コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック

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コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック
Contemporary Christian music
様式的起源 キリスト教音楽教会音楽ゴスペルジーザス・ミュージック、アメリカン・ポピュラー・ミュージック
文化的起源 1960年代後半
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
サブジャンル
クリスチャン・カントリー・ミュージック、CEDM、クリスチャン・ヒップホップクリスチャン・ロックコンテンポラリー・ワーシップ・ミュージックアーバン・コンテンポラリー・ゴスペル
関連項目
クリスチャン・メディア
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コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックContemporary Christian music、「現代的キリスト教音楽」の意味、CCMとも言われる)は、キリスト教の布教を目的とし、歌詞に重点を置いた音楽ジャンルである。この音楽用語は、白人ポップ、ロック、AOR、AC、キリスト教音楽などに使用される。

なお、ボブ・ディランU2などはコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックには分類されない。

前史[編集]

コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック以前にもクリスチャン・ミュージックは、もちろん存在した。南部で活動したクリスチャン・ミュージックの白人音楽家としては、ブルー・リッジ・カルテット[1]、The Swanee River Boys、The Blackwood Brothers、Brian Free and Assurance、The Cathedral Quartet、Christian Troubadours、Ernie Haase & Signature Sound、The Florida Boys、The Gaither Vocal Band、Gold City、The Inspirations、Jake Hess、The Imperials[2]などがいた。また、カントリー・ミュージシャンがホワイト・ゴスペル、マウンテン・ゴスペルを録音するケースも多く、オークリッジ・ボーイズ、ウェブ・ピアース、グランパ・ジョーンズらのカントリー歌手がクリスチャン・ミュージックの曲を吹き込んでいる。

概要[編集]

歌詞的にキリスト教であるすべてのポピュラー音楽が、コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックに分類されるわけではない。CCMのミュージシャンは、布教活動のための曲のみを歌い、世俗の歌は歌わないのが普通である。

世界のCCM歌手・グループには、オーシャン[3]、シスター・ジャネット・ミード[注 1]ストライパーエイミー・グラントマイケル・W・スミスDCトークアヴァロン (アメリカ合衆国のグループ)英語版バーローガール英語版ジェレミー・キャンプキャスティング・クラウンズ英語版スティーヴン・カーティス・チャップマン英語版デヴィッド・クラウダー・バンド英語版ナタリー・グラント英語版マーシーミー英語版ニュースボーイズ英語版クリス・トムリンレベッカ・セント・ジェームスサード・デイ (バンド)英語版AD(バンド)英語版、その他多くのアーティストがいる。また、ビルボードのチャート・カテゴリーに「トップ・クリスチャン・アルバムズ」と「ホット・クリスチャン・ソングス」も存在する。

歴史[編集]

コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックは、1960年代から1970年代初期の「ジーザス運動リバイバル」や、保守・右派の「福音派」の宗教復興運動の時代に、ポピュラー・ミュージックの感覚で始まった。初期のポピュラーな「ジーザス・ミュージック」アルバムは、ラリー・ノーマンにより、キャピトル・レコードからリリースされた「この岩の上に(Upon This Rock)」である。伝統的宗教歌とは異なるこの新しいジーザス・ミュージックは、ロックンロールとフォークロックから生まれた。この運動の先駆者にアンドレ・クロウチ[4]がいたという意見もあるが、アンドレ・クロウチは黒人ゴスペルの音楽家なので、この意見には否定的な見解が多い。当初は小さかったジーザス・ミュージックは、1980年代までに「何百万ドルもの巨大産業に成長」した。1990年代には、エイミー・グラントDCトーク、マイケル・W・スミス、ジャーズ・オブ・クレイなどのCCMのアーティストが、主流のトップ40のラジオ局で流れた。現在、クリスチャン・ミュージックは、AOR、カントリー、ロック、ヘヴィメタル、ヒップホップ、パンクなどに拡大している。

論争[編集]

コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックは1960年代より、様々な形で論争の種になってきた。キリスト教大学のボブ・ジョーンズ大学は、寮生にCCMを聴くことを禁じた。他にもクリスチャン・ロック音楽が、布教目的のクリスチャン音楽と異なるという見解もある。保守的なキリスト教に反し、無神論的であると考えられるロック音楽は、戦後、フリーセックス、反抗、麻薬、アルコールの使用と結び付けられて来た[5]

世界の主なCCM歌手・グループ[編集]

  • オーシャン(カナダ) - 「サインはピース」
  • シスター・ジャネット・ミード - 「ローズ・プレイヤー」
  • エイミー・グラント[6]
  • ストライパー(アメリカ)
  • アウト・オブ・ダークネス(イギリス)、プログレCCM
  • 11.59(イギリス)、プログレCCM
  • ザ・クロスビーツ(イギリス)
  • キャドモン(イギリス)、フォーク
  • レーナ・マリア(スウェーデン)

CCM以外の楽曲[編集]

  • ウェブ・ピアース - 「アイ・ラブ・ヒム・ディアリー」
  • ドゥービー・ブラザーズ - 「ジーザス・イズ・ジャスト・オールライト」
  • クリス・クリストファーソン - 「ホワイ・ミー」

日本のCCM[編集]

ロックシンガーの小坂忠滝元順らのグロリアシンガーズと出合ったことにより、ミクタムレコードを設立して、日本のCCMのジャンルを発展させた。

さらに古くは、織田恭博&ザ・メッセンジャーズがいた。彼らは賛美歌や聖歌中心であった日本の教会音楽に、フォークやソフトロックを持ち込んだ。また、米国マラナサ:Maranathaレコードとの契約で輸入ゴスペルレコード・レーベルも設立し、アメリカのクリスチャン・ミュージックを日本に紹介した。

日本の主なCCM歌手[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 74年に「ザ・ローズ・プレイヤー」が全米ポップチャートで大ヒットした。

出典[編集]

  1. ^ Archived copy”. 2019年12月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月21日閲覧。
  2. ^ Cusic, Don (1979-07-28). “Southern Gospel Grows from Rural Roots”. Billboard 91 (30). ISSN 0006-2510. https://books.google.com/books?id=nCQEAAAAMBAJ&pg=PT51 2019年12月7日閲覧。. 
  3. ^ オーシャン ビルボード・チャート2021年2月8日閲覧
  4. ^ http://www.allmusic.com/artist/andraé-crouch-mn0000031263
  5. ^ http://www.newlinetheatre.com/sexchapter.html
  6. ^ http://www.discogs.com/artist/168359-Amy-Grant

外部リンク[編集]