犬王

犬王(いぬおう、生年不詳 - 応永20年5月9日1413年6月7日))は、観阿弥と同時期に活躍した近江猿楽日吉座の大夫

猿楽能の名手として観世座の観阿弥・世阿弥と人気を二分した。阿弥号の「道阿弥」でも知られる。

生涯

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生年不詳ながら、活動時期からして観阿弥と同世代もしくは多少年下かと思われる[要出典]

物まねを主体とする大和猿楽に対し、風流歌舞を旨とする近江猿楽の芸風をよく体現し、ひろく人気を集めたとされる[要出典]

一時庇護者足利義満の不興をこうむったが[要出典]、後に許され、義満の法名「道義」から一字をもらって阿弥号「犬阿弥」を「道阿弥」に改めた。

最晩年に至るまで、義満の寵愛は衰えず、応永15年(1408年)に後小松天皇北山第に行幸した際には天覧能を務めた。

また猿楽能の先駆者たる観阿弥を敬慕することあつく、観阿弥の命日である十九日にはかならず供養を行った[1]

世阿弥は犬王をきわめて高く評価し、『申楽談儀』に「犬王は、上三花にて、つゐに中上にだに落ちず」と述べている。

20世紀には竹本幹夫の論文「天女舞の研究」[2]によって、世阿弥が犬王の得意とした「天女舞」を取り入れて舞事の充実をはかったとする説が提唱された[3]

犬王(道阿弥)が登場する作品

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小説
  • 北方謙三『道誉なり』(中央公論社 1995年 / 上・下巻 中公文庫 1999年/ 新装版 2022年)
  • 古川日出男『平家物語 犬王の巻』(2017年、河出書房新社)
アニメ映画
  • 犬王』(2022年公開)上記小説が原作
漫画

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  1. ^ 申楽談義
  2. ^ 『能楽研究』第4号、1977年7月
  3. ^ "能・世阿弥". 世阿弥の世界 世阿弥のいた環境. 文化デジタルライブラリー. 2021年9月10日閲覧