2000年の読売ジャイアンツ

2000年の読売ジャイアンツ
成績
日本一
日本S 4勝2敗(対ダイエー
セントラル・リーグ優勝
78勝57敗0分 勝率.578
本拠地
都市 東京都文京区
球場 東京ドーム
球団組織
オーナー 渡邉恒雄
経営母体 読売新聞社
監督 長嶋茂雄
選手会長 桑田真澄
« 1999
2001 »

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2000年の読売ジャイアンツ(2000ねんのよみうりジャイアンツ)では、2000年の読売ジャイアンツの動向をまとめる。

この年の読売ジャイアンツは、2回目の長嶋茂雄監督体制の8年目(通算で14年目)のシーズンである。

概要

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3年連続で優勝を逃した巨人は、覇権奪回に向けてオフに大補強を行った。福岡ダイエーホークスからFAで工藤公康野村克也監督との確執から阪神タイガースを退団したダレル・メイを獲得し、ドラフトで高橋尚成を1位指名し、広島東洋カープの主砲江藤智を工藤と同じくFAで獲得した。

シーズン序盤は混戦模様だったが、大補強が功を奏し、6月以降は抜け出した。チーム防御率が去年は3.84だったのがこの年は3.34と改善された。8月以降は貯金5と平凡な成績に終わったが、9月24日の中日ドラゴンズ戦、9回裏に中日の守護神エディ・ギャラードから江藤の同点満塁本塁打と2年目の二岡智宏のサヨナラホームランで4点差をひっくり返し4年ぶりのセ・リーグ制覇を果たした[1]。打撃陣ではこの年から松井、江藤、清原和博仁志敏久清水隆行など大物選手がずらりと並んだ打線は「ミレニアム打線」と呼ばれ、203本塁打はリーグ1位で広島など他球団を突き放した。工藤、メイが12勝、高橋が9勝挙げた。対戦成績ではヤクルトスワローズに11勝16敗と負け越したが、中日と阪神タイガースにはそれぞれ18勝9敗と勝ち越した。

この年の日本シリーズは長嶋監督と共に巨人のV9時代を支えた王貞治監督率いるダイエーとの対戦となったため「ONシリーズ」と呼ばれた。4勝2敗でダイエーを破って6年ぶりの日本一に輝き[2]、20世紀最後のシーズンを優勝&日本一で締めくくった。

チーム成績

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レギュラーシーズン

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オーダー変遷
開幕:3/31 5/2 6/1 7/1 8/1 9/1 優勝:9/24
1 仁志敏久 仁志敏久 仁志敏久 仁志敏久 仁志敏久 仁志敏久 仁志敏久
2 清水隆行 清水隆行 元木大介 清水隆行 清水隆行 清水隆行 元木大介
3 江藤智 江藤智 江藤智 江藤智 江藤智 高橋由伸 高橋由伸
4 松井秀喜 松井秀喜 松井秀喜 松井秀喜 松井秀喜 松井秀喜 松井秀喜
5 高橋由伸 マルティネス マルティネス マルティネス 清原和博 清原和博 清原和博
6 マルティネス 高橋由伸 高橋由伸 高橋由伸 高橋由伸 江藤智 江藤智
7 二岡智宏 二岡智宏 二岡智宏 元木大介 元木大介 二岡智宏 二岡智宏
8 村田真一 村田善則 村田真一 村田善則 村田善則 村田善則 杉山直輝
9 上原浩治 工藤公康 メイ 高橋尚成 高橋尚成 工藤公康 上原浩治

[3]

2000年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 広島 -- ヤクルト -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 --
2位 阪神 2.0 巨人 0.5 中日 3.0 中日 6.0 中日 6.5 中日 8.0
3位 巨人 3.0 中日 広島 3.0 横浜 8.5 横浜 8.5 横浜 9.0
4位 横浜 広島 2.0 ヤクルト 3.5 広島 10.0 広島 12.5 ヤクルト 12.0
5位 ヤクルト 4.5 横浜 2.5 横浜 6.0 ヤクルト 10.5 ヤクルト 14.5 広島 13.0
6位 中日 5.5 阪神 3.5 阪神 8.5 阪神 13.0 阪神 15.0 阪神 21.0
期間
成績
12勝12敗
勝率.500
12勝10敗
勝率.545
14勝8敗
勝率.636
13勝5敗
勝率.722
15勝12敗
勝率.556
12勝10敗
勝率.545


2000年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 読売ジャイアンツ 78 57 0 .578 優勝
2位 中日ドラゴンズ 70 65 0 .519 8.0
3位 横浜ベイスターズ 69 66 1 .511 9.0
4位 ヤクルトスワローズ 66 69 1 .489 12.0
5位 広島東洋カープ 65 70 1 .481 13.0
6位 阪神タイガース 57 78 1 .422 21.0

日本シリーズ

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2000年 日本シリーズ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月21日(土) 第1戦 福岡ダイエーホークス 5 - 3 読売ジャイアンツ 東京ドーム
10月22日(日) 第2戦 福岡ダイエーホークス 8 - 3 読売ジャイアンツ
10月23日(月) 第3戦 読売ジャイアンツ 9 - 3 福岡ダイエーホークス 福岡ドーム
10月24日(火) 別イベント開催のため中断
10月25日(水)
10月26日(木) 第4戦 読売ジャイアンツ 2 - 1 福岡ダイエーホークス 福岡ドーム
10月27日(金) 第5戦 読売ジャイアンツ 6 - 0 福岡ダイエーホークス
10月28日(土) 第6戦 福岡ダイエーホークス 3 - 9 読売ジャイアンツ 東京ドーム
優勝:読売ジャイアンツ(6年ぶり19回目)

オールスターゲーム2000

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  • 選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
コーチ 長嶋茂雄
投手 上原浩治 2
メイ
工藤公康 8
岡島秀樹
一塁手 マルティネス
二塁手 仁志敏久 2
三塁手 江藤智 7
遊撃手 二岡智宏 2
内野手 清原和博 15
外野手 松井秀喜 7
高橋由伸 3
  • 太字はファン投票による選出、取消線は出場辞退、▲は出場辞退選手発生による補充。

個人成績

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主な投手成績

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  • 色付きは規定投球回数(135イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手















































W
H
I
P
 
めい/メイ 24 24 3 3 0 12 7 0 -- .632 621 155.1 123 19 40 0 3 165 7 0 52 51 2.95 1.05
くとう/工藤公康 21 21 1 1 1 12 5 0 -- .706 545 136.0 127 14 16 0 1 148 5 0 53 47 3.11 1.05
たかはし/高橋尚成 24 23 3 2 1 9 6 0 -- .600 563 135.2 133 10 36 3 2 102 1 0 59 48 3.18 1.25
うえはら/上原浩治 20 20 6 1 2 9 7 0 -- .563 519 131.0 112 20 22 1 1 126 1 0 53 52 3.57 1.02
くわた/桑田真澄 30 10 0 0 0 5 8 5 -- .385 385 86.0 103 6 28 5 3 49 0 1 43 43 4.50 1.52
かわはら/河原純一 7 6 3 3 0 4 0 0 -- 1.000 166 44.1 29 4 9 0 1 30 1 0 7 7 1.42 0.86
かるへす/ガルベス 6 6 0 0 0 0 6 0 -- .000 133 30.1 34 3 6 1 2 22 1 0 19 11 3.26 1.32
にしやま/西山一宇 14 5 0 0 0 2 2 0 -- .500 169 37.2 46 3 12 0 3 24 3 0 20 18 4.30 1.54
さいとう/斎藤雅樹 5 5 0 0 0 3 1 0 -- .750 125 34.1 20 4 4 0 1 20 0 0 8 8 2.10 0.70
ひらまつ/平松一宏 14 4 0 0 0 4 1 0 -- .800 129 28.0 35 0 9 2 2 18 0 0 11 9 2.89 1.57
/鄭珉哲 4 4 1 1 0 2 0 0 -- 1.000 80 18.2 21 4 3 0 1 16 0 0 10 10 4.82 1.29
みさわ/三澤興一 41 2 0 0 0 1 1 1 -- .500 268 65.2 64 6 14 3 3 38 3 0 17 17 2.33 1.19
いりき/入来祐作 7 2 0 0 0 0 2 0 -- .000 75 16.1 20 3 7 1 0 10 2 0 8 7 3.86 1.65
ちよ/趙成珉 10 1 0 0 0 1 2 0 -- .333 64 14.0 20 2 5 1 0 9 0 0 9 6 3.86 1.79
おかしま/岡島秀樹 56 0 0 0 0 5 4 7 -- .556 300 72.1 53 4 31 1 2 102 5 0 26 25 3.11 1.16
きむら/木村龍治 54 0 0 0 0 4 1 0 -- .800 206 47.2 45 8 16 2 1 38 4 0 19 18 3.40 1.28
かしわた/柏田貴史 50 0 0 0 0 2 0 0 -- 1.000 213 53.0 40 0 15 0 2 36 2 0 19 17 2.89 1.04
みなみ/南真一郎 26 0 0 0 0 2 0 2 -- 1.000 107 26.0 24 2 5 0 0 17 0 0 6 6 2.08 1.12
のむら/野村空生 24 0 0 0 0 1 1 1 -- .500 89 20.0 18 5 8 0 1 21 2 1 18 15 6.75 1.30
まきはら/槙原寛己 21 0 0 0 0 0 1 9 -- .000 81 19.2 15 1 6 1 1 20 3 0 9 9 4.12 1.09
かわもと/河本育之 21 0 0 0 0 0 1 2 -- .000 105 23.2 21 5 11 0 1 20 1 0 14 11 4.18 1.35

主な打撃成績

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  • 色付きは規定打席(419打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
にし/仁志敏久 135 611 560 81 167 30 1 20 259 58 11 19 4 3 41 2 3 89 6 .298 .348 .463 .810
まつい/松井秀喜 135 590 474 116 150 32 1 42 310 108 5 2 0 7 106 5 2 108 1 .316 .438 .654 1.092
たかはし/高橋由伸 135 577 519 89 150 29 1 27 262 74 5 3 3 3 46 2 6 87 11 .289 .352 .505 .857
えとう/江藤智 127 528 457 84 117 17 1 32 232 91 7 1 4 6 58 0 3 92 4 .256 .340 .508 .847
しみす/清水隆行 115 431 388 65 105 25 1 11 165 46 11 10 18 2 21 0 2 52 0 .271 .310 .425 .735
もとき/元木大介 114 353 310 40 85 17 0 5 117 29 0 2 7 1 34 1 1 47 7 .274 .348 .377 .725
まるていねす/マルティネス 111 348 320 42 92 16 1 17 161 64 0 0 0 4 21 3 3 65 12 .288 .333 .503 .836
におか/二岡智宏 119 335 298 35 79 10 0 10 119 32 9 5 9 1 23 2 4 57 5 .265 .325 .399 .724
むらたしん/村田真一 101 252 225 17 46 7 0 7 74 34 0 0 9 1 15 2 2 65 5 .204 .259 .329 .588
きよはら/清原和博 75 252 216 41 64 10 0 16 122 54 0 0 0 3 25 0 8 51 6 .296 .385 .565 .950
むらたよし/村田善則 76 169 153 14 41 6 0 3 56 13 0 0 5 0 7 4 4 27 4 .268 .317 .366 .683
ことう/後藤孝志 94 127 108 20 29 3 0 6 50 17 0 1 5 1 12 2 1 25 3 .269 .344 .463 .807
かわい/川相昌弘 54 74 58 8 11 1 0 0 12 4 0 1 6 1 8 0 1 9 0 .190 .294 .207 .501
すきやま/杉山直樹 38 60 52 2 7 0 0 1 10 7 0 0 1 2 5 1 0 12 1 .135 .203 .192 .395
さいとう/斉藤宜之 55 46 43 6 10 1 0 1 14 3 1 0 0 0 3 0 0 7 0 .233 .283 .326 .608
たかの/高野忍 13 15 15 1 3 1 0 1 7 1 0 0 0 0 0 0 0 4 0 .200 .200 .467 .667
ほりた/堀田一郎 13 10 9 3 3 1 1 0 6 1 0 0 0 0 1 0 0 2 0 .333 .400 .667 1.067

入団・退団

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シーズン開幕前

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本節では、前シーズン終了から本シーズン開幕までの入退団について記述する。

入団

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選手名 背番号 前所属 備考
投手
河本育之 27 千葉ロッテマリーンズ 石井浩郎とトレード
鄭珉哲 30 韓国・イーグルス 新外国人
高橋尚成 36 東芝 ドラフト1位
谷浩弥 38 田村コピー ドラフト2位
佐藤宏志 40 亜細亜大学 ドラフト3位
メイ 42 阪神タイガース 自由契約
内薗直樹 45 三菱重工長崎 ドラフト4位
工藤公康 47 福岡ダイエーホークス FA移籍
條辺剛 96 阿南工業高 ドラフト5位
内野手
田辺路朗 23 西武ライオンズ 金銭トレード
江藤智 33 広島東洋カープ FA移籍
十川孝富 52 大阪商業大学 ドラフト6位
宮﨑一彰 88 いすゞ自動車 ドラフト7位

退団

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選手名 備考
投手
伊藤隆偉 台湾リーグに移籍
河野博文 ロッテに移籍
岡田展和 横浜に移籍
ホセ 米・パイレーツと契約
門奈哲寛 オランダリーグに移籍
榎康弘 ロッテに移籍
織田淳哉 球団職員に転向
小林聡 現役引退
内野手
石井浩郎 河本育之とトレードでロッテに移籍
福王昭仁 球団職員に転向
外野手
広沢克 阪神に移籍
大野和哉 ブルペン捕手に転向

選手・スタッフ

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[4]

表彰選手

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リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
松井秀喜 最優秀選手 4年ぶり2度目
本塁打王 42本 2年ぶり2度目
打点王 108打点 2年ぶり2度目
最高出塁率 .438 2年ぶり2度目
工藤公康 最高勝率 .706 7年ぶり4度目
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
工藤公康 投手 7年ぶり3度目
江藤智 三塁手 2年ぶり6度目
松井秀喜 外野手 6年連続6度目
ゴールデングラブ賞
選手名 ポジション 回数
工藤公康 投手 5年ぶり3度目
仁志敏久 二塁手 2年連続2度目
高橋由伸 外野手 3年連続3度目
松井秀喜 初受賞
センチュリーベストナイン[注 1][5]
選手名 ポジション 備考
王貞治 一塁手 球団OB
落合博満 二塁手 球団OB
長嶋茂雄 三塁手 監督
張本勲 外野手 球団OB
松井秀喜
オールセンチュリーチーム[5]
選手名 ポジション 備考
沢村栄治 投手 球団OB
スタルヒン 球団OB
別所毅彦 球団OB
金田正一 球団OB
川上哲治 一塁手 球団OB

ドラフト

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順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 阿部慎之助 捕手 中央大学 入団
2位 上野裕平 投手 立教大学 入団
3位 三浦貴 投手 東洋大学 入団
4位 根市寛貴 投手 光星学院高 入団
5位 川本大輔 投手 広陵高 入団
6位 山下浩宜 投手 九州共立大学八幡西高 入団
7位 小野剛 投手 武蔵大学 入団
8位 李景一 捕手 敦賀気比高 入団

脚注

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注釈

[編集]
  1. ^ オールセンチュリーチームにも同時選出。

出典

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  1. ^ 54年ぶりの奇跡!長嶋監督、初めてドームで舞った
  2. ^ 20世紀最後はONシリーズ “問題児”の一撃で勝負アリ
  3. ^ 『2001 ベースボール・レコード・ブック』ベースボール・マガジン社、2000年。ISBN 4-583-03599-3 
  4. ^ 読売巨人軍公式HP 背番号変遷”. 読売ジャイアンツ. 2015年10月5日閲覧。
  5. ^ a b 『2001 ベースボール・レコード・ブック』ベースボール・マガジン社、2000年、60頁。ISBN 4-583-03599-3