尾高邦雄

尾高 邦雄
人物情報
生誕 (1908-10-07) 1908年10月7日
日本の旗 日本東京市根岸
死没 1993年9月11日(1993-09-11)(84歳没)
日本の旗 日本東京都
出身校 東京帝国大学
子供 尾髙煌之助(経済学者)
学問
研究分野 社会学
研究機関 東京大学上智大学
学位 文学博士
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尾高 邦雄(おだか くにお、1908年10月17日 - 1993年9月11日)は、日本の社会学者東京大学文学部名誉教授子爵渋沢栄一の孫にあたる。

経歴

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出生から修学期

1908年、実業家尾高次郎の五男として東京市根岸に生まれた[1]。1926年に東京高等師範学校附属中学校(現・筑波大学附属中学校・高等学校)を卒業。附属中の同級生には、勝田守一宗像誠也(共に「東大教育の3M」)らがいた。第二高等学校を経て[1]東京帝国大学文学部社会学科に入学[1]。次第にマックス・ウェーバーに関心を持つようになった。1932年に卒業論文『社会学における了解的方法』を提出して卒業[1]

研究者として

卒業した同1932年に、母校・東京帝国大学文学部副手に採用された[1]。東京大学社会科学研究所主任研究員となるが[1]、1934年に東京大学社会科学研究所は閉鎖勧告を受けて解散。1937年に東京帝国大学文学部助手に就いた[1]。1942年に同講師[1]に昇格。戦後の1945年に東京大学文学部助教授[1]に昇格。

戦後

1947年、学位論文『職業社会学』で文学博士号を取得[2][1]。1953年、同教授に昇格[1]。1969年に東京大学を定年退官し[1]、名誉教授となった。その後は上智大学教授として教鞭をとった[1]。1979年に、上智大学を退職。1988年12月に日本学士院会員に選出された[3]

1993年脳梗塞により死去[1]。享年84歳[1]

受賞・栄典

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研究内容・業績

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専門は社会学で、特に産業社会学、労働社会学、職業社会学など、労働を通して人間をみる社会学で多くの業績を残した[1]。没後その著作は『尾高邦雄選集』(全5巻)にまとめられている。 指導を受けた学生には、石川晃弘日高六郎らがいる[4]ほか。

家族・親族

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著作

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著書
  • 『職業社会学』(岩波書店 1941年)
  • 『職業観の変革』(河出書房 1944年)
  • 『職業と近代社会』(要書房 1948年)
  • 『社会学の本質と課題 上巻』(有斐閣 1949年)
  • 『社会科学方法論序説』(春秋社 1950年)
  • 『職業について』(要書房 1951年)
  • 『新稿 職業社会学』(第1・2分冊 福村書店 1953年)
  • 『産業における人間関係の科学』(有斐閣 1953年)
  • 『現代の社会学』(岩波書店:岩波全書 1958年)
  • 『産業社会学』(ダイヤモンド社 1958年)
  • 勤労青年の不平不満とその対策』(民主教育協会 1961年)
  • 『日本の経営』(中央公論社 1965年)
  • 『職業の倫理』(中央公論社 1970年)
  • 『産業社会学講義 日本的経営の革新』(岩波書店 1981年)
  • 『日本的経営 その神話と現実』(中公新書 1984年)
著作全集

『尾高邦雄選集』(全5巻) 夢窓庵 1995年

  1. 『職業社会学』
  2. 『仕事への奉仕』
  3. 社会階層と社会移動』
  4. 『労働者意識の構造』
  5. 『日本的経営』
編著
  • 『労働社会学』(河出書房 1952年)
  • 鋳物の町 産業社会学的研究』(有斐閣 1956年)
  • 『階級社会と社会変動』(中山書店 1959年)
  • 『職業と階層』(現代社会心理学 8巻)(毎日新聞社 1958年)
  • 『技術革新と人間の問題』(ダイヤモンド社 1964年)
翻訳
記念論集

『尾高邦雄教授還暦記念論文集』 中央公論社

  1. 第1巻『経営と労働者』松島静雄・野田一夫編 1971年
  2. 第2巻『階級と地域社会』富永健一倉沢進編 1971年
  3. 第3巻『集団と社会心理』福武直青井和夫編 1972年

資料

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  • 「社会学史関係資料 尾高邦雄の著作目録」『法學研究:法律・政治・社会』68-7, 1995年, 77-94頁. doi
  • 「尾高邦雄の軌跡からみる産業社会学の射程とその行方」園田薫(第91回日本社会学会)[2]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 川合隆男,吉村治正「社会学史関係資料 尾高邦雄の著作目録  」『法學研究 : 法律・政治・社会』第68巻第7号、慶應義塾大学法学研究会、1995年7月、77-94頁。 
  2. ^ CiNii(学位論文)
  3. ^ 日本学士院(物故会員)
  4. ^ 竹内, 洋『メディアと知識人 - 清水幾太郎の覇権と忘却』中央公論新社、2012年。ISBN 978-4120044052 p152
  5. ^ [1]