瞳を閉じて

瞳を閉じて
荒井由実楽曲
収録アルバムMISSLIM
リリース1974年10月5日
規格レコード
ジャンルJ-POP
レーベルEXPRESS
作詞者荒井由実
作曲者荒井由実
プロデュース村井邦彦
その他収録アルバム
MISSLIM収録順
生まれた街で
(1)
瞳を閉じて
(2)
やさしさに
包まれたなら
(album version)
(3)

瞳を閉じて」(ひとみをとじて)は、荒井由実(現・松任谷由実)の作詞・作曲による楽曲。アルバム『MISSLIM』(1974年)[1]、および同アルバムと同時発売されたシングル12月の雨」のB面に収録されている。

長崎県立奈留高等学校の愛唱歌としても知られる。

解説

[編集]
長崎県立奈留高等学校の位置
長崎県立奈留高等学校の位置
長崎県立奈留高等学校の位置
長崎県立奈留高等学校の位置

1974年昭和49年)に長崎県立五島高等学校奈留分校(現・長崎県立奈留高等学校)の女子生徒が、奈留分校に合った校歌を作ってほしい[1]ラジオ深夜番組『毛利久のオールナイトニッポン[注釈 1]の「あなただけのイメージソングを作ります」のコーナーに投書した。当時の奈留分校では五島高校の校歌がそのまま校歌とされていたが、その歌詞は本校から離れた奈留島にある奈留分校の生徒にとってなじみが薄いものであった。この投書に応えて、当初は加藤和彦が曲を作って番組でオンエアされたが、依頼者のもとに届けられるはずだった録音テープが行方不明になったため、改めて荒井由実作詞・作曲による「瞳を閉じて」が贈られた[3]

1976年、同校は長崎県立奈留高等学校として独立。その際にこの曲を校歌とするかが検討された結果、校歌とはされなかったものの愛唱歌として制定された。このエピソードはNHKのドキュメンタリー番組『新日本紀行〜歌が生まれて そして〜』で取り上げられた[4][5]

1988年には同校卒業生の寄付で松任谷由実直筆の歌詞を刻んだ歌碑が建立され、除幕式には松任谷本人も訪れた[6][7]。その後、この曲は卒業式はもとより、島民が島を離れる船の出港の際にも流されるなど、島全体の愛唱歌となった[1]

1996年から1998年にかけて教育出版「高校音楽I」(平成8年版 - 平成10年版)の教科書に掲載された[4]

2015年10月24日には長崎県立奈留高等学校創立50周年記念式典が開かれ、松任谷が奈留島を訪れて生徒とともにこの曲を合唱した[8][1][7]

タイアップ

[編集]

みんなのうた

[編集]
みんなのうた
瞳を閉じて
歌手 善村ゆう子
作詞者 荒井由実
作曲者 荒井由実
編曲者 松任谷正隆
映像 実写
初放送月 1976年8月 - 9月
再放送月 1996年8月 - 9月(ラジオのみ)
2018年8月10日9月14日リクエスト
テンプレートを表示

曲制作から2年後の1976年8月から同年9月までNHKの『みんなのうた』で放送された。歌は善村ゆう子が担当。映像は舞台となった長崎の風景が映されている[9]1996年8月 - 9月には、20年ぶりにラジオのみで再放送された。その後「みんなのうた発掘プロジェクト」で映像が提供され、2018年8月10日と同年9月14日に『みんなのうたリクエスト』枠で映像付きで22年ぶりに再放送された(サイドパネル付き / ニュープリント)。

主題歌・テーマソング

[編集]
  • 2000年公開の映画『スイート・スイート・ゴースト』の主題歌となった[10]
  • 2005年4月から2008年3月まで[要出典]、NHKのドキュメンタリー番組『NHKアーカイブス』のテーマ曲となっていた[11]
  • 2005年には、日本テレビ系テレビドラマ『Xmasなんて大嫌い』の挿入歌として使用された。
  • 2023年10月からは、フジテレビ / BSフジ「街角パレット~未来へのたからもの~」テーマソングとして使用されている[12]

CM

[編集]

その他

[編集]
  • 2010年1月10日から同年5月30日まで日本テレビ系『笑点』の大喜利コーナーで、座布団10枚の賞品のキーワードとして本曲のタイトルが用いられていた。賞品の正体は、司会の桂歌丸が「瞳を閉じて」考えて浮かんだ旅をプレゼントするというものであった。獲得したのは林家木久扇で、彼のネタの1つである「河童」にちなみ、トルコカッパドキアの旅となった[14][15]
  • 2018年3月21日放送の『あの日 あのとき あの番組〜NHKアーカイブス〜』(先述の『NHKアーカイブス』のリニューアル版)では松任谷由実をゲストに迎え、1976年の『新日本紀行』をはじめ、1988年の歌碑建立の模様を放送した『九州特集』、2015年の奈留高校創立50周年記念式典の模様を放送した『SONGSスペシャル』の計3番組を放送した[16][17]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 毛利久は当時東芝レコード所属だった音楽プロデューサー渋谷森久の変名[2]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d SSONGSスペシャル 松任谷由実”. NHK. 2015年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月6日閲覧。
  2. ^ 世紀以上の歴史を持つ『ANN』 皇族がパーソナリティになったことも”. NEWSポストセブン (2018年11月7日). 2020年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月5日閲覧。
  3. ^ “新九州紀行 一枚の記憶 「瞳を閉じて」長崎県五島市奈留町”. 西日本新聞: p. 9. (2005年11月25日) 
  4. ^ a b 若者たちの居場所”. NHKアーカイブス(番組)|これまでの放送. NHK. 2007年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月5日閲覧。
  5. ^ ユーミン、名曲「瞳を閉じて」誕生秘話から40年間に及ぶ貴重ドキュメンタリー3番組の一挙放送決定!”. 松任谷由実 オフィシャルサイト. 2020年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月5日閲覧。
  6. ^ 今日は一日“ユーミン”三昧”. NHKクロニクル. NHK. 2020年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月6日閲覧。
  7. ^ a b 広報ごとう 2015年12月号”. 五島市. 2020年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月26日閲覧。
  8. ^ “【音楽】松任谷由実、27年ぶり「瞳を閉じて」“生まれ故郷”訪問で涙”. MusicVoice. (2015年11月30日). オリジナルの2015年12月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20151202074207/https://www.musicvoice.jp/news/20151130034041/ 
  9. ^ 瞳を閉じて”. みんなのうた. NHK. 2018年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月6日閲覧。
  10. ^ 映画 スイート・スイート・ゴースト (2000)について”. allcinema. 2020年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月6日閲覧。
  11. ^ 沖縄の記憶・家族の別れと再会”. NHKアーカイブス(番組)|これまでの放送. NHK. 2007年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月6日閲覧。
  12. ^ 1社提供番組「街角パレット~未来へのたからもの~」放送開始のお知らせ”. PR TIMES. MIRARTHホールディングス (2023年10月2日). 2024年2月11日閲覧。
  13. ^ ポカリ新CMで鈴木梨央がソロ歌唱!松任谷由実の名曲カバー!”. エンタメRBB (2022年6月3日). 2022年6月6日閲覧。
  14. ^ 笑点 第2218回”. 日本テレビ. 2018年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月6日閲覧。
  15. ^ 笑点大百科”. 日本テレビ. 2014年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月6日閲覧。
  16. ^ “松任谷由実「瞳を閉じて」40年以上の軌跡を追うNHKドキュメンタリー”. 音楽ナタリー. (2018年3月9日). オリジナルの2018年3月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180309092304/https://natalie.mu/music/news/272827 
  17. ^ あの日 あのとき あの番組~NHKアーカイブス~ 2018年3月の放送” (PDF). NHK. 2020年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月6日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]