北條文緒
北條 文緒(ほうじょう ふみお、1935年10月25日 - 2023年7月23日)は、日本の英文学者、作家、翻訳家。東京女子大学名誉教授。 20世紀始めの英国小説が専門。
略歴
[編集]東京で鬼頭仁三郎(東京商科大学(現一橋大学)教授)の娘として生まれる。 1958年東京女子大学文学部英米文学科卒、1961年一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。 1967年東京女子大学講師、助教授、教授、2004年定年退任、名誉教授。
1967年、同人誌『炎』に発表した「魚」で芥川賞候補。 2002年、短篇小説集『嘘』を上梓[1]。 2023年、死去。聖イグナチオ教会で葬儀・告別式が行われた[2]。同年日本翻訳文化賞受賞[3]。
著書
[編集]- 『ニューゲイト・ノヴェル ある犯罪小説群』(研究社出版) 1981
- 『ブルームズベリーふたたび』(みすず書房) 1998
- 『嘘』(三陸書房) 2002
- 『翻訳と異文化 原作との〈ずれ〉が語るもの』(みすず書房) 2004
- 『猫の王国』(みすず書房、大人の本棚) 2011
- 『編む 旅のおわりに』(みすず書房) 2024
共編
[編集]- 『ヒロインの時代』(川本静子、国書刊行会) 1989
- 『遥かなる道のり イギリスの女たち 1830 - 1910』(国書刊行会、ヒロインの時代 別巻) 1989
- 『結婚の比較文化』(小檜山ルイ、勁草書房) 2001
翻訳
[編集]- 『ハーバート・リード自伝 - 対蹠的な経験』(ハーバート・リード、法政大学出版局) 1970
- 『母親たちとの対話 子どもをどう理解するか』(ブルーノー・ベテルハイム、古崎愛子共訳、法政大学出版局) 1980
- 『子どもの読みの学習 よりよい国語教育をめざして』(ブルーノー・ベテルハイム, カレン・ゼラン、法政大学出版局) 1983
- 『視覚の瞬間』(ケネス・クラーク、法政大学出版局) 1984
- 『フランス人とイギリス人 人と文化の交流』(リチャード・フェイバー、大島眞木共訳、法政大学出版局) 1987
- 『エスター・ウォーターズ』(ジョージ・ムア、国書刊行会、ヒロインの時代) 1988
- 『幸福の約束 イギリス児童文学の伝統』(フレッド・イングリス、中村ちよ共訳、紀伊国屋書店) 1990
- 『眺めのいい部屋』(E・M・フォースター、みすず書房、フォースター著作集2) 1993
- 『永遠の命 短篇2』(E・M・フォースター、みすず書房、フォースター著作集6) 1995
- 『回想のブルームズベリー すぐれた先輩たちの肖像』(クウェンティン・ベル(※)、みすず書房) 1997 - ※ヴァネッサ・ベルの次男
- 『毒婦の娘』(ウィルキー・コリンズ、臨川書店、ウィルキー・コリンズ傑作選12) 1999
- 『他者の苦痛へのまなざし』(スーザン・ソンタグ、みすず書房) 2003
- 『サリーおばさんとの一週間』(ポリー・ホーヴァス、偕成社) 2007 - 児童書
- 『五月の霜』(アントニア・ホワイト、みすず書房) 2007
- 『ローカル・ガールズ』(アリス・ホフマン、みすず書房) 2010
- 『イングリッシュネス 英国人のふるまいのルール』(ケイト・フォックス、香川由紀子共訳、みすず書房) 2017
- 『ナチ 本の略奪』(アンデシュ・リデル、小林祐子共訳、国書刊行会) 2019
- 『さらに不思議なイングリッシュネス 英国人のふるまいのルール2』(ケイト・フォックス、香川由紀子共訳、みすず書房) 2020
- 『血の畑 宗教と暴力』(カレン・アームストロング、岩崎たまゑ共訳、国書刊行会) 2022
脚注
[編集]- ^ 「Hojo Fumio」北条文緒-芥川賞候補作家|芥川賞のすべて・のようなもの - 直木賞のすべ
- ^ 北條文緒さん死去 東京女子大名誉教授、英文学研究東京新聞2023年7月25日 07時20分
- ^ 北條文緒東京女子大学名誉教授(本年7月23日没)が第60回日本翻訳文化賞を受賞しました東京女子大学2023.10.11 Wed.
参考
[編集]- 『文藝年鑑2010』
- 眞田雅子, 「限りない感謝を込めて 北條文緒先生を送る」『東京女子大学紀要論集』 55巻 1号 p.105-106, 2004-09-17, NAID 110004631291