プレシジョニズム

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Aucassin and Nicolette, 1921
チャールズ・デムス

プレシジョニズム: Precisionism、精密派)とは、1920年代から1930年代にかけて、アメリカに存在した絵画の様式の名称。キュビスム[1]的リアリズム(Cubo-Realism、クボ・リアリズムまたはキューボ・リアリズム)やイマキュラティズム(Immaculatism、清浄派または純潔派)と呼ばれることもある。

歴史[編集]

精密派の画家には、アメリカ人のアイデンティティを受け入れる者、ヨーロッパからの影響を否定する者などがいた[2]。その作品の特徴は、人工的な風景(主として都市の風景や建築物(工場、倉庫、摩天楼など)、機械)を、キュビスムの影響を受けてやや抽象化しつつも(または、抽象化に適するような題材を選択して)、写実的な筆致で描写するもので、のちの、いわゆる「スーパーリアリズム」の作品へとも接続する。特に、チャールズ・シーラーは、写真作品も制作しており、自分の撮影した写真を手本に、絵画作品を制作することもしばしばあった。このことからもわかるように、プレシジョニズムは、グループf/64の一部に見られるようなタイプのストレートフォトグラフィ(自然風景を撮影したものではなく、人工的な風景を撮影した作品)との近接性を持っている

アメリカにおける近代的な「イズム」のうち、オリジナルなものとしては、早い時期に成立したものの1つであるといえる。なお、確たるグループの名称ではないこともあり、その始まりと終わりには諸説ある。始まりについては、1915年1918年といった1910年代とする考えがあり、終わりについても、1930年には終わっていたとする説がある一方で、1941年頃まで続いているとする考え方もある。 主な画家

関連する画家と作品例[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ピカソ、ブラックらが中心となった芸術ムーブメント
  2. ^ Metropolitan Museum of Art 2023年8月4日閲覧

関連項目[編集]