好美清光

好美 清光(よしみ せいこう、1929年10月20日 - 2019年11月5日)は、日本法学者。専門は民法・土地法で、特に日照権を研究。学位は、法学博士一橋大学・1992年)。一橋大学名誉教授。瑞宝中綬章受章。

経歴

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鹿児島県大島郡宇検村生まれ。1942年、大島郡名瀬町名瀬国民学校(現・奄美市立名瀬小学校)卒業。1948年、旧制大島中学校(現・鹿児島県立大島高等学校)卒業。1950年、鹿児島県立鶴丸高等学校卒業。1954年、一橋大学法学部卒業。商法の田中誠二ゼミ出身。一橋大学では、戦後、常盤敏太が教職追放され、吾妻光俊労働法に関心を移すなどし、民法を専門とする教員が不在となり民法研究が低調となっていた。吾妻の他、労働法の蓼沼謙一や、商法の吉永榮助、非常勤講師の並木俊守、国際私法の久保岩太郎らが民法の講義を行っていた中、1959年から好美清光が民法を講ずることとなった。その後、1971年に川井健島津一郎との3人体制となるまで、一橋大唯一の民法専任教員として教鞭を執り、戦後設立されまだ歴史の浅かった新制一橋大学法学部で、商科から独立して実学から離れた法学研究・教育の基礎を築いた[1]

1956年東京地方裁判所判事補、1957年一橋大学法学部助手、1959年同専任講師、1962年助教授、1962年ドイツ連邦共和国(西ドイツ)へ留学(フンボルト財団)。1970年一橋大学法学部教授、1992年2月一橋大学より法学博士の学位を取得、1992年4月一橋大学名誉教授。1992年4月から2000年まで中央大学法学部教授。1992年から弁護士鳥飼総合法律事務所客員弁護士等を歴任。また1971年から1973年まで最高裁判所臨時調停審議会幹事、1973年から1981年まで建設省建築審議会委員、1975年から2000年まで日本土地法学会理事、1982年から1985年まで不動産鑑定士試験委員、2003年からクレディセゾン監査役等も歴任[2][3]

2013年4月、瑞宝中綬章受章[4]

2019年11月5日、死去[5]。90歳没。死没日をもって正四位に叙される[6]

エピソード

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共編著

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  • 『不動産登記の法律相談』 (法律相談シリーズ 幾代通共編. 有斐閣 1976
  • 『民法読本 1 (総則・物権法) (有斐閣選書) 米倉明共編. 有斐閣, 1978
  • 『民法読本 2 (債権法) (有斐閣選書) 米倉明共編. 有斐閣, 1978
  • 『民法読本 3 (親族法・相続法) (有斐閣選書) 好美清光 [ほか]編. 有斐閣, 1979
  • 『民法 総則・物権 (基本判例双書) 編. 同文館出版, 1980
  • 『講義債権総論 (青林新講義シリーズ) 篠塚昭次共編. 青林書院新社 1981
  • 『民法 債権 (基本判例双書) 編. 同文館出版, 1982
  • 『民法 親族・相続 (基本判例双書) 久貴忠彦共編. 同文館出版, 1982
  • 『日照・眺望・騒音の法律紛争 隣近所快適ライフへのアドバイス』大倉忠夫, 朝野哲朗共著 (有斐閣選書. 市民相談室シリーズ 好美清光 [ほか]著. 有斐閣, 1985
翻訳
  • E.v.ヒッペル『消費者の保護 各国の事例にみる現状と対策』円谷峻共訳. 東洋経済新報社, 1986
記念論文集
  • 『現代契約法の展開 好美清光先生古稀記念論文集』経済法令研究会, 2000

論文

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  • 「債権に基く妨害排除についての考察」(一橋大学法学研究2号、1959年)
  • 「 Jus ad rem とその発展的消滅 ― 特定物債権の保護強化の一断面」(一橋大学法学研究3号、1961年)
  • 「賃借権に基づく妨害排除請求権」(『契約法大系Ⅲ』、有斐閣、1962年)
  • 「物権的請求権」(舟橋諄一編『注釈民法(6)』、有斐閣、1967年)
  • 「即時取得(民法192条から195条まで)」(川島武宜編『注釈民法(7)』、有斐閣、1968年)
  • 「日照権の法的構造(1)-(3)」(ジュリスト490号・493号・494号、1971年)
  • 「不当利得法の新しい動向について(上)(下)」(判例タイムズ386号・387号、1979年)
  • 「契約の解除の効力」(遠藤浩他編『現代契約法大系 第2巻』、有斐閣、1984年)

脚注

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  1. ^ 好美清光「一橋における民法学」一橋論叢
  2. ^ 「クレディセゾン 企業・IR情報」株式会社クレディセゾン
  3. ^ 「好美清光名誉教授年譜」一橋大学
  4. ^ 平成25年春の叙勲 瑞宝中綬章受章者” (PDF). 内閣府. p. 21 (2013年4月29日). 2013年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月25日閲覧。
  5. ^ “好美清光さん 90歳=一橋大名誉教授、民法学専攻 /東京”. 毎日新聞. (2019年11月8日). https://mainichi.jp/articles/20191108/ddl/k13/060/020000c 2019年11月8日閲覧。 [リンク切れ]
  6. ^ 『官報』第148号11頁 令和元年12月9日号
  7. ^ 「昭和55年度 学位授与・単位修得論文一覧」一橋研究
  8. ^ 「昭和45年度 学位授与・単位修得論文」一橋研究
  9. ^ 「民法と30年」一橋法学10-Nov-2016
  10. ^ [1]
  11. ^ 「1988年度博士課程単位修得論文・修士論文題目」一橋研究
  12. ^ 一橋論叢 108巻 1号 201頁以下