BE-3
試験中のBE-3エンジン | |
原開発国 | アメリカ合衆国 |
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初飛行 | 2015年 |
開発企業 | ブルーオリジン |
現況 | 運用中 |
液体燃料エンジン | |
推進薬 | LOX / LH2 |
サイクル | タップオフサイクル |
性能 | |
推力 | 490 kN (110,000 lbf)[1] - 110 kN (25,000 lbf)(出力調整時)[2] |
使用 | |
ニューシェパード, ニューグレン(2/3段目) |
BE-3は、ブルーオリジン社によって開発された液体水素/液体酸素 (LH2/LOX) 系の液体燃料ロケットエンジンである。エンジンの開発作業は2010年初頭に開始され、2015年初頭に受領試験が完了した。
BE-3はニューシェパード弾道飛行ロケットで2015年から使用されている[3]他、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス (ULA) が2020年代に打ち上げを予定しているヴァルカンロケットで2段目の先進極低温発展型上段 (ACES) に使用が検討されていた[4]。後の2019年にはACESの実現時期は未定とされた[5]。
BE-3は主燃焼室からエンジンのターボポンプを駆動する為に少量の燃焼ガスを抽出するタップオフサイクルのポンプ供給式エンジンの設計を採用する[6][1]。
歴史
[編集]2013年1月、同社は新型の液体水素/液体酸素 (LH2/LOX) を推進剤とする極低温ロケットエンジンであるBE-3の開発を発表した。原型のエンジンは推力440 kN (100,000 lbf) で初期の燃焼室の試験は2013年2月半ばにNASAのステニス試験センターで実施を予定すると発表された[7]。 燃焼室の試験は2013年に実施された[8]。
2013年末にBE-3の実際の飛行を模した、惰性状態と"出力を下げた状態の実証、最大出力、長秒時、再着火を全て1回の試験シーケンスで実施"を伴う弾道飛行での全時間での燃焼試験は成功した[2]。 NASAは試験の動画を公表した[8]。
2013年12月以降、ブルーオリジンは海面高度に近い地上試験での試験に基づいて更新されたエンジンの仕様を発表した。これはエンジンが最大出力時に推力490 kN (110,000 lbf) を生み出す事を実証し、特定の打上げ機で必要かもしれない制御された垂直着陸のために25,000 lbf (110 kN) まで推力を下げる事に成功した[2]。 2015年4月に最大出力の20%というより幅の広い出力調整最小推力89 kN (20,000 lbf) を含む試験を踏まえて最終的なエンジンの仕様が発表された[9]。
2013年12月時点においてエンジンは「テキサス州Van Horn近郊のブルーオリジン社の試験施設で160回以上の始動と累計9,100秒(152分)の運転を実証した」[2][1]。
「縮小版のブースターによる実際の弾道飛行を模した」エンジンでBE-3のさらなる試験は2014年に完了した[6]。
エンジンの地上試験は2015年4月に450回以上で累計500分以上の燃焼試験を完了した。ブルーオリジンはニューシェパードの最初の飛行試験を2015年末に開始する予定である[9]。
2015年4月29日にニューシェパードの最初の飛行試験を実施して高度93,500 m (306,800 ft) に到達した[10]。
2015年4月[update]、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス (ULA) は2020年代の打ち上げが予定される新開発のULAのヴァルカンの2段目の先進極低温発展型上段でBE-3の使用を検討中である。ヴァルカンは2019年に既存のセントール上段ロケットを使用して軌道飛行を開始予定で2023年に飛行予定のACES上段では2019年以前に多様な製造会社の3種類のエンジンから選択する事が期待される[4]。
現在海面高度版のエンジンの開発は2015年初頭に完了し、ブルーオリジンは宇宙空間で運転する真空仕様の開発を発表した[11]。
BE-3U
[編集]ニューグレンの2段目に2基、3段目に1基が用いられる予定の派生型BE-3Uはエキスパンダーブリードサイクル方式を採用している[12]。
出典
[編集]- ^ a b c Blue Origin Tests New Engine, Aviation Week, Guy Norris, 2013-12-09, accessed 2014-09-16.
- ^ a b c d Messier, Doug (2013年12月3日). “Blue Origin Tests New Engine in Simulated Suborbital Mission Profile”. Parabolic Arc 2013年12月5日閲覧。
- ^ Foust, Jeff (13 April 2015). “Blue Origin’s suborbital plans are finally ready for flight” 19 April 2015閲覧. "私達は、最近受領試験を完了してエンジンをニューシェパードでの弾道飛行用に使用予定でとても長期間のエンジンの450回の着火試験が終わり累計運転時間は500分以上に達した。これらの試験が終了してブルーオリジンは今年に西テキサスの施設で機体の飛行試験を開始する段階に入った。飛行は自動的で私達は1年で試験を飛行完了する事を期待する。"
- ^ a b Gruss, Mike (2015年4月13日). “ULA’s Vulcan Rocket To be Rolled out in Stages”. SpaceNews 2015年4月18日閲覧。
- ^ Henry, Caleb (20 November 2019). “ULA gets vague on Vulcan upgrade timeline”. SpaceNews 2024年8月28日閲覧. "The increased capability of the upper stage is somewhere in there in the future"
- ^ a b Messier, Doug (2014年11月14日). “Blue Origin Commercial Crew Development Status Report”. Parabolic Arc 24 December 2014閲覧。
- ^ “Updates on commercial crew development”. NewSpace Journal. (2013年1月17日) 2013年1月21日閲覧。
- ^ a b Messier, Doug (2013年12月3日). “Video of Blue Origin Engine Test”. Parabolic Arc 2013年12月5日閲覧。
- ^ a b Foust, Jeff (7 April 2015). “Blue Origin Completes BE-3 Engine as BE-4 Work Continues”. Space News 8 April 2015閲覧。
- ^ Foust, Jeff (2015年4月30日). “Blue Origin’s New Shepard Vehicle Makes First Test Flight”. Space News 1 May 2015閲覧。
- ^ “Our Approach to Technology”. Blue Origin. Blue Origin. 1 May 2015閲覧。 “ The BE-3 engine is flying. The engine that powers the New Shepard suborbital vehicle today will be upgraded with a larger nozzle to operate in the vacuum of orbital space.”
- ^ BE-3 test update, Blue Origin, 10 August 2018, accessed 12 July 2024.