秋田火力発電所
秋田火力発電所 | |
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種類 | 火力発電所 |
電気事業者 | 東北電力 |
所在地 | 日本 秋田県秋田市飯島字古道下川端217-6 |
北緯39度47分01秒 東経140度02分55秒 / 北緯39.78361度 東経140.04861度座標: 北緯39度47分01秒 東経140度02分55秒 / 北緯39.78361度 東経140.04861度 | |
公式サイト:東北電力 概要 |
秋田火力発電所(あきたかりょくはつでんしょ)は、秋田県秋田市飯島字古道下川端217-6にあった東北電力の石油火力発電所。
概要
[編集]男鹿半島を望む海岸沿いに位置する。重油を主な燃料とする火力発電所は東北電力管内で唯一のものであった[1]。1970年8月に1号機が運転を開始、東日本大震災後に設置された緊急設置電源を含めて5号機までが建設され、秋田県内をはじめ東北地域に電力を供給していた。所有する4カ所の地熱発電所の遠方監視業務も行っていた。
一時は管内最大規模の発電能力があったが、後に燃料価格が安い石炭火力発電へのシフトが進み、1号機は設備の老朽化や稼働率の低下などにより2003年12月に廃止された[1]。2〜4号機も設置から40年前後が経過し老朽化が進んだことから、2019年9月1日に3号機が廃止され[2]、2019年度の設備稼働率が7.5 %に低下した2号機も2020年3月31日に廃止された[3][4]。残る4号機も2024年(令和6年)7月1日に廃止された(当初は2023年〈令和5年〉3月廃止予定だったが延期)[5][1]。全機廃止によって秋田火力発電所そのものを廃止する方向で検討されており[6][7][8]、今後は燃料除去・送電線切り離しなどに続いて2025年度から建物の撤去が行われる予定[1]。
全機廃止後の跡地利用法については、二酸化炭素排出量の多い石炭火力発電所である能代火力発電所の補完として風力発電所にする案が出されていた[9][10]。2021年9月24日、東北電力は風力発電向けの風車のメンテナンス技術を指導する訓練所を構内に設置し、子会社の東北電力リニューアブルエナジー・サービスが運営することを発表した[11]。
発電設備
[編集]- 総面積:約50万9千m2
- 1号機
- 定格出力:35万kW
- 使用燃料:重油、原油
- 営業運転期間:1970年(昭和45年)8月 - 2003年(平成15年)12月27日[12]
- 2号機
- 定格出力:35万kW
- 使用燃料:重油、原油
- 営業運転期間:1972年(昭和47年)2月 - 2020年(令和2年)3月31日[4]
- 3号機
- 定格出力:35万kW
- 使用燃料:重油、原油
- 営業運転期間:1974年(昭和49年)11月 - 2019年(令和元年)9月1日[2]
- 4号機
- 定格出力:60万kW
- 使用燃料:重油、原油
- 営業運転期間:1980年(昭和55年)7月 - 2024年(令和6年)7月1日[1]
緊急設置電源
[編集]2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震と津波により複数の発電施設が被災し、電力供給力が大幅に低下したため、緊急設置電源が新設された[13]。
設置初年度である2012年度には2億4900万kWhを発電したが、2017年度は300万kWh、2018年度は8月に2日間稼働しただけで100万kWhにまで減少した[14]。このため東北電力は2018年度(平成30年度)の供給計画で、今後の需要の見通しや、建設中の能代火力発電所3号機・上越火力発電所1号機の開発計画などを踏まえ、秋田火力発電所5号機および東新潟火力発電所5号機・新潟火力発電所4号機の廃止を発表[15]。秋田5号機は当初2018年9月に廃止する予定だったが、需給の厳しい冬場を過ぎるまで延期し、2019年3月15日に廃止された[16]。廃止後、ガスタービンは東新潟4-1号機(設置から約20年経過)に転用・再利用されることになり[16]、2020年11月19日に転用工事を完了した[17]。
- 5号機(緊急設置電源)
- 発電方式:ガスタービン発電方式[18]
- 定格出力:33.3万kW
- 使用燃料:軽油
- 熱効率:約36%(低位発熱量基準)
- 着工:2011年7月15日
- 発電開始(試運転):2012年6月9日[19]
- 営業運転期間:2012年6月22日[20] - 2019年3月15日[16]
東北地方太平洋沖地震による被害
[編集]2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、3基すべてが自動停止した[21]。4月7日に発生した余震では、2号機は停止中で3、4号機が自動停止した[22]。
出典
[編集]- ^ a b c d e “秋田火力、全発電設備が廃止 唯一稼働の4号機も老朽化”. 秋田魁新報 (2024年7月1日). 2024年7月1日閲覧。
- ^ a b 秋田魁新報電子版 - 秋田火力3号機廃止、東北電力 2、4号機でも検討へ、2019年9月3日閲覧。
- ^ 秋田魁新報電子版 - 秋田火力2号機31日廃止 老朽化、4号機も検討、2020年3月27日閲覧。
- ^ a b 秋田火力発電所2号機の廃止について東北電力プレスリリース2020年4月1日
- ^ 秋田魁新報電子版 - 秋田火力4号機、廃止時期を24年7月に延期 燃料価格高騰を考慮、2022年10月20日閲覧。
- ^ 秋田魁新報電子版 - 東北電力、秋田火力廃止を検討 老朽化でコスト増、2019年3月28日閲覧。
- ^ 秋田魁新報電子版 - 秋田火力廃止へ 「雇用維持に努めたい」と東北電社長、2019年3月29日閲覧。
- ^ 2021年度供給計画の概要について(電源開発計画)東北電力プレスリリース2021年3月31日
- ^ 秋田魁新報電子版 - 秋田火力廃止後の跡地で風力発電 東北電が検討、調査へ、2020年3月27日閲覧。
- ^ 秋田魁新報電子版 - 東北電次期社長・樋口氏に聞く 火力跡地、地域のために利用、2020年3月28日閲覧。
- ^ “秋田火力構内に風車メンテ訓練所 東北電、来年10月開設へ”. 秋田魁新報 (2021年9月25日). 2021年9月27日閲覧。
- ^ 秋田火力発電所1号機の廃止について 2003年12月26日
- ^ 供給力確保に向けた緊急設置電源の新設について 2011年5月25日
- ^ 秋田魁新報電子版 - 震災後に緊急設置の秋田火力5号機を廃止 稼働日数少なく、2019年3月18日閲覧。
- ^ 平成30年度供給計画における電源開発計画の概要について 2018年2月28日 (PDF)
- ^ a b c 秋田火力発電所5号機、東新潟火力発電所5号機の廃止について 2019年3月18日 (PDF)
- ^ “東新潟火力発電所4-1号系列のガスタービン転用工事の竣工および出力変更(増出力)について〜熱効率の向上により燃料消費量およびCO2排出量の削減を実現~| 東北電力”. www.tohoku-epco.co.jp. 2021年12月29日閲覧。
- ^ 秋田火力発電所5号機の概要 (PDF)
- ^ 秋田火力発電所5号機の発電開始(試運転)について 2011年6月9日
- ^ 秋田火力発電所5号機の営業運転開始について 2011年6月22日
- ^ 地震発生による停電等の影響について(11日20時現在)
- ^ 地震発生による停電等の影響について(4月8日0時現在)