タイ太陽暦
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タイ太陽暦 (タイたいようれき、英語:Thai solar calendar、タイ語:สุริยคติ) は、ラーマ5世によって1888年に導入されたタイ王国独自のグレゴリオ暦(太陽暦)である。民間ではタイ太陰暦も用いられているが、タイ太陽暦はタイの公式な暦である。年は西暦よりも543年大きい仏滅紀元で数えられる。便宜のために、カレンダーには通常、漢数字とアラビア数字で西暦も記されている。
カレンダー
[編集]カレンダーには、曜日・祝日のほか、仏教の祭日、中国暦などが記されることがある。
右図のカレンダー(2004年8月15日・16日)を例にとると、
- 赤色の数字は、日曜日とタイの祝日を表している。
- 赤色のブッダの絵は、タイの安息日を表している。
- 赤地に白色の漢数字は、中国暦の新月と満月の日を表している。通常、タイ暦のものと1日違う。
- 太陽暦の日付の下に書かれているのは太陰暦の日付である。
誕生日
[編集]出生届には、日、月、年、時間に続いて、曜日、太陰暦の日付、干支が記録される。タイでは伝統的に干支で年齢を表し、一周する12年ごと、60年ごとにお祝いを行う。
年
[編集]ラタナコーシン紀元
[編集]ラタナコーシン紀元の「1年」は、チャクリー王朝を創設し、バンコクを首都と定めたラーマ1世が即位した1782年4月6日から始まる。ラーマ5世は、この年を紀元と定め、西暦1888年をラタナコーシン紀元106年とした。
仏滅紀元
[編集]タイの仏滅紀元は、釈迦の入滅の日と信じられている紀元前543年3月11日を「0年」とする。ラーマ6世は暦を仏滅紀元に改め、西暦1912年を仏滅紀元2455年4月1日から始まることとした。
新紀元
[編集]西暦1941年にプレーク・ピブーンソンクラーム首相は、仏滅紀元2484年を1月1日から始めると宣言した。そのため、仏滅紀元2483年は9カ月しかなかった。
月 | 1-3 | 4-6 | 7-9 | 10-12 | 1-3 | 4-6 | 7-9 | 10-12 | 1-3 | 4-6 | 7-9 | 10-12 | 1-3 | 4-6 | 7-9 | 10-12 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
AD | 1939 | 1940 | 1941 | 1942 | ||||||||||||
BE | 2481 | 2482 | 2483 | 2484 | 2485 |
今日では、西暦の1月1日と、4月13日から15日に祝われるタイにおける旧正月(ソンクラーン)の祭りの日は、ともに祝日となっている[1]。しかしタイの華人のコミュニティでは、旧正月は中国暦によって決まる。
祝日
[編集]祝日となる仏教徒の祭りの日付は太陰暦によって計算される。そのためその日付は太陽暦で表すと毎年変わる。
月
[編集]月の名前は、インドの占星術に由来する。30日の月の語尾は、サンスクリット語で「到来」を意味する-āyanaに由来する-ayon (-อายน) 、31日の月の語尾は、英語のcomeと同語源で、やはりサンスクリット語で「到来」を意味する-āgamaに由来する-akhom (-อาคม) である。
2月のみ、語尾はサンスクリット語で「枷」や「束縛」を意味するbandhaに由来する-phan (-พันธ์) である。閏年の2月29日は、サンスクリット語で「付加」を意味するadhikaに由来するAthikasuratin (อธิกสุรทิน) と呼ばれる[2]。
日本語 | タイ語 | 省略形 | 転写 | サンスクリット語 | サイン |
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1月 | มกราคม | ม.ค. | mokarakhom (モッカラーコッム) | mokara "海の怪物" | 磨羯宮 |
2月 | กุมภาพันธ์ | ก.พ. | kumphaphan (グッムパーパン) | kumbha "瓶" | 宝瓶宮 |
3月 | มีนาคม | มี.ค. | minakhom (ミーナーコッム) | mīna "(ある種の)魚" | 双魚宮 |
4月 | เมษายน | เม.ย. | mesayon (メーサーヨン) | meṣa "子羊" | 白羊宮 |
5月 | พฤษภาคม | พ.ค. | phruetsaphakhom (プルックサパーコッム) | vṛṣabha "雄牛" | 金牛宮 |
6月 | มิถุนายน | มิ.ย. | mithunayon (ミトゥナーヨン) | mithuna "一対" | 双児宮 |
7月 | กรกฎาคม | ก.ค. | karakadakhom (ガラガダーコッム) | karkaṭa "カニ" | 巨蟹宮 |
8月 | สิงหาคม | ส.ค. | singhakhom (シンハーコッム) | siṃha "ライオン" | 獅子宮 |
9月 | กันยายน | ก.ย. | kanyayon (ガンヤーヨン) | kanyā "少女" | 処女宮 |
10月 | ตุลาคม | ต.ค. | tulakhom (トゥラーコッム) | tulā "釣り合い" | 天秤宮 |
11月 | พฤศจิกายน | พ.ย. | phruetsachikayon (プルサチガーヨン) | vṛścika "サソリ" | 天蝎宮 |
12月 | ธันวาคม | ธ.ค. | thanwakhom (タンワーコッム) | dhanu "弓" | 人馬宮 |
週
[編集]週は、サンスクリット語で「7」という意味のสัปดาห์ sàb-daやสัปดาหะ sàb-da-hàと呼ばれる。日曜日から始まり、土曜日で終わる[3]。
曜日は、太陽と月、五星のサンスクリット語から名付けられている。
日本語 | タイ語 | 転写 | 色 | サンスクリット語 | 惑星 |
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日曜日 | วันอาทิตย์ | wan athit (ワンアーティット) | 赤 | スーリヤ | 太陽 |
月曜日 | วันจันทร์ | wan jan (ワンチャン) | 黄 | チャンドラ | 月 |
火曜日 | วันอังคาร | wan angkhan (ワンアンカーン) | 桃 | マンガラ | 火星 |
水曜日 | วันพุธ | wan phut (ワンプット) | 緑 | ブダ | 水星 |
木曜日 | วันพฤหัสบดี | wan pharuehat sabodi (ワンパルハッサボーディー) | 橙 | ブリハスパティ | 木星 |
金曜日 | วันศุกร์ | wan suk (ワンスック) | 青 | シュクラ | 金星 |
土曜日 | วันเสาร์ | wan sao (ワンサーオ) | 紫 | シャニ | 土星 |
備考:4列目の色は、その曜日に幸運と考えられている色を表している。
脚注
[編集]- ^ J.C. Eade. The calendrical systems of mainland southeast asia. E.J. Brill, Leiden. p. 22. ISBN 9004104372 ジョルジュ・セデスを含む何人かの学者は、本来はソンクラーンの数日前にあたる太陰暦第5月の頭に十二支が変更されていたと考えている
- ^ Thai2english.com Archived 2007年9月28日, at the Wayback Machine., dictionary
- ^ Royal Institute Dictionary 1999 Archived 2009年3月3日, at the Wayback Machine.
出典
[編集]- Eade, John Christopher. 1995. The Calendrical Systems of Mainland South-East Asia. Handbuch der Orientalistik: Dritte Abteilung, Südostasien 9. Leiden and New York: E. J. Brill. ISBN 90-04-10437-2
- na Nakorn, Bleung (comp.). [1971]. นายเปลื้อง ณ นคร ผู้รวบรวม ปทานุกรมนักเรียน ไทยวัฒนาพานิช กทม. Student's Handbook. Bangkok: Thai Wattana Panit, 2514.
- Sethaputra, So. 1999. New Model English - Thai Dictionary. [Krung Thep Maha Nakhon?: Thai Watthana Phanit?]. ISBN 974-08-3253-9
- Thai calendar for August 2004.
- Web dictionary Thai-English English-Thai
外部リンク
[編集]- Diller, Anthony; Juntanamalaga, Preecha; others (2001). Thai Time. The Australian National University. hdl:1885/41890 .
- Thai Buddha Images for the Days of the Week