下院
下院(かいん、英: lower house)は、両院制の議会における一方の議院の呼称である。日本では衆議院、アメリカ合衆国では代議院、イギリスでは庶民院、フランスでは国民議会、ドイツでは連邦議会がこれにあたる[1]。対称となる議院は上院(じょういん、英: upper house)と呼ばれる。
概要
[編集]一般的に上院と比較して任期が短く、予算の先議権などの国内における重要な権限を保持する。
両院制の議会をもつ国では、国政機関の重複という状態を避けるため、それぞれの議院に異なった性格をもたせている。一般に上院の議員には「地域の代表」や「州の代表」、「連邦を構成する自治国の代表」、貴族制度のある国では「階級の代表」といった性格があり、その選出は必ずしも人口に比例したものではない。これに対して、下院の議員には「人民の代表」という性格があり、その選出は各選挙区の人口に比例して行われることが通常である。
国民をじかに代表するという立場から、議院内閣制の国家においては上院よりも優位に位置付けられていることが多い。さらに下院では政府の長による解散後の総選挙によって、民意の問い直しの機能も備える。
語源
[編集]「上院 (upper house)」「下院 (lower house)」という言葉は、アメリカの首都がフィラデルフィアにあった時代に議会が使用していた二階建ての公会堂(現在の独立記念館、当時の大きめな家屋と変わらないほどの小振りな建物)で、議員数の多い代議院 (House of Representatives) がその一階部分 (lower house) を、少ない元老院 (Senate) が二階部分 (upper house) を使用したことからこう呼ばれ始めたといわれる。
世界の下院
[編集]それぞれの正式名称を挙げた。なお日本の新聞やニュースなどでは、これら諸外国の下院にあたる機関をすべて一律に「下院」と呼んでいる。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 英語とフランス語はともにカナダの公用語。
- ^ ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語は全てスイスの公用語。
- ^ the House of Representatives英訳
- ^ 議員はワロン語、フラマン語、ドイツ語の各々の言語グループに所属する。
出典
[編集]- ^ [世界大百科事典 第2版 株式会社日立ソリューションズ・ビジネス]