塩トマト
塩トマト(しおトマト)は、熊本県八代地域など土壌塩分濃度が高い干拓地などで栽培されるトマトのこと[1]。トマトの品種名ではない[2]。
概要
[編集]塩分濃度が高い土地で栽培するため、根から水分の吸い上げが十分に行われないことから、実は大きく育たないが、糖分が疑縮される[1]。一般の大玉トマトの糖度が5度から6度くらいなのに対し、塩トマトの糖度は8度から10度[注釈 1]になる[1]。
かつては、小玉であることから規格外品扱いされており市販されずに自家用にされていたが、1995年くらいから市場に知られると共に人気となり、高値で取り引きされるようになった[1]。
熊本県のみならず、2011年の東日本大震災の際の津波によって塩害となった農地での栽培作物として東北地方でも注目されている[1][4][5]。
2021年10月7日より農林水産省の地理的表示(GI)保護制度に「くまもと塩トマト」として登録されている[6]。
栽培
[編集]収穫時期は11 - 5月頃、3月がピークである。栽培地域が限定されるので、希少価値があり超高級品として贈答用などにも使われる。
一般に塩トマトは普通のトマトより小ぶりだか、栽培されている品種は普通のトマトと同じタキイ種苗株式会社が1981年に開発した大玉品種である「桃太郎」である。
一般のフルーツトマトは、極力水を与えないなどの栽培方法により高糖度化をはかったものをいうが、塩トマトは、海水のミネラル分がたっぷり含まれ甘くて酸味がある。
ブランド
[編集]- 太陽の子 セレブ
- 糖度8度以上のものを選出[7]。
- 太陽の子 ロイヤルセレブ
- 光センサー糖度計により、糖度10度以上の塩トマトのみを選出。塩トマトの生産量の1パーセントほどしかなく、大きさによっては1玉500円の値がつくこともある[3]。
- ほなみchan
- 名前が同じということで鈴木保奈美が自身のInstagramで紹介し、話題となる[8]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e 内田宗治「「塩トマト」誕生。トマトの収穫量は30年前の2倍に」『30年でこんなに変わった! 47都道府県の平成と令和』実業之日本社、213頁。ISBN 978-4408650593。
- ^ 杉本晃章『野菜検定公式テキスト』(新装版)実業之日本社、2022年、53頁。ISBN 978-4408421193。
- ^ a b “1玉500円!? 枯れた土地が生んだ奇跡のトマト”. ウェザーニュース (2019年5月27日). 2024年10月18日閲覧。
- ^ “「塩トマト」で塩害農地の復興目指す 宮城・岩沼”. 朝日新聞(asahi.com) (2011年6月4日). 2014年2月18日閲覧。
- ^ “「塩トマト」栽培し農地再生へ 岩沼”. 読売新聞(YOMIURI ONLINE) (2011年5月31日). 2011年5月31日閲覧。
- ^ “第111号:くまもと塩トマト”. 農林水産省 (2024年5月10日). 2024年10月18日閲覧。
- ^ 『くまもと塩トマトの特製トマトソースが誕生。リストランテ アクアパッツァの厨房でシェフが手作りしたものを届けます』(プレスリリース)株式会社食文化、2024年2月26日 。2024年10月18日閲覧。
- ^ “鈴木保奈美が「ほなみ」紹介「作っている方のお嬢さんがほなみちゃんだそう」熊本産トマト”. 日刊スポーツ (2023年4月4日). 2024年10月18日閲覧。