江戸川乱歩賞

江戸川乱歩賞
受賞対象広い意味の長編推理小説
会場帝国ホテル
日本の旗 日本
主催江戸川乱歩賞選考委員会(第1回-第6回)
日本探偵作家クラブ(第7回-第8回)
日本推理作家協会(第9回-現在)
報酬正賞:江戸川乱歩
賞金:500万円
初回1955年
最新回第70回(2024年)
最新受賞者霜月流『遊廓島心中譚』
日野瑛太郎『フェイク・マッスル』
公式サイトhttp://shousetsu-gendai.kodansha.co.jp/special/edogawa.html

江戸川乱歩賞(えどがわらんぽしょう、通称:乱歩賞英称Edogawa Ranpo Award)は、1954年江戸川乱歩の寄付を基金として、日本推理作家協会(旧:日本探偵作家クラブ)により、探偵小説を奨励するために制定された文学賞

概要

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第3回以降は、長編小説を公募し、優秀作品に与えられることになった。現在では推理作家への登竜門として知られている。

正賞として江戸川乱歩像が、副賞として1000万円が贈呈される。また、受賞作は講談社から出版される。1992年の第38回からはフジテレビが後援に加わり、受賞作が同局にて単発ドラマ化、あるいは、映画化されるようになった。

正賞として与えられる像は、第48回までは「シャーロック・ホームズ像」であったが、第49回からは「江戸川乱歩像」に変更された[1]

受賞作は講談社文庫に収録されるが、近年では絶版入手不能となるものも増えてきたため、1989年9月より講談社文庫から江戸川乱歩賞全集が刊行され、受賞作および全選評を収録することとなった。2006年9月時点で18巻までが刊行されている。しかし刊行当初には全受賞作を収録する予定であったが、一部受賞作については著者の了解が得られなかったとして収録されていない作品もある。

2004年4月には、乱歩賞作家が執筆した中篇を集めた単行本『乱歩賞作家 赤の謎』が刊行された。その後、1か月ごとに『白の謎』『黒の謎』『青の謎』の計4冊が刊行された。

受賞者は第2作発表の場も含め、講談社の強いバックアップによって育成されていくという慣行がある。そのため、新人賞としてものちのち活躍していく作家の率が非常に高い。岡嶋二人は受賞後、編集者に「直木賞を受けて消えた作家はいても、乱歩賞を受けて消えた作家はいない」(消えた、の定義にもよるが、実際はゼロではない)と言われたという。

第68回より、江戸川乱歩ゆかりの豊島区とパートナーシップを結び、贈呈式を一般公開する[2]。併せて賞金を500万円に減額することが発表された。

贈呈式の一般公開に踏み切った経緯は、非公開は明確な理由が無く慣例だったことや、「社会派ミステリに限定」「大人向け」「プロフィールで判断される」などの噂が広まったことで、応募のハードルが高いと思われている賞をオープンにしたいという理由である[2]

受賞作一覧

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第1回から第10回

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回(年度) 応募総数 受賞作 著者 初刊 文庫化
第1回(1955年度) 受賞 探偵小説辞典 中島河太郎
第2回(1956年度) 受賞 ハヤカワ・ポケット・ミステリ
の出版
早川書房
第3回(1957年度) 96編 受賞 猫は知っていた 仁木悦子 1957年12月[注 1] 1975年1月
候補 背徳の街[注 2] 飛鳥高 1958年10月
お天狗様の歌[注 3] 土屋隆夫 1958年6月[注 4] 1975年8月[注 5]
第4回(1958年度) 107編 受賞 濡れた心 多岐川恭 1958年11月 1977年3月
候補 哀傷日記 志保田泰子
黒百合はなぜ咲いた 朝吹賢司
天に代りて不義を討つ 佐世保太郎
第5回(1959年度) 113編 受賞 危険な関係 新章文子 1959年10月 1978年9月
候補 招かざる客[注 6] 笹沢佐保 1960年3月 1971年8月[注 7]
罠をさがせ 松尾糸子
当選させたのは誰だ 大雅寛生
第6回(1960年度) 受賞作なし
候補 すれ違った死 五十嵐静子[注 8]
北大東島 宇治千介
醜聞 黒川俊介[注 9]
白い廃園 膳哲之助
ハイムダールの誘惑 藤井礼子[注 10]
第7回(1961年度) 86編 受賞 枯草の根 陳舜臣 1961年10月 1975年6月
候補 紙の墓碑[注 11] 垂水堅二郎[注 12] 1962年10月[注 13]
紙の爪痕 花屋治[注 14] 1962年1月[注 15]
土のハンター 松尾糸子
重い影 谷達郎
第8回(1962年度) 96編 受賞 大いなる幻影 戸川昌子 1962年9月 1978年8月
華やかな死体 佐賀潜 1962年9月 1978年10月
候補 山の唄 内田正
道楽のすすめ 谷達郎
陽気な容疑者たち 天藤真 1963年4月[注 16] 1980年8月[注 17]
虚無への供物 塔晶夫[注 18] 1964年2月 1974年3月
第9回(1963年度) 168編 受賞 孤独なアスファルト[注 19] 藤村正太 1963年8月 1976年6月
候補 愛と血の復活 斎藤栄
妻よねむれ 朝倉三郎
第10回(1964年度) 158編 受賞 蟻の木の下で 西東登 1964年8月 1976年7月
候補 茶木良介の即興的な犯罪 加津珊
未亡人の見積書 伏見丘太郎
夜の審判 雄谷鶏一

第11回から第20回

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回(年度) 応募総数 受賞作 著者 初刊 文庫化
第11回(1965年度) 174編 受賞 事件の核心[注 20] 西村京太郎 1965年8月 1976年5月
候補 愛と血の港[注 21] 斎藤栄 1968年5月[注 22]
東海岸への道 瀬戸彦三
第12回(1966年度) 118編 受賞 王将に児あり[注 23] 斎藤栄 1966年8月 1975年3月
候補 不毛の愛 内田正
四つのギター 大谷一夫[注 24]
雪の扇 松尾糸子
接点 石沢英太郎
第13回(1967年度) 136編 受賞 伯林 一八八八年 海渡英祐 1967年8月 1975年6月
候補 失われた街[注 25] 草野唯雄 1988年9月[注 26]
野望の接点 黒木曜之助 1967年[注 27] 1977年9月[注 28]
美談の報酬 大谷羊太郎 1972年[注 29] 1986年1月[注 30]
第14回(1968年度) 102編 受賞作なし
候補 日本女性史 志保田泰子
奴隷船 川奈完[注 31]
転石止まるを知らず[注 32] 草野唯雄 1969年[注 33] 1974年[注 34]
火山脈 緒方晶彦
有罪と無罪の間 和久一[注 35]
第15回(1969年度) 110編 受賞 高層の死角 森村誠一 1969年8月 1974年4月
候補 鮮血のパプテスマ 永井ばく [注 36]
虚妄の残影 大谷羊太郎 1972年5月[注 37] 1981年9月[注 38]
明かりのない部屋 愛里収
天使が消えてゆく[注 39] 夏樹静子 1970年2月 1975年6月
第16回(1970年度) 82編 受賞 殺意の演奏[注 40] 大谷羊太郎 1970年8月 1975年4月
候補 ベネトナーシュの矢[注 41] 幾瀬勝彬 1971年3月[注 42]
赫の盲点 里生香志
私の虚像 愛里収
京城の死[注 43] 山村美紗 1984年9月[注 44]
第17回(1971年度) 112編 受賞作なし
候補 フィルムの葬列 小林久三
テロリストへの挽歌 福田洋志
藤大夫谷の毒[注 45] 藤本泉 1974年[注 46] 1982年1月[注 47]
幻の罠 金井貴一
そして死が訪れる[注 48] 中町信 1973年6月[注 49] 1987年2月[注 50]
第18回(1972年度) 136編 受賞 仮面法廷[注 51] 和久峻三[注 52] 1972年8月 1975年9月
候補 ジャン・シーズの冒険 皆川博子
怒りの道 井口泰子 1973年[注 53]
空白の近景[注 54] 中町信 1974年[注 55] 1987年8月[注 56]
死の立体交差[注 57] 山村美紗 1976年12月[注 58] 1980年8月[注 59]
第19回(1973年度) 124編 受賞 アルキメデスは手を汚さない 小峰元 1973年8月 1974年10月
候補 『禿鷹城』の惨劇 高柳芳夫 1974年1月 1984年6月[注 60]
いきものの挽歌 金井貴一
蒼白の盛装[注 61] 笠原卓 1973年11月 産報
ゆらぐ海溝[注 62] 山村美紗 1974年1月 1978年6月
第20回(1974年度) 110編 受賞 暗黒告知 小林久三 1974年9月 1977年9月
候補 金右衛門の死 嵯峨崎遊
悪夢の中のあなた 木村嘉孝
豚走また豚走 古賀敦

第21回から第30回

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回(年度) 応募総数 受賞作 著者 初刊 文庫化
第21回(1975年度) 138編 受賞 蝶たちは今… 日下圭介 1975年8月 1978年7月
候補 仕手株殺人事件 多賀親
倒錯の報復 井沢元彦
虹の叛旗 福田洋志
蒔く如く穫りとらん 余志宏 1977年3月
第22回(1976年度) 162編 受賞 五十万年の死角 伴野朗 1976年9月 1979年10月
候補 ライン河の舞姫 高柳芳夫 1977年3月 1984年1月[注 63]
殉死の設計 嵯峨崎遊
魔性の石 川奈寛
虎の目は青かった 余志宏
第23回(1977年度) 168編 受賞 時をきざむ潮 藤本泉 1977年9月 1980年9月
透明な季節 梶龍雄 1977年9月 1980年9月
候補 推理小説・国定忠治 嵯峨崎遊
幽霊要塞[注 64] 玉塚久純 1979年9月[注 65]
タジ・マハールの再会 水島圭三郎
第24回(1978年度) 196編 受賞 ぼくらの時代 栗本薫 1978年9月 1980年9月
候補 盲執の人 二瓶寛
狙撃[注 66] 福田洋 1979年2月 1982年6月
タリア[注 67] 樽谷新 1995年7月[注 68]
バイキング号の遺産 帰山六郎
第25回(1979年度) 216編 受賞 プラハからの道化たち 高柳芳夫 1979年9月 1983年7月
候補 波切の怪[注 69] 久司十三 1980年10月
ショケラ 宮田亜佐[注 70]
六方晶系の女 霜月信二郎
教習所殺人事件[注 71] 中町信 1980年2月[注 72] 1980年2月[注 73]
第26回(1980年度) 198編 受賞 猿丸幻視行 井沢元彦 1980年9月 1983年8月
候補 占星術殺人事件[注 74] 島田荘司 1981年12月 1987年7月
北溟の鷹 関口甫四郎 1991年3月[注 75]
M8以前[注 76] 長井彬 1983年1月[注 77] 1990年9月
第27回(1981年度) 142編 受賞 原子炉の蟹 長井彬 1981年9月 1984年8月
候補 あした天気にしておくれ 岡嶋二人 1983年10月[注 78] 1986年8月
未来の詩人たちのメッセージ 高橋孝夫
ショパンの告発 林芳輝 1982年11月[注 79]
第28回(1982年度) 232編 受賞 焦茶色のパステル 岡嶋二人 1982年9月 1984年8月
黄金流砂[注 80] 中津文彦 1982年9月 1984年8月
候補 長い愛の手紙 須郷英三[注 81]
ローウェル城の密室 高沢則子[注 82] 1995年9月[注 83] 1998年5月[注 84]
ミスターXを捜しましょう 雪吹学
ハーメルンの笛を聴け 深谷忠記 1989年5月[注 85] 1995年8月[注 86]
第29回(1983年度) 262編 受賞 写楽殺人事件[注 87] 高橋克彦[注 88] 1983年9月 1986年7月
候補 トワイライト 鳥井加南子[注 89] 1985年10月
港名コード・531 大須賀祥浩
星狩人(コメット・ハンター) 矢島誠
消えた添乗員[注 90] 有馬秀治[注 91]
第30回(1984年度) 280編 受賞 天女の末裔[注 92] 鳥井加南子[注 93] 1984年9月 1987年7月
候補 黄金艦隊の海 the Caribbean Sea 大須賀祥浩 1985年11月
魔球 東野圭吾 1988年7月 1991年6月
G線上の悪魔 邦城紀男

第31回から第40回

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回(年度) 応募総数 受賞作 著者 初刊 文庫化
第31回(1985年度) 272編 受賞 放課後 東野圭吾 1985年9月 1988年7月
モーツァルトは子守唄を歌わない 森雅裕 1985年9月 1988年7月
候補 風燈 玉塚久純
極秘新薬殺人事件 池上敏也
阿片戦争殺人事件 大須賀祥浩
第32回(1986年度) 320編 受賞 花園の迷宮 山崎洋子 1986年9月 1989年7月
候補 軍艦旗北へ 玉塚久純
鳩は死んだ 池上敏也
大河の殺意 高橋幸春
ブラック・バード 石井敏弘
第33回(1987年度) 349編 受賞 風のターン・ロード[注 94] 石井敏弘 1987年9月 1990年7月
候補 土喰霊(つちくれ) 三谷海幸
再生バレンブルク 樽谷新
上海カタストロフ 柏木智光[注 95] 1996年7月
象が食った完全犯罪 余志宏
第34回(1988年度) 369編 受賞 白色の残像 坂本光一 [注 96] 1988年9月
候補 倒錯のロンド 折原一[注 97] 1989年7月 1992年8月
衛星作戦の女 池上敏也
鬼火列車 吉岡道夫 1990年7月
第35回(1989年度) 287編 受賞 浅草エノケン一座の嵐 長坂秀佳 1989年9月 1992年7月
候補 クレムリンの道化師 阿部陽一
メビウスの魔魚[注 98] 吉岡道夫 1990年2月 1994年6月
泣き顔のクピド[注 99] 花木深 1997年3月[注 100]
第36回(1990年度) 289編 受賞 剣の道殺人事件 鳥羽亮 1990年9月 1993年7月
フェニックスの弔鐘 阿部陽一 1990年9月 1993年7月
候補 ツール・ド・みちのくが狙われる 広瀬光朗
200メガバイトを追え! 梅原克文[注 101]
代償[注 102] 真保裕一 2002年11月[注 103] 2005年11月[注 104]
第37回(1991年度) 261編 受賞 ナイト・ダンサー 鳴海章 1991年9月 1994年7月
連鎖 真保裕一 1991年9月 1994年7月
候補 地獄のウェーブ 竹本みやこ
ロボットは、ためらいなく殺す 梅原克文[注 105]
かぐや姫殺人事件 瑞木晶子
第38回(1992年度) 279編 受賞 白く長い廊下[注 106] 川田弥一郎 1992年9月 1995年7月
候補 ヘルン先生行状記 千葉良
村正殺人事件[注 107] 松本豊[注 108] 1993年1月[注 109] 2000年2月[注 110]
夏の果て[注 111] 若竹七海 1993年1月 1998年7月
至福のとき 森健次郎[注 112]
第39回(1993年度) 286編 受賞 顔に降りかかる雨 桐野夏生 1993年9月 1996年7月
候補 リセット 桃河和行
零れる闇 有明游
河童が人を殺した話 村井貞之
夜間検証 森健次郎[注 113] 1996年5月[注 114]
慟哭の錨
関門海峡シージャック事件[注 115]
阿部智 1994年6月[注 116]
第40回(1994年度) 296編 受賞 検察捜査[注 117] 中嶋博行 1994年9月 1997年7月
候補 AV-BLUES 霧島皐
神々の砂漠 園田幸夫
白き煉獄 三宅彰
川沿いの町[注 118] 釣巻礼公 1997年4月[注 119]

第41回から第50回

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回(年度) 応募総数 受賞作 著者 初刊 文庫化
第41回(1995年度) 291編 受賞 テロリストのパラソル 藤原伊織 1995年9月 1998年7月
候補 ヒポクラテスの柩 ヘンリー川邊 2004年6月[注 120]
あなたに夢印 小林仁美
北緯35度の灼熱 野沢尚
流石[注 121] 渡辺牡丹[注 122] 1999年10月[注 123] 2003年1月
第42回(1996年度) 293編 受賞 左手に告げるなかれ 渡辺容子 1996年9月 1999年7月
候補 閻魔のいるミートパイ 桃河和行
魔笛 野沢尚 2002年9月 2004年9月
サンキュウ・デール 山瀬球平[注 124]
ペトロバグ[注 125] 高嶋哲夫 2001年5月[注 126] 2002年5月[注 127]
第43回(1997年度) 308編 受賞 破線のマリス 野沢尚 1997年9月 2000年7月
候補 神が殺す 青井祐[注 128]
川の深さは 福井晴敏 2000年8月 2003年8月
トルーマン・レター 高嶋哲夫 2001年5月[注 129] 2004年7月[注 130]
榧と柘植の迷宮[注 131] 釣巻礼公 1999年2月[注 132]
第44回(1998年度) 299編 受賞 果つる底なき 池井戸潤 1998年9月 2001年6月
Twelve Y. O.[注 133] 福井晴敏 1998年9月 2001年6月
候補 ビッグタウン 賀芳文吾
カマクラ動乱 犬神鳴海
天馬誕生 中野順市
第45回(1999年度) 289編 受賞 八月のマルクス[注 134] 新野剛志 1999年9月 2002年6月
候補 そして、僕はいなくなった。 木村千歌
うじ虫の災厄 首藤瓜於
落日の使徒 奈津慎吾
ダブル・トラブル 堂場瞬一
第46回(2000年度) 364編 受賞 脳男 首藤瓜於 2000年9月 2003年6月
候補 escape エスケープ 大司海
フェンス 松浦茂史
カーティス・クリークの畔で 三浦明博
鋼の使命 宮崎連
第47回(2001年度) 325編 受賞 13階段 高野和明 2001年8月 2004年8月
候補 きみは嘘を詠う 新井吾土
グッバイ、ジャズ・ライン 瀬戸信也[注 135] 2004年5月[注 136]
接続 匠勇人
機械室 白石泉
第48回(2002年度) 330編 受賞 滅びのモノクローム[注 137] 三浦明博 2002年8月 2005年8月
候補 境界 永見功平
Lost Moment 佐藤仁
ボッサ・ファミリア 瀬戸信也[注 138] 2004年5月[注 139]
未還 萩原昇
第49回(2003年度) 356編 受賞 マッチメイク 不知火京介 2003年8月 2006年8月
翳りゆく夏[注 140] 赤井三尋 2003年8月 2006年8月
候補 Shift 佐藤仁
犯意 櫻木そら
パドックにて 税所隆介
第50回(2004年度) 308編 受賞 カタコンベ 神山裕右 2004年8月 2007年8月
候補 ばら撒け! 藤井貴裕
裏金街 大久保権八 2009年4月[注 141]
ゴドルフィンの末裔 永橋流介[注 142] 2009年6月[注 143] 2009年10月[注 144]
孤独な巡礼者 井川衆行

第51回から第60回

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回(年度) 応募総数 受賞作 著者 初刊 文庫化
第51回(2005年度) 334編 受賞 天使のナイフ 薬丸岳 [注 145] 2005年8月 2008年8月
候補 通過人の31 早瀬乱
ダンスフロア 柳瀬勇介
領事代理の密使 光月涼那
かしわでヘイルメリー 須藤靖貴
第52回(2006年度) 323編 受賞 東京ダモイ 鏑木蓮 2006年8月 2009年8月
三年坂 火の夢 早瀬乱 2006年8月 2009年8月
候補 オクタゴンの密室 井川衆行
メッセージ 松浦茂史
ライダーズ・ハイ 横関大
第53回(2007年度) 343編 受賞 沈底魚 曽根圭介[注 146] 2007年8月 2010年8月
候補 聖クレーマーの憂鬱 横席大
暗き情熱のアレーナ 下村淳史
ロスト・ソルジャー 松浦茂史
ゼロ・ゼロ 及川孝男
第54回(2008年度) 331編 受賞 誘拐児 翔田寛 2008年8月 2011年8月
訣別の森[注 147] 末浦広海 2008年8月 2011年8月
候補 止まり木 新城利之
ハーネス 横関大
贖罪に鳴る鐘
サグラダ・ファミリア
下村敦史
第55回(2009年度) 398編 受賞 プリズン・トリック[注 148] 遠藤武文 2009年8月 2012年1月
候補 七年誘拐 伊兼源太郎
謀略の翼 長瀬遼
オルドリンの無念 直原冬明
二度目の満月 伊予原新
第56回(2010年度) 387編 受賞 再会[注 149] 横関大 2010年8月 2012年8月
候補 ヘブン・ノウズ 川瀬七緒
ベタ記事 伊兼源太郎
警察と戦うという選択 藤井貴裕
ルカの方舟 伊予原新 2013年6月
第57回(2011年度) 324編 受賞 よろずのことに気をつけよ 川瀬七緒 2011年8月 2013年8月
完盗オンサイト[注 150] 玖村まゆみ 2011年8月 2013年8月
候補 卒業試合 伊兼源太郎
牙を剥く大地 下村敦史
放獣区 森岡英貴
第58回(2012年度) 367編 受賞 カラマーゾフの兄妹[注 151] 高野史緒 2012年8月 2014年8月
候補 宙返りの途中 香川伸夫
希望の地は、はるか遠く 下村敦史
焼け跡のジハード 長瀬遼
南の島の鋼鉄平原 一ツ木佑輔
第59回(2013年度) 397編 受賞 襲名犯[注 152] 竹吉優輔[3] 2013年8月 2015年8月
候補 運命の箱舟 長瀬遼
人外領域 高原英理
家鴨たちの運動会 香川伸夫
番外、ヨーソロー 牧本圭太
第60回(2014年度) 349編 受賞 闇に香る嘘[注 153] 下村敦史 2014年8月 2016年8月
候補 極星クラブ 檎克比朗[注 154]
ダンテの教え 新木利之
国会の迷宮 木山穣二
変節の森 牧本圭太

第61回から第70回

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回(年度) 応募総数 受賞作 著者 初刊 文庫化
第61回(2015年度) 316編 受賞 道徳の時間 呉勝浩[注 155] 2015年8月 2017年8月
候補 強き者よ、汝の名は女なり 春畑行成
反魂 和久井清水
セイレーンの慟哭 一ツ木佑輔
白碑 拓見享
第62回(2016年度) 338編 受賞 QJKJQ 佐藤究 2016年8月 2018年9月
候補 (仮)ヴィラ・アーク 設計主旨
VILLA ARC (tentative)
家原英生 2017年3月[注 156]
ラリックの天球儀 光月涼那
キャパの遺言 十河進[注 157]
第63回(2017年度) 326編 受賞作なし[4]
候補 バイオスフィア3 栁沼庸介
タンポポの種は蒔いてはいけない 竹原千尋
夜のトリケラトプス 山田風太
古傷同志 牧本圭太
アップルピッキング 光月涼那
第64回(2018年度) 348編 受賞 到達不能極 斉藤詠一[注 158] 2018年9月 2020年12月
候補 魔境の墓堀人 碧井行隆
あかね町の隣人 倉井眉介
狩人たちの原罪 寺田剛
第65回(2019年度) 354編 受賞 ノワールをまとう女[注 159] 神護かずみ 2019年9月 2021年9月
候補 日陰蝶 小林しゅんすけ
消尽屋 小林宗矢
歌舞伎町 ON THE RUN 箕輪尊文
シャドウワーク 佐野広実
第66回(2020年度) 387編 受賞 わたしが消える 佐野広実 2020年9月 2022年9月
候補 ブルー オン ブラック 井上雷雨
エスカレーションラダー 小塚原旬
インディゴ・ラッシュ 桃ノ雑派
第67回(2021年度) 386編 受賞 北緯43度のコールドケース[注 160] 伏尾美紀 2021年10月 2024年3月
老虎残夢 桃野雑派[注 161] 2021年9月 2024年2月
候補 キッドナップ・ショウ 日野瑛太郎
ドロップトキシン 水谷朔也
夜が明けたら 箕輪尊文
第68回(2022年度)[5] 385編 受賞 此の世の果ての殺人 荒木あかね 2022年9月
候補 神様の盤上 才川真澄
二〇四五年 日野瑛太郎
円卓会議に参加せよ 宮ヶ瀬水
あなたの人生の謎解きゲーム 八木十五
第69回(2023年度) 390編 受賞 蒼天の鳥[注 162] 三上幸四郎 2023年8月
候補 ホルスの左眼 竹鶴銀
籠城オンエア 日野瑛太郎
おしこもり 八木十五
第70回(2024年度) 395編 受賞 遊廓島心中譚 霜月流[注 163]
フェイク・マッスル 日野瑛太郎
候補 容疑者ピカソ 相羽廻緒
陽だまりのままでいて 雨地草太郎
ハゲタカの足跡 工藤悠生
許されざる拍手 津根由弦

選考委員

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主な落選作一覧

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過去、落選した作者がその後活躍する例があるのが乱歩賞の特色の一つである。また、後に受賞作よりも高く評価された作品もある。しかしながら公刊されている落選作はほとんど加筆や修正があると明記されており、選考に問題があったか否かは測りがたい。そのうちの主な作者・作品について以下に記す。()内は現行の名義及び題名。

受賞者によるアンソロジー

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脚注

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注釈

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  1. ^ 大日本雄弁会講談社
  2. ^ 刊行時『疑惑の夜』に改題
  3. ^ 刊行時『天狗の面』に改題
  4. ^ 浪速書房
  5. ^ 角川文庫
  6. ^ 刊行時『招かれざる客』に改題
  7. ^ 角川文庫
  8. ^ 夏樹静子の別名義
  9. ^ 西村京太郎の別名義
  10. ^ 大貫進の別名義
  11. ^ 刊行時『紙の墓標』に改題
  12. ^ 芳野昌之の別名義
  13. ^ 浪速書房
  14. ^ 松村喜雄の別名義
  15. ^ 光風社
  16. ^ 東都書房
  17. ^ 角川文庫
  18. ^ 中井英夫の別名義
  19. ^ 『孤独のアスファルト』を改題
  20. ^ 刊行時『天使の傷痕』に改題
  21. ^ 刊行時『愛と血の炎』に改題
  22. ^ 三一書房
  23. ^ 刊行時『殺人の棋譜』に改題
  24. ^ 大谷羊太郎の別名義
  25. ^ 刊行時『大東京午前二時』に改題
  26. ^ 光文社文庫
  27. ^ 三一書房
  28. ^ 春陽文庫
  29. ^ 青樹社
  30. ^ 新潮文庫
  31. ^ 川奈寛の別名義
  32. ^ 刊行時『抹殺の意志』に改題
  33. ^ 三一書房
  34. ^ 春陽文庫
  35. ^ 和久峻三の別名義
  36. ^ 永井泰宇の別名義
  37. ^ 毎日新聞社
  38. ^ 徳間文庫
  39. ^ 刊行時『天使が消えていく』に改題
  40. ^ 『あざなえる縄』より改題
  41. ^ 刊行時『死を呼ぶクイズ』に改題
  42. ^ 春陽文庫
  43. ^ 刊行時『愛の海峡殺人事件』に改題
  44. ^ 光文社文庫
  45. ^ 刊行時『地図にない谷』に改題
  46. ^ 産報
  47. ^ 徳間文庫
  48. ^ 刊行時『新人賞殺人事件』に改題
  49. ^ 双葉社
  50. ^ 徳間文庫
  51. ^ 『華麗なる影』より改題
  52. ^ 応募時は「和久一」
  53. ^ 春陽堂書店
  54. ^ 刊行時『殺された女』に改題
  55. ^ 弘済出版社
  56. ^ 徳間文庫
  57. ^ 刊行時『黒の環状線』に改題
  58. ^ トクマ・ノベルズ
  59. ^ 文春文庫
  60. ^ 新潮文庫
  61. ^ 刊行時『ゼロのある死角』に改題
  62. ^ 刊行時『マラッカの海に消えた』に改題
  63. ^ 新潮文庫
  64. ^ 刊行時『まんだら殺人事件』に改題
  65. ^ 梓書院
  66. ^ 刊行時『凶弾 瀬戸内シージャック』に改題
  67. ^ 刊行時『アムステルダム猟奇殺人事件』に改題
  68. ^ 講談社ノベルス
  69. ^ 刊行時『狼火の岬』に改題
  70. ^ 宮田一誠の別名義
  71. ^ 刊行時『自動車教習所殺人事件』に改題
  72. ^ トクマ・ノベルズ
  73. ^ 徳間文庫
  74. ^ 『占星術のマジック』より改題
  75. ^ 青樹社
  76. ^ 刊行時『連続殺人マグニチュード8』に改題
  77. ^ 講談社ノベルス
  78. ^ 講談社ノベルス
  79. ^ テクノス
  80. ^ 『黄金の砂』より改題
  81. ^ 高場詩朗の別名義
  82. ^ 小森健太朗の別名義
  83. ^ 出版芸術社
  84. ^ ハルキ文庫
  85. ^ 中央公論社
  86. ^ 中公文庫
  87. ^ 応募時は『蝋画の獅子』
  88. ^ 霧神顕より改名
  89. ^ 取井科南子より改名
  90. ^ 応募時は『雪のとばり』
  91. ^ 佐田純孝より改名
  92. ^ 『天女の末裔 殺人村落調査報告書』より改題
  93. ^ 取井科南子より改名
  94. ^ 『ターン・ロード』より改題
  95. ^ 桂浩薫より改名
  96. ^ 応募時は「太田俊明」
  97. ^ 応募時は「北野凌」
  98. ^ 『メービウスの魔魚』より改題
  99. ^ 刊行時『天使の墓』に改題
  100. ^ 文藝春秋社
  101. ^ 梅原克哉の別名義
  102. ^ 刊行時『誘拐の果実』に改題
  103. ^ 集英社
  104. ^ 集英社文庫
  105. ^ 梅原克哉の別名義
  106. ^ 『長い廊下』から改題
  107. ^ 刊行時『凶刀「村正」殺人事件』に改題
  108. ^ 佐竹一彦の別名義
  109. ^ カッパ・ノベルス
  110. ^ 角川文庫
  111. ^ 刊行時『閉ざされた夏』に改題
  112. ^ 藤村耕造の別名義
  113. ^ 藤村耕造の別名義
  114. ^ 角川書店
  115. ^ 刊行時『海峡に死す』に改題
  116. ^ 講談社ノベルス
  117. ^ 『検察官の証言』より改題
  118. ^ 刊行時『暴走』に改題
  119. ^ カッパ・ノベルス
  120. ^ 新風舎文庫
  121. ^ 刊行時『流さるる石のごとく』に改題
  122. ^ 渡辺容子の別名義
  123. ^ 集英社
  124. ^ 応募時は「樋口徹」
  125. ^ 刊行時『ペトロバクテリアを追え!』に改題
  126. ^ 宝島社
  127. ^ 宝島社文庫
  128. ^ 池井戸潤の別名義
  129. ^ 集英社
  130. ^ 集英社文庫
  131. ^ 刊行時『柘植の迷宮』に改題
  132. ^ 出版芸術社
  133. ^ 『12〈twelve Y.O〉』から改題
  134. ^ 『マルクスの恋人』から改題
  135. ^ 廣島節也より改名
  136. ^ スフィンクス文庫
  137. ^ 『亡兆のモノクローム』から改題
  138. ^ 廣島節也より改名
  139. ^ スフィンクス文庫
  140. ^ 『二十年目の恩讐』から改題
  141. ^ 中公文庫
  142. ^ 永橋隆介より改名
  143. ^ 幻冬舎ルネッサンス
  144. ^ 幻冬舎文庫
  145. ^ 応募時は「秋葉俊介」
  146. ^ 応募時は「駄目狷介」
  147. ^ 『猛き咆哮の果て』より改題
  148. ^ 『三十九条の過失』より改題
  149. ^ 『再会のタイムカプセル』より改題
  150. ^ 『クライミング ハイ』より改題
  151. ^ 『カラマーゾフの妹』に改題
  152. ^ 『ブージャム狩り』より改題
  153. ^ 『無縁の常闇に嘘は香る』より改題
  154. ^ 呉勝浩の別名義
  155. ^ 応募時は「檎克比朗」
  156. ^ 書肆侃侃房
  157. ^ 吉里侑の別名義
  158. ^ 応募時は「齋藤詠月」
  159. ^ 『NOIRを纏う彼女』から改題
  160. ^ 『センパーファイ —常に忠誠を—』から改題
  161. ^ 応募時は「桃ノ雑派」
  162. ^ 『蒼天の鳥たち』から改題
  163. ^ 応募時は「東座莉一」

出典

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  1. ^ 当時、日本推理作家協会常任理事を務めていた井沢元彦が、乱歩の没後長く経つのにホームズ像のままなのはおかしいと、切り替えを提案した。【たからもの】井沢元彦さん 江戸川乱歩賞の像/「推理」に生きた現場感覚(『読売新聞』朝刊2019年9月23日)による。
  2. ^ a b 乱歩ゆかりの街・池袋で、江戸川乱歩賞贈呈式が史上初の一般公開。講談社・書籍編集長に聞く、「開かれた乱歩賞」への道のり”. ダ・ヴィンチニュース. 2021年11月22日閲覧。
  3. ^ 江戸川乱歩賞に竹吉優輔さんの「ブージャム狩り」”. 産経新聞社 (2013年5月13日). 2017年12月2日閲覧。
  4. ^ 江戸川乱歩賞、46年ぶり受賞作なし”. 産経新聞社 (2017年5月15日). 2017年12月2日閲覧。
  5. ^ 江戸川乱歩賞に荒木あかねさん”. 好書好日. 朝日新聞社 (2022年5月17日). 2022年5月22日閲覧。

関連項目

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  • 推理小説の賞
  • メフィスト賞 - 講談社の文芸雑誌『メフィスト』から生まれた公募新人賞。ジャンルを限定していないが受賞作はミステリが多く、正賞は「シャーロック・ホームズ像」。第1回から授賞式などのイベントは行っていない。
  • エドガー・アラン・ポー賞 - 通称「エドガー賞」。アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞の1つ。長編賞、短編賞などがあり、既発表の優秀作品に対して与えられる。
日本の推理作家の名を冠した賞

外部リンク

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