Pink Lady and Jeff
"Pink Lady and Jeff" (ピンク・レディー・アンド・ジェフ)は、アメリカ合衆国で制作された、60分枠のテレビ番組。ピンク・レディー出演のバラエティで、1980年に、NBC系で5回(6回分が制作されたが、1回分は未放送)が放送された。元々のタイトルは、"Pink Lady"[1][2]。日本の地上波では、未放送。
概要
[編集]1970年代に日本国内で頂点を極めたピンク・レディーは、アメリカ進出を企図。1978年4月、ラスベガスで公演。1979年には、"Kiss in the Dark" を発売し、ビルボードのHot 100で37位を記録した[3][4]。これらの実績の上に実現したのが、NBCでの "Pink Lady and Jeff" への出演であった。司会進行を助けたのは、コメディアンで俳優のジェフ・アルトマンである。
内容は、歌にトーク、コントといったバラエティであった。ゲストは、ブロンディのデボラ・ハリー、チープ・トリックのリック・ニールセン、アリス・クーパーなどのミュージシャンや、ローン・グリーン、レッド・バトンズ、ジェリー・ルイスら往年の名優・コメディアンと多彩であった。当時、大ヒットしていたドラマ「ダラス」に主演していたラリー・ハグマンも、ゲストの一人であった。番組のエンディングでは、ピンク・レディーがバスタブでビキニ・スタイルになって、ジェフと共に行うショート・コントが流された。
評価
[編集]この番組について、多くのアメリカの書籍やサイトでは、ワースト番組(もしくはショー)として酷評され、5回(6回)で終了した理由についても、視聴率の不振による打ち切りとされている[5][6][7][8][9][10][11][12][13][14][15]。
これに対し、実際はNBCとの契約は7年であり、本番組については10回放送の申し出があったものの、ピンク・レディー側(増田恵子)の希望により6回で終了に至ったもので、平均視聴率は22%に達していたという、全く逆の言及もある[16][17][18]。
しかし、エーシーニールセン調べの全米及びニューヨークの視聴率では、実際には20%を超えたことは一度もない[19]。日本における「視聴率20%以上」という発表は、占拠率と故意に混同させたものである可能性が高いと指摘されている[19]。同社調べの全米での視聴率及び占拠率の最高は第1回(1980年3月1日放送)の視聴率14.8%、占拠率24%で、ニューヨークでの視聴率の最高は第3回(1980年3月21日放送)と第5回(最終回。1980年4月4日放送)の視聴率14%、ニューヨークでの占拠率の最高は第1回・第3回・第5回の占拠率22%である[19]。当時のNBC社長のフレッド・シルバーマンは、ピンク・レディーへの視聴率期待値を25%としていた[19]。
いずれにせよ、アメリカの3大ネットワークで日本人が持った冠番組は、現在までのところこれが最初で最後である。アメリカでは放送から二十年以上を経た今日、全回分を収めたDVD[20]が販売されており、根強い人気が存在することもまた確かである。
出演
[編集]参照
[編集]- ^ Pink Lady and Jeff at News From ME
- ^ Pink Lady...and Jeff at tvdvdreviews.com
- ^ アイドルグループ系譜ピンク・レディー at Who ne.jp.
- ^ Billboard Top 40 Hits(1979) at cyList
- ^ The Complete Directory to Prime Time Network and Cable TV Shows(ISBN 0-345-45542-8)
- ^ Pink Lady and Jeff at TVparty!
- ^ Features:Pink Lady...and Jeff at James Sanford on Film
- ^ Pink Lady and Jeff at TV.com
- ^ "Pink Lady" - IMDb
- ^ Pink Lady and Jeff at TVGuide.com
- ^ Pink Lady at Japan-Zone.com
- ^ Pink Lady and Jeff(1980) at Rotten Tomatoes
- ^ The Worst Show in the History of Television? at SteveMandich.com
- ^ from Hollywood(2006年9月24日) at Shohei Noguchi 魔法のiらんど
- ^ パトリック・マシアス、町山智浩(訳)『オタク・イン・USA -愛と誤解のAnime輸入史』筑摩書房(ちくま文庫)2013年、135-141頁。ISBN 978-4-480-43061-8。
- ^ NBCレギュラー番組のすべて at PINKLADY in U.S.A.
- ^ Pink Lady at The View From Japan timyongonline.com
- ^ 増田惠子自伝『あこがれ』(幻冬舎刊 ISBN 4-344-00676-3)
- ^ a b c d 「パーセントの裏っ側 ピンク・レディー報道の“ウソ”」『サンデー毎日』1980年5月25日号、81頁。第1回から第5回(最終回)までの各回の視聴率と占拠率(エーシーニールセン調べ、全米・ニューヨーク)も掲載されている。
- ^ Rhino Home Video/Records より2001年に発売
外部リンク
[編集](上記以外)
- Pink Primetime at PINK LADY THE WEBSITE :アメリカ人のピンク・レディー・ファンのサイトにおける本番組の紹介。メイン・ライターへのインタビューもある。
- Culture Vulture 2005-02-14 「子供の資本主義」の先兵としてのピンク・レディー at はてなダイアリー :本番組の論評。近藤正高による『ZAMDA』第10号(2002年12月号)の記事を、本人が転載したもの。『週刊新潮』1980年3月20日号よりの引用も含まれている。
- Pink Lady at アメリカTV映画ノーツ - ウェイバックマシン(2000年1月24日アーカイブ分) :アメリカ在住の生盛健のサイトにおける本番組評。
- Bad TV is in the 'Pink' at San Francisco Chronicle :サンフランシスコ・クロニクル紙2001年10月24日号に載った、本番組DVDの批評。
- Pink Lady and Jeff at Jump the Shark :一般人のコメントが寄せられたアメリカのサイト。