アルピコ交通上高地線

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上高地線
2022年に運用を開始した上高地線21000形電車
2022年に運用を開始した上高地線20100形電車(2022年 森口駅)
概要
起終点 起点:松本駅
終点:新島々駅
駅数 14駅
路線記号 AK
運営
開業 1921年10月2日 (1921-10-02)
所有者 アルピコ交通
使用車両 アルピコ交通#車両を参照
路線諸元
路線総延長 14.4 km (8.9 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 直流1,500 V 架空電車線方式
運行速度 最高50 km/h (31 mph)[1]
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
uexKBHFe
浅間線
ABZq+l BHFq STRq
篠ノ井線 / 大糸線
KBHFaq STR+r
0.0 AK-01 松本駅
BHF
0.4 AK-02 西松本駅
hKRZWae
田川
BHF
1.1 AK-03 渚駅
hKRZWae
奈良井川
BHF
1.9 AK-04 信濃荒井駅
BHF
2.6 AK-05 大庭駅
SKRZ-Au
長野自動車道
BHF
4.4 AK-06 下新駅
BHF
5.4 AK-07 北新・松本大学前駅
BHF
6.2 AK-08 新村駅
BHF
7.6 AK-09 三溝駅
BHF
8.6 AK-10 森口駅
BHF
9.5 AK-11 下島駅
BHF
11.1 AK-12 波田駅
BHF
12.7 AK-13 渕東駅
KBHFxe
14.4 AK-14 新島々駅
exKBHFe
15.7 島々駅 1985年廃止

上高地線(かみこうちせん)は、長野県松本市松本駅から同市の新島々駅までを結ぶアルピコ交通鉄道路線である。

概要[編集]

松本市西部地域を東西方向に横断する路線で、沿線の通勤・通学をはじめとした生活路線として利用されている。また終点の新島々駅にはバスターミナルが設けられ、北アルプス南部の上高地乗鞍方面への観光や登山のアクセス手段としても利用されている。

1921年(大正10年)10月2日、筑摩鉄道(後の松本電気鉄道、現在のアルピコ交通)により島々線として松本駅 - 新村駅間6.2 kmが開業。翌1922年(大正11年)9月26日には島々駅までの15.7 kmが全線開通した。現在の路線名である「上高地線」は1955年(昭和30年)に改称されたものである。

1966年(昭和41年)にはそれまで島々駅にあったバスターミナルを赤松駅(現在の新島々駅)へ移転。翌1967年(昭和42年)からは国鉄からの直通列車も運行され戦後の登山ブームを支えた。1983年(昭和58年)の台風10号による土砂災害で新島々駅 - 島々駅間1.3 kmが不通となる。同区間は利用者が減少しており、復旧費用も多額となることから1985年(昭和60年)1月1日を以て正式に廃止された。

2007年(平成19年)12月、松本電気鉄道を中核とするアルピコグループが債務超過に陥り経営破綻。上高地線についても鉄道施設の更新に多額の費用が必要であり「単独での継続は困難」との見方が示された。これを受け、2010年(平成22年)沿線自治体の松本市が支援を表明し、翌年より老朽化した鉄道施設の更新を進めている。2011年(平成23年)にはアルピコグループの経営再建の一環として、松本電気鉄道がグループ内の川中島バス諏訪バスの2社を吸収合併し、鉄道・路線バス事業を統合し、4月1日に「アルピコ交通株式会社」が発足した。これに伴い、鉄道事業についても正式名称は「アルピコ交通上高地線」となったが、利用者に向けた案内ではこれまで通り通称として「松本電鉄上高地線」もあわせて使用している[2]

路線データ[編集]

  • 路線距離(営業キロ):14.4km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:14駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:全線(直流1500V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 最高速度:50km/h[1]

運行形態[編集]

おおむね30 - 40分間隔で運転されている。定期列車は全列車が松本 - 新島々間の運転で、区間運転列車の設定はない。ただし松本大学大学入試センター試験が実施される日に試験終了後に合わせて臨時列車として2013年に新村 - 松本間、2015年に北新・松本大学前 - 松本間の区間列車が運行されたことがある[3][4]

また定期列車は全列車各駅停車であるが、2022年には松本ぼんぼん開催にあわせて、臨時快速列車が運行された[5]

JRの「ムーンライト信州」などの夜行列車が運行されていた時期には、夏季に早朝松本駅でこれらの列車に接続し、新島々駅までノンストップの臨時列車が運行されていた。

ワンマン運転を実施しており、駅員のいない駅で乗降する場合は列車内で整理券をとり、運賃箱に運賃を投入する。なお、SuicaPASMOなどのICカード乗車券での精算は一切不可である。乗車方法がJR等のワンマン列車と異なり、1, 2両目の中央ドアからの乗車となっている。そのため、無人駅での2両目のドアカットは行われない。

制限速度は、松本 - 渚間ではカーブが多く駅間隔が短いため40km/hで、渚 - 新島々間ではカーブが少なく駅間隔が長いため50km/hで走行している。

サイクルトレイン[編集]

2022年(令和4年)3月22日から自転車を電車に持ち込めるサービス「サイクルトレイン」を行っている。利用可能列車は3月22日 - 11月30日の平日特定日の10時台から13時台の時間帯の2往復の列車で、利用可能な駅は北新・松本大学前駅(新島々行きのみ)と、新村駅、森口駅(松本行きのみ)、波田駅、新島々駅(松本行きのみ)である。自転車持ち込みは運賃だけで利用できるが、予約が必要で、利用区間の普通運賃と同額の専用乗車券「サイクルトレイン乗車券」をスマートフォンで購入・利用できるWEB乗⾞券として発売している。

サイクルトレインは過去にも実施していた。2014年(平成24年)に廃止されるまで、当時は西松本駅 - 北新・松本大学前駅の各駅からも利用できたが、当時もJR東日本との共同使用駅である松本駅では利用できなかった。またWEB予約はなく電話などでの申込制であった。

利用状況[編集]

輸送実績[編集]

上高地線の輸送実績を下表に記す。輸送量は1991年(平成3年)以降長期的に減少を続けていたが、2005年(平成17年)より上昇に転じている。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

年度別輸送実績(上高地線)
年度 輸送実績(乗車人員):万人 輸送密度
人/日
特記事項
通勤定期 通学定期 定期外 合計
1975年(昭和50年) 61.6 72.4 125.4 259.4 3,534  
1976年(昭和51年) 60.1 75.8 115.0 250.9 3,337  
1977年(昭和52年) 55.0 83.2 113.3 251.6 3,365  
1978年(昭和53年) 53.6 90.3 118.2 262.2 3,446  
1979年(昭和54年) 48.6 88.6 108.4 245.8 3,133  
1980年(昭和55年) 51.3 91.2 105.1 247.8 3,125  
1981年(昭和56年) 48.2 86.2 96.9 231.4 2,893  
1982年(昭和57年) 47.7 80.7 89.5 217.9 2,712  
1983年(昭和58年) 43.4 68.7 84.4 196.6 2,548 新島々 - 島々間が台風による土砂災害で不通・休止
1984年(昭和59年) 41.6 70.4 81.4 193.5 2,576 休止中の新島々 - 島々間が廃止
1985年(昭和60年) 38.1 68.1 79.5 185.7 2,664  
1986年(昭和61年) 36.7 67.5 77.5 181.7 2,698 架線電圧を1500Vに昇圧 ワンマン運転開始
1987年(昭和62年) 33.9 66.7 72.8 173.4 2,557  
1988年(昭和63年) 31.3 71.2 71.0 173.5 2,549  
1989年(平成元年) 31.9 71.0 72.0 174.9 2,586  
1990年(平成2年) 33.6 74.4 74.7 182.7 2,740  
1991年(平成3年) 31.8 74.5 77.7 184.0 2,815  
1992年(平成4年) 28.6 76.0 78.4 183.0 2,828  
1993年(平成5年) 26.4 76.2 77.0 179.6 2,769  
1994年(平成6年) 23.7 76.4 75.7 175.8 2,720  
1995年(平成7年) 23.5 76.8 72.5 172.8 2,669  
1996年(平成8年) 23.2 74.6 73.8 171.6 2,678  
1997年(平成9年) 22.0 71.7 72.2 165.9 2,555  
1998年(平成10年) 21.4 73.1 67.2 161.7 2,428  
1999年(平成11年) 19.7 72.9 65.3 157.9 2,364  
2000年(平成12年) 18.4 70.5 64.3 153.2 2,328  
2001年(平成13年) 17.0 67.7 61.9 146.6 2,217  
2002年(平成14年) 15.4 65.7 61.4 142.5 2,159  
2003年(平成15年) 14.8 65.2 58.9 138.9 2,099  
2004年(平成16年) 13.9 59.7 56.1 129.7 1,935  
2005年(平成17年) 14.7 64.9 54.7 134.3 1,979  
2006年(平成18年) 14.6 64.2 52.6 131.4 1,918  
2007年(平成19年)            
2008年(平成20年)            
2009年(平成21年) 16.4 69.0 52.4 137.8 1,976  
2010年(平成22年)            
2011年(平成23年) 18.7 79.8 51.5 150.0 2,114  
2012年(平成24年) 19.9 81.3 54.5 155.7 2,225  
2013年(平成25年) 21.7 86.8 55.5 164.0 2,323  
2014年(平成26年) 21.7 84.1 53.9 159.7 2,264  
2015年(平成27年) 22.5 86.3 57.9 166.7 2,352  
2016年(平成28年) 23.3 87.4 58.1 168.8 2,368  
2017年(平成29年) 23.0 85.7 60.2 168.9 2,424  
2018年(平成30年) 23.4 89.9 58.2 171.5 2,447  
2019年(令和元年) 24.0 93.5 57.5 175.0 2,472  
2020年(令和2年) 21.4 61.3 29.7 112.4 1,558  
2021年(令和3年) 18.4 72.1 29.0 119.5 1,588  
2022年(令和4年) 19.3 79.4 54.8 153.5 2,247  

管内鉄軌道事業者輸送実績[6](国土交通省北陸信越運輸局)と鉄道統計年報(国土交通省鉄道局監修)より抜粋

営業成績[編集]

上高地線の営業成績を下表に記す。旅客運賃収入は1992年(平成4年)以降減少している。運輸雑収については年度による変動が大きい。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

年度別営業成績
年度 旅客運賃収入:千円/年度 運輸雑収
千円/年度
営業収益
千円/年度
営業経費
千円/年度
営業損益
千円/年度
営業
係数
通勤定期 通学定期 定期外 手小荷物 合計
1975年(昭和50年) 81,663 ←←←← 193,238 4,125 279,026 3,550 282,576      
1976年(昭和51年) 92,696 ←←←← 194,422 3,906 291,024 5,073 297,041      
1977年(昭和52年) 106,531 ←←←← 221,768 5,243 333,542 6,509 340,053      
1978年(昭和53年) 117,685 ←←←← 244,545 5,859 368,089 5,909 373,999      
1979年(昭和54年) 121,846 ←←←← 244,835 5,576 372,258 6,018 378,279      
1980年(昭和55年) 136,886 ←←←← 248,739 4,997 390,622 6,523 397,146      
1981年(昭和56年) 146,206 ←←←← 253,898 3,034 403,138 6,140 409,279      
1982年(昭和57年) 147,269 ←←←← 245,067 2,674 395,010 7,620 402,629      
1983年(昭和58年) 149,114 ←←←← 253,565 2,232 404,911 5,383 410,294      
1984年(昭和59年) 153,200 ←←←← 251,314 176 404,690 5,706 410,396      
1985年(昭和60年) 153,525 ←←←← 257,073 94 410,692 6,781 417,473      
1986年(昭和61年) 152,344 ←←←← 263,280 38 415,662 7,826 423,488      
1987年(昭和62年) 72,590 79,956 261,126 0 413,672 6,728 420,400      
1988年(昭和63年) 69,969 87,679 259,690 0 417,338 6,864 424,202      
1989年(平成元年) 73,522 92,452 273,473 0 439,447 5,390 444,837      
1990年(平成2年) 81,213 103,175 303,866 0 488,254 5,685 493,939      
1991年(平成3年) 79,060 110,606 325,887 0 515,553 6,041 521,594      
1992年(平成4年) 70,306 114,130 332,285 0 516,721 5,294 522,015      
1993年(平成5年) 62,732 113,840 312,863 0 489,435 4,332 493,767      
1994年(平成6年) 56,815 111,672 311,261 0 479,748 4,839 484,587      
1995年(平成7年) 57,508 112,144 299,179 0 468,831 4,804 473,635      
1996年(平成8年) 56,498 109,030 308,227 0 473,755 7,126 480,881      
1997年(平成9年) 53,839 101,994 295,216 0 451,049 5,126 456,175      
1998年(平成10年) 52,970 102,614 266,676 0 422,260 4,864 427,124      
1999年(平成11年) 48,158 102,745 258,093 0 408,996 5,798 414,794      
2000年(平成12年) 44,579 102,305 254,303 0 401,187 6,638 407,825      
2001年(平成13年) 40,648 96,443 246,391 0 383,482 3,641 387,123      
2002年(平成14年) 37,036 92,851 242,441 0 372,328 3,214 375,542      
2003年(平成15年) 36,779 96,899 243,306 0 376,984 2,403 379,387      
2004年(平成16年) 33,809 89,279 225,694 0 348,781 2,231 351,012      
2005年(平成17年) 33,645 90,832 210,645 0 335,122 2,370 337,492      
2006年(平成18年) 32,253 88,904 201,884 0 323,041 3,534 326,575 319,445 7,130 97.8
2007年(平成19年)                    
2008年(平成20年)                    
2009年(平成21年) 37,640 93,172 199,565 0 330,377 4,997 335,374      
2010年(平成22年)                    
2011年(平成23年)                    
2012年(平成24年) 47,649 101,729 216,374 0 365,751 9,425 375,176      
2013年(平成25年) 53,113 105,343 214,239 0 372,695 9,623 382,318      
2014年(平成26年) 52,327 100,879 207,544 0 360,750 8,498 369,248      
2015年(平成27年) 53,653 102,164 220,283 0 376,100 7,834 383,934      
2016年(平成28年) 55,542 102,503 223,083 0 381,128 7,788 386,916      
2017年(平成29年) 53,620 99,283 232,950 0 385,853 10,210 396,063      
2018年(平成30年) 53,764 104,255 225,209 0 383,228 7,628 390,856      
2019年(令和元年) 55,095 105,805 225,180 0 386,080 7,628 393,708 372,346 24,630 93.8

鉄道統計年報(国土交通省鉄道局監修)より抜粋

施設[編集]

電路設備[編集]

架線シンプルカテナリー方式を用いている。架線柱はコンクリート柱化工事が進行中だが一部に木柱が残る。一部には架線支持具としてJR等にあるような可動ブラケットが採用されている。

保安設備[編集]

自動列車停止装置(ATS)、列車集中制御装置(CTC)(京三製作所製RCH6型)が導入されている。交換駅等には連動装置が設置されている。

閉塞信号機には2位式(緑・赤)が採用されている。

踏切[編集]

駅構内踏切を含め、54箇所の踏切がある。信濃荒井駅新村駅の構内踏切には警報機があるが遮断桿はない。

上高地線の踏切警報機には2016年まで機械的に音を発生させる電鐘式のものが存在したが、同年11月、唯一残っていた北新・松本大学前駅付近(北新踏切)の電鐘踏切が電子音式に更新され、上高地線の電鐘踏切は姿を消した。なお、警報音はJRにあるような電子音と同じである。

歴史[編集]

上高地線の歴史は、1920年(大正9年)に設立された筑摩鉄道に始まる。同社は河西地区(奈良井川以西の地域)の輸送の近代化と、日本アルプス上高地の観光開発を目的に設立された。なお、発起人であり初代社長を務めた上條信は筑摩鉄道以前にも松本から安曇へ至る鉄道敷設を出願していたがいずれも却下されている。

筑摩鉄道設立以前[編集]

  • 1915年(大正4年) 新村出身の政治家・実業家 上條信らが中心となり松本から稲核(いねこき)に至る安筑軽便鉄道の敷設免許を出願するも却下される[7]
  • 1918年(大正7年) 安曇鉄道として再び松本 - 稲核間の鉄道敷設免許を出願するも却下される[8]
  • 1919年(大正8年) 筑摩鉄道として三度目となる鉄道敷設免許を出願。同12月5日に松本 - 龍島間19kmの免許を受ける。

筑摩鉄道設立後[編集]

  • 1920年(大正9年)3月25日 松本市外新村の専称寺にて筑摩鉄道設立総会が開かれる(登記上の会社設立日は同5月29日)。本社は新村に置かれ、初代社長には発起人である上條信が就任した。
  • 1921年(大正10年)
    • 1月 松本 - 森口を第一期線、森口 - 龍島を第二期線として着工。
    • 10月2日 島々線 松本 - 新村間6.2kmが開業[9]
  • 1922年(大正11年)
    • 5月3日 新村 - 波多(現在の波田)間4.9kmが開業[10]。西松本(現在の渚)駅開業[11][12][13]
    • 9月26日 波多 - 島々間4.6kmが開業[14]
    • 10月31日 商号を筑摩電気鉄道に改める。
  • 1924年(大正13年)
  • 1927年(昭和2年)5月1日 西松本駅開業。これまでの西松本駅を渚駅に改称[11]
  • 1929年(昭和4年)12月16日 島々 - 龍島間の免許失効[16]

松本電気鉄道時代[編集]

アルピコ交通発足後[編集]

  • 2011年(平成23年)4月1日 商号をアルピコ交通に改称[20]
  • 2017年(平成29年)3月上旬 駅ナンバリング制度を導入[21]
  • 2021年令和3年)
    令和3年8月の大雨により被災した田川橋梁(2021年9月)
    • 8月14日 令和3年8月の大雨の影響により河川が増水し、西松本 - 渚間にある田川橋梁の橋脚が傾くなど被災したため、同日夕刻より翌15日まで運休。その後、同月16日より松本 - 新村間については復旧の目処が立たず、バス代行輸送を開始(新村 - 新島々間は列車を運行)[22][23]
    • 10月8日 渚 - 新村間で列車運行再開[24]。代行バス運転区間を松本 - 渚間に短縮。なお、渚駅周辺にはバスの折返し設備がないため、近隣の企業の敷地を借用の上折返し場として使用[25]
  • 2022年(令和4年)6月10日 松本 - 渚間で運転再開し、全線復旧。バス代行輸送は6月9日付で終了[26]

駅一覧[編集]

営業中の区間[編集]

駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 線路
AK-01 松本駅 - 0.0 東日本旅客鉄道篠ノ井線大糸線
AK-02 西松本駅 0.4 0.4  
AK-03 渚駅 0.7 1.1  
AK-04 信濃荒井駅 0.8 1.9  
AK-05 大庭駅 0.7 2.6  
AK-06 下新駅 1.8 4.4  
AK-07 北新・松本大学前駅 1.0 5.4  
AK-08 新村駅 0.8 6.2  
AK-09 三溝駅 1.4 7.6  
AK-10 森口駅 1.0 8.6  
AK-11 下島駅 0.9 9.5  
AK-12 波田駅 1.6 11.1  
AK-13 渕東駅 1.6 12.7  
AK-14 新島々駅 1.7 14.4  
  • 有人駅(駅員配置駅):松本駅、新村駅(毎日7:20 - 15:05営業)、波田駅、新島々駅[27]
  • 委託駅(すべて平日のみ営業):下新駅(7:20 - 9:50営業)、北新・松本大学前駅(7:20 - 20:00営業)、森口駅(7:20 - 16:20営業)[27]
  • 無人駅(終日):西松本駅、渚駅、信濃荒井駅、大庭駅、三溝駅、下島駅、渕東駅

過去の接続路線[編集]

廃止区間[編集]

この区間は、全駅とも廃止当時長野県東筑摩郡波田町に所在。営業キロは松本駅からのもの。

駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線
新島々駅 - 14.4 上記参照
島々駅 1.3 15.7  

廃止区間の現況[編集]

新島々駅から数百メートルは留置線として残され、時々車両点検などで車両が留置されている。終端は車止めが設置されているが、その先もレールが数メートル突き出して途切れている。 そこからは畦道となっており、進むと次第に近づいてくる国道158号と並行する。その途中に橋梁があったが道路工事により撤去された。

終点の島々駅跡は国道バイパスに転用され石垣を除き跡形もない。

運賃[編集]

大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ) - 2019年10月1日改定[28][29]SuicaPASMOなどのICカード乗車券による運賃精算は一切不可。

距離 (km) 運賃(円)
- 3.0 180
3.1 - 4.0 200
4.1 - 5.0 250
5.1 - 6.0 310
6.1 - 7.0 360
7.1 - 8.0 410
8.1 - 9.0 460
9.1 - 10.0 500
10.1 - 11.0 550
11.1 - 12.0 590
12.1 - 13.0 630
13.1 - 14.0 670
14.1 - 14.4 710

イメージキャラクター[編集]

  • 渕東なぎさ(えんどう なぎさ) - 当線新村駅勤務、身長152cmの19歳との設定。2013年3月20日よりイラストがラッピングされた「なぎさTRAIN」が運行されている。また、新田恵海によるキャラクターボイスCDやその他グッズも発売された[30]。また、SHIROBAKOアニメの第24話でもラッピング列車の登場シーンがあり、EDスタッフロールでも「アルピコ交通」名義で取材協力のクレジットされている。

上高地線が登場する作品[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 寺田裕一『日本のローカル私鉄 (2000)』 - ネコ・パブリッシング
  2. ^ JR東日本:駅構内図(松本駅) 東日本旅客鉄道株式会社 - 1F構内図に「松本電鉄上高地線」とある。
  3. ^ 【上高地線電車】 大学入試センター試験に伴う臨時列車運行について
  4. ^ 【大学入試センター試験】長野・松本・諏訪試験場 電車・バスの運行についてお知らせ
  5. ^ 【アルピコ交通】上高地線電車「松本ぼんぼん」開催に伴う臨時列車の運行について(2022/8/6) - アルピコ交通、2022年7月20日、同日閲覧。
  6. ^ 管内鉄軌道事業者輸送実績
  7. ^ 『歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄22 長野電鉄/上田電鉄/しなの鉄道/アルピコ交通』朝日新聞出版、2011年8月、28ページ
  8. ^ 『歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄22』28ページ
  9. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1921年10月6日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1922年5月6日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  11. ^ a b c d 今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図 6号 北信越』新潮社、2008年、p.39
  12. ^ 大正11年 長野県統計書 第1編』(国立国会図書館デジタルコレクションより)を見ると、西松本が現在の渚駅の位置である松本から56チェーン(≒1.1km)の位置にあり、また波多-島々間に途中駅がない。
  13. ^ 「地方鉄道停留所設置」『官報』1922年5月9日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  14. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1922年9月29日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  15. ^ 「地方鉄道駅設置」『官報』1924年2月28日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  16. ^ 「鉄道起業廃止許可」『官報』1929年12月19日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  17. ^ 松本電気鉄道株式会社社史編集委員会『曙光-80年の歩み』松本電気鉄道株式会社、2000年3月、183ページ
  18. ^ @alpicogroup100 (2022年1月12日). "解答📢 上高地線を走ったことがない車両は?". X(旧Twitter)より2022年2月21日閲覧
  19. ^ “13年ぶり車両一新”. 日経産業新聞 (東京都: 日本経済新聞社): p. 19. (1999年10月25日) 
  20. ^ 松電、川中島バス、諏訪バスを合併 4月「アルピコ交通」に - 信毎web (2011年2月21日). 2021年4月2日閲覧。
  21. ^ アルピコ交通イメージキャラクター渕東なぎさtwitter 2017年1月26日 2017年12月9日閲覧
  22. ^ 復旧めど立たず代行輸送開始 松本の上高地線 - 信濃毎日新聞 2021年8月17日
  23. ^ 【鉄道】鉄道上高地線 代行バスの運行について”. アルピコ交通株式会社 (2021年8月18日). 2021年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月23日閲覧。
  24. ^ 上高地線代行バス 渚―松本駅に短縮 「時間正確に」歓迎の声”. 市民タイムスWEB. 市民タイムス (2021年10月9日). 2021年12月27日閲覧。 “上高地線について、8日から渚駅―新村駅間で電車の運行を再開し、代行輸送バスの区間を渚駅―松本駅間に短縮した。”
  25. ^ 【鉄道】鉄道上高地線 代行バスの運行について(10/1更新)”. アルピコ交通. 2021年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月23日閲覧。
  26. ^ 【鉄道】上高地線 全線運行再開のお知らせ”. アルピコ交通 (2022年6月10日). 2022年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月14日閲覧。
  27. ^ a b 営業時間は、松本電気鉄道発行 2009年12月16日改正時刻表による。
  28. ^ 【路線バス・鉄道】消費税率引上げに伴う上限運賃改定について - アルピコ交通、2019年9月5日(2019年10月23日閲覧)
  29. ^ 消費税率引き上げに伴う鉄道旅客運賃改定について (PDF) - アルピコ交通、2019年9月5日(2019年10月23日閲覧)
  30. ^ 上高地線「渕東なぎさ」に声 長野出身の声優新田さん起用 - 信濃毎日新聞「信毎おでかけガイド」、2013年10月4日

参考文献[編集]

  • 松本電鉄年史編纂委員会『50年のあゆみ』松本電気鉄道株式会社、1970年4月(1991年3月増刷)
  • 松本電気鉄道株式会社社史編集委員会『曙光-80年の歩み』松本電気鉄道株式会社、2000年3月25日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]