わが町 (テレビドラマ)
わが町 | |
---|---|
ジャンル | 刑事ドラマ |
原作 | エド・マクベイン |
企画 | 長富忠裕(日本テレビ) |
脚本 | 鎌田敏夫 |
監督 | 吉川一義 森崎東 木下亮 出目昌伸 |
出演者 | 渡辺謙 有森也実 |
ナレーター | 石原良 益富信孝 湯浅実 |
オープニング | オープニングテーマを参照 |
エンディング | 主題歌を参照 |
製作 | |
プロデューサー | 長富忠裕(日本テレビ) 赤司学文 石川好弘(近代映画協会) |
制作 | 日本テレビ |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1992年10月13日 - 1998年3月17日 |
放送時間 | 放送時間の変遷を参照 |
回数 | 10 |
火曜サスペンス劇場 |
『わが町』(わがまち)は、1992年から1998年まで日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」で放送された刑事ドラマシリーズ。全10回。主演は渡辺謙。
1話完結型式で放送された刑事物のサスペンスドラマである。
原作はエド・マクベインの『87分署シリーズ』。設定を日本の東京都心に程近いながらも庶民的な町・月島とし、原作のストーリーを生かしつつも折々の日本の世相・社会問題などを盛り込んだ内容に構成されている。
キャスト
[編集]役名に続く()は、元になったキャラクター。
西月島警察署
[編集]- 森田吾郎(スティーブ・キャレラ二級刑事)
- 演 - 渡辺謙
- 刑事課刑事。階級は巡査部長。第1作時は31歳。愛称は「ゴロー」。妻と息子の太郎がいる。正義感が強く、また、妻と子供を心から愛する家庭人である。
- 黒土朝男(アーサー・ブラウン二級刑事)
- 演 - 佐藤B作(第1作・第3作 - 第7作・第9作 - 第10作)
- 刑事課刑事。階級は警部補。第1作時は39歳。愛称は「クロ、クロさん」。妻・千晶がいるも浮気を繰り返し、第8作では逆に妻に浮気をされている。第4作では浮気相手の女性が殺人事件の被害者となったが、それでも懲りず、様々な女性と浮気を繰り返し(第9作では7人目と妻に暴露される)、結果、妻と離婚する。酒が苦手であまり飲めない。第2作、第8作には登場しない。
- 向井春雄(ハル・ウィリス三級刑事)
- 演 - 平田満(第1作・第3作・第5作 - 第10作)
- 刑事課刑事。階級は巡査部長。第1作時は35歳。独身。自らの勘や哲学による捜査にこだわるタイプで、綿貫ら同僚から反感を買う事が多い。女性は好きなのだが、子供の頃に母親に捨てられた過去を持つため、完全に信用できないでいる。緊急時にも対応できるように、捜査へ出る時は必ず拳銃を携帯している。第7作では止むを得ず栗山の足を撃ち、その後はその事をかなり気にしている。本庁に勤務している頃、アメリカへ研修に行ったことがある。第2作、第4作には登場していない。
- 栗山隼人(バート・クリング三級刑事)
- 演 - 川野太郎[1](第1作 - 第3作・第5作 - 第10作)
- 刑事課刑事。階級は巡査部長。第1作時は28歳。愛称は「クリ」。独身。恋人が爆破事故に巻き込まれて亡くなっていて、その事に関連した第7作では止むを得ず向井に足を撃たれた。コーヒーの味にこるタイプ。第4作には登場していない。
- 綿貫勝(コットン・ホース二級刑事)
- 演 - 松井範雄[2]
- 刑事課刑事。階級は警部補。第1作時は44歳。愛称は「ヌキ」。時々、口を滑らせて余計な事を言ってしまう。怒りやすく、時にそれが災いとなることもあり、当初は向井に反発することが多かった。
- 坂東清文(ピーター・バーンズ警部)
- 演 - 勝部演之[3]
- 刑事課課長。階級は警部。第1作時は53歳。表向きは捜査の形式に筋を通すが、本当は部下の勘を信じている。長年の経験から、部下にアドバイスなどを送る事もある。
- 鳴海成巳(マイヤー・マイヤー二級刑事)
- 演 - 蟹江敬三
- 刑事課刑事。階級は警部補。愛称は「鳴さん」。第1作時は44歳。妻、娘が2人、息子1人いる。娘の由加(第6作の地点で中学2年、第8作では高校生)が登校拒否や家出をしていたが、第10作で戻ってきた。かつて、墨田署に在籍した事がある。
警察関係者の親族
[編集]- 森田繭(テディ・キャレラ)
- 演 - 有森也実
- 吾郎の妻。旧姓は「小林」。第1作時は26歳。生まれつき耳が不自由なため、吾郎とは手話で会話している。
- 黒土千晶
- 演 - 佐藤直子(第1作・第3作・第4作・第9作)
- 黒土の妻。第4作では事件の容疑をかけられてしまう。夫が浮気をよくするため、夫婦仲は既に冷めていて、その後、離婚を決意する。
- 小林トシ
- 演 - 橋本菊子(第1作・第2作・第10作)
- 繭と若菜の祖母。
- 森田太郎
- 演 - 清水颯月(第8作 - 第10作)
- 吾郎と繭の息子。
- 鳴海睦子(サラ・マイヤー)
- 演 - 立石凉子(第1作・第2作・第10作)
- 鳴海の妻。昔、夫に「東京タワーで結婚披露宴をやろう」と言われた事があるのを第10作で暴露している。
- 小林ノブ
- 演 - 春川ますみ(第1作 - 第3作・第6作・第10作)
- 繭の母。惣菜屋を営む。第10作で長い間家を離れていたもう一人の娘・若菜が戻ってくるも、結婚相手を連れてきたため、一時困惑する。家は森田家の向かいにある。
ゲスト
[編集]- 第1作「警察爆破を狙う逆恨みの女の狂気と執念」(1992年)
- 第2作「殺人容疑の女と中年刑事の禁じられた恋」(1993年)
- 第3作「「たか子を殺す」警察に届いた不敵な挑戦状」(1993年)
- 第4作「悪女? 愛人? 聖女? 殺された女の本当の顔」(1994年)
- 第5作「勝てば天国負ければ地獄! 幼児誘拐犯VS刑事達」(1994年)
- 第6作「命を粗末にする超ムカつく若者たちの理由なき犯罪」(1995年)
- 第7作「日本語学校の教師、風俗の女、恐喝者―爆殺された刑事の恋人は複数の顔を持つ女」(1996年)
- 第8作「OLバラバラ殺人事件、孤独な現代人のSOSが聞こえる」(1997年)
- 第9作「妻殺しをたくらむ夫の眼前で妻がレイプ―大都会の闇にうごめく悪の連鎖」(1997年)
- 第10作「結婚祝いで届いた毒グモは8年前に急死した男からの贈り物」(1998年)
スタッフ
[編集]- 原作 - エド・マクベイン
- 企画 - 長富忠裕(日本テレビ)
- 脚本 - 鎌田敏夫
- 音楽 - 福井峻、大谷和夫、丸谷晴彦
- 監督 - 吉川一義(第1作・第3作・第6作 - 第10作)、森崎東(第2作)、木下亮(第4作)、出目昌伸(第5作)
- ナレーター - 石原良(第1作)、益富信孝(第2作・第5作)、湯浅実(第3作・第4作・第6作 - 第8作・第10作)
- 各回のオープニングとエンディングにはナレーションが入る。
- 手話指導 - 全日本ろうあ連盟
- 現像・テレシネ - 東京現像所
- プロデューサー - 長富忠裕(日本テレビ)、赤司学文、石川好弘(近代映画協会 → オセロット)
- 制作 - 日本テレビ
- 製作著作 - 近代映画協会(第1作 - 第5作)、オセロット(第6作 - 第10作)
放送日程
[編集]話数 | 放送日 | サブタイトル | 原作 | 脚本 | 監督 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1992年10月13日 | 警察爆破を狙う逆恨みの女の狂気と執念 | 「殺意の楔」 | 鎌田敏夫 | 吉川一義 | 19.6% |
2 | 1993年 | 5月 4日殺人容疑の女と中年刑事の禁じられた恋 | 「殺しの報酬」 | 森崎東 | 20.1% | |
3 | 10月12日 | 「たか子を殺す」警察に届いた不敵な挑戦状 | 「レディ・キラー」 | 吉川一義 | 16.3% | |
4 | 1994年 | 3月22日悪女? 愛人? 聖女? 殺された女の本当の顔 | 「被害者の顔」 | 木下亮 | 20.5% | |
5 | 10月 | 4日勝てば天国負ければ地獄! 幼児誘拐犯VS刑事達 | 「キングの身代金」 | 出目昌伸 | 15.5% | |
6 | 1995年10月31日 | 命を粗末にする超ムカつく若者たちの理由なき犯罪 | 「たとえば、愛」 | 吉川一義 | 17.4% | |
7 | 1996年10月22日 | 日本語学校の教師、風俗の女、 恐喝者―爆殺された刑事の恋人は複数の顔を持つ女 | 「クレアが死んでいる」 | 18.6% | ||
8 | 1997年 | 4月 1日OLバラバラ殺人事件、孤独な現代人のSOSが聞こえる | 「大いなる手がかり」 | 17.4% | ||
9 | 10月14日 | 妻殺しをたくらむ夫の眼前で妻がレイプ― 大都会の闇にうごめく悪の連鎖 | 「サディーが死んだとき」 | 16.8% | ||
10 | 1998年 | 3月17日結婚祝いで届いた毒グモは8年前に急死した男からの贈り物 | 「死が二人を」 | 15.6% |
設定
[編集]- 生まれつき聴覚障害を持つ吾郎の妻・繭は、自分から言葉で話すことは殆ど出来ないが、相手の話している事は口の動きを読み取ってかなり理解でき、吾郎や繭の母・ノブは手話と口話を交えてごく自然に繭と話している。手話だけでの会話場面もあるが、相当なスピードでやり取りされ、内容は字幕で表示される。本作放映とほぼ同時期に聴覚障害者を主人公にしたドラマが何作品か放映されたが、それらの作品で用いられる手話の内容を相手がいちいち読み上げるといったわざとらしい演出とは違い、本作ではリアルで自然なものになっている。
- 舞台として月島が選ばれた理由は、原作におけるアイソラのモデルであるニューヨークでは警察官は勤務地に居住して「自分の住む街を自分で守る」というスタイルとなっている事を考慮し、そういった描写が原作の描くドラマと共に可能な街というイメージを脚本の鎌田やプロデューサー陣が見出したという理由からである[注 3]。
エピソード
[編集]- 原作の映像化権の多くが『刑事コロンボ』(の製作者)に押さえられているため、映像化できるエピソードの選出には苦労しているとの事である[注 4]。
- 劇中で花火大会をバックにしたシーンが登場したことがあり、その映像を観たマクベインから「こんなにお金を使って撮れるなら、もっとロイヤリティを払ってくれればいいのに」と冗談めかして言われたが、実はそのシーンは撮影期間中に実際の花火大会が開催されることを利用してゲリラ撮影されたものであった[注 4]。
- 第1作時の西月島署「刑事課」のセットは東映東京撮影所内にあった「はぐれ刑事純情派」(東映・テレビ朝日作品)の山手中央署「刑事課」のセットを流用し、小道具等の装飾を変えて撮影されているが、第2作目以降は外部ロケによる撮影。