サフォーク
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サフォーク | |
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地理 | |
様態 | 典礼および非都市カウンティ |
リージョン | イングランド東部 |
面積 総面積 行政区画 | 8 位 3,801 km2 (1,468 sq mi) 7 位 |
カウンシル所在地 | イプスウィッチ |
ISO 3166-2 | GB-SFK |
ONSコード | 42 |
NUTS 3 | UKH14 |
人口統計 | |
人口 総人口 (2018年中期推計値) 人口密度 行政区分 | 32位 758,556 200/km2 (520/sq mi) 13位 |
民族構成 | 97.2% 白色人種 |
政治 | |
![]() サフォーク州議会 www.suffolk.gov.uk/ | |
国会議員 |
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ディストリクト | |
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サフォーク(英: Suffolk, [ˈsʌfək])は、イギリスのイースト・オブ・イングランド地方に位置する典礼カウンティ(行政州)。北はノーフォーク州、西はケンブリッジシャー州、南はエセックス州に接し、東は北海に面する。州都および最大の町はイプスウィッチ。1889年から1974年まで、イースト・サフォークとウェスト・サフォークに分割されていた。
面積は3,798平方キロメートル、人口は75万人あまり。主要な町としてイプスウィッチやロウストフト、ベリー・セント・エドマンズが挙げられるほか、競馬の町であるニューマーケット、欧州最大級のコンテナ港があるフィーリックストウなども知られる[1] 。州は5つの行政区(ディストリクト)からなる。
サフォークの海岸線はロンドン粘土層とチョークの岩山からなり、浸食の影響を受けやすい。主な河川にはブリス川、デベン川、オーウェル川、ストア川、オールド川(オア川)がある。このうち全長25.5キロメートルのオールド川は、大規模な砂嘴であるオーフォード・ネスによって北海と隔てられている。海岸の後背地には、主にヒースが広がる。州北東部はザ・ブローズと呼ばれる地方の一部で、河川や湖沼が縦横に広がる。内陸の地形はおおよそ平坦で、ノーフォークとの境界にはテトフォードの森が、エセックスとの境界にはデダム・ヴェールがある。
中世初期の著名な遺跡サットン・フーが所在する。
歴史
[編集]サフォークを含むイーストアングリアでは全体的に、先住民族であるイケニ族が古代ローマに同化して消滅していったのち、アングロサクソン族が大規模に到来して村落を開拓した[2][3]。アングロサクソン族は、5世紀までにこの地方全体を支配するまでになったが、のちに北の人々 (north folk) と南の人々 (south folk) に分化し、これがノーフォークとサフォークの由来となった[4]。
サフォークは四季裁判所では、ベクルズ、ベリー・セント・エドマンズ、イプスウィッチ、ウッドブリッジの4管区に分かれていた[5]。1860年、管区の数は2に削減され、ベクルズ、イプスウィッチ、ウッドブリッジはイプスウィッチに置かれた東サフォーク管区の管轄となり、旧ベリー・セント・エドマンズ管区は西サフォーク管区となった[6]。1888年地方自治法により、2つの管区はそれぞれイースト・サフォーク、ウェスト・サフォークという別々の行政カウンティとなった[7]。
1972年地方自治法が1974年4月1日に施行されると、従来のイースト・サフォーク、ウェスト・サフォーク、イプスウィッチは統合され、新たなサフォーク・カウンティとなった。このカウンティの下にはベイバー、フォレスト・ヒース、イプスウィッチ、ミッド・サフォーク、セント・エドマンズベリー、サフォーク・コースタル、ウェイブニーの各ディストリクトが置かれた。また、同法にもとづき、グレート・ヤーマス近くの若干の土地がノーフォークに移管された。国会における審議の段階では、ニューマーケットおよびヘイバーヒルをケンブリッジシャーに移管する一方、エセックスからコルチェスターを編入するといった案も出たが、結局実現しなかった[8]。
主な都市
[編集]- タウン(町)
- ヴィレッジ(村)
文化
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1948年にベンジャミン・ブリテンによって創始されたオールドバラ音楽祭は、イギリス最大規模のクラシック音楽の祭典である。もともとはオールドバラで開催されていたが、1967年以降は近くのスネイプ・モルティングスを会場としている[9]。また、2006年からはヘンナム公園で毎年ラティテュード・フェスティバルが開催されている。これはポピュラー音楽、喜劇、詩、文学などの野外型フェスティバルで、規模・ジャンルともかなりの拡大を遂げている。8月にグレナム・ホールで開催されるフォークイースト・フェスティバルには、国内外からアコースティックやフォーク、ルーツ・ミュージックのミュージシャンが集まる[10]。近年はサドベリーで、リーストック音楽祭が開催された[11]。
州旗
[編集]2つの非公式の州旗が存在する。ひとつは中世のイースト・アングリア王国のエドマンド殉教王を象徴する州章をかたどったもので、金色の王冠を2本の金色の矢が貫いている。いまひとつは、これにイングランドの旗もしくは聖ゲオルギウス十字を重ねたものである[12]。
スポーツ
[編集]サッカー
[編集]1878年創設のイプスウィッチ・タウンFCが州内唯一のプロサッカークラブである。これまでに1部リーグ優勝(1961 - 62年)、FAカップ優勝(1977 - 78年)、UEFAカップ(のちのUEFAヨーロッパリーグ)優勝(1980 - 81年)を一度ずつ経験している[13]。2024 - 25年シーズンは、イングランド1部リーグのプレミアリーグに所属している。クラブの紋章には州内原産の馬で、絶滅が危惧されているサフォーク・パンチがあしらわれている。イプスウィッチ・タウンFCの次に有力なクラブは、イングランド6部リーグに所属するニーダム・マーケットFCである。
競馬
[編集]ニューマーケットは競馬の街で、ナショナル・スタッド[14]やニューマーケット競馬場などの多くの施設がある。イギリス初の競走馬の競り場であるタタソール競売場や、国立競馬博物館も町内にある[15][16]。ハイガムやアンプトンでは、クロスカントリー競馬が開催される[17]。
スピードウェイ
[編集]イプスウィッチ郊外にフォクソール・スタジアムが建設された1950年代から、州内ではスピードウェイが盛んになった。同スタジアムを本拠地とするイプスウィッチ・ウィッチーズは、イギリス1部リーグのプレミアリーグに所属している[18]。そのほか、ナショナルリーグ所属のミルデンホール・フェン・タイガーズもサフォークのチームである[19]。
クリケット
[編集]サフォーク・カウンティ・クリケット・クラブはマイナー・カウンティーズ・チャンピオンシップの東部地区に所属している[20]。これまでに同チャンピオンシップで優勝3回、優勝タイ1回を経験している[21]。ホームゲームはベリー・セント・エドマンズやコップドック、エクスニング、フラムリンガム、イプスウィッチやミルデンホールで行われる[22]。
サフォークが登場する作品
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チャールズ・ディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』、フレデリック・フォーサイスの『第四の核』、P・D・ジェイムズの『不自然な死体』、ドディー・スミスの『ダルメシアン 100と1ぴきの犬の物語』、W・G・ゼーバルトの『土星の環』などの文学作品にはサフォークが登場する[23]。アーサー・ランサムの一連の児童文学作品のうち、『海へ出るつもりじゃなかった』『オオバンクラブ物語』『ひみつの海』も州内を舞台としている。ロアルド・ダールの『ミルデンホールの宝物』は、州内のミルデンホールが舞台である[24]。
古物商を主人公としたイギリスのコメディドラマ Lovejoy は、州内各地で撮影が行われた[25]。リアリティ番組 Space Cadets はレンドルシャムの森で撮影されたが、プロデューサーは出演者に、自分はロシアにいると思い込むよう指示した[26]。このほか、BBC4の Detectorists 、ITVの Kavanagh QC 、映画『アイリス』や『数に溺れて』などの撮影も州内で行われた。サフォークでの映画撮影による経済効果は、2017 - 18年度だけで380万ポンドに上った[27]。
エド・シーランは Castle on the Hill で地元のフラムリンガムやフラムリンガム城のことを歌っており、自らこの曲を「サフォークへのラブレター」と形容している[28][29]。
ジョージ・オーウェルが1935年に発表した小説『牧師の娘』はサウスウォルド(作中ではクナイプ・ヒル)を舞台としており、登場人物のドロシー・ヘアは、1930年代初頭に実在した女性教師ブレンダ・ソルケルドをモデルとしている[30]。
同名地名
[編集]イングランドのサフォーク州に由来する地名がアメリカ合衆国にいくつか所在する。
脚注
[編集]- ^ “Top 50 Container Ports in Europe”. World Shipping Council. 2013年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年7月17日閲覧。
- ^ Dark, Ken R.. “Large-scale population movements into and from Britain south of Hadrian's Wall in the fourth to sixth centuries AD”. 2021年6月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月18日閲覧。
- ^ Toby F. Martin, The Cruciform Brooch and Anglo-Saxon England, Boydell and Brewer Press (2015), pp. 174–178
- ^ “English Place Names”. englishplaceneames.co.uk. James Rye. 2009年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月20日閲覧。
- ^ Reports of cases argued and determined in the Queen's Bench Practice Court. Bail Court Great Britain. (1848). p. 628
- ^ “Suffolk March Sessions”. Ipswich Journal. (1860年3月17日). p. 6 2024年1月2日閲覧。
- ^ “Local Government Act, 1888”. Government of the United Kingdom. 2015年12月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月21日閲覧。
- ^ “Local Government Act 1972”. Government of the United Kingdom. 2015年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月21日閲覧。
- ^ “Aldeburgh Festival History”. aldeburgh.co.uk. Aldeburgh Music. 2015年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月21日閲覧。
- ^ “Festivals guide 2014 listings: folk and world music”. The Guardian. (2014年5月31日). オリジナルの2016年9月21日時点におけるアーカイブ。 2016年12月16日閲覧。
- ^ “LeeStock Music Festival”. leestock.org. Leestock Musical Festival Ltd.. 2015年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月21日閲覧。
- ^ Diver, Tony (2023年6月17日). “Suffolk residents clash over county flag” (英語). The Daily Telegraph. ISSN 0307-1235 2024年8月18日閲覧。
- ^ “Club honours”. Ipswich Town F.C.. 2005年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年4月14日閲覧。
- ^ “Suffolk Tourism”. suffolktouristguide.com. 2009年1月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月2日閲覧。
- ^ “Tattersalls”. tattersalls.com. Tattersalls Ltd.. 2015年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月21日閲覧。
- ^ “National Horseracing Museum”. National Horseracing Museum. 2015年10月21日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Courses”. pointingea.com. 2008年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年4月14日閲覧。
- ^ “Ipswich Speedway Official Website”. ipswichwitches.co. Ipswich Speedway. 2016年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月21日閲覧。
- ^ “Mildenhall Fen Tigers”. mildenhallfentigers.co. Mildenhall Speedway. 2016年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月21日閲覧。
- ^ “Minor Counties Cricket Association”. ESPNcricinfo. 2008年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年8月27日閲覧。
- ^ “Minor Counties Roll of Honour”. ecb.co.uk. 2011年9月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年8月27日閲覧。
- ^ “Minor County Grounds”. ESPNcricinfo. 2008年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年8月27日閲覧。
- ^ “The Rings of Saturn”. The New York Times. 2015年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月8日閲覧。
- ^ “Roald Dahl and the Mildenhall Treasure”. British Museum. 2012年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月21日閲覧。
- ^ “Memories of Lovejoy, the man who put East Anglia on the map”. Sudbury Mercury (2015年2月). 2024年3月24日閲覧。
- ^ “Space Cadets”. ukgameshows.com. UK Game Shows. 2015年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月21日閲覧。
- ^ “David Copperfield film shoot in Bury St Edmunds generated £82,500 for town's economy”. Bury Free Press (2019年3月1日). 2019年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月18日閲覧。
- ^ “Castle on the Hill: Ed Sheeran's love letter to Suffolk, Ed Sheeran co-host..., Scott Mills – BBC Radio 1”. BBC (2017年1月6日). 2017年1月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月23日閲覧。
- ^ “Ed Sheeran”. Contactmusic.com. 2017年1月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月24日閲覧。
- ^ “George Orwell's Southwold home gets fresh plaque”. BBC News. (2018年5月21日). オリジナルの2021年4月19日時点におけるアーカイブ。 2021年1月26日閲覧。
関連項目
[編集]- レンデルシャムフォレスト事件 - 1980年12月26日に、サフォーク州内にあるウッドブリッジ駐留アメリカ空軍基地近くの森「レンデルシャムフォレスト」の中で起きたとされるUFO着陸事件。いわゆる「レンデルシャムの森事件」。
- サフォーク種 - 地名にちなんだヒツジの種類。
- シーランド公国 - 同州から10km先の沖合いに浮かぶ海上要塞を元英国陸軍少佐のパディ・ロイ・ベーツが不法占拠し、国家と定めたことにより問題視されている。「ミクロネーション」を自称している。