シャウィーア語

シャウィーア語
Shawiya
Chaouïa(フランス語)
Tacawit
発音 IPA: [θæʃæwɪθ]
話される国 アルジェリアの旗 アルジェリア
創案時期 2016
地域 オーレス山地(英語)バトナ県
ヘンシュラ県
ウメル・ブアーギ県
スーク・アフラース県
テベッサ県
セティフ県
ビスクラ県
話者数 213万人
言語系統
表記体系
言語コード
ISO 639-3 shy
Glottolog tach1249[1]
アルジェリア北東部の地理とシャウィーア方言の分布
 
テンプレートを表示

シャウィーア語: Shawiya、Shawiya Berber: Chaouïa、現地の呼び名 Tacawit [θæʃæwiθ][注 1])はベルベル語の一種で、北部ベルベル諸語英語版ゼナタ諸語英語版に属す言語である。シャウィーヤ語シャウイア語とも呼ばれる。 アルジェリアでは東部のオーレス山脈英語版周辺のシャウィーア人英語版が話していて、話者はバトナ県ヘンシュラ県ウメル・ブアーギ県スーク・アフラース県テベッサ県セティフ県ビスクラ県に分布し、チュニジア西部まで広がる。アルジェリア中部のシェヌア語と近縁である。アルジェリアのゼナタ諸語の中では多数派を占める言語である[要出典]

言語

[編集]

話者の推定人口は、140万人から300万人と調査により揺れがある[2][3]。母語話者はこの言葉をTacawit (Thashawith) ([θʃæwɪθ] あるいは [hʃæwɪθ]) と呼び、シャウィーア語では第1文字めの/t/の発音 – 正しくは[θ] – がしばしば曖昧な /h/ に転化し、Hašawiθ と聞き取れることが多い。アルジェリアでフランス語が使われることから、フランス式のつづりChaouïa (シャウィーア)の表記を採用する場面にしばしば出合う[4]。また表記の揺れは「Chaoui」[5]、それを聞きなした英語綴りに「Shawia」[6]、また母語話者に寄った「Tachawit」から派生した「Thachawith」「Tachaouith」「Thchèwith」なども存在する。

シャウィーア語は最近まで文語として用いておらず、学校で教えることもめったになかった。伝統的に農村部や隔絶された地域に居住してきたシャウィーア人は、語彙のない科学技術や社会学などを議論するとき、アラビア語アルジェリア方言フランス語コードスイッチングして、英語すら用いている[要説明]

最近ではアルジェリアにおけるベルベルの文化活動[注 2][注 3]および政治運動、一部の公立の教育機関でベルベル語教育を導入しシャウィーア語とカビル語を教えてきたこととあいまって、文化とメディアの方面で一定の注目度に達しつつある[要説明][要出典]

北アフリカにおけるベルベル語の分布
  シルハ語(タシルハイト語、タシュリヒート語、タスースィッツ語)
  中央アトラス・タマジクト語(タマジグト語)
  リーフ語(タリフィート語、タアリフィート語)
  オアシスグループ
  シャウィーア語

参考文献

[編集]
  • "『ベルベル百科事典』". Encyclopédie berbère (フランス語). Vol. 43. Edisud. 1984. LCCN 85135628 第1-34巻エクス=アン=プロヴァンス、1984年頃-2019年。第35巻以降は版元を移籍 <36, 38, 40巻> パリ/マサチューセッツ州ウォルポール : Peeters。発行年は1989年(第8巻)、1993年(第12巻)も[注 4]
    • Fery, R., «Aurès (Le Haf)» 第43巻, 1p (1988).
    • Chaker英語版, [論文]. «Aurès (linguistique)», 第8巻(viii) (1989–90).
    • Chaker, [論文]. «Chaoui/Chaouia (linguistique/littérature)», 第12巻(xii)(1993).

脚注

[編集]

[編集]
  1. ^ ベルベル語の音韻の詳細は、英語版のヘルプページを参照。
  2. ^ カビル語のフランス語訳を転訳した私家版の詩集がある[7]
  3. ^ 言語学を含む分野の研究を編んだベルベル百科事典『Encyclopédie berbère(フランス語)が出版された[8][9][10]
  4. ^ 監修者はInternational Union of Prehistoric and Protohistoric SciencesInternational Union of Anthropological and Ethnological Sciences、Laboratoire d'anthropologie et de préhistoire des pays de la Méditerranée occidentale (France)、Institut de recherches et d'études sur le monde arabe et musulman

出典

[編集]
  1. ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Chaouia of the Aures”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/tach1249 
  2. ^ Lewis, M. Paul; Simons, Gary F.; Fennig, Charles D., eds. (2015). "シャウィーア語". Ethnologue: Languages of the World (18th ed.). Dallas, Texas: SIL International.
  3. ^ Document sans titre” (フランス語). 2009年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年9月8日閲覧。
  4. ^ Basset, A (1948). “Sur la toponymie berbère et spécialement sur la toponymie chaouïa Aït Frah” (フランス語). Onomastica (PubLg) 2: 123-126. 
  5. ^ Djarallah, A (1985). “Un conte chaouï: Hend utteγyult” (フランス語). Awal,Cahiers d’Études Berbères (Paris) 1: 163-175. .
  6. ^ Hilton-Simpson, M. W. (Melville William) (1921) (英語). Among the hill-folk of Algeria : journeys among the Shawia of the Aurès mountains. . Fisher Unwin 
  7. ^ ルニス・アイト=メンゲッレト(Aït Menguellet, Lounis)『ルニス・アイト=メンゲッレト詩集』アリー・シバニ(Chibani, Ali=フランス語訳)、鵜戸 聡、下境 真由美(訳)[出版者不明]、2021年(CRID: 1130572465239458187
  8. ^ Encyclopédie berbère 1988, 1p
  9. ^ Encyclopédie berbère, pp. 1162–1169
  10. ^ Encyclopédie berbère, pp. 1875–1877

関連資料

[編集]

以下、区分ごとに主な著者名のアルファベット順。

アジア情報室通報』第5号

(国立国会図書館関西館資料部アジア情報課)による資料解題。

  • Bougchiche, Lamara ; Galand, Lionel(序文)『Langues et littératures berbères des origines à nos jours : bibliographie internationale et systématique』Paris : Ibis Press〈Sources berbères anciennes et modernes ; 1〉, 1997. ISBN 29107280201 (エラーコード)
  • Fagnan, Thèse.『Catalogue general des manuscrits de la Bibliothèque Nationale d'Algérie』第2版、Alger : アルジェリア国立図書館フランス語版,〈Bibliographies et catalogues ; 10〉(フランス語)(アラビア語), 1995. ISBN 9961901029、UP72-B36 (UP72-P52) 。初版は1893年、改訂初版は1987年発行。アルジェリア国立図書館所蔵のアラビア語写本1987件の台帳で、主題ごとに分類、資料番号順に排列して各題名に解題と形態を付記(フランス語)。巻末にアラビア語のアルファベット順索引を付す。
CiNiiデータベースより。

外部リンク

[編集]