大石賢吾
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大石 賢吾 おおいし けんご | |
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2022年12月、内閣総理大臣官邸にて | |
生年月日 | 1982年7月8日(42歳)[広報 1] |
出生地 | 日本 長崎県南松浦郡富江町 (現・五島市) |
出身校 | カリフォルニア大学デービス校 千葉大学医学部 千葉大学大学院 |
前職 | AMED職員 |
所属政党 | 無所属 |
称号 | 医学博士 |
配偶者 | 有 |
公式サイト | 大石けんご オフィシャルサイト |
第20代 長崎県知事(公選) | |
当選回数 | 1回 |
在任期間 | 2022年3月2日 - 現職 |
大石 賢吾 | |
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生誕 | 1982年7月8日(42歳)[広報 1] 日本 長崎県南松浦郡富江町 (現・五島市) |
研究分野 | 熱帯医学 精神医学 分子生物学 |
研究機関 | 長崎大学熱帯医学研究所 千葉大学大学院 |
出身校 | カリフォルニア大学デービス校 千葉大学医学部 千葉大学大学院 |
博士課程 指導教員 | 伊豫雅臣 [1] |
プロジェクト:人物伝 |
大石 賢吾(おおいし けんご、1982年7月8日 - )は、日本の政治家、医師、医学者。長崎県知事(公選第20代)。学位は博士(医学)(千葉大学・2018年)[2]。厚生労働省医政局 地域医療計画課 救急・周産期医療等対策室長補佐。内閣府所管 日本医療研究開発機構 革新基盤創成事業部 事業推進課長などを歴任した。専門は精神医学(発達障害、認知症他)。
来歴[編集]
長崎県南松浦郡富江町(現・五島市)生まれ。富江町立富江小学校、富江町立富江中学校、長崎県立長崎北高等学校卒業[広報 1]。
2006年、カリフォルニア大学デービス校(生化学・分子生物学専攻)卒業。同年、長崎大学熱帯医学研究所勤務[広報 2]。
2012年、千葉大学医学部卒業。同年、千葉大学医学部附属病院勤務。2018年、千葉大学大学院医学研究院博士課程修了[広報 2]。
2020年、厚生労働省医政局地域医療計画課の救急・周産期医療等対策室の室長補佐(新型コロナウイルス対策推進本部・医療班兼務)に就任[広報 2]。
2021年春、国立研究開発法人「日本医療研究開発機構」に転職(千葉大学精神神経科非常勤講師兼務)[3]。
同年10月の第49回衆議院議員総選挙の長崎1区および2区の自民党の公募に応募するが、いずれも落選した[4]。
長崎県知事在任[編集]
2021年11月、現職知事の中村法道は次期知事選への不出馬と後継者へのバトンタッチを模索し、長崎3区の衆議院議員谷川弥一が大石を中村に紹介したが、中村は行政経験のなさを理由に難色を示した[4][5]。一方、自民党県連執行部と長崎県医師連盟は、大石の経歴や若さ、前年の衆院選で2度も公募にチャレンジした熱意に着目し、擁立に動いた[6]。
同年12月20日、日本医療研究開発機構を退職[3]。12月21日、翌年の長崎県知事選挙へ立候補する意向を表明した[7]。12月29日、自民党長崎県連は大石の推薦を決定した[8]。県連所属の県議30人のうち、およそ半数の14人は強引な決定を不服として県連の方針に反旗を翻し、中村の支援を表明した[4]。県連は亀裂の拡大を防ぐため、党本部への大石の推薦申請を見送り「県連推薦」にとどめた[6]。県農政連など支持団体の多くは、公然と中村支援に回った[5]。
2022年1月10日、大石は長崎市の自民党県連で推薦状を受け取る。このとき大石に付き添った後援会長の森崎正幸・長崎県医師連盟委員長[9]は、報道陣に「(仲間からは)負け戦には加担しない方がいいという意見も出た」と明かした。医師連盟内では森崎に対し「冷や飯を食わされるぞ」と諭す者までいた[5]。同年2月20日に行われた長崎県知事選挙に自由民主党長崎県連・日本維新の会推薦を受けて立候補。立憲民主党長崎県連・国民民主党長崎県連が支持する現職の中村法道を541票差で下し初当選をした。
2023年4月現在、現職の都道府県知事として47人中最年少である。
同年9月、日本維新の会から党の顧問就任を打診されたものの、固辞した[10]。
公職選挙法違反疑惑[編集]
2022年4月28日、長崎県内の2つの政治団体が、同年の県知事選をめぐり、大石、陣営の出納責任者、選挙コンサルティング会社「ジャッグジャパン」社長の大濱﨑卓真らを公職選挙法違反(買収)容疑で長崎県警本部に刑事告発した[11][12]。選挙運動費用収支報告書などによると、大石陣営はジャッグジャパンに、電話料金やショートメッセージ送信費などの「通信費」として402万円を支出。告発状では、同社には電話関連業務は含まれていないため「選挙運動の報酬の可能性がある」との主張がなされている[13]。
同年6月14日、県議会定例会で、中村泰輔県議は大石に「大濱崎を選挙コンサルタントに起用し、選挙運動を行わせたのか」「電話代として支払われた約402万円は何の対価として支払われたものなのか」と質問。大石は大濱崎との関係については「普段から話をする取引先であるが、選挙運動に関しては費用は発生していない」と答弁し、402万円については「オートコールなどの通信費の支出であり、コンサルタント料は含まれていない」と答弁した[14]。
同年6月17日、元東京地検検事の郷原信郎と神戸学院大学教授(憲法学)の上脇博之が、上記と同様の理由により、公選法違反容疑(買収)で出納責任者と大濱﨑に対する告発状を長崎地検に提出したと発表した[13]。
同年10月4日、さらに県内の2つの政治団体が県警長崎署に告発状を提出したと発表した[15]。
2024年1月15日、郷原と上脇がオンラインで記者会見し、公職選挙法違反(買収)容疑で、大石に対する告発状を長崎地検に9日付で提出したことを明らかにした[16][17][18]。
同年6月には、2022年の知事選期間中に大石の後援会が自民党県議の資金管理団体から286万円を借り入れていたことが明らかとなった。同県議が代表を務める自民党支部は県内の九つの医療機関などから計286万円の寄付を受けており、その直後に同額が自民支部から県議の後援会からわたり、さらに大石の後援会に貸し付けられており、企業・団体から政治家個人や公職の候補者の資金管理団体への寄付を禁じる政治資金規正法に抵触する可能性が指摘された[19]。大石はこれに対し、「私の承認無く(後援会から)多額の出金がなされており、監査業務を行っていた者に渡った可能性があることが発覚した」と主張。監査人に対する被害届の提出や刑事告訴も視野に精査を進めると述べた。一方監査人は取材に対し「知事の了承の下、指示を受けた後援会が出金の手続きを行ったもので、詐欺に当たるような事実はない。一方的な発表は許しがたい」と述べた[20]。
7月8日には大石の後援会が選挙期間中に大石個人から2000万円を借り入れたと記載していたものの、借り入れの実態が無かったことが報じられた。大石は知事選の選挙費用と後援会を同じ口座で管理しており、知事選の選挙運動費用収支報告書には後援会に2000万円を支出したと記載。うち約1800万円が知事選関連で使われていた。この2000万円の入金記録は後援会の銀行口座に残っていたが、後援会が「借入金」として記載した2000万円は入金の形跡がなかったという。大石の代理人弁護士は「2000万円が2回入金されたことはなく、形式的ミスの二重計上だった」と説明した[21]。一方で後援会は「借入金」の返済として2024年3月までに約650万円を大石に返済しており、6月10日には後援会の監査人が「架空の貸し付けで後援会から返済を受けた」と主張し大石らを業務上横領と詐欺の容疑で長崎地検に刑事告発したと明らかにした[22]。
その他[編集]
- 2023年7月、山梨県にて開かれた全国知事会議を欠席し、サッカーを観戦するなどしていたことが、県への取材で分かった。来日したサッカーポルトガル代表FWのクリスティアーノ・ロナウド選手にも県のPRを依頼するため、大阪市で面会していたとされる[23][24][25]。
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ “伊豫雅臣教授)大石賢吾 - OPAC - 千葉大学”. 千葉大学 (2018年9月30日). 2022年2月2日閲覧。
- ^ “Vulnerable combinations of functional polymorphisms to the late-onset treatment resistant schizophrenia”. CiNii (2018年9月30日). 2022年2月1日閲覧。
- ^ a b 安斎耕一 (2021年12月22日). “長崎知事選、元厚労省技官の大石賢吾氏が立候補を表明”. 朝日新聞. 2022年12月8日閲覧。
- ^ a b c 橘井陸、玉田佳、榊汐里 (2022年3月2日). “なぜ 現職は負けたのか 541票差 長崎県知事選挙”. NHK. 2022年12月8日閲覧。
- ^ a b c “周囲さえ「負けると思っていた」 立候補表明から2カ月、知事になる”. 朝日新聞 (2022年2月23日). 2022年12月8日閲覧。
- ^ a b 石倉徹也 (2022年2月1日). “自民、半世紀ぶりに分裂へ 現職・新顔巡り「全面戦争」 長崎知事選”. 朝日新聞. 2022年12月8日閲覧。
- ^ “【長崎】知事選に元厚労官僚の大石賢吾氏が出馬表明”. 長崎文化放送. (2021年12月21日) 2022年2月21日閲覧。
- ^ “長崎県知事選 自民県連、現職推薦せず 新人大石氏に決定 保守分裂も”. 長崎新聞. (2021年12月30日) 2022年1月3日閲覧。
- ^ “政治資金収支報告書 長崎県医師連盟(令和3年分 定期公表)”. 長崎県選挙管理委員会 (2022年11月30日). 2022年12月5日閲覧。
- ^ “維新顧問就任の馳浩・石川知事「軸足は変えない」自民党籍もそのまま”. 毎日新聞. (2022年9月13日) 2022年9月18日閲覧。
- ^ “大石賢吾知事、大濱崎卓真氏ら5人の刑訴法239条1項での告発状(改訂版)”. JC NET (2022年5月6日). 2022年12月8日閲覧。[出典無効]
- ^ “中山洋次 JC - net 編集長 Twitter 2022年4月28日 午前9:58”. 2022年12月8日閲覧。[出典無効]
- ^ a b “長崎県知事選巡り、元検事らが選挙コンサル会社社長2人を刑事告発”. 朝日新聞 (2022年6月19日). 2022年12月8日閲覧。
- ^ “長崎県 令和4年6月 定例会 06月14日-04号”. 長崎県議会 会議録検索. 2022年12月8日閲覧。
- ^ 石倉徹也 (2022年10月5日). “長崎県知事選めぐり、現職陣営2人を政治団体が刑事告発 買収の疑い”. 朝日新聞. 2022年12月8日閲覧。
- ^ 公選法違反の疑いで長崎県知事告発へ 選挙コンサルに報酬と指摘 - 産経ニュース
- ^ 長崎県知事選めぐり知事を告発 上脇教授ら「公選法違反の疑い」 [長崎県:朝日新聞デジタル]
- ^ 長崎県知事を追加告発 選挙で買収容疑―上脇教授ら:時事ドットコム
- ^ “後援会収支報告書問題 「脱法的な迂回献金だ」 知事に要望書 市民団体 /長崎”. 毎日新聞. (2024年7月5日) 2024年7月10日閲覧。
- ^ “後援会収支報告書訂正問題 知事一転、精査必要 「承認無く多額出金」 /長崎”. 毎日新聞. (2024年6月29日) 2024年7月10日閲覧。
- ^ “長崎県知事、虚偽記入か 後援会に実態ない借入金2000万円、訂正へ”. 毎日新聞. (2024年7月8日) 2024年7月10日閲覧。
- ^ “長崎知事後援会の虚偽記入疑い 監査側、知事らを横領容疑で告発”. 毎日新聞. (2024年7月10日) 2024年7月10日閲覧。
- ^ 知事会欠席し、サッカー観戦 長崎・大石氏、ロナルドと面会も(共同通信) - Yahoo!ニュース
- ^ 長崎知事、知事会休みC・ロナウドと面会、試合も観戦 県は「公務」 [長崎県:朝日新聞デジタル]
- ^ 知事会欠席しサッカー観戦 長崎の大石知事、ロナルド選手と面会「県PRへの協力求める公務」|【西日本新聞me】
広報資料・プレスリリースなど一次資料[編集]
外部リンク[編集]
- 大石けんご オフィシャルサイト
- 大石けんご(長崎県知事) (@OishiKengo) - X(旧Twitter)
- 大石賢吾 - YouTubeチャンネル
- 大石賢吾 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
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