てんとう虫コミックス

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てんとう虫コミックス(てんとうむしコミックス)は、小学館が発行する日本漫画単行本レーベルの一つ。

概要[編集]

主に『月刊コロコロコミック』、『別冊コロコロコミック』、学年別学習雑誌などに掲載された小学館の児童向け漫画作品を収録している。略称「てんコミ」、「TCTENTΟMUSI COMICSの略)」。コミックスのロゴマークは星が二つのてんとう虫[1]で、名称は川崎のぼるの漫画およびこれを原作にしたアニメ『てんとう虫の歌』に由来する。1974年8月1日発行の『ドラえもん』第1巻より刊行が始まった。

当初は学習雑誌連載作品もコロコロ連載作品も同じ「てんとう虫コミックス」というレーベルだったが、1980年代半ばより『コロコロコミック』掲載作品は「てんとう虫コロコロコミックス」、『別冊コロコロコミック』掲載作品は「てんとう虫コミックス別コロ版」というサブレーベルに分割され、コロドラゴンのマークが用いられた。てんとう虫コロコロコミックスは2006年7月ごろ、コロコロドラゴンコミックスにレーベル名を変更したが、コロコロコミックスの『大長編ドラえもん』シリーズのみが学年誌掲載作品の『ドラえもん』にレーベルを合わせるため、てんとう虫コミックスのレーベルに戻されている。2009年4月ごろにレーベル名をコロコロコミックスに戻している。その他にてんとう虫コミックス・アニメ版てんとう虫コミックススペシャル(主に90年代中盤以降の学年誌掲載作品)、てんとう虫コミックススペシャル ぷっち(『ぷっちぐみ』掲載作品)、てんとう虫コミックスライブラリーというレーベル内レーベルがある。

ただし、『コロコロアニキ』掲載作品は、月刊コロコロコミックの増刊ではあるが、青年誌として位置付けられているため、独立レーベルのコロコロアニキコミックスでの刊行であり、てんとう虫コミックススペシャルのサブレーベルとなっている。また、コロコロアニキコミックスは、コロコロコミックで連載(された)作品の傑作選も含まれており、コロコロアニキに掲載された同じ作品の新作が入っていることがほとんどである。

過去には『ぴょんぴょん』連載作品もこのレーベルから発行されており、『ちゃお』併合後も元『ぴょんぴょん』掲載作品で既に刊行されている作品については引き続きこのレーベルで刊行されている[注釈 1]。逆に初出が『ぴょんぴょん』に掲載された作品であっても、『ちゃお』に統合された後に初めて発行された作品については、『ちゃおフラワーコミックス』での刊行となっている[注釈 2]。また、『ぴょんぴょん』に掲載された作品の「みい子で~す!(おのえりこ)」については、初出はてんとう虫コミックスであるが、続編の『こっちむいて!みい子』に合わせるため、2001年に刊行された新装版[注釈 3]では『ちゃおフラワーコミックス』での刊行となっている。

また2004年以降はてんとう虫コミックスで絶版となった作品が主に小学校低学年の読者を対象とした「ぴっかぴかコミックス」で再刊されるケースも出ている。

てんとう虫コミックスで絶版となった漫画作品の一部は、「コミックパーク 小学館オンデマンド」よりコロコロコミックアーカイブズとしてオンデマンド印刷が行われており、2018年5月現在、77作品(コロコロ連載作品は58作品、学習雑誌連載作品19作品)が発売されている。なお、コロコロコミックアーカイブズ版はカバーなしの簡易製本となっている他、表紙の下部の帯色は、少年向け作品はグレー、少女向け作品はブルーとなっている。作品によっては未収録エピソードが収録されている場合がある。なお、「コロコロコミックアーカイブズ」版の価格は、「てんとう虫コミックス」として刊行されていた当時の価格よりも約3倍に設定している他、全巻のセット販売も行っている。

小学館の青少年コミックスの常として、セリフのシーンに読点「、」・句点「。」がついている。

形状[編集]

サイズは原則として新書判。ただし、スペシャル (B6)などのようにより大判で発行される事もある。

表紙カバー[編集]

表紙
初期(1974年 - 1976年)は上から順に「TENTŌMUSI COMICS てんとう虫コミックス」の文字列・作品タイトルと巻数・イラスト・作者名のスタイルで主流された。1976年刊行開始分の作品よりデザインを自由化している。そのため、てんとう虫コミックスロゴが左下か右下に移された。「てんとう虫コロコロコミックス」は1994年刊行開始分の作品より一番上に「Tentōmusi CORO CORO COMICS」とコロドラゴンのマークが記載されている。一時期、2006年7月から2009年3月発行分までは文字列を「Tentōmusi CORO CORO DRAGON COMICS」に変更したことがある。
裏表紙
初期(1974年 - 1976年)は白の背景に2つの丸の中に入ったイラスト(そのうち1つは背表紙に描かれてるものと同じ)とてんとう虫コミックスのマークを入れるという形であったが1976年刊行開始分の作品より背景の色を自由化している。「てんとう虫コロコロコミックス」は1994年刊行開始分の作品よりてんとう虫コロコロコミックスのロゴが記載されるようになり2000年ごろからは作品紹介の記載をするようになった。2006年の「コロコロドラゴンコミックス」に改称後は右下にコロコロのロゴマークと「DRAGON COMICS」の文字列、コロドラゴンが書かれるようになっていたが、2009年4月ごろより「コロコロコミックス」のロゴに変更している。
背表紙
上から順に、イラスト・作品タイトル・巻数・コミックスロゴ・作者名・(コード)の順で記載され、最下部には青文字で小学館と記載。基本デザインは当初より変更されていない。ただし細かい変更点としては有無を含めてコードの表記方法が何度か変更されており、最終的に1999年3月発行分から2012年8月発行分までは黒いクラブ(♣)が書かれるようになっていたが2012年9月発行分より空白状態に戻っている[注釈 4]
表紙のそで
作者コメント(縦書き)を載せることが多いが、既刊リストの場合もある[2]
裏表紙のそで
既刊リストが記載されることが多いが、1980年代後半より作品により関連作品のみのリストになったことがあり、1994年から2000年代前半まで一部の作品が白紙になった時期もある[3]
備考
初期デザイン(1974年 - 1976年)の頃に発刊された作品については、デザインが自由化された後も従前のデザインを踏襲したままで続刊された。デザインが自由化された後に初めて掲載された作品であっても、例外的に初期デザインで刊行されたものもある。『すうぱあかぐや姫』(室山まゆみ)などが該当する。また、『ドラえもん プラス[注釈 5]、『あさりちゃん 5年2組[注釈 6]に関しても、初期デザインの作品の関連作品となっているため、初期デザインを踏襲した形での刊行となっている。

巻末[編集]

奥付のページには作者の略歴が記載されている[注釈 7]。巻末でページ数が余った場合には、原則として奥付より後ろに既刊の広告[注釈 8]月刊コロコロコミックの広告・最終ページには既刊リストが掲載される。『ドラえもん』に関しては雑誌掲載時の各話のページ数が異なって単行本一冊の規定量に必ずしもきれいに収まらないことから、藤子・F・不二雄の意向で余りのページ分を利用して規定量いっぱいに加筆修正や書き足りなかったコマを補っているため、巻末にある広告ページは存在しない[4]

その他[編集]

『コロコロコミック』作品によっては雑誌掲載時は奇数ページが存在することもあり、単行本収録時には各エピソード間に空きページが生じてしまう。空きページには作品から流用したカットや描き下ろしイラスト、おまけページが挿入されることが多い。

主な作品[編集]

○はコロコロコミックアーカイブズで再刊行された作品。

てんとう虫コミックス[編集]

藤子不二雄・コロコロコミックス[編集]

その他の作者[編集]

てんとう虫コミックス・アニメ版[編集]

てんとう虫コミックススペシャル[編集]

コロコロコミックアーカイブズで初単行本化[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 『みい子で~す!』、『愛の戦士ヘッドロココ』など。
  2. ^ ママは小学4年生』、『どきどきDo!れみ』、『なんでも♥アリス』など
  3. ^ 『もうひとつの「みい子」シリーズ』のサブタイトルが付け加えられている。
  4. ^ なお、1996年3月発行分から1997年2月発行分までも空白状態になった時期も存在している。
  5. ^ ドラえもんの全作品のうち、藤子不二雄ランド中央公論社)に収録されていて、てんとう虫コミックスに収録されていない作品を収録
  6. ^ あさりちゃんの登場人物の進級を描いた続編
  7. ^ てんとう虫コミックス以外の小学館発行のコミックスの奥付のページには、作者の略歴は記載されていない。
  8. ^ 男子向けと藤子不二雄作品はコロコロコミック掲載作品のコミックス、女子向けはぴょんぴょん掲載作品のコミックスが多い。
  9. ^ a b c 2018年に新装版が刊行された。
  10. ^ 2016年から2017年わたって新装版が刊行された。
  11. ^ 1996年以降は絶版状態だったが、2003年より新装版が発売されていた、2016年に2度目の新装版が刊行された。
  12. ^ 2017年に新装版が刊行された。
  13. ^ a b コロコロコミックアーカイブズ版は未収録エピソードも収録。

出典[編集]

  1. ^ 100nen_doraemonの2020年4月13日21時19分のツイート- X(旧Twitter) 『ところでこの「てんとう虫」、星が二つしかありませんが、これは小学館の「小」の字を模していると言われています。』
  2. ^ 例:のむらしんぼつるピカハゲ丸』2巻以降、室山まゆみどろろんぱっ!』2巻以降など。
  3. ^ 例:沢田ユキオスーパーマリオくん』の初期一部巻、小林よしのりおぼっちゃまくん』24巻、のむらしんぼあっぱれメガバカBoys』全2巻など。
  4. ^ 藤子・F・不二雄ワンダーランド ぼくドラえもん 06