新里村期
新里村期(しんざとむらき)とは、先島諸島を中心とする時代区分のひとつ。12世紀から13世紀にかけての時期とされ、スク時代(沖縄本島におけるグスク時代)の初期に当たる[1]。
概要
[編集]周辺地域とは異なる先島諸島の先史文化(下田原期、無土器期)が終わりを告げると、12世紀から13世紀の新里村期へと続く。これは沖縄諸島でグスク時代が幕開けするのと、ほぼ同時期の頃である[2]。
この時期の遺跡は宮古列島では発見例が少なく、八重山諸島のもの(石垣島のビロースク遺跡、竹富島の新里村東遺跡やカイジ村跡遺跡)が中心となる[3]。
なお、ビロースク遺跡、新里村東遺跡やカイジ村跡遺跡では、12世紀~13世紀の新里村期に続いて、中森期の初期段階である13世紀末~14世紀代の遺物も出土する[2]。
遺跡の立地は全て海からのアクセスが容易な場所にあり、島嶼外から訪れる人びととの関わりが推測されている[2]。
遺跡数は少ないが、この時期の遺跡からは新里村式土器(滑石製石鍋を模倣した鍋形土器)、ビロースク式土器(土師器に影響を受けたと考えられる土器)、中国産の磁、青磁、褐釉陶器、カムィ焼き(徳之島産)、鉄製品や鞴の羽口 、玉類、中国の銭貨が出土している。逆に無土器期の特徴であった石器や貝製品は出土しなくなる[2]。また炭化米や炭化麦、プラントオパールも発見されている[4]。
伝承
[編集]この時代についての記録は殆ど残っていないが、宮古島や竹富島には平家の落人の伝承がある[5][6]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]小野林太郎ほか編『海民の移動誌』昭和堂、2018年
関連項目
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