小山久二郎

チャタレー裁判時の小山(左側)。伊藤整(右側)とともに。

小山 久二郎(おやま ひさじろう、1905年9月7日 - 1984年1月12日)は、日本の出版人、実業家。出版社・小山書店の設立者で、安倍能成の甥。チャタレー事件の被告となったことでも知られる。

略歴

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愛媛県松山市生まれ[1]温泉郡南吉井村(現東温市)出身[2]法政大学中退。岩波書店を経て、1933年に小山書店を設立する。1941年下村湖人次郎物語』がベストセラーとなる。

戦後、三木清『読書と人生』、出隆『哲学以前』などを出版し、1950年に発行した伊藤整訳『チャタレイ夫人の恋人』がわいせつ文書として告発される(チャタレー事件)。1957年最高裁判決で有罪とされ罰金刑を受ける。のち、赤ちゃんとママ社を設立する。

チャタレー事件

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チャタレイ夫人の恋人が摘発、起訴された際には次のコメントを残している。

ロレンスは、決してわいせつ目的で書いたものではない。性の問題を健康に、まじめに扱わなければならぬことを意図した芸術作品である。これを一片のワイセツ書として起訴するとは、憲法により保障された思想の自由出版の自由を無視するものである。将来のためにも、この際是非を正して作品の扱いをはっきりさせるつもりだ。[3]

人物

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安倍能成が小山について以下のように語っている。[4]

『(略)ほめて言えば天才的というのかも知れないけれど、まこと変幻きわまりなく、ある時には殿さまのような生活をしているかと思うと、ある時には破産して赤貧洗うが如き状態になっていたり、またカムバックしたりしている。私のような凡人にはまことに附き合いにくい男(略)』

著書

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  • 『ひとつの時代-小山書店私史』(六興出版、1982)

参考

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脚注

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  1. ^ 20世紀日本人名事典『小山 久二郎』 - コトバンク 2019年11月25日閲覧。
  2. ^ データベース『えひめの記憶』|生涯学習情報提供システム 2021年5月6日閲覧。
  3. ^ 「発行者と訳者を起訴 問題のチャタレイ夫人」『日本経済新聞』昭和25年9月14日 3面
  4. ^ 『ひとつの時代-小山書店私史』 7頁

外部リンク

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