ティム・レインズ

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ティム・レインズ
Tim Raines
ニューアーク・ベアーズ監督当時
(2011年)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 フロリダ州セミノール郡
生年月日 (1959-09-16) 1959年9月16日(64歳)
身長
体重
5' 9" =約175.3 cm
202 lb =約91.6 kg
選手情報
投球・打席 右投両打
ポジション 左翼手
プロ入り 1977年 MLBドラフト5巡目
初出場 1979年9月11日
最終出場 2002年9月29日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
監督・コーチ歴
殿堂表彰者
選出年 2013年
殿堂表彰者
選出年 2017年
得票率 86.0%
選出方法 BBWAA選出

ティモシー・レインズ・シニアTimothy Raines Sr., 1959年9月16日 - )は、アメリカ合衆国フロリダ州セミノール郡出身の元プロ野球選手(外野手)。右投両打。ニックネームは「Rock」。通算808盗塁はMLB歴代5位。2017年にアメリカ野球殿堂入りを果たした。

人物・来歴[編集]

1977年のMLBドラフトモントリオール・エクスポズから5巡目(全体106位)で指名を受けて契約。1979年9月11日にメジャーデビュー。当初は二塁手としても起用されていた(1984年までの間に通算53試合で二塁を守る)が、俊足を生かして外野手に転向。

50日間に及ぶストライキでシーズンが中断された1981年には、88試合の出場で71盗塁を決めて初のナショナルリーグ盗塁王を獲得。以後1984年まで4年連続で盗塁王を獲得。ビンス・コールマンがデビューした1985年以後はタイトル再獲得はならなかったが、1986年まで6年連続で70盗塁を記録。1986年には打率.334で首位打者を獲得し、シルバースラッガー賞にも選ばれる。

その年のオフにFAとなったが、当時各球団のオーナーが共謀して高額FAとの契約を避けたため、獲得に名乗りを上げる球団はなく、旧所属球団との交渉期限を過ぎたため、それが再び認められる1987年5月1日にエクスポズと再契約。復帰初戦では延長10回表の決勝満塁本塁打を含む4安打4打点と活躍。この年出場したMLBオールスターゲームでは0-0で迎えた延長13回表に、熱戦に終止符を打つ決勝2点タイムリー三塁打を打ってMVPに選ばれた。

1991年ジェフ・カーターマリオ・ブリトーとともにシカゴ・ホワイトソックスに移籍。1993年頃から徐々に盗塁数が減り、1996年ニューヨーク・ヤンキースに移籍後は出場機会も減った。1996年と1998年にはワールドシリーズ優勝を経験。1999年にはオークランド・アスレチックスに移籍。

2000年は2月にヤンキースと契約したが翌月に解雇された。その後は独立リーグ・アトランティックリーグサマセット・ペイトリオッツに入団し7試合に出場した[1]。またシドニー五輪アメリカ代表の選考の際に名前が挙がり注目されたが、選出されなかった。

一度は引退は決意したが、当時ボルチモア・オリオールズ傘下に所属していた息子ティム・レインズ・ジュニア(英語版)とのプレーを目指し翌2001年にエクスポズでMLBに復帰。同年10月1日に息子がオリオールズでメジャーデビューし、ケン・グリフィー・シニアケン・グリフィー・ジュニア親子に次ぐ史上2組目の親子同時メジャーリーガーとなった。2日後の10月3日に父レインズがエクスポズからオリオールズに移籍し、シーズン終盤の数試合、親子同時出場が実現した[2]

2002年に故郷フロリダのフロリダ・マーリンズで1年間プレーして現役引退。

現役引退後、2003年はエクスポズ傘下アドバンスドA級のブリバードカウンティの監督に就任。2004年から2006年までホワイトソックスのコーチを務め、2005年には一塁ベースコーチとしてチームのワールドシリーズ優勝に貢献。2007年はナショナルズ傘下のAAA級ハリスバーグの打撃コーチを務めた。2009年から2011年まで、アメリカ独立リーグのアトランティックリーグに加盟するニューアーク・ベアーズの監督を務めた。

レインズのエクスポズ在籍時の背番号「30」。
モントリオール・エクスポズの永久欠番2004年指定。

2017年終了時点でエクスポズ→ナショナルズの出塁(2440)、得点(947)、単打(1163)、三塁打(82)、四球(793)、盗塁(635)の球団記録保持者。2004年にレインズのエクスポズ在籍時の背番号30』は永久欠番に指定されたが、翌2005年にエクスポズがワシントンD.C.に移転してワシントン・ナショナルズに球団名が変更されたため欠番はラスティ・スタウブ(「10」)、ゲーリー・カーター(「8」)、アンドレ・ドーソン(「10」)とともに失効となるが、現在は「旧モントリオール・エクスポズ永久欠番」として顕彰されている。

2013年カナダ野球殿堂入りを果たした。

2017年1月、資格最終年となる10年目でアメリカ野球殿堂入りを果たした。資格最終年での表彰はレッド・ラフィング(1967年)、ジョー・メドウィック(1968年)、ラルフ・カイナー(1975年)、ジム・ライス(2009年)に次ぐ史上5人目であった[3]。7月30日にクーパーズタウンで開催された式典では、一緒に表彰されたジェフ・バグウェルイバン・ロドリゲスと共にスピーチを行った[4]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
1979 MON 6 0 0 3 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- ---- ---- ----
1980 15 27 20 5 1 0 0 0 1 0 5 0 1 0 6 0 0 3 0 .050 .269 .050 .319
1981 88 363 313 61 95 13 7 5 137 37 71 11 0 3 45 5 2 31 7 .304 .391 .438 .829
1982 156 731 647 90 179 32 8 4 239 43 78 16 6 1 75 9 2 83 6 .277 .353 .369 .723
1983 156 720 615 133 183 32 8 11 264 71 90 14 2 4 97 9 2 70 12 .298 .393 .429 .822
1984 160 718 622 106 192 38 9 8 272 60 75 10 3 4 87 7 2 69 7 .309 .393 .437 .830
1985 150 665 575 115 184 30 13 11 273 41 70 9 3 3 81 13 3 60 9 .320 .405 .475 .880
1986 151 664 580 91 194 35 10 9 276 62 70 9 1 3 78 9 2 60 6 .334 .413 .476 .889
1987 139 627 530 123 175 34 8 18 279 68 50 5 0 3 90 26 4 52 9 .330 .429 .526 .955
1988 109 488 429 66 116 19 7 12 185 48 33 7 0 4 53 14 2 44 8 .270 .350 .431 .782
1989 145 618 517 76 148 29 6 9 216 60 41 9 0 5 93 18 3 48 8 .286 .395 .418 .813
1990 130 538 457 65 131 11 5 9 179 62 49 16 0 8 70 8 3 43 9 .287 .379 .392 .771
1991 CWS 155 709 609 102 163 20 6 5 210 50 51 15 9 3 83 9 5 68 7 .268 .359 .345 .703
1992 144 644 551 102 162 22 9 7 223 54 45 6 4 8 81 4 0 48 5 .294 .380 .405 .784
1993 115 486 415 75 127 16 4 16 199 54 21 7 2 2 64 4 3 35 7 .306 .401 .480 .880
1994 101 453 384 80 102 15 5 10 157 52 13 0 4 3 61 3 1 43 10 .266 .365 .409 .774
1995 133 581 502 81 143 25 4 12 212 67 13 2 3 3 70 3 3 52 8 .285 .374 .422 .796
1996 NYY 59 240 201 45 57 10 0 9 94 33 10 1 0 4 34 1 1 29 5 .284 .383 .468 .851
1997 74 318 271 56 87 20 2 4 123 38 8 5 0 6 41 0 0 34 4 .321 .403 .454 .856
1998 109 382 321 53 93 13 1 5 123 47 8 3 0 3 55 1 3 49 5 .290 .395 .383 .778
1999 OAK 58 164 135 20 29 5 0 4 46 17 4 1 1 2 26 1 0 17 5 .215 .337 .341 .678
2001 MON 47 97 78 13 24 8 1 0 34 4 1 0 0 1 18 0 0 6 2 .308 .433 .436 .869
BAL 4 12 11 1 3 0 0 1 6 5 0 0 0 1 0 0 0 3 0 .273 .250 .545 .795
'01計 51 109 89 14 27 8 1 1 40 9 1 0 0 2 18 0 0 9 2 .303 .413 .449 .862
2002 FLA 98 114 89 9 17 3 0 1 23 7 0 0 0 2 22 4 1 19 3 .191 .351 .258 .609
通算:23年 2502 10359 8872 1571 2605 430 113 170 3771 980 808 146 39 76 1330 148 42 966 142 .294 .385 .425 .810
  • 各年度の太字はリーグ最高

タイトル [編集]

表彰 [編集]

盗塁諸記録[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Former Somerset Patriots OF Tim Raines Makes Hall Of Fame”. Atlantic League Professional Baseball (2017年1月18日). 2020年1月10日閲覧。
  2. ^ Right Name, Wrong Genes: The Top 50 Less Talented Relatives of Superstars”. bleacherreport.com (2010年9月7日). 2012年3月25日閲覧。
  3. ^ Former Expo Tim Raines elected to Baseball Hall of Fame” (英語). カナダ放送協会 (2017年1月19日). 2018年5月20日閲覧。
  4. ^ 野球殿堂入り式典が開催、忍耐を象徴する面々が登壇”. フランス通信社 (2017年7月31日). 2018年5月20日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]