ジュリアス・シーザー (シェイクスピア)

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1623年に発刊された『ジュリアス・シーザー』

ジュリアス・シーザー』(英語: The Tragedy of Julius Caesar)は、ウィリアム・シェイクスピアによって書かれた政治劇・悲劇である。製作年は1599年と考えられている。ローマ独裁官ガイウス・ユリウス・カエサルに対する陰謀・暗殺英語版とその死の余波が描かれている。ローマ史に基づいてシェイクスピアが書いた「ローマ劇」(『コリオレイナス』『アントニーとクレオパトラ』など)の一つである。

この劇においてシーザーは中心的人物ではない。3場面に登場するに過ぎず、第3幕の始めに死んでしまう。この劇の主人公マーカス・ブルータスであり、彼の名誉欲愛国心友情の間の葛藤が描かれている。

多くのシェイクスピア評論家と歴史家が、この劇が王権の継承についての当時のエリザベス朝イングランドの一般的な心配を反映していると考えている。すなわち、この作品が創作・上演された時期、イングランド女王エリザベス1世は、高齢でありながら、後継者を指名するのを拒否していた。そのため、彼女の死後、ローマと同様の内戦が起きるかもしれないという不安が持たれていた。

上演史[編集]

トマス・プラッターという植物学者で医師でもあるスイス人が、1599年9月31日にロンドンのバンクサイド劇場で悲劇ジュリアス・シーザーを見たと旅行記に書いている。この旅行記は彼が1595年から1600年にかけて、フランス、スペイン、イギリス、オランダを旅行した際のものである。この舞台がシェイクスピアの作品である可能性が非常に高いと思われる。

登場人物[編集]

日本語訳の脚本・上演は伝統的に英語読み表記を採用しているので、以下の劇中人物名は英語読み表記で示し、対応する歴史上の人物名を括弧内に示す。

映像化[編集]

日本語訳[編集]

児童向け[編集]

  • 『シェイクスピアジュニア文学館4 物語ジュリアス・シーザー』
小田島雄志文、里中満智子画、汐文社 2001年、新版 2016年

関連項目[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 日本放送協会 1981, p. 27.
  2. ^ 日本放送協会 1981, p. 24.
  3. ^ 日本放送協会 編「巻末」『十二夜』日本放送出版協会、1981年11月。 

参考文献[編集]

  • 西部邁佐高信「シェイクスピア『ジュリアス・シーザー』」『西部邁と佐高信の快著快読』光文社、2012年10月20日、153-189頁。ISBN 978-4-334-97716-0 
  • 日本放送協会 編『ジュリアス・シーザー』日本放送出版協会、1981年4月。 

外部リンク[編集]