劉慈欣
劉慈欣 (りゅう じきん) | |
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誕生 | 1963年6月23日(61歳) 中国・北京市 |
職業 | 小説家 |
言語 | 中国語 |
国籍 | 中国 |
ジャンル | SF小説 |
代表作 | 『三体』 |
主な受賞歴 | |
ウィキポータル 文学 |
劉慈欣 | |
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出身地: | 中国 山西省陽泉 |
各種表記 | |
繁体字: | 劉慈欣 |
簡体字: | 刘慈欣 |
拼音: | Liú Cíxīn |
和名表記: | りゅう じきん / リウ・ツーシン |
中学生のころから創作を開始。1999年、中国のSF雑誌『科幻世界』でデビュー[2]。その後、銀河賞に連続して入選。2010年、第1回中国星雲賞(世界華人SF協会主催)で作家賞を受賞(韓松と同時受賞)。2015年、アジア人初のヒューゴー賞受賞者となった[3]。
SFに興味を持つきっかけになったのはジュール・ヴェルヌ『地底旅行』で、その後アーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』で本格的にSFにのめり込むようになった。
主な受賞歴
[編集]- 1999年 - 第11回銀河賞一等賞(「帯上她的眼睛」)
- 2000年 - 第12回銀河賞特等賞(「さまよえる地球」)
- 2001年 - 第13回銀河賞(「全頻帯阻塞干擾」、「郷村教師」)
- 2002年 - 第14回銀河賞(「中国太陽」、「朝聞道」、「吞食者」)
- 2003年 - 第15回銀河賞(「地球大砲」、「詩雲」、「思想者」)
- 2010年 - 第1回中国星雲賞(世界華人SF協会主催)作家賞(韓松と同時受賞)
- 2015年 - ヒューゴー賞長編小説部門賞(「三体」)
- 2019年 - 第50回星雲賞海外短編部門(「円」)
- 2020年 - 第51回星雲賞海外長編部門(「三体」)
- 2021年 - 第52回星雲賞海外長編部門(「三体II 黒暗森林」)
(「さまよえる地球」、「円」以外は原題)
作品リスト
[編集]※★印は既に日本語訳されている作品。
長編
[編集]- 魔鬼积木(福建少年儿童出版社、2002年9月)
- 超新星纪元(作家出版社、2003年1月)★
- 当恐龙遇上蚂蚁(北京少年儿童出版社、2004年6月)★ - 刊行後《科幻世界》にて『白垩纪往事』と改題し2006年9月号~11月号に掲載
- 球状闪电(四川科学技术出版社、2005年6月)★ - 先行して科幻世界杂志社発行の《星云》シリーズ第二弾として2004年6月に刊行
- 三体(四川科学技术出版社、2008年1月)★ - 《科幻世界》にて2006年5月から12月まで連載
- 三体II:黑暗森林(重庆出版社、2008年5月)★
- 三体III:死神永生(重庆出版社、2010年11月)★
中・短編
[編集]- 「中国2185」 - 未刊
- 「鲸歌」(邦題:鯨歌)★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、1999年6月)に掲載
- 「微观尽头」 - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、1999年6月)に掲載
- 「宇宙坍缩」 - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、1999年7月)に掲載
- 「带上她的眼睛」(邦題:彼女の眼を連れて)★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、1999年10月)に掲載
- 「地火」[邦題:地火(じか)]★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2000年2月)に掲載
- 「流浪地球」(邦題:さまよえる地球/流浪地球)★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2000年7月)に掲載
- 「乡村教师」(邦題:郷村教師)★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2001年1月)に掲載
- 「微纪元」(邦題:ミクロ紀元)★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2001年4月)に掲載
- 「全频带阻塞干扰」 - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2001年8月)に掲載
- 「纤维」(邦題:繊維)★ - 《科幻世界·惊奇档案·霹雳与玫瑰号》(科幻世界杂志社、2001年8月)に掲載
- 「命运」 - 《科幻世界·惊奇档案·太阳舞号》(科幻世界杂志社、2001年11月)に掲載
- 「信使」(邦題:メッセンジャー)★ - 《科幻大王》(科幻世界杂志社、2001年11月)に掲載
- 「中国太阳」(邦題:中国太陽)★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2002年1月)に掲載
- 「梦之海」 - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2002年1月)に掲載
- 「朝闻道」 - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2002年1月)に掲載
- 「混沌蝴蝶」(邦題:カオスの蝶)★ - 《科幻大王》(科幻世界杂志社、2002年1月)に掲載
- 「天使时代」 - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2002年6月)に掲載
- 「吞食者」(邦題:呑食者)★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2002年11月)に掲載
- 「西洋」(邦題:西洋)★ - アンソロジー『2001年度中国最佳科幻小说选』(四川人民出版社、2002年12月)に収録
- 「詩雲」(邦題:詩雲)★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2003年3月)に掲載
- 「光荣与梦想」(邦題:栄光と夢)★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2003年8月)に掲載
- 「地球大炮」 (邦題:地球大砲)★- 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2003年9月)に掲載
- 「思想者」 - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2003年12月)に掲載
- 「圆圆的肥皂泡」[邦題:円円(ユエンユエン)のシャボン玉]★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2004年3月)に掲載
- 「镜子」 - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2004年12月)に掲載
- 「创世纪」 - 《科幻大王》(科幻世界杂志社、2005年1月)に掲載・長編『超新星纪元』からの一部抜粋
- 「赡养上帝」(邦題:神様の介護係/老神介護)★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2005年1月)に掲載
- 「欢乐颂」 - 《恐龙·九州幻想·贪狼号》(九州幻想杂志社、2005年8月)に掲載
- 「赡养人类」(邦題:扶養人類)★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2005年11月)に掲載
- 「山」(邦題:山)★ - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2006年1月)に掲載
- 「2018年4月1日」(邦題:二〇一八年四月一日)★ - 《时尚先生》(时尚先生杂志社、2009年1月)に掲載
- 「月夜」(邦題:月の光)★ - 《生活》(生活杂志社、2009年2月)に掲載
- 「人生」(邦題:人生)★ - アンソロジー『时光尽头』(花山文艺出版社、2010年1月)に収録
- 「太原之恋」(「太原诅咒」)(邦題:呪い5・0)★ - 《九州幻想·贲书铁卷》(九州幻想杂志社、2010年2月)に掲載
- 「时间移民」 - 短編集『微纪元』(沈阳出版社、2010年4月)に収録
- 「海水高山」 - 既出短編「山」の短縮版。《新课堂·科普童话》(黑龙江省语言文字报刊社、2014年9月)に掲載
- 「圆」(邦題:円)★ - アンソロジー『Carbide Tipped Pens』(Tor Books、2014年12月)に掲載
- 「不能共存的节日」 - 《科幻世界》(科幻世界杂志社、2016年4月)に掲載
- 「烧火工」(邦題:火守)★ - 短編集『梦之海』(四川科学技术出版社、2016年6月)に収録
- 「黄金原野」 - アンソロジー『Twelve Tomorrows』(The MIT Press、2018年5月)に掲載
映像化
[編集]特記のない作品は中国製作。
- 郷村教師
- 三体
- アニメ(2022年)
- ドラマ(2023年)
- ドラマ(アメリカ、2024年予定)
- 流浪地球
- 映画『流転の地球』(中国語: 流浪地球、2019年)
- 映画『流転の地球 -太陽系脱出計画-』(中国語: 流浪地球2、2023年)
日本語訳作品
[編集]長編
[編集]- 三体
- 三体II 黒暗森林
- 日本語版 - 早川書房、2020年6月、翻訳:大森望、立原透耶、上原かおり、泊功、上巻:ISBN 978-4-15-209948-8、下巻:ISBN 978-4-15-209949-5
- 三体III 死神永生
- 日本語版 - 早川書房、2021年5月、翻訳:大森望、光吉さくら、ワン・チャイ、泊功、上巻:ISBN 978-4-15-210020-7、下巻:ISBN 978-4-15-210021-4
- 三体0 球状閃電
- 日本語版 - 早川書房、2022年12月、翻訳:大森望、光吉さくら、ワン・チャイ、ISBN 978-4-15-210194-5
- 超新星紀元
- 日本語版 - 早川書房、2023年7月、翻訳:大森望、光吉さくら、ワン・チャイ、ISBN 978-4152102546
- 白亜紀往事
- 日本語版 - 早川書房、2023年11月、翻訳:大森望、古市雅子、ISBN 978-4152102782
短編集
[編集]- 円 劉慈欣短篇集
- 早川書房、2021年11月、翻訳:大森望、泊功、齊藤正高、ISBN 978-4-15-210062-7
- 収録作品:鯨歌 / 地火(じか) / 郷村教師 / 繊維 / メッセンジャー / カオスの蝶 / 詩雲 / 栄光と夢 / 円円(ユエンユエン)のシャボン玉 / 二〇一八年四月一日 / 月の光 / 人生 / 円
- 日本独自の短編集であるが収録作品の選定は著者側が行った[5]。
- 流浪地球
- KADOKAWA、2022年9月、翻訳:大森望、古市雅子、ISBN 978-4-04-065993-0
- 収録作品:流浪地球 /ミクロ紀元 / 呑食者 / 呪い5・0 / 中国太陽 / 山
- 老神介護
- KADOKAWA、2022年9月、翻訳:大森望、古市雅子、ISBN 978-4-04-112578-6
- 収録作品:老神介護 /扶養人類 / 白亜紀往事 / 彼女の眼を連れて / 地球大砲
アンソロジー、雑誌等収録短編
[編集]- 「さまよえる地球」(原題:流浪地球)
- 日本語版:『S-Fマガジン』2008年9月号、翻訳:阿部敦子
- 初出:『科幻世界』2000年12号。第12回銀河賞特等賞[6]。
- 「円」
- 日本語版:『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』(早川書房、2018年2月、ISBN 978-4-15-335036-6)、翻訳:中原尚哉(ケン・リュウによる英語訳からの重訳)
- 『三体』からの抜粋を短編として改稿した作品[5]。上記『円 劉慈欣短篇集』には原語からの翻訳で収録。
- 「神様の介護係」(原題:赡养上帝)
- 日本語版:『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』(早川書房、2018年2月、ISBN 978-4-15-335036-6)、翻訳:中原尚哉(ケン・リュウによる英語訳からの重訳)
- 漫画版:『神様の介護係』(KADOKAWA、2023年2月、ISBN 978-4-04-682190-4)、作画:横山旬、キャラクター原案:Golo、監修:未来事務管理局[7]
- 初出:『科幻世界』2005年11号。第1回柔石小説賞短篇小説金賞。
- 日本語版:『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』(早川書房、2018年2月、ISBN 978-4-15-335036-6)、翻訳:中原尚哉(ケン・リュウによる英語訳からの重訳)
- 「西洋」
- 日本語版:『サイノフォン――1 華語文学の新しい風』(白水社、2022年10月、ISBN 978-4-56-009875-2)、翻訳:小笠原淳
- 初出:アンソロジー『2001年度中国最佳科幻小说选』(四川人民出版社、2002年12月)。
絵本
[編集]人物
[編集]小松左京作品を愛読している。『日本沈没』が最も印象に残っている[8]。
『銀河英雄伝説』は全て読んでいて[8]、作者の田中芳樹とは対談も果たしている。
日本のアニメでは『攻殻機動隊』『王立宇宙軍 オネアミスの翼』『銀河鉄道999』などに触発された[8]。近年では『秒速5センチメートル』をお気に入りに挙げている[9]。
自分の作品を2次元SFと評する一方、韓松の作品を3次元SFと評する[10]。
脚注
[編集]- ^ “「人類には、未来に向けて養っておくべき能力がある」:劉慈欣『三体Ⅲ 死神永生』発売インタヴュー”. WIRED.jp. 2021年12月14日閲覧。
- ^ a b 「三体」劉慈欣さん 発電所技術者からSF作家へ、神秘の宇宙を愛し続けて 朝日新聞GLOBE+ 2023年3月22日閲覧。
- ^ “アジア人初の快挙!中国人SF作家、劉慈欣氏がヒューゴー賞を受賞―香港メディア”. Record China. (2015年8月25日) 2019年3月13日閲覧。
- ^ “中国SF「三体」、日本での大ヒットが中国で話題に”. AFP (2019年10月11日). 2019年10月11日閲覧。
- ^ a b “劉慈欣入門にはコレを読め! 『円 劉慈欣短篇集』訳者・大森望氏解説”. Hayakawa Books & Magazines(β). 早川書房 (2021年11月2日). 2021年12月16日閲覧。
- ^ 銀河賞公式サイト 受賞作一覧参照
- ^ “小説「三体」の著者・劉慈欣作品、日本初コミック化!「神様の介護係」2022年6月19日より連載開始”. PR TIMES (2022年6月15日). 2023年2月9日閲覧。
- ^ a b c “中国SF「三体」異例のヒット 小松左京を愛読した著者”. 2019年10月26日閲覧。
- ^ 好書好日「中国発の本格SF「三体」劉慈欣さんインタビュー 科学の力、人類の英知を信じて執筆」
- ^ “作家 韩松和他的“驱魔”世界”. 2020年3月16日閲覧。
参考文献
[編集]- 姚海軍(よう かいぐん)「中国SF界の現状」(『S-Fマガジン』2008年9月号)
- 林久之による「さまよえる地球」解説(『S-Fマガジン』2008年9月号)
外部リンク
[編集]- 大刘的博客 - 本人のブログ