津村記久子
津村 記久子 (つむら きくこ) | |
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ペンネーム | 津村 記久子 |
誕生 | 1978年1月23日(46歳) 日本・大阪府大阪市 |
職業 | 作家 |
教育 | 学士 |
最終学歴 | 大谷大学文学部卒業 |
活動期間 | 2005年 - |
代表作 | 『ポトスライムの舟』(2009年) 『この世にたやすい仕事はない』(2015年) 『水車小屋のネネ』(2023年) |
主な受賞歴 | 太宰治賞(2005年) 野間文芸新人賞(2008年) 咲くやこの花賞(2008年) 芥川龍之介賞(2009年) 織田作之助賞(2011年) 川端康成文学賞(2013年) 芸術選奨新人賞(2016年) 谷崎潤一郎賞(2023年) |
デビュー作 | 「マンイーター」(2005年) |
影響を受けたもの | |
ウィキポータル 文学 |
津村 記久子(つむら きくこ、1978年1月23日 - )は、日本の小説家。大阪府大阪市出身、大阪府立今宮高等学校、大谷大学文学部国際文化学科卒業。
経歴
幼少時には児童書をまねて文章を書いていたが、中学生のころからは音楽に親しむようになる。大学3年のころから本格的に小説を書き始める[1]。
2000年、新卒で入社した会社で上司からパワーハラスメントを受け、10か月で退社[注 1]。その後、職業訓練校などを経て2001年に転職。
2005年、「マンイーター」(津村記久生名義、単行本化に際して『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で第21回太宰治賞を受賞し、小説家デビュー。兼業作家として、会社から帰った後、睡眠を二回に分けてその合間に小説を執筆していた[1]。
2012年、10年半勤めた会社を退職し、専業作家となる[1][2]。
受賞歴
- 2005年 - 「マンイーター」で第21回太宰治賞受賞
- 2008年 - 「カソウスキの行方」で第138回芥川賞候補
- 2008年 - 「婚礼、葬礼、その他」で第139回芥川賞候補
- 2008年 - 『ミュージック・ブレス・ユー!!』で第30回野間文芸新人賞受賞
- 2008年 - 咲くやこの花賞文芸その他部門受賞
- 2009年 - 「ポトスライムの舟」で第140回芥川賞受賞
- 2011年 - 『ワーカーズ・ダイジェスト』で第28回織田作之助賞受賞
- 2013年 - 「給水塔と亀」で第39回川端康成文学賞受賞
- 2016年 - 『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞受賞
- 2017年 - 『浮遊霊ブラジル』で第27回紫式部文学賞受賞
- 2017年 - 『アレグリアとは仕事はできない』で第13回酒飲み書店員大賞受賞
- 2018年 - 『とにかくうちに帰ります』で第10回エキナカ書店大賞候補[3]
- 2019年 - 『ディス・イズ・ザ・デイ』で第6回サッカー本大賞受賞
- 2023年 - 『水車小屋のネネ』で第59回谷崎潤一郎賞受賞[4]
選考委員歴
作風・人物
- 自身の会社員生活の経験を元に、働く人々や女性を描いた作品が多い。
- 大阪在住であり、近畿地方を舞台にした作品、関西弁を話す登場人物も多く描かれる。
- スポーツ観戦が趣味で、海外サッカーやロードレース、フィギュアスケートのファンである[1]。
作品
小説
- 『君は永遠にそいつらより若い』(筑摩書房、2005年11月 / ちくま文庫、2009年5月)
- 『太宰治賞2005』掲載「マンイーター」を改題。
- 『カソウスキの行方』(講談社、2008年2月 / 講談社文庫、2012年1月)
- 『ミュージック・ブレス・ユー!!』(角川書店、2008年6月 / 角川文庫、2011年6月)
- 書き下ろし
- 『婚礼、葬礼、その他』(文藝春秋、2008年7月 / 文春文庫、2013年2月)
- 婚礼、葬礼、その他(『文學界』2008年3月号)
- 冷たい十字路 (『文學界』2007年6月号)
- 『アレグリアとは仕事はできない』(筑摩書房、2008年12月 / ちくま文庫、2013年6月)
- アレグリアとは仕事はできない(『ちくま』2007年7月 - 2008年1月連載「コピー機が憎い!」を改題)
- 地下鉄の叙事詩(書き下ろし)
- 『八番筋カウンシル』(朝日新聞出版、2009年2月 / 朝日文庫、2014年4月)
- 『ポトスライムの舟』(講談社、2009年2月 / 講談社文庫、2011年4月)
- ポトスライムの舟(『群像』2008年11月)
- 十二月の窓辺(『群像』2007年1月号)
- 『ワーカーズ・ダイジェスト』(集英社、2011年3月 / 集英社文庫、2014年6月)
- ワーカーズ・ダイジェスト(『小説すばる』2010年9月号 - 11月号)
- オノウエさんの不在(『小説すばる』2008年4月号)
- 『まともな家の子供はいない』(筑摩書房、2011年8月 / ちくま文庫、2016年3月)
- まともな家の子供はいない(『ちくま』2009年11月号 - 2010年10月号)
- サバイブ(「Webちくま」2006年3月 - 6月)
- 『とにかくうちに帰ります』(新潮社、2012年2月 / 新潮文庫、2015年10月)
- 職場の作法(日本経済新聞電子版 2010年10月4日 - 23日)
- バリローチェのフアン・カルロス・モリーナ(『新潮』2011年1月号)
- とにかくうちに帰ります(『新潮』2009年3月号)
- 『ウエストウイング』(朝日新聞出版、2012年11月 / 朝日文庫、2017年8月)
- 『小説トリッパー』2009年12月号 - 2010年12月号
- 『これからお祈りにいきます』(角川書店、2013年6月 / 角川文庫、2017年1月)
- サイガサマのウィッカーマン(『デジタル野性時代』2012年3月号 - 4月号)
- バイアブランカの地層と少女(『野性時代』2008年1月号)
- 『ポースケ』(中央公論新社、2013年12月 / 中公文庫、2018年1月)
- 『エヴリシング・フロウズ』(文藝春秋、2014年8月 / 文春文庫、2017年5月)
- 『別冊文藝春秋』2012年5月号 - 2013年1月号
- 『この世にたやすい仕事はない』(日本経済新聞出版社、2015年10月 / 新潮文庫、2018年11月)
- 日本経済新聞電子版 2014年5月1日 - 2015年3月19日
- 『浮遊霊ブラジル』(文藝春秋、2016年10月 / 文春文庫、2020年1月)
- 給水塔と亀(『文學界』2012年3月号)
- うどん屋のジェンダー、またはコルネさん(『文學界』2010年2月号)
- アイトール・ベラスコの新しい妻(『新潮』2013年1月号)
- 地獄(『文學界』2014年2月号)
- 運命(『新潮』2014年6月号)
- 個性(『すばる』2014年9月号)
- 浮遊霊ブラジル(『文學界』2016年6月号)
- 『ディス・イズ・ザ・デイ』(朝日新聞出版、2018年6月 / 朝日文庫、2021年10月)
- 『朝日新聞』連載
- 『サキの忘れ物』(新潮社、2020年6月 / 新潮文庫、2023年9月)
- 収録作:「サキの忘れ物」「王国」「ペチュニアフォールを知る二十の名所」「喫茶店の周波数」「Sさんの再訪」「行列」「河川敷のガゼル」「真夜中をさまようゲームブック」「隣のビル」
- 『つまらない住宅地のすべての家』(双葉社、2021年3月 / 双葉文庫、2024年4月)
- 『小説推理』連載
- 『現代生活独習ノート』(講談社、2021年11月)
- レコーダー定置網漁(『群像』2020年5月号)
- 台所の停戦(『群像』2012年12月号)
- 現代生活手帖(『群像』2016年3月号)
- 牢名主(『群像』2015年4月号)
- 粗食インスタグラム(『群像』2015年9月号)
- フェリシティの面接(『群像』2013年12月号)
- メダカと猫と密室(『群像』2020年11月号)
- イン・ザ・シティ(『群像』2021年5月号)
- 『水車小屋のネネ』(毎日新聞出版、2023年3月)
- 『毎日新聞』夕刊2021年7月1日 - 2022年7月8日連載
- 『うそコンシェルジュ』(新潮社、2024年10月)
- 収録作:「第三の悪癖」「誕生日の一日」「レスピロ」「うそコンシェルジュ」「続うそコンシェルジュ――うその需要と供給の苦悩篇」「通り過ぎる場所に座って」「我が社の心霊写真」「食事の文脈」「買い増しの顛末」「二千回飲みに行ったあとに」「居残りの彼女」
エッセイ等
- 『やりたいことは二度寝だけ』(講談社、2012年6月 / 講談社文庫、2017年8月)
- 日本経済新聞、朝日新聞他
- 『ダメをみがく "女子"の呪いを解く方法』(紀伊國屋書店、2013年4月 / 集英社文庫、2017年1月)
- 『日経ウーマンオンライン』2012年10月 - 2013年3月。深澤真紀との対談集。
- 『二度寝とは、遠くにありて想うもの』(講談社、2015年4月 / 講談社文庫、2019年3月)
- 朝日新聞、京都新聞、日経ビジネスオンライン他
- 『くよくよマネジメント』(清流出版、2016年5月)
- 『清流』2010年5月号 - 2013年7月号。イラストは森下えみこ。
- 『枕元の本棚』(実業之日本社、2016年7月 / 実業之日本社文庫、2019年10月)
- 『ジェイ・ノベル』2010年7月号 - 2015年11月号、『小説現代』2010年2月号
- 『大阪的』(ミシマ社、2017年3月)
- 江弘毅との対談。
- 『まぬけなこよみ』(平凡社、2017年4月 / 朝日文庫、2023年1月)
- 『やりなおし世界文学』(新潮社、2022年6月)
- 『苦手から始める作文教室』(筑摩書房、2022年9月)
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e 作家の読書道 第155回:津村記久子さん
- ^ “作家の読書道 その6「小説の書き方&読書生活」”. 本の雑誌社. 2019年4月13日閲覧。
- ^ “お知らせ 第10回 エキナカ書店大賞 実施”. JR東日本リテールネット. 2019年3月23日閲覧。
- ^ “谷崎潤一郎賞に津村記久子さん「水車小屋のネネ」 毎日新聞連載”. 毎日新聞. 2023年8月22日閲覧。
- ^ 日外アソシエーツ『最新文学賞事典2014-2018』日外アソシエーツ、2019年4月25日、123頁。ISBN 9784816927706。