サカタザメ

サカタザメ
サカタザメ Rhinobatos schlegelii
保全状況評価[1]
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
: 軟骨魚綱 Chondrichthyes
: ノコギリエイ目 Rhinopristiformes
: サカタザメ科 Rhinobatidae
: サカタザメ属 Rhinobatos
: サカタザメ R. schlegelii
学名
Rhinobatos schlegelii
Müller & Henle, 1841[1][2]
シノニム

Rhinobatos formosensis
Norman, 1926[1]

和名
サカタザメ[2]
英名
Brown guitarfish[1]

サカタザメ(坂田鮫[3]学名: Rhinobatos schlegelii)は、ノコギリエイ目サカタザメ科サカタザメ属に分類されるエイ

分布

[編集]

大韓民国中華人民共和国台湾朝鮮民主主義人民共和国日本[1]

形態

[編集]

三角形に突出したを有する。前方に延びた胸びれと吻が融合し体板を形成する。胸びれの後縁と腹びれの前縁は密接する[4]。第一背びれの基部が腹びれよりもかなり後方にあることで、他属と識別できる[5]。他のエイ同様に体は扁平であり、長い尾部を有する[4]。上面から見ると、菱形の体に尾がついたような姿をしており、サカタザメ科の仲間はこの外見上の特徴からギターフィッシュ(guitarfish)の英名を持つ。

生態

[編集]

近海の砂底に生息し、冬場はやや深い場所に移動する[6]卵胎生で、6月頃6-10尾ほどの胎児を産む[5][6]

別名

[編集]

サカタエイ(和歌山県)、サカタ(関西長崎県)、スキ(関西・鳥羽市)、スキサキ(高知県宇和島市小野田市島根県)、コオト(松山市)、カイメ(福岡県)、トオバ(東京都)など[4][6]

人間との関係

[編集]

本種の分布域は漁業が盛んで大韓民国・中華人民共和国・日本のEEZ内でのエイ・サメ類の漁獲量および台湾のEEZ内でのサメ類の漁獲量が、資源量枯渇に伴い1950年代と比較して激減していることから、本種の生息数も減少していると考えられている[1]。沿岸部に生息するため、埋め立てなどによるマングローブ林の破壊による影響も懸念されている[1]

底引網で漁獲される。魚肉練り製品の原料のほか、ふかひれとしても利用される[4]。鮮魚は関西では刺身にもされる[5]湯引き洗いにして酢味噌でも食される。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g Rigby, C.L., Walls, R.H.L., Derrick, D., Dyldin, Y.V., Herman, K., Ishihara, H., Jeong, C.-H., Semba, Y., Tanaka, S., Volvenko, I.V. & Yamaguchi, A. 2021. Rhinobatos schlegelii. The IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T104005557A104006031. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2021-1.RLTS.T104005557A104006031.en. Downloaded on 08 May 2021.
  2. ^ a b 本村浩之 『日本産魚類全種目録 これまでに記録された日本産魚類全種の現在の標準和名と学名』、鹿児島大学総合研究博物館、2020年、13頁。
  3. ^ 松村明; 三省堂編修所 編「さかたざめ(坂田鮫)」『大辞林 4.0三省堂、2019年。 
  4. ^ a b c d 蒲原、7頁。
  5. ^ a b c 阿部、15頁。
  6. ^ a b c 蒲原・岡村、8頁。
  • 蒲原稔治・岡村収『原色日本海水魚類図鑑(Ⅰ)』保育社、1985年。ISBN 4-586-30072-8 
  • 蒲原稔治『標準原色図鑑全集 4 魚』保育社、1966年。ISBN 4-586-32004-4 
  • 阿部宗明『原色魚類検索図鑑Ⅰ』北隆館、1963年。ISBN 978-4832600294 

関連項目

[編集]