乾信一郎
乾 信一郎 | |
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) 1955年 | |
ペンネーム | 乾 信四郎 |
誕生 | 上塚 貞雄 1906年5月15日 米国シアトル |
死没 | 2000年1月29日(93歳没) |
職業 | 小説家、翻訳家、編集者 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
最終学歴 | 青山学院高等部 |
活動期間 | 1928年 - 2000年 |
ジャンル | 探偵小説 ユーモア小説 動物小説 |
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乾 信一郎(いぬい しんいちろう、1906年5月15日 - 2000年1月29日)は、日本の小説家、翻訳家。
来歴
[編集]米国シアトル生まれ。本名・上塚貞雄で、本名での著作もある。1912年、母とともに父母の郷里熊本県甲佐町早川に戻り、現在の甲佐町立白旗小学校に通った。その後上京し、青山学院高等部を卒業した。同商科在学中の1928年、翻訳が『新青年』に採用される。1930年卒業後、博文館に勤務し、『新青年』に探偵小説を書く。1935年『講談雑誌』(編集長、1937年『新青年』(編集長。1938年フリーとなり、文筆に専念。戦後「青いノート」「コロの物語」などNHK連続放送劇の脚本を手がける。ユーモア小説、動物小説を多く書いたが、探偵小説やミステリー小説などの翻訳も数多く手がけた。筆名は当初「乾信四郎」(かんしんしろう)としていたが、「あんまりしゃれが露骨で気がひけ」たため「乾信一郎」と改めた[1]。従兄弟はブラジル移民功労者で、「ブラジル移民の父」として知られる上塚周平。
著書
[編集]- 『炉辺夜話 動物小説集』(春秋社) 1933年
- 『続・炉辺夜話 動物小説集』(松柏館書店) 1935年
- 『豚児廃業・五万人と居士』(アトリエ社、現代ユーモア小説全集12) 1936年
- 『北一輝と西田税 二・二六事件の惑星!』(第百書房) 1936年
- 『人間大安売り』(太白書房) 1937年
- 『倅太平記』(春陽堂、新作ユーモア全集14) 1938年
- 『百万人の行進』(アトリヱ社、新版ユーモア小説全集9) 1939年
- 『阿呆宮一千一夜譚』(八紘社) 1939年
- 『コント横丁』(代々木書房、現代大衆文學全集) 1940年12月
- 『江見家の手帖』(東成社、ユーモア文庫) 1941年
- 『敬天寮の君子たち』(東成社、ユーモア文庫) 1943年
- 『ガランコロン事件』(国民図書刊行会、ぺんぎん文庫) 1948年
- 『人間芝居』(東成社、ユーモア小説全集) 1952年
- 『ぼくは二番目』(宝文館、少年少女ユーモア文庫) 1953年
- 『何も知っちゃいない話』(白灯社) 1953年
- 『動物小説集』第1 - 3(春秋社) 1953年
- 『どうぶつだけのおはなし 1~4年生』(宝文館) 1954年
- 『アパート春秋』(東方社) 1954年
- 『青空通信』(東方社) 1954年
- 『コント百貨店』(東方社) 1955年
- 『コント劇場』(東方社) 1955年
- 『独身寮盛衰記』(東方社) 1955年
- 『ぐうたら守衛』(東方社) 1955年
- 『青いノート』(鱒書房) 1956年
- 『春の風』(東方社) 1956年
- 『コロの物語』1 - 4 (鈴木出版) 1958年 - 1959年
- 『あり得ない話がある話 世界の奇談集』(芸文社、アルファ・ブックス) 1964年
- 『動物夫婦百景 けものの性生活』(芸文社、芸文新書) 1964年
- 『ネコの小事典』(誠文堂新光社) 1966年
- 『ネコの育児書』(主婦と生活社、タウンブックス) 1972年
- 『猫の本』(本多信男写真、山と渓谷社、山渓カラーガイド) 1978年6月
- 『おかしなネコの物語』(ハヤカワ文庫) 1980年12月
- 『小さな庭の小さなウォッチング』(早川書房) 1986年10月、のち文庫『小さな庭のウォッチング』
- 『「新青年」の頃』(早川書房) 1991年11月
翻訳
[編集]- 『オルチイ集』(オルチイ、上塚貞雄訳、博文館、世界探偵小説全集21) 1930年
- 『ドイル全集』(ドイル、延原謙, 妹尾アキ夫, 上塚貞雄訳、改造社) 1931年
- 『専用心配係』(P・G・ウッドハウス、東成社、ユーモア傑作集) 1939年
- 『天晴れジーブス』(P・G・ウッドハウス、東成社、P・G・ウッドハウスユーモア傑作集) 1940年
- 『無敵相談役』(P・G・ウッドハウス、東成社、ユーモア長篇小説集) 1940年
- 『紅鱒 動物小説集』(博文館) 1940年9月
- 『駒鳥 動物小説集』(映画出版社) 1941年
- 『拳銃を捨てた男 外4編 暴力の谷』(アレキサンダー・ブレイド、誠文堂新光社、西部活劇双書2) 1950年
- 『マギル卿最後の旅』(F・W・クロフツ、雄鶏社、おんどり・みすてりい) 1951年
- 『マギル卿最後の旅』(F・W・クロフツ、早川書房、世界探偵小説全集) 1955年
- 『地下鉄サム 4』(ジョンストン・S・マッカレー、日本出版協同) 1953年、のち創元推理文庫
- 『チャイナ・オレンジの秘密』(エラリー・クイーン、早川書房、世界探偵小説全集) 1955年、のち文庫
- 『伯母殺し』(リチャード・ハル、早川書房、世界探偵小説全集) 1958年、のち文庫
- 『ボンベイの毒薬』(H・R・F・キーティング、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1967年
- 『罠は餌をほしがる』(A・A・フェア、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1967年
- 『世界は女房持ちでいっぱいだ』(J・コリンズ、早川書房) 1968年
- 『おひまなペネロープ』(E・V・カニンガム、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1968年
- 『その犯罪は別』(マイクル・アンダーウッド、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1968年
- 『恋情』(マール・ミラー、早川書房) 1970年
- 『怪奇な恋の物語』(ヘンリー・クレメント、早川書房) 1970年
- 『ある奇妙な死』(ジョージ・バクスト、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1970年
- 『北の脱走者』(チャールズ・コリングウッド、早川書房) 1971年
- 『老女のたのしみ』(ロバート・クレイン、早川書房) 1971年
- 『時計じかけのオレンジ』(アンソニー・バージェス、早川書房) 1971年、のち文庫
- 『若者よ、きみは死ぬ』(ジョーン・フレミング、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1972年
- 『チャーリー・チャンの追跡』(E・D・ビガーズ、創元推理文庫) 1972年
- 『鷹と少年』(バリー・ハインズ、早川書房) 1973年
- 『キャット・ダンシング』(マリリン・ダーラム、早川書房) 1973年
- 『ネコ学入門』(クリスティーン・メトカーフ、主婦と生活社) 1974年
- 『オクラホマ巨人』(マーク・ノーマン、早川書房) 1974年
- 『レイディ』(トマス・トライオン、早川書房) 1975年
- 『最後の英雄』(ジョン・ギル、早川書房) 1975年
- 『ジャック・ザ・ベア』(ダン・マッコール、早川書房) 1976年
- 『大列車強盗』(マイクル・クライトン、早川書房) 1976年、のち文庫
- 『ラスト・タイクーン』(F・スコット・フィッツジェラルド、ハヤカワ文庫) 1977年7月
- 『金門橋』(アリステア・マクリーン、早川書房) 1978年1月、のち文庫
- 『北人伝説』(マイクル・クライトン、早川書房) 1980年9月、のち文庫
- 『ダラス ユーイング家の人びと』(バート・ハーシュフェルド、早川書房) 1981年9月
- 『1944年の戦士』(ウィリアム・P・マッギヴァーン、早川書房) 1981年12月
- 『ダラス 2 華麗なる女たち』(バート・ハーシュフェルド、早川書房) 1982年3月
- 『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』1 - 2(押川曠共訳、ハヤカワ・ミステリ文庫) 1983年
- 『レスター・リースの冒険』(E・S・ガードナー、ハヤカワ・ミステリ文庫) 1984年3月
- 『レスター・リースの新冒険』(E・S・ガードナー、ハヤカワ・ミステリ文庫) 1984年4月
- 『シャーロック・ホームズの災難』(エラリイ・クイーン編、中川裕朗共訳、ハヤカワ・ミステリ文庫) 1984年 - 1985年
- 『探偵小説の世紀 下』(G・K・チェスタトン、共訳、創元推理文庫) 1985年8月
- 『犬ですがちょっと一言』(ミュリエル・ドビン、ハヤカワ文庫) 1985年2月
- 『ロアルド・ダールの幽霊物語』(ロアルド・ダール、ハヤカワ・ミステリ文庫) 1988年12月
アガサ・クリスティ
[編集]- 『終りなき夜に生れつく』(アガサ・クリスティー、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1968年、のち文庫
- 『バートラム・ホテルにて』(アガサ・クリスティー、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1969年、のち文庫
- 『復讐の女神』(アガサ・クリスティー、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1972年、のち文庫
- 『アガサ・クリスティー自伝』(早川書房) 1978年12月、のち文庫
- 『パーカー・パイン登場』(アガサ・クリスティー、ハヤカワ・ミステリ文庫) 1978年2月
「ドーヴァー警部」シリーズ
[編集]- 『奮闘 ドーヴァー5』(ジョイス・ポーター、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1970年、のち文庫
- 『逆襲 ドーヴァー6』(ジョイス・ポーター、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1973年
- 『撲殺 ドーヴァー7』(ジョイス・ポーター、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1976年
脚注
[編集]- ^ 乾信一郎『「新青年」の頃』早川書房、1991年11月、26頁。ISBN 4-15-203498-X。
参考文献
[編集]- 『「新青年」の頃』(自伝)
- 熊本市塚原歴史民俗資料館ウェブサイト 平成30年度企画展 「ブラジル移民の父」上塚周平と上塚家の人々