ゾンビーズ

ゾンビーズ
左からキース・エイリー、コリン・ブランストーン、スティーヴ・ロッドフォード、ジム・ロッドフォード、ロッド・アージェント
基本情報
出身地 イングランドの旗 イングランド ハートフォードシャー州セント・アルバーンズ
ジャンル
活動期間
レーベル
メンバー
旧メンバー

ゾンビーズThe Zombies)は、1961年に結成されたイギリスソフト・ロック・バンド、ビート・グループである。「シーズ・ノット・ゼア」「テル・ハー・ノー」「ふたりのシーズン」などのヒット曲で知られている。セカンド・アルバムの『オデッセイ・アンド・オラクル』は、ローリング・ストーンが大規模なアンケートを参照した「オールタイム・ベストアルバム500」で100位にランクイン[5]

来歴

[編集]

1961年4月キーボーディストロッド・アージェントを中心にロンドン郊外のセント・アルバーンズで結成[6]。当初はバンド名を「the Mustangs(ムスタングス)」にする予定だったが、既に同名のバンドが存在していたため、ポール・アーノルドが提案した「ゾンビーズ」に決まった[7]。後にアーノルドは医者を志すために脱退し、クリス・ホワイトが加入[8]

「イブニング・ニュース」紙主催の「ハートビート・コンテスト」で優勝し、デッカ・レコードと契約。1964年にシングル「シーズ・ノット・ゼア英語版」でデビューし、全英12位、全米2位を記録し、大ヒットとなった。当時のブリティッシュ・インヴェイジョンの波に乗ってアメリカにも上陸し、1965年には「テル・ハー・ノー」(全英42位・全米6位)をヒットチャートに送り込んだ。チャート成績からも分かるように、バンドは基本的に本国イギリスよりもアメリカで高い人気を博した。

しかし人気は長続きせず、1966年に入ると早くもシングルヒットは途絶えてしまう。 1967年CBSレコードに移籍。1968年に発表したアルバム『オデッセイ・アンド・オラクル』はメロトロンを大幅に導入するなど意欲的な作品であったが、制作途中からバンド内の人間関係が悪化し、完成とほぼ同時にバンドは解散してしまう。ところが、当時米CBSのプロデューサーであったアル・クーパーの進言によりアメリカでシングルカットされた「ふたりのシーズン英語版」が翌1969年に大ヒット(全米3位)。レコード会社の度重なる要請や、偽物バンドの出現にもかかわらず、ロッドの決意は固く、再結成はされなかった。

日本では、67年にザ・カーナビーツが「好きさ好きさ好きさ(アイ・ラブ・ユー)」を日本語でカヴァーしてデビュー、ヒットを記録している。

その後、ボーカリストコリン・ブランストーンはソロ・アーティストに、アージェントは自身の名を冠した新バンド「アージェント」を結成。1977年、1989年の一時的なものをのぞいてパーマネントな再結成はなかったが、2004年になってアージェントはコリンとのデュオによるゾンビーズ名義のアルバムをリリース。現在もライブで活動中。

来日公演は、2001年にコリンとロッドのデュオが、2010年にコリン、2011年2012年 2015年にはゾンビーズ名義で行った。

2019年には、ロックの殿堂入りを果たした[9]

メンバー

[編集]

現メンバー

[編集]

旧メンバー

[編集]
  • ポール・アトキンソン - ギター(1958年 - 1967年、1990年 - 1991年、1997年; 2004年逝去)
  • ヒュー・グランディー - ドラムス、パーカッション(1958年 - 1967年、1990年 - 1991年、1997年<ツアー・ゲスト>、2007年、2017年)
  • ポール・アーノルド - ベースギター(1961年 - 1962年)
  • クリス・ホワイト - ベースギター、バッキング・ボーカル、リード・ボーカル(1962年 - 1967年、1990年 - 1991年、1997年<ツアー・ゲスト>、2007年、2017年)
  • セバスチャン・サンタ・マリア - キーボード、ギター(1990年 - 1991年; 1996年逝去)
  • ジム・ロッドフォード - ベースギター、バッキング・ボーカル(2004年 - 2018年; 2018年逝去)
  • キース・エイリー - ギター、バッキング・ボーカル(2004年 - 2010年)
  • ダリアン・サハナジャ - キーボード、バッキング・ボーカル(2007年、2017年)

タイムライン

[編集]

ディスコグラフィ

[編集]

スタジオ・アルバム

[編集]
発売日 タイトル 原題 備考
1965年1月 ザ・ゾンビーズ The Zombies 米PARROT編集盤。日本、台湾(海賊盤)でも同内容で発売された。
1965年3月 ビギン・ヒア Begin Here 英DECCA編集盤。フィリピンでも同内容で発売された。
1968年4月19日 オデッセイ・アンド・オラクル Odessey and Oracle 英CBS・米DATEより発売。日本盤は米盤と同じジャケットでCBSソニーから発売。ポーランド盤・再発盤に別ジャケット違いあり。
1990年 ザ・リターン・オブ・ザ・ゾンビーズ The Return of the Zombies
1991年 ニュー・ワールド New World
2004年5月5日 アズ・ファー・アイ・キャン・シー… As Far As I Can See...
2011年5月9日 ブリーズ・アウト、ブリーズ・イン Breathe Out, Breathe In
2015年 スティル・ガット・ザット・ハンガー Still Got That Hunger
2023年4月1日 ディファレント・ゲーム Defferent Game

ミニ・アルバム

[編集]
発売日 タイトル 原題 備考
1965年1月 ザ・ゾンビーズ The Zombies

シングル

[編集]
発売日 タイトル (A面, B面) チャート 初収録アルバム
UK[10] AUS[11] Canada US US Cashbox[12] UK US
1964年8月 シーズ・ノット・ゼア
b/w「ユー・メイク・ミー・フィール・グッド
12位 11位 2位 2位 1位 A:『ビギン・ヒア
B:『Rock Roots』
A:『ザ・ゾンビーズ
B:『Early Days』
1964年11月 リーヴ・ミー・ビー
b/w「ウーマン
(アメリカ未発売)
81位 NR NR A:『Rock Roots』
B:『ビギン・ヒア』
A:『Early Days』
B:『ザ・ゾンビーズ』
1964年12月 テル・ハー・ノー
b/w「ホワット・モアー・アイ・キャン・ドゥー?」(イギリス盤・オーストラリア版)
b/w「リーヴ・ミー・ビー」(アメリカ盤・カナダ盤)
42位 60位 6位 6位 6位 A:『The World of the Zombies』
UK B:『ビギン・ヒア』
US B:『Rock Roots』
A & UK B:『ザ・ゾンビーズ』
US B:『Early Days』
1965年3月 シーズ・カミング・ホーム
b/w「アイ・マスト・ムーヴ
21位 58位 48位 A:『Time of the Zombies』
B:アルバム未収録
A:『Time of the Zombies』
B:『Early Days』
1965年6月 アイ・ウォント・ユー・バック・アゲイン
b/w「リメンバー・ウェン・アイ・ラブド・ハー
(アメリカ・カナダ限定発売)
NR NR 95位 92位 A:アルバム未収録
B:『ビギン・ヒア』
A:『Early Days』
B:アルバム未収録
1965年8月 お好きな時に
b/w「好きさ好きさ好きさ
110位 『Rock Roots』 『Early Days』
1965年9月 ジャスト・アウト・オブ・リーチ
b/w「リメンバー・ユー
113位 A:『The World of the Zombies』
B:『Rock Roots』
アルバム未収録
1966年2月 イズ・ディス・ザ・ドリーム?
b/w「ドント・ゴー・アウェイ
A:『Rock Roots』
B:アルバム未収録
A:『Time of the Zombies』
B:『Early Days』
1966年6月 インディケイション
b/w「ハウ・ウィー・ワー・ビフォー
『Rock Roots』 A:『Early Days』
B:アルバム未収録
1966年9月 ゴタ・ゲット・ア・ホールド・オブ・マイセルフ]」
b/w「ザ・ウェイ・アイ・フィール・インサイド
(イギリス限定発売)
NR NR NR NR A:『Rock Roots』
B:『ビギン・ヒア』
アルバム未収録
1967年3月 ゴーイン・アウト・オブ・マイ・ヘッド
シー・ダズ・エヴリスィング・フォー・ミー
(イギリス限定発売)
NR NR NR NR A:『Rock Roots』
B:『The World of the Zombies』
A:アルバム未収録
B:『Early Days』
1967年10月 フレンズ・オブ・マイン
b/w「ビーチウッド・パーク
(イギリス限定発売)
NR NR NR NR オデッセイ・アンド・オラクル 『オデッセイ・アンド・オラクル』
1967年11月 独房44
b/w「メイビー・アフター・ヒーズ・ゴーン
1968年4月 ふたりのシーズン
アイル・コール・ユー・マイン
NR 3位 NR A:『オデッセイ・アンド・オラクル』
B:アルバム未収録
A:『オデッセイ・アンド・オラクル』
B:『Time of the Zombies』
1968年6月 好きさ好きさ好きさ
b/w「ザ・ウェイ・アイ・フィール・インサイド
(イギリス限定発売)
NR NR NR NR A:『Rock Roots』
B:『ビギン・ヒア』
A:『Early Days』
B:アルバム未収録
1968年7月 ブッチャーズ・テイル
b/w「今日からスタート
(アメリカ・カナダ限定発売)
NR NR 『オデッセイ・アンド・オラクル』 『オデッセイ・アンド・オラクル』
1969年3月 「ふたりのシーズン」
b/w「フレンズ・オブ・マイン」(アメリカ限定発売)
NR 43位 1位 3位 1位
1969年5月 イマジン・ザ・スワン
b/w「コンヴァセイション・オフ・フローラル・ストリート
(アメリカ限定発売)
NR NR 59位 109位 77位 『Time of the Zombies』 A:『Time of the Zombies』
B:アルバム未収録
1969年7月 イフ・イット・ドント・ウォーク・アウト
b/w「ドント・クライ・フォー・ミー
NR NR 『Time of the Zombies』

脚注

[編集]
  1. ^ Button, Simon (2015年10月17日). "The Zombies Rod Argent: Where is he now". Express.co.uk (Interview). Daily Express. 2018年12月13日閲覧
  2. ^ a b Unterberger, Richie. “The Zombies | Biography & History”. AllMusic. All Media Group. 2020年12月5日閲覧。
  3. ^ Staunton, Terry (2011年5月11日). "Interview: The Zombies' Rod Argent and Colin Blunstone". MusicRadar (Interview). Future plc. 2018年12月13日閲覧
  4. ^ Watch the Zombies Talk ‘Odessey and Oracle’ Revival”. Rolling Stone (2015年10月22日). 2018年12月13日閲覧。
  5. ^ The Zombies, 'Odessey and Oracle' - 500 Greatest Albums of All Time”. Rolling Stone (2012年5月25日). 2018年12月13日閲覧。
  6. ^ Fontenot, Robert. “British Invasion's Darker Side: The Zombies”. 2018年12月13日閲覧。
  7. ^ Cridlin, Jay (2012年7月27日). “The Zombies' Colin Blunstone talks touring in America, scoring hits in the '60s and how the group got its name”. Tampa Bay Times. 2015年8月18日閲覧。
  8. ^ Pore-Lee-Dunn Productions. “The Zombies”. Classicbands.com. 2015年8月18日閲覧。
  9. ^ ロキシー、ゾンビーズ、ジャネット、ロックの殿堂入りに喜びのコメント”. BARKS (2018年12月14日). 2019年2月2日閲覧。
  10. ^ Roberts, David (2006). British Hit Singles & Albums (19th ed.). London: Guinness World Records Limited. p. 618. ISBN 1-904994-10-5 
  11. ^ Hung, Steffen. “Forum - Chart Positions Pre 1989 Part 3 (ARIA Charts: Special Occasion Charts)”. australian-charts.com. 2019年9月7日閲覧。
  12. ^ Hoffmann, Frank (1983). The Cash Box Singles Charts, 1950-1981. Metuchen, NJ & London: The Scarecrow Press, Inc. p. 661 

外部リンク

[編集]