石材
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石材(せきざい)は、土木・建築用、墓石や石碑、美術・工芸品などの材料として利用される天然の岩石。色、模様、質感、耐久性などによって、用途に応じた岩石が用いられる。大理石や御影石などに分類されるが、岩石学的な分類とは異なる[1]。
主な石材
[編集]大理石
[編集]- 主に内装向けの装飾用石材。結晶質石灰岩(狭義の“大理石”)や石灰岩だけでなく、トラバーチン、ドロマイト、蛇紋岩なども含める。国会議事堂には、内装に35種類の国産大理石(2種類の蛇紋岩を含む)が使われている。
御影石
[編集]- 主に外装向けの石材。花崗岩や他の深成岩(閃緑岩やハンレイ岩など)だけでなく、片麻岩などの変成岩類も含まれる。国産石材としては、本御影石(兵庫県)、稲田石(茨城県)、岡崎石(愛知県)、万成石(岡山県)、北木石(岡山県)、議院石(広島県)、徳山石(山口県)、庵治石(香川県)、大島石(香川県)羽黒青糠目、磐梯みかげ(宮城県)恵那錆石などがある。
その他の石材
[編集]- 安山岩類:鉄平石(長野県)、男鹿石(秋田県)、本小松石(神奈川県)、札幌硬石(北海道)、戸室石(石川県)、伊豆堅石[注釈 1](静岡県)など。
- 凝灰岩類:大谷石(栃木県)、伊豆若草石(静岡県)、秋保石(宮城県)、札幌軟石(北海道)、金屋石(富山県)、日華石(石川県)、笏谷石(福井県)、十和田石(秋田県)梅園石、日向石、宇治石 、竜山石(兵庫県)など。
- 砂岩 :和泉石、多胡石 砂岩石材の一覧
- 結晶片岩: 三波石(群馬県)など。
- 粘板岩類:スレート、那智黒石、雄勝石、金屋石、鎌倉石
- 流紋岩類:抗火石
- 玄武岩類:阿翁石
- en:List of decorative stones - 装飾石の一覧
石材の利用について
[編集]建築、土木、墓碑、彫刻などに用いられる。
- 再利用
- 中国では、万里の長城の石やレンガが持ち去られ近隣住民の建築資材として利用された[4][5]。南米では、コンキスタドールが侵略した後、宮殿や神殿の石は、キリスト教の教会などを建築する資材となった[6]。フランスなどで廃城となった場合にも、近隣住民が転用した例がみられる。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 伊豆石は、全国にも希な広域流通石材として知られており、江戸城や駿府城の石垣や東京の近代建築の建材に多く使われていた。熱海市教育委員会著(2009年)「熱海市内伊豆石丁場遺跡確認調査報告書」2頁
出典
[編集]- ^ 西本昌司『東京「街角」地質学』
- ^ 江東区の地名由来 江東区
- ^ “石垣刻印と刻印広場”. www.osakacastle.net. 2022年3月5日閲覧。
- ^ 日経ビジネス電子版. “「万里の長城」の修復は、なぜ“お粗末”なのか”. 日経ビジネス電子版. 2022年3月5日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL. “万里の長城、3割消失 600円でれんが販売も”. 産経フォト. 2022年3月5日閲覧。
- ^ “16世紀に新大陸で虐殺を行なったスペインが、当時もっとも「啓蒙的、人道的」だった[橘玲の世界投資見聞録]”. 橘玲×ZAi ONLINE海外投資の歩き方. 2022年3月5日閲覧。
- ^ Hans Goedicke, Re-used blocks from the pyramid of Amenemhet I at Lisht. The Metropolitan Museum of Art, NY, 1971
- ^ “Pyramid of Amenemhet I at el-Lisht” (英語). Egyptian Monuments. (2009年2月26日) 2018年2月26日閲覧。
- ^ ボドルム城 コトバンク デジタル大辞泉「ボドルム城」の解説
- ^ “Spolia Reliefs in a 15th-Century Fortress: the Mausoleum of Halicarnassus”. artserve.anu.edu.au(オーストラリア国立大学). 2022年9月7日閲覧。
- ^ “紀元前の栄華をしのばせるリゾート都市 asahi.com (朝日新聞社):Asahi Weekly - ENGLISH”. www.asahi.com. 朝日新聞社. 2022年9月7日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 全国建築石材工業会
- 石材図鑑(平塚市博物館)
- 西本昌司の石材資料室
- 全国優良石材店の会
- ストーンサークル(石文社・石文化研究所) (@stonecircle1114) - X(旧Twitter) - 石、お墓の情報を扱う石材業界の専門誌『月刊石材』の石文社