ゼブロイド

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ゼブロイドzebroid)は、シマウマと他のウマ科動物との交雑種zebra mulezebruleなどとも呼ぶ。一般的にシマウマが父方の系統となる。ロバの雄とシマウマの雌の間に生まれた個体のことをzebra hinnyと呼ぶことがあるが、生まれるのは稀である。

ゼブロイドは19世紀に繁殖され、チャールズ・ダーウィンの著作中にもシマウマ雑種についての記述がある。

ゼブロイドの種類[編集]

ゼブロイドはシマウマと他のウマ科動物との交雑種の総称であり、交配相手の違いにより別個の名称で呼ばれる。これらの呼称は確定されたものではない。なおシマウマの種の違いについては考慮されない。

  • 雄シマウマ+雌ウマゾースzebra mulezebrule、黄金シマウマ
  • 雄シマウマ+雌ポニーzony
  • 雄シマウマ+雌シェトランドポニー:zetland
  • 雄シマウマ+雌ロバzedonkzeedonkzonkeyzenkeyzebronkeyzebadonk、ジンキー
  • 雄シマウマ+その他のウマ科の雌:zebrass
  • 雌シマウマ+雄ロバ:zebra hinnyzebrinny

特徴[編集]

ゼブロイドの体型はシマウマではない側の親の体型に似るものの、シマウマのような縞模様を有する。ただしその縞模様は体躯全体を覆うのではなく、脚に限定して現出するか[1]、脚から体や首にかけて現出するなど一定でない。シマウマと交配するウマに芦毛・アパルーサ・ペイントなどの模様があれば、生まれるゼブロイドに遺伝するものの、白くない部分にのみシマウマ特有の縞模様が現出する。また鹿毛栗毛のウマとシマウマを掛け合わせると、鹿毛+黒縞模様や栗毛+黒縞模様となり、表面上はクアッガに似た模様となる。

雄シマウマと雌ロバのゼブロイドは一般的に、脚のほか、たてがみと腹部に縞模様がみられる。

ゼブロイドはシマウマよりも乗馬などの実用に適しているものの、通常の純血種のウマよりも神経質であり、扱いづらい性格だとされる。

ゼブロイドのいる主な動物園[編集]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ シマウマとロバが異種交配、ハイブリッドの子ども見つかる”. CNN (2020年4月14日). 2020年5月12日閲覧。