝え悪用の可能性があるセントラルヒーリング建設の中止を直談判した。
- しかし、当時の上層部は誰一人とてライトナーの言葉を理解できず、そのために進言を受け入れられず、逆に疎まれ《技術課》も廃止されてしまった。
- その後数年間行方を晦ましていたが、《教団事件》や《西ゼムリア通商会議》におけるクロスベルの治安の脆さに絶望し、机上の空論とも言えるクロスベル独立宣言に激怒、不本意ながら《ニーズヘッグ》と取引しツァイス中央工房の《カペルII》を奪取、卓越した処理能力でクロスベルの全ての導力ネットを掌握し、警察や関係者へと”クロスベル崩壊”を警告した。
- ジオフロントを掌握しようとした所へ追いついたダドリーと試験課の面々と対峙し、クロスベルの平穏と反映が脆弱な導力ネットの上で成り立っている真実を市民や上層部に刺激をもって警告することが目的だったと告げる。だがナハトに目の隈から悪夢を見ていることを指摘され、激戦の末に自殺を図り試験課の面々へと導力銃を向けるが、捨身で説得すべく近づいてきたロナードを撃ってしまい動揺する。倒れゆくロナードに「生きて償え」と告げられた直後、何者かが仕掛けた清掃マシンの暴走に巻き込まれるが、駆けつけた元同僚のアリオスに救い出された。
- アルタイル・ロッジでの惨劇や魔都クロスベルの闇を目撃し悪夢に苛まれる中、ガイが死にアリオスが警察を去ったことでこの先クロスベルを守れるのか怖くなったことが理由であったことをアリオスに告げ、ロナードら若者の成長を信頼すべきと気づくのが遅すぎたと呟きながら、逮捕された。
- その後、牢にて《錬金術師》と名乗る女性からクロスベルの導力ネットに存在する膨大なデータに気づいた才能を買われクロスベルを守る壮大な計画に協力するように求められるが、生前のガイが探っていた黒幕が彼女であることを見抜き、生きて償うことを理由に辞退した。
- ユウナ・クロフォード
- 特務支援課に憧れ警察学校に所属する少女[160][注 83]。詳細は#ユウナ・クロフォードを参照。
クロスベル警備隊/国防軍
[編集]クロスベルにおいて軍隊に相当する組織であり、国境の警備などを行っている。主に登場するのはベルガード門とタングラム門の警備を担当する隊員たち。新人あっても警備隊に所属するものはエリートであり、ロイドたちも手加減無用と判じやりあったほど。ディーターが大統領になってクロスベル独立を宣言した後に「国防軍」と名を改めた。
- ノエル・シーカー
- 登場作:「零」S・「碧」P・『暁』P・『創』P
- 声:浅野真澄
- 年齢:18歳(「零」[W 4]・「碧」[書 72])
- クロスベル警備隊に所属する少女。フランの姉。
- 警備隊の若手のホープとして期待されており、ソーニャの片腕として行動する。警備隊の装備を使いこなして高い戦闘力を発揮するだけではなく、乗り物の運転や操縦にも長け、導力車、戦闘車輌からボートまで操縦することができる[144]。
-
- 来歴
- クロスベル警備隊に所属する父オズマの影響を受けて育ち[109]、その父は任務中の「事故」により殉職する[140]。その後、父と同じクロスベル警備隊を目指し、警察学校警備課を優秀な成績で卒業する[書 73]。
- 「零」 - 第2章終盤、第4章序盤でスポット加入し特務支援課を助ける。特に第4章では装甲車を運転して各地に案内してくれる。終盤、《太陽の砦》を目指すロイドらの乗った車が警備隊車両によって危地に陥っていたところに現れ、彼らを援護する[149]。
- 「碧」 - 特務支援課に出向し、ロイドたちと行動をともにする[109]。父の「事故」が心情に尾を引いていたこともあり、ディーター市長によるクロスベルの独立提唱を受けて、その主張に賛同に傾く[120]。特務支援課への出向が終わり[161]、警備隊に復帰した後、警備隊が国防軍に再編されるとそのまま所属を移す[118]。軍人としての使命感から軍務に従い[98]、アリオスによって倒されたロイドら特務支援課を捕縛する[118]。後に、脱走したロイドたちと対峙し、ロイドから信念に反した道を歩んでいることを指摘され、一騎討ちを挑まれる[162]。敗北した後、上官であるソーニャの計らいもあって再び支援課と行動をともにする決意をする[162]。
- 「閃II」 - 登場はしない。ランディ、エリィと同様、クロスベル総督府により監視がつけられていることが語られている[111]。
- 「閃III」 - 登場はしない。他の《特務支援課》関係者と同様、「鳥籠作戦」により、ミシュラム方面に閉じ込められており、ミシュラムで待機任務に付いていることが語られている[115]。
- 「閃IV」 - 本編には登場しない。エンディングでオリヴァルト皇子とシェラザードの結婚式に参加している[62]。
- 人物
- 躾の厳しい父オズマのことは苦手にしていたが[122]、そんな父の影響もあって、組織の上下を重んじる体育会気質な性格となる[109]。導力車の運転が好きなのも導力車レース観戦が好きだった父の影響があるらしい[108]。
- そのため、同年齢以上の人間には常に敬語で接するが、年下のティオやフラン、素行不良のワジなどには本来の口調で接する。根が生真面目なのでワジと接するときは普段の彼女とは違う一面が見られる。
- 妹に負けず劣らず姉妹愛が強く、フランが交際を迫られるイベントでは、気が気ではないといった様子で、終始落ち着きを失っている。普段は冷静だが、妹のことと恋愛ごとには弱いらしい。「碧」では周囲からロイドとの関係を疑われたり、彼から告白にも近い台詞を(天然で)何度も言われたことで次第に異性として意識し始める。
- 「碧」では支援課に導入された導力車の運転手を務めるほか、カーマニアの一面があることが判明する[130]。
- 「零」の時点で特務支援課が個性派ぞろいになっていたため、「碧」で新メンバーとなるノエルは、真っ当な突っ込み役を担うこととなる[書 42]。
- ソーニャ・ベルツ
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:進藤尚美
- 年齢:36歳(「零」[W 4]・「碧」[書 74])
- 警備隊副司令の女性。自治州東端に位置するタングラム門の責任者。
- 優秀な軍人だが、場合によっては独自の判断で警察とも協調する柔軟性と思い切りの良さを備えている。セルゲイとはかつて夫婦だった。司令と対立してクビになりかけたランディを紹介した他、創立記念祭の初日では酒場でセルゲイと2人っきりで過ごしているなど、夫婦仲は悪くなかったことをうかがわせる。
- 「碧」では警備隊司令に昇進し、「零」の事件でダメージを負った警備隊の建て直しに奔走する。
- ミレイユ
- 登場作:『VII』・『暁』P・『創』
- 声:中原麻衣
- 年齢:22歳(「零」・「碧」[書 75])→25歳(「閃III」[注 84])[注 61]
- クロスベル警備隊の女性士官。自治州西端のベルガード門に勤務しており[107]、警備隊時代に同施設で任務に就いていたランディの元同僚。
- 指揮能力もさることながら、戦闘でもベルガード門部隊の中で男性陣を押さえて1・2位を争うほどの力量を誇る[書 76]。実はランディが特務支援課に配属されるきっかけを作った人物で、彼がライフルの不使用により司令からクビを言い渡された際、この処分の取り消しを求める嘆願書を各方面の副司令クラスの人間に送った内の1通がソーニャの手元に届き、それを見た彼女がランディに特務支援課を紹介した[書 76]。
- ランディの発言や行動に一喜一憂する場面が随所で見られ、彼に対し好意を持っているような様子がうかがえる。
- 「零」で手ごたえがあり、プレイヤー間でもある程度の話題とはなったので、「碧」では顔グラフィックが追加され、ランディとの関係性もクローズアップされた[書 77]。
-
- 来歴
- 「零」 - 本来はベルガード門にいるはずの警備隊司令が不在がちなため、彼女がベルガード門の事実上の責任者となっている[107]。司令の性格上、何かあれば彼女に責任転嫁されかねないとランディは心配している[106]。終盤では《グノーシス》を「栄養剤」と偽られ[135]、そうとは知らずに服用したことでヨアヒムに洗脳され、IBCに立て篭もる特務支援課と戦闘になる[147]。
- 「碧」 - 顔グラフィックが追加され、ソーニャとともに警備隊の建て直しに奔走している。物語中盤で三尉に昇進する[137][95]。クロスベルの強引な独立宣言と国防軍への再編が発表されたときにはそれを容認できず、同じく納得しきれなかった警備隊員たちを伴ってマインツ方面に潜伏し、レジスタンスとして《赤い星座》や国防軍に対する抵抗活動を行う[140]。クロスベル市解放作戦ではレジスタンスの部隊を指揮し、ツァイト配下の狼たちと連携して《赤い星座》と交戦する[8]。
- 「閃IV」 - 本編には登場しない。警備隊がエレボニア帝国軍に組み込まれたため、動きにくい立場にあることが語られている[1]。
- ダグラス
- 登場作:「碧」・『暁』
- 昇進したソーニャの後任として警備隊副司令となった人物[137]。すさまじくタフで、戦闘力ではおそらく警備隊ナンバー1と目されている[137]。
- 元々、警備隊のホープとして期待されていたが、前司令に疎まれて閑職である警察学校の教官に回されていた[137]。警察学校ではロイドやランディの教官をしていたこともあり、基礎体力の向上から格闘訓練のほか、ロイドにはトンファーによる制圧術を、ランディにはスタンハルバードの扱いを教えた[137]。
- 普段は気さくだが訓練が厳しいために警察学校では「鬼のダグラス」と、それ以前は「迅雷のダグラス」と呼ばれていた[163]。ソーニャとセルゲイ両名の後輩だが、二人の結婚の仲立ちをした人物でもある[137]。
- なお、「迅雷のダグラス」は『英雄伝説IV 朱紅い雫』に登場するダグラスの通り名であり、キャラチップも似通っている。
- プレストン
- 登場作:「零」・『暁』
- 警備隊の司令官だが、本編では登場せず名前すら不明。議会の帝国派に属する人間[103]。終盤でマルコーニと接触し[103]、それを利用されて大惨事を引き起こしてしまう。
- ランディからは「阿呆司令」[103]、ノエルからは「あんな司令」と散々な評価をされている。接待ばかりしていて世間体を気にするタイプで司令官としての能力も人望も無く、それが災いとなってストーリーの終盤で《グノーシス》を「栄養剤」とだまされて警備隊員に投与してしまい、警備隊に限らず、クロスベルを混乱させてしまったため、エンディングで司令官職を解任されたことが語られる。
- 『暁』にて顔グラフィックと名前が追加された。接待能力に目を付けたエルフェンテック社にホガースともども引き抜かれ、同社の専務となっている。
クロスベル 遊撃士協会
[編集]クロスベル市の東通りに支部を構え、自治州全体を担当範囲にしている。「零」時点で所属している遊撃士は全員がB級以上とされている[146]。他国と比べても、クロスベルでは市民からの人気が高い。
- ミシェル
- 登場作:『VII』・『暁』P・『創』
- 声:高戸靖広(『VII』) →綿貫竜之介(『創』)
- 年齢:32歳(「零」・「碧」[書 79])
- クロスベル支部の受付。おネエ言葉を話すドレッドヘアーの男性[112]。
- ロイドたちに対して厳しくもあるが、大事に首を突っ込む彼らに気をつけるように声をかけている。キリカのように戦う描写こそないが、グノーシスを投与された警備隊の襲撃を免れている。
- 「碧」では顔グラフィックが追加されているが、『空』では遊撃士協会の受付には顔グラフィックがあったのでその基準に合わせたという事情と、おネェ言葉で話すため顔グラフィックがないと性別がわかりにくいという事情による[書 77]。スコットら遊撃士たちは4人分作らないといけないため顔グラフィックが付けられなかった[書 80]。
- 教団事件解決後(『暁』)は、クロスベル警察との関係改善に伴い、警察と遊撃士が協力して問題解決にあたる通称「クロスプロジェクト」を立ち上げ、準遊撃士になったばかりのナハトとクロエを派遣する。また戦闘では投げナイフを駆使して戦う。
- 「閃IV」では本編には登場しないが、エンディングで受付の仕事をしている様子が描かれている[35]。
- スコット
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:岡島俊治(「零Evo」)→荒井聡太(「碧Evo」)
- ライフルを使う遊撃士。
- 危険な魔獣が生息する古戦場に入り込んでしまった観光客の捜索をする際に、ロイドたちと協力する。百貨店《タイムズ》で受付嬢をしているパールという名の婚約者がいる。
- ナハトとクロエの準遊撃士試験ではヴェンツェル、エオリア、リンとともに試験官を担当。その後も多忙の傍ら二人を気にかけている。
- ヴェンツェル
- 声:上倉紀行(「零Evo」)→酒井凜太朗(「碧Evo」)
- 登場作:『VII』・『暁』
- エレボニア帝国出身の遊撃士。スコットとともに行動することが多い。
- 発足間もない《特務支援課》に対しては高圧的な物言いをしていたため、ティオからは内心「えらそう」と思われていたが[157]、支援課が数々の事件を解決に導いたことで評価を改めその力を認めるようになる[130]。
- 元はエレボニア帝国の支部に所属しており、「零」以前に起きた《帝国遊撃士協会支部連続襲撃事件》ではカシウスの下で解決作戦に参加していた[164]。その後、エレボニア帝国における遊撃士協会の活動が大幅に制限されたタイミングで、ミシェルによってクロスベル支部に引き抜かれた。
- その後も帝国には手伝いに行くことがあり[164]、「閃III」では帝国入りし、シェラザードとともに行動していることが語られている[59]。
- エオリア
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:水谷美月(「零Evo」)→金香里(「碧Evo」)
- レミフェリア公国出身の女性遊撃士。同じく遊撃士のリンとともに行動することが多く、ともにA級に迫る実力があり、2人一緒ならアリオスにも匹敵する腕前を持つとされる[144][注 86]。
- 物への執着心が薄いらしく、高価な物でも他人にあっさりとあげようとする。可愛いもの好きで、ティオを抱っこしたがったりする一面がある。医師免許を持っており、戦闘では手術用のメスを投げナイフ代わりに使用する他、さまざまな薬品を使った状態異常クラフトを得意とする。
- リン
- 登場作:『VII』・『暁』P・『創』
- 声:小寺可南子(「零Evo」)→前田綾香(「碧Evo」)
- エオリアとともに行動することが多い女性遊撃士。男っぽい言葉遣いをする。「泰斗流」の使い手で、ジンやキリカの後輩にあたる[165][107]。自身は拳法で戦うが、トンファー、偃月輪、三節根といった東方武具も門下生時代に一通り修得しており扱うことができる[37]。
- 手強い相手を見ると歯止めが利かなくなるところがある[144]。
- 「碧」では、エオリアとともにあるイベントでロイドたちと戦う[37]。戦闘後、勝敗に関わらずロイドの素質に注目して武術の型を指南する[37]。
- 近接戦闘では即死攻撃や威力の高い一撃を放ち、遠距離では気の砲弾を用いる。また、ジンと同様、《龍神功》によって能力を大幅に上げることができる。
- ナハト・ヴァイス
- 登場作:『暁』P
- 声:石川界人
- 『暁』の主人公の一人。教団事件が解決し、エステルとヨシュアが去った遊撃士協会クロスベル支部に所属することになった準遊撃士。
- できる限り目立たないように、「平凡」第一に行動することを信条としている。遊撃士になってからは小さな依頼をコツコツと……と計画していたが、遊撃士試験を一緒に受けることになったクロエとコンビを組むことになり、自身と正反対の性格の彼女のおかげでその目論見はもろくも崩れ去る。
- 出身国籍・年齢不明(16歳のクロエよりは年下)で、かつては猟兵団「ニーズヘッグ」の部隊長を務めていたが、ある任務で自部隊が壊滅した際に、猟兵や戦場に嫌気がさし、団を脱走。戸籍を偽装してクロスベルに潜り込んだ。そのため、堅気の職業に就くことのほかに身分保障を得ることも彼が遊撃士になる動機のひとつであった。
- 準遊撃士になったのち、最初の依頼の解決を通じて知り合ったロナード・リーヴ・ジリアンとともに、警察・遊撃士・民間が協力して問題解決にあたる「クロスプロジェクト試験班」を結成。遊撃士協会や仲間には自分の過去は伏せているが(ただし、カシウスなどごく一部の猛者は、ナハトが元猟兵であることを察している)、クロスベル・リベール・レミフェリアなどで事件を解決しながら、否が応にも自分の過去と向き合うことになると同時に、遊撃士として少しずつ前向きになっていく。
- 武器は導力銃が仕込まれたハルバード(斧槍)。猟兵時代の経験から、地雷などトラップの取り扱いも心得ている。
- クロエ・バーネット
- 登場作:『暁』P
- 声:佐倉綾音
- 『暁』の主人公の一人。16歳。リベール王国出身にもかかわらず、クロスベル支部を志望してナハトとともに準遊撃士試験を受け、合格、所属することになった。性格は正義感が強く行動的だが、戦闘や裏社会に対する知識不足や浅慮から無謀な行動に走りがち。慎重で時に考えすぎるナハトとは正反対の性格だが、彼とコンビを組んで遊撃士としての仕事をスタートさせる。
- クロスベルに来る前は、リベールのルーアンに住んでおりジェニス王立学園に通っていたが、病弱だったため保健室登校や休学・復学を繰り返していた。リベルアーク事件解決後にレミフェリアで先端医療技術による手術を受けて快復。治療中に入院していた聖ウルスラ病院のあるクロスベルに恩を返したいという思いと、リベルアーク事件を解決した英雄たちにあこがれて遊撃士を志した。趣味は読書で、王立学園で学んだことと合わせて世界情勢・法律・ビジネス用語等の知識は豊富。そのため、性格面以外に得意分野・知識の面でもナハトとは互いの弱点を補いあう関係にある。
- 一見、上記のように元気いっぱいの彼女だが、ごくたまに「彼女とは全く違う一面」が表に出てくる時があり、それは「ある人物」を彷彿させている。
- 武器は片手剣だが、誰かに師事したことはなく、小説などに登場した技をまねた我流。にもかかわらず、実力差を弁えずに犯罪者たちに啖呵を切るのでブレーキ役のナハトは気苦労が絶えない。しかし根性はナハトにも認められており、クルツやヴェンツェルら先輩遊撃士の厳しい訓練に耐えて技を磨いている。
政財界
[編集]クロスベル自治州の政財界の関係者たち。
- ヘンリー・マクダエル
- 登場作:『VII』・『創』
- 声:増谷康紀
- 年齢:72歳(「零」[106]・「碧」[注 87])→74歳(「閃III」・「閃IV」[148])
- エリィの祖父で、「零」の時点でクロスベル市長(クロスベル自治州の共同代表者)を務めている。
- 市民からは強く支持されているものの、帝国と共和国のどちらにも肩入れしない中立派であることから、市と自治州の運営には苦労している[107]。
- 警察官としての道を歩むエリィのことを見守り、《グノーシス》を服用した警備隊相手でも動じない強さを持つ。娘夫婦が離婚して一人になってしまったエリィを引き取ることになったが、離婚を止められなかったことを後悔している。
- ハルトマンによる改革案の阻止、娘夫婦の離婚、アーネストに裏切られた上に暗殺されかけたり[166]、クロイス家による策略によってエリィと一緒に監禁されたりと、苦労の絶えない人物。
- にがトマトが好物で、行政区に出店しているジューススタンドの裏メニュー「にがトマトのシェイク」がお気に入り[151]。
-
- 来歴
- 「零」の15年前(1189年)、選挙によりクロスベル市の市長に就任する[46](以降「零」の年まで在任する)。市長に就任した数年後、娘夫婦が離婚してどちらもクロスベルを去ったため孫娘のエリィを育てることになる[107]。
- 「零」 - クロスベル市の市長(自治州の共同代表者)として登場。エリィの祖父だが、エリィが素性を秘密にしていたため、途中まで明かされない[107]。一連の事件後、市長を続投せずに州議会選挙に出馬する[49]。
- 「碧」 - クロスベル自治州の自治州議会議長(自治州の共同代表者)として登場。クロスベル独立国の成立がディーターによって宣言される際に身柄を拘束され[118]、しばらく軟禁されていたが、ロイドらによって救出される[126]。その後、州議会議長としてクロスベル市民に演説を行い、ディーターの不当性を住民に問う[127]。これによって《国防軍》の一部は「大統領に対する不審」という名目で動きを止め、戦力を削ることとなる[127]。ディーターが逮捕されると、クロスベル自治州議会議長とクロスベル市長を暫定的に兼務する[110][167]。
- 「閃II」 - 登場はしない。クロスベル自治州がエレボニア帝国によって併合されて帝国領の「クロスベル州」となり、その条約に調印したことが語られる[111][167]。
- 「閃III」 - 登場はしない。クロスベル総督府の管轄下で州議会が存在し、その議長を務めている[112]「鳥籠作戦」によってミシュラム方面に閉じ込められ[115]、エリィとともに要人の応対に忙殺されていることが語られる[116]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。世界大戦の開戦にあたり、クロスベルタイムズ特別号に談話を寄せている[168]。
- ハルトマン
- 登場作:『VII』
- 声:竹本英史
- クロスベル自治州議会の議長で、マクダエル市長と並ぶ自治州代表(共同代表)。58歳(『VII』[注 88])。
- クロスベル自治州の代表を務めているが、帝国の利益を優先する帝国派議員のリーダー的な存在であり、マクダエル市長による改革案のほぼすべてを潰している[46]。ルバーチェ商会のマルコーニ会長とは旧知の仲であり、密貿易やミラロンダリングなど同商会の非合法な活動において密接な協力関係にある[123]。
-
- 来歴
- 帝国貴族に連なる名家の出身で、ミシュラムに巨大な邸宅を有している[123][注 89]。過去に《D∴G教団》の教団ロッジのひとつである《楽園》に誘い込まれたことでヨアヒムに弱みを握られており、教団が壊滅した後に彼をクロスベル自治州内でかくまうなど、裏で協力させられていた[47]。
- 「零」の前年の春に帝国宰相ギリアス・オズボーンと非公式で会談した[123][130]。
- 「零」 - 権勢を誇っていたが、一連の事件後に失脚し、さらに数々の不正行為が発覚したことで逮捕される[49]。
- 「零」の後、クロスベルの混乱のどさくさまぎれに拘置所を脱走し帝国に亡命していたが、帝国から追放処分を受けたことでアーネストとともに共和国のアルタイル市郊外にある元教団ロッジである旧アルタイル・ロッジに逃げ込む[109]。