アナス・ホリビリス

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アナス・ホリビリス: annus horribilis)は、「ひどい年」あるいは「恐怖の年」を意味するラテン語の言いまわしである。これは「素晴しい年」、「驚くべき年」を意味するアナス・ミラビリスannus mirabilis)との対比となっている。

エリザベス2世[編集]

オックスフォード英語辞典』では1985年より前に使用されていると掲載されているが、この言い回しを有名にしたのは、1992年11月24日にギルドホールで行われたイギリス女王エリザベス2世の戴冠40周年を記念したスピーチである。エリザベス2世はこの年を "annus horribilis" と表現した。

1992 is not a year on which I shall look back with undiluted pleasure. In the words of one of my more sympathetic correspondents, it has turned out to be an Annus Horribilis.

日本語訳

1992年は、私が純粋な喜びと共に振り返ることのできる年ではありません。私の同情的な文通相手の一人の言葉によれば、この年は『アナス・ホリビリス』となりました。

この言い回しは1666年の出来事に関するジョン・ドライデンの詩『驚異の年』 (Annus Mirabilis ) をほのめかしている。"Sympathetic correspondent" は彼女の前秘書官補佐であったエドワード・フォードであると後に明らかにされた。

コフィー・アナン[編集]

当時国連事務総長であったコフィー・アナンは、2004年12月21日に行われた年末記者会見で、「今年が特に困難な年であったことには疑いがなく、この『アナス・ホリビリス』がまもなく終わることに、私はほっとしています」(There's no doubt that this has been a particularly difficult year, and I am relieved that this annus horribilis is coming to an end.)と述べた[1]。この発言は、国連によるイラクでの石油食料交換プログラムにおける汚職に対して続いている疑惑をほのめかしていると広く解釈された[2]。発言のわずか数日後、12月26日にこの年の最悪の災害であるスマトラ島沖地震が発生した。

フアン・カルロス1世[編集]

2007年、スペイン王室、特にフアン・カルロス1世は困難な年に直面した。王室の悲劇と一連の論争から、スペインの新聞はこの年が王の「annus horribilis」であると言及した[3]

脚注[編集]

  1. ^ New York, 21 December 2004 - Secretary-General's year-end press conference (unofficial transcript)”. The Secretary-General Off the Cuff (2004年12月21日). 2012年2月15日閲覧。
  2. ^ Associated Press (2004年12月22日). “UN chief welcomes end of 'horrible' year”. NineMSN. オリジナルの2005年9月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20050913182910/http://news.ninemsn.com.au/article.aspx?id=23293 2012年2月15日閲覧。 
  3. ^ “El “annus horribilis” del Rey Juan Carlos”. La Nación. (2007年11月15日) 
  4. ^ “Spanish royal sex cartoon banned”. BBC. (2007年7月20日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/6909047.stm 2012年2月15日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]