シング・シング・シング
ウィキペディアから無料の百科事典
「シング・シング・シング」 | |
---|---|
ルイ・プリマの楽曲 | |
リリース | 1936年 |
規格 | SPレコード |
録音 | ブランズウィック 7628 |
ジャンル | ジャズ、スウィング、ビッグバンド |
作詞者 | ルイ・プリマ |
作曲者 | ルイ・プリマ |
音楽・音声外部リンク | |
---|---|
シング・シング・シング(全曲を試聴) | |
Sing, Sing, Sing - ルイ・プリマとニューオーリンズ・ギャングによる演奏、The Orchard Enterprises提供のYouTubeアートトラック | |
Sing Sing Sing - ベニー・グッドマン楽団による演奏、Believe SAS提供のYouTubeアートトラック |
「シング・シング・シング」(原題:Sing, Sing, Sing (With a Swing))は1936年に発表された。ジャズ歌手、トランペット奏者のルイ・プリマが作曲した曲で、プリマの率いるバンド「ニューオーリンズ・ギャング」によって最初に録音された。レコードは、ブランズウィック・レコード[1]によって1936年2月28日に発売された。SPレコード規格では、「It's Been So Long」がB面に収録されている。有名なベニー・グッドマンのバージョンは、実はカバーである。
解説
[編集]この曲はスウィング・ジャズの代表曲の一つとして知られており、ビッグバンドやスウィング演奏家の間でよく演奏されている。特にフレッチャー・ヘンダーソンが編成を担当したベニー・グッドマン楽団のそれは有名である。
トロンボーンとトランペットの掛け合いによる躍動感あるイントロ、サクソフォーンとトランペットが奏でるマイナーキーにもかかわらずダンサブルで華やかなメロディ、延々と続くドラムソロが印象的な楽曲であり、スウィング・ジャズの特徴を余すところ無く盛り込んだ一曲である。さらには後述のベニー・グッドマンの影響もあってクラリネットのソロでもお馴染みである。
1938年にベニー・グッドマン楽団がカーネギー・ホールでのコンサートで演じて以来、同楽団の代表曲として知られる。グッドマンは、差別の激しい時代に黒人ジャズマンを楽団に採用した、リベラルな白人としても知られている[2]。特に、当時の同楽団の白人ドラマー、ジーン・クルーパの黒人的なドラムソロは革新的で、ジャズ・ドラミングの常識を覆すほど革新的だった[3]。編曲者については諸説あるが、アフロアメリカンによる編曲であることは確定的である[4]。グッドマンの演奏は、1982年にグラミーの殿堂入りを果たした[5]。
以後も数々のビッグバンドによってカバーされ、日本映画『スウィングガールズ』でも特徴的に取り上げられている。中学・高校のブラス・バンド、吹奏楽向けの編曲もなされ、吹奏楽の代表曲として取り上げられることも多い。
また、フィギュアスケートのプログラムにもよく使用されている。2001-2002シーズンに本田武史(途中で「ドン・キホーテ」に変更)、2005-2006シーズンにジェフリー・バトル、2009-2010シーズンにレイチェル・フラット、デニス・テンなど、それぞれのフィギュア選手がショートプログラムに同曲を採用した。
脚注
[編集]- ^ 後にシカゴ・ソウルのレコードを多数発表している
- ^ ジョン・ハモンド
- ^ シング・シング・シング 2022年2月26日閲覧
- ^ ジャームス・ムンディという説、テディ・ウィルソンという説があるが、いずれも黒人音楽家である
- ^ “GRAMMY Hall Of Fame”. The GRAMMYs. 26 February 2022閲覧。