モリンホール

モリンホールモンゴル語: Морин хуурᠮᠣᠷᠢᠨ
ᠬᠤᠭᠤᠷ
、Morin khuur)は、モンゴルの民族楽器である。

モリンホール(モンゴル国式)
モリンホール(内モンゴル式)

概説

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モリンホールは、の本数が二本の擦弦楽器であり、モンゴルを代表する弦楽器である。モンゴル語で「馬の楽器」という意味であり、楽器の棹の先端部分が馬の頭の形をしているため、日本では中国と同じ馬頭琴(ばとうきん、中国語ピンインMǎtóuqín)として呼ばれる。日本では絵本の「スーホの白い馬」に出てくる楽器としても知られる。トゥヴァ共和国では、弦の本数は6本となり、外観はスペードである[1]喉歌(ホーミー)と共に演奏される。

構造

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モリンホールは先端が馬の形を模した棹と、四角い共鳴箱、2本の弦から構成される。弦を支えるが上下にあり、音程の微調整にも利用される。本体は木材を用いる。本体の共鳴箱や棹の材質は製作者によって異なるが、内モンゴルではエゾマツシロマツなどの松材を用い、モンゴル国ではシラカバを用いる場合が多い。旧来は共鳴箱の表にヤギや子ラクダ、子馬などの皮革を張っていたが、モンゴル国では1960年代にソ連の楽器職人D.ヤローヴォイの指導により、内モンゴルでは1980年代になってB.ダルマーやチ・ボラグらが中心になって、木製の表板を用いるように改良が加えられ、さらにF字孔魂柱などの要素も加わった。弦と弓はウマ尾毛またはナイロンを束ねて作る。ウマの尾毛の場合、低音弦は100-130本、高音弦は80本-100本、弓は150本-180本程になる。

音階

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モリンホールは内モンゴルとモンゴル国で、材質や構造や装飾などのほかに、音程にも違いが見られる。2本の弦の音程は、内モンゴルでは高音弦でド(C)、低音弦でソ(G)なのに対し、モンゴル国では高音弦でシ♭(B♭)、低音弦でファ(F)となる。また、三味線のように数種類の調弦があり、演奏者や曲目、地方などにより変更される。

音質

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音質は柔らかで奥行きのある響きで、チェロヴァイオリンのような澄んだ音にはないノイズの含有が、モリンホールの特徴的な音質を形作っている。そのため、「草原のチェロ」とも呼ばれている。ギターのようなハーモニクス奏法も可能である。

その他

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モリンホール

モリンホールの伝統音楽は2003年、ユネスコの「人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言」において傑作の宣言を受けており、無形文化遺産に登録されることが事実上確定していたが、2009年9月の第1回登録で正式に登録された。

2005年の愛・地球博の閉会式コンサートにおいてリポー(李波)によるモリンホールの演奏が行われた。

2008年の北京オリンピックでは、7月15日に吉林省松原市で2008棹のモリンホール演奏が行われ、さらに8月8日の開会式プレイベントにおいても、チ・ボラグらによる80棹のモリンホール演奏が北京国家体育場で行われた。

脚注

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  1. ^ 響け! のど歌♪-地球ラジオ”. NHK (2024年2月25日). 2024年2月25日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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