バーグルエン賞
バーグルエン賞、正式名称バーグルエン哲学・文化賞(英語: Berggruen Prize for Philosophy and Culture)は、「哲学のノーベル賞」を目指して創設された賞[1]。賞金は100万ドル[2]。
アメリカ合衆国の投資家・慈善家ニコラス・バーグルエンが2010年に設立したシンクタンクバーグルエン研究所において、2016年に創設された[3]。創設理由の一つとして、「文学・経済学・化学等にはノーベル賞があるにもかかわらず哲学には無かった」ことが挙げられる[3]。2019年受賞者のルース・ベイダー・ギンズバーグのように、哲学の専門家でない人物が受賞することもある[4]。
毎年12月に発表され、ニューヨーク公共図書館本館で贈呈式が行われてきた。初回の2016年にはチャールズ・テイラーが受賞し、エイミー・ガットマンやファリード・ザカリアが贈呈式に出席した[5]。
2022年には、柄谷行人がアジア人初の受賞者となった[4]。同年の審査委員長はアントニオ・ダマシオで、柄谷を推薦した委員は汪暉とユク・ホイだった[4]。贈呈式は2023年4月、東京の国際文化会館で行われ、浅田彰・大澤真幸・國分功一郎・斎藤幸平らも出席した[6]。
受賞者
[編集]年 | 写真 | 受賞者名 | 国 | 分野 |
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2016 | チャールズ・テイラー [7] | カナダ | 政治哲学、宗教哲学 | |
2017 | オノラ・オニール [8] | イギリス | 政治哲学、倫理学 | |
2018 | マーサ・ヌスバウム [9] | アメリカ | 政治哲学、倫理学、フェミニズム、哲学史 | |
2019 | ルース・ベイダー・ギンズバーグ [10] | アメリカ | 法律、フェミニズム | |
2020 | ポール・ファーマー [11] | アメリカ | 医療人類学 | |
2021 | ピーター・シンガー [12] | オーストラリア | 倫理学 | |
2022 | 柄谷行人 [1] | 日本 | 政治哲学、哲学史、文芸批評 | |
2023 | パトリシア・ヒル・コリンズ [13] | アメリカ | 社会理論、フェミニズム |
審査委員
[編集]現在の審査委員
[編集]写真 | 委員名[14] | 国 | 加入年 |
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クワメ・アンソニー・アッピア | イギリス ガーナ アメリカ | 2016 | |
デイヴィッド・チャーマーズ | オーストラリア | 2016 | |
アントニオ・ダマシオ | ポルトガル アメリカ | 2016 | |
ユク・ホイ | 香港 | 2020 | |
シリ・ハストヴェット | アメリカ | 2021 | |
プラタープ・バーヌ・メフタ | インド | 2021 | |
エリフ・シャファク | トルコ イギリス | 2016 | |
汪暉 | 中国 | 2016 |
過去の審査委員
[編集]写真 | 委員名[15] | 国 | 加入年 | 退任年 |
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レスゼク・ボリシェヴィコ | イギリス | 2016 | 2020 | |
エイミー・ガットマン | アメリカ | 2016 | 2021 | |
アマルティア・セン | インド アメリカ | 2016 | 2020 | |
アリソン・シモンズ | アメリカ | 2016 | 2021 | |
マイケル・スペンス | アメリカ カナダ | 2016 | 2020 | |
ジョージ・ヨー | シンガポール | 2016 | 2020 |
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b “「哲学のノーベル賞」バーグルエン賞に柄谷行人さん アジア初:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年12月8日). 2022年12月8日閲覧。
- ^ 「文藝春秋」編集部 (2023年3月9日). “柄谷行人氏が明かす賞金1億円の使い途”. 文春オンライン. 2023年3月29日閲覧。
- ^ a b “バーグルエン研究所、「哲学ノーベル賞」を創設 | The HEADLINE”. www.theheadline.jp. 2022年12月8日閲覧。
- ^ a b c “なぜ柄谷行人は賞金1億円超の哲学賞を受賞したのか─哲学誌「ノエマ・マガジン」編集長に聞いた | 「柄谷は、さまざまな境界を越える独創的な思想家」”. クーリエ・ジャポン (2023年5月31日). 2023年6月2日閲覧。
- ^ Gordon, Amanda L. "Billionaire’s Supper Club Directs Philosopher’s Arrow at Trump", Bloomberg, December 2, 2016.
- ^ “哲学者・柄谷行人さん「横断性が評価された」 バーグルエン賞贈呈式:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2023年4月27日). 2023年4月28日閲覧。
- ^ “McGill philosopher Charles Taylor wins $1M Berggruen Prize | CBC News” (英語). CBC October 31, 2018閲覧。
- ^ Jennifer Schuessler (October 3, 2017). “Onora O'Neill Wins $1 Million Berggruen Prize for Philosophy”. The New York Times
- ^ “Martha Nussbaum Wins $1 Million Berggruen Prize” (英語) October 30, 2018閲覧。
- ^ “Ruth Bader Ginsburg Wins $1 Million Berggruen Prize” (英語) October 23, 2019閲覧。
- ^ “Paul Farmer is Awarded the $1 Million Berggruen Prize” (英語) October 23, 2019閲覧。
- ^ Schuessler, Jennifer (2021年9月7日). “Peter Singer Wins $1 Million Berggruen Prize” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331 2021年9月8日閲覧。
- ^ “「知識人が『この世界は酷い』と言い過ぎるから、若者が虚無感を抱く」 | 今年のバーグルエン賞社会学者が語る”. クーリエ・ジャポン (2023年12月10日). 2023年12月29日閲覧。
- ^ Berggruen Prize Jury berggruen.org
- ^ Emeriti Jurors, Berggruen Prize berggruen.org