椿駅
椿駅* | |
---|---|
駅舎(2016年1月) | |
つばき Tsubaki | |
◄紀伊日置 (6.1 km) (5.2 km) 紀伊富田► | |
所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町椿330-4 |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
所属路線 | ■紀勢本線(きのくに線) |
キロ程 | 267.3 km(亀山起点) 新宮から87.1 km |
電報略号 | ツハ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線 |
乗車人員 -統計年度- | 15人/日(降車客含まず) -2019年- |
開業年月日 | 1935年(昭和10年)3月29日[1][2] |
備考 | 無人駅 |
* 1965年に紀伊椿駅から改称。 |
椿駅(つばきえき)は、和歌山県西牟婁郡白浜町椿にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)紀勢本線(きのくに線)の駅。
椿温泉の玄関口ではあるが、その温泉街の中心部とはかなり離れており、ひっそりとした場所に位置する。
歴史
[編集]この駅は1935年(昭和10年)3月、国鉄紀勢西線の紀伊富田駅から当駅までの開通とともに、紀伊椿駅(きいつばきえき)として開業した。椿駅を最初から名乗れなかったのは、当時の五能線にすでに椿駅が存在していたからである。
なお駅名は、五能線において1964年(昭和39年)10月1日に八森駅が東八森駅と改称され、同年11月1日に椿駅が八森駅に改称されたのを受け、1965年(昭和40年)3月1日椿駅へ改称となった。同じ日には白浜口駅が白浜駅に、紀伊湯浅駅が湯浅駅に改称されている。
年表
[編集]- 1935年(昭和10年)3月29日:国有鉄道紀勢西線の紀伊椿駅(きいつばきえき)として開業[1][2]。
- 1936年(昭和11年)10月30日:国鉄紀勢西線が当駅から周参見駅まで延伸[1]。
- 1959年(昭和34年)7月15日:現在の紀勢本線が全通、紀勢本線所属となる[1]。
- 1965年(昭和40年)3月1日:椿駅に改称[2]。
- 1971年(昭和46年)7月1日:貨物の取り扱いを廃止[2]。
- 1978年(昭和53年)4月1日:荷物扱い廃止[2]。
- 1985年(昭和60年)3月14日:無人駅化(簡易委託駅化)[3][4]。一部の特急「くろしお」が停車を開始。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる[1][2]。
- 2003年(平成15年)11月1日:簡易委託解除、完全な無人駅となる。
- 2015年(平成27年)3月14日:特急「くろしお」の停車駅から外れる[5][6]。
- 2021年(令和3年)3月13日:ICカード「ICOCA」の利用が可能となる[7]。
駅構造
[編集]単式ホーム・島式ホーム複合型の2面2線を有する、行違い可能な地上駅。かつては2面3線のホームであったが、現在は3番線の和歌山方のポイントと場内・出発信号機・架線が取り外され保線車両の材料線となっている。単式ホームから階段を下りたところに駅舎が置かれる。ホーム間の連絡は跨線橋による。1番のりばは若干幅が狭い。
古くから駅舎は木造瓦葺で、内部の待合所には出札窓口が残る。駅舎の「椿駅」の看板にはツバキの花の絵がかかれており、駅舎の周りにもツバキの木が植えられている。また、待合所には山形県西置賜郡飯豊町にある東日本旅客鉄道(JR東日本)米坂線の羽前椿駅の写真が飾られている。
2003年11月1日から無人駅(現在は紀伊田辺駅管理)となっているため、駅員はいない。それまでは簡易委託駅であり、駅舎の中の出札口で切符を販売していた。2021年3月13日よりICOCAが利用可能になる。
国鉄時代には急行が停車し、当駅を起終点とする急行列車もあった。2015年3月13日までは特急列車が1日1往復停車していたが、翌14日のダイヤ改正により、特急の停車は取りやめられ[5][6]、以降は普通列車のみの停車となっている。なお、2011年3月11日までは特急は1日2往復停車していた。
のりば
[編集]のりば | 路線 | 行先 |
---|---|---|
1 | きのくに線 | 白浜・和歌山方面 |
2 | 串本・紀伊勝浦・新宮方面 |
上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で表記している。1番のりばは下り本線、2番のりばは上り本線。
利用状況
[編集]年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
1998年 | 78 |
1999年 | 68 |
2000年 | 58 |
2001年 | 49 |
2002年 | 33 |
2003年 | 31 |
2004年 | 28 |
2005年 | 31 |
2006年 | 31 |
2007年 | 36 |
2008年 | 37 |
2009年 | 38 |
2010年 | 40 |
2011年 | 38 |
2012年 | 38 |
2013年 | 32 |
2014年 | 29 |
2015年 | 27 |
2016年 | 20 |
2017年 | 19 |
2018年 | 18 |
2019年 | 15 |
2020年 | 13 |
2021年 | 12 |
2022年 | 14 |
駅周辺
[編集]この駅は、椿温泉で知られる椿集落の入口であるが、その中心部からはかなり離れている。海岸線沿いにある椿温泉からは当駅は内陸に位置するため、山中にひっそりと佇む駅といった風情である。椿地区の中心地には明光バスなどの交通手段があるが、この駅の周辺には手つかずの山林が広がるのみで、駅はいたって寂しい場所にある。
駅前には朝来帰川(あさらぎがわ)が流れており、それに沿って椿の中心部たる朝来帰の集落まで、県道215号が伸びている。その道を駅からしばらく行くと、小規模な集落である朝来帰にたどりつく。そこから海岸線沿いの国道42号をさらにもう少し昇ると、ようやくホテルやリゾートマンション・釣具屋などがある椿温泉の温泉街にたどり付くことができる。
このように、駅から温泉まではかなり離れているため、駅前には旅行客が自由に使える貸し自転車が置かれていたが、管理者不足により現在は利用できない。またこのため、観光客はホテルなどへの移動手段として、送迎バスを電話で呼んで駅まで来てもらうようになっている。また、公衆トイレが設置されている。
- 白浜町立椿小学校(2019年3月閉校)
- 椿郵便局
隣の駅
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 25号 紀勢本線・参宮線・名松線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年1月10日、19-21頁。
- ^ a b c d e f 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、377-378頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 日本国有鉄道公示S60.3.12公181
- ^ 「通報 ●福知山線石生駅ほか147駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報号外』日本国有鉄道総裁室文書課、1985年3月12日、15-16面。
- ^ a b 平成27年春ダイヤ改正について (PDF) - JR西日本和歌山支社ニュースリリース 2014年12月29日
- ^ a b “特急電車が椿駅への停車取りやめ JR西日本”. 紀伊民報. (2015年1月8日). オリジナルの2015年1月9日時点におけるアーカイブ。 2020年12月22日閲覧。
- ^ 『2021年春ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道和歌山支社、2020年12月18日。オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブ 。2020年12月22日閲覧。
- ^ 『和歌山県統計年鑑』及び『和歌山県公共交通機関等資料集』
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 椿駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道