ボーア半径

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ボーア半径
Bohr radius
記号 a0, aB
5.29177210903(80)×10−11 m [1]
相対標準不確かさ 1.5×10−10
語源 ニールス・ボーア
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ボーア半径(ボーアはんけい、: Bohr radius)は、ボーアの原子模型における、水素原子第一軌道半径を表す物理定数である[2]原子電子のようなミクロなスケールを扱う量子論原子物理学量子化学などの分野において用いられる原子単位系において、ボーア半径は一貫性のある長さ単位として用いられる。 名称はデンマークの原子物理学者ニールス・ボーアに由来する。記号は一般に a0aB で表される。

ボーア半径をSI単位のメートルで表した値は

である(2018 CODATA推奨値[1])。ボーア半径は原子単位系における長さの単位であり、長さの原子単位で表した値は

である。

ボーア半径は、ボーアの原子模型で記述される水素原子において、基底状態にある電子の軌道半径で定義され

で表される。ここで、ħプランク定数ディラック定数)、c真空中の光速度Z0 は真空における特性インピーダンスe電気素量me電子質量である。

国際量体系(ISQ)においては、電気定数 ε0 により Z0 = 1/ε0c で表されるので

となり、ガウス単位系Z0 = 4π/c とする量体系に基づいているので

となる。

ボーア半径は長さの次元を持つ物理定数である電子のコンプトン波長 λe、および古典電子半径 re とは

で関係付けられる。ここで α微細構造定数である。 また、リュードベリ定数 R と微細構造定数 α により

で表される。リュードベリ定数と微細構造定数の値は精度よく測定されており、ボーア半径の値はこれら二つの定数の測定値から導かれる。

脚注[編集]

  1. ^ a b CODATA Value
  2. ^ 第2版,世界大百科事典内言及, 日本大百科全書(ニッポニカ),化学辞典 第2版,ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,精選版 日本国語大辞典,デジタル大辞泉,世界大百科事典. “ボーア半径とは”. コトバンク. 2022年1月31日閲覧。

関連項目[編集]

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