加賀水引
加賀水引(かがみずひき)は、石川県金沢市(加賀)の伝統工芸。
歴史
[編集]1915年(大正4年)頃、石川県金沢市の津田左右吉(加賀水引初代)が、立体的な和紙の包み方(折型)と、鶴亀や松竹梅などの造形的な水引の結び方(水引細工)を考案し、結納や金封に飾るようになった[1]。津田左右吉の水引は皇室献上など多くの栄誉を受けた[1]。左右吉の技術は娘の津田梅に受け継がれ、希少伝統工芸加賀水引細工として確立させた[1][2]。
加賀水引の継承
[編集]初代 - 津田左右吉[1]
2代目 - 津田梅[1]
3代目 - 津田剛八郎・千枝[1]
4代目 - 津田宏・さゆみ[1]
5代目 - 津田六佑・沙樹[1]
技術
[編集]日本の伝統的なラッピングとも言える水引折型には、3つの基本工程がある。
1 贈答品を和紙で「包む」工程。
2 贈答品を包んだ和紙を水引(紙紐)で「結ぶ」工程。
3 和紙に差出人名と贈る理由や気持ちを筆字で「書く」工程。
この3工程の技術を美しい芸術の域に昇華させた技が加賀水引である。
具体的には、
1 和紙の折型(包み方)を立体的な造形で包む「紙細工」。
2 鶴亀松竹梅などのモチーフを水引で造形的に結ぶ「紐細工」。
3 寿などの筆字を折型と結びのデザインに合わせ書き分ける「書」。
これらの技術で、贈答品を水引でラッピングする技術を加賀水引という。
また、初代津田左右吉の考案した立体的な紐細工は、既存の結び方「あわじ結び」を応用させて作られたものが多い[1][3]。また、左右吉は水引人形の基礎を作り、その技法が津田家に伝えられている[4]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i “津田水引折型 加賀金沢伝統工芸 100年の歴史”. mizuhiki.jp. 2021年9月2日閲覧。
- ^ 金沢市観光協会. “加賀水引 津田水引折型|【公式】金沢の観光・旅行情報サイト|金沢旅物語”. 金沢旅物語. 2021年9月2日閲覧。
- ^ “相手を大切に思う心を丁寧に結ぶ華やかな加賀水引 津田水引折型”. しゃかいか! (2016年3月3日). 2021年9月2日閲覧。
- ^ “加賀水引細工|石川の伝統工芸”. www.icnet.or.jp. 2021年9月2日閲覧。