マネキグサ

マネキグサ
	マネキグサ Loxocalyx ambiguus; （伊吹山、2013年9月21日）
分類
学名
	Loxocalyx ambiguus (Makino) Makino
シノニム
	Lamium ambiguum (Makino) Ohwi; ; Leonurus ambiguus Makino;
和名
	マネキグサ

マネキグサ（招草、学名：Loxocalyx ambiguus (Makino) Makino）は、シソ科マネキグサ属の多年草。別名はヤマキセワタ^[2]。オドリコソウ属に分類されることもある^[2]。

分布[編集]

日本の固有種。本州（千葉県以西^[3]）、四国、九州に分布し、山地の木陰に生育する^[2]^[4]。

特徴[編集]

茎の断面は四角で^[2]、高さが40-70 cm^[4]。地下茎は細い^[2]。葉はまばらに対生し^[4]、下部の葉は心形、中央部の葉は三角状広卵形またはやや円形、上部の葉は卵形、長さ3-7 cm、幅2-6.5 cmで粗くて大きな鋸葉がある^[2]。花期は8-9月、葉腋に1-3個の花を付ける^[4]。花の長さは1.8-2 cm、暗紅紫色で縁は白い^[4]、花冠の下唇は3裂する^[2]。和名は花を招き猫の手に見立てたことに由来する^[4]^[5]。

花の細部
茎は四角で葉がまばらに対生する

種の保全状況評価[編集]

日本では環境省により、レッドリストの準絶滅危惧（NT）の指定を受けている^[6]^{[注釈 1]}^[7]。森林の伐採^[8]^[9]^[10]、林道工事^[11]^[12]、ダム建設^[13]、自然遷移^[13]、園芸目的の採集などにより、減少傾向にある^[7]。

準絶滅危惧（NT）（環境省レッドリスト）

^[6]

また以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている^[14]。北九州国定公園^[15]などの指定植物であり、採集は禁止されている。

絶滅危惧IA類（CR）- 山口県^[16]
絶滅危惧I類（CRまたはEN） - 栃木県^[12]、石川県^[13]、徳島県^[17]、香川県^[8]
準絶滅危惧（NT） - 群馬県
絶滅危惧IB類（EN）- 埼玉県^[18]、神奈川県^[19]
- 重要保護生物（B) - 千葉県^{[注釈 2]}^[3]
絶滅危惧II類（VU） - 長野県、岐阜県^[9]、和歌山県、愛媛県^[10]^{[注釈 3]}^[20]、高知県、福岡県^[15]
準絶滅危惧（NT） - 静岡県、三重県^[21]、岡山県^[11]、広島県
- 希少種 - 滋賀県、奈良県^{[注釈 4]}
情報不足（DD） - 大分県^[22]

マネキグサ属[編集]

マネキグサ属（学名：Loxocalyx ）はシソ科の一属。以下の種が含まれている。日本には本種のみを産する。

Loxocalyx ambiguus (Makino) Makino - マネキグサ
- Loxocalyx ambiguus (Makino) Makino var. laciniatus H.Hara　- キレハマネキグサ^{[注釈 5]}
Loxocalyx quinquenervius Hand.-Mazz.
Loxocalyx urticifolius Hemsl.

ただし、この種は長くオドリコソウ属に所属させられてきた。その場合の学名は以下の通り^[2]。

Lamium ambiguum (Makino) Ohwi

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

^ 2007年以前の環境省レッドデータブックでは絶滅危惧II類（VU）の指定を受けていた。
^ 千葉県のレッドリストのカテゴリーの重要保護生物（B)は、環境省の絶滅危惧IB類相当。
^ 松山市では情報不足（DD）の指定を受けている。
^ 奈良県のレッドリストのカテゴリー「希少種」は、環境省のカテゴリーの準絶滅危惧相当。
^ キレハマネキグサは、山梨県でレッドリストの絶滅危惧IB類（EN）の指定を受けている。

出典[編集]

^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “マネキグサ”. BG Plants 和名−学名インデックス（YList）. 2014年6月8日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ 村田 (1981)、91頁
^ ^a ^b “千葉県レッドデータブック－植物・菌類編（2009年改訂版）” (PDF). 千葉県. pp. 200 (2009年). 2013年10月4日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 林 (2009)、248頁
^ 草川 (2009)、30頁
^ ^a ^b “第４次レッドリスト「植物I（維管束植物）」”. 環境省. 2013年10月4日閲覧。
^ ^a ^b “絶滅危惧情報検索「マネキグサ」”. 環境省. 2013年10月4日閲覧。
^ ^a ^b “香川県レッドデータブック・マネキグサ”. 香川県 (2004年3月). 2013年6月22日閲覧。
^ ^a ^b “岐阜県レッドデータブック（初版）・マネキグサ”. 岐阜県 (2002年). 2013年10月4日閲覧。
^ ^a ^b “愛媛県レッドデータブック・マネキグサ”. 愛媛県 (2003年). 2013年10月5日閲覧。
^ ^a ^b “岡山県版レッドデータブック2009” (PDF). 岡山県. pp. 173 (2009年). 2013年10月5日閲覧。
^ ^a ^b “レッドデータブックとちぎ・マネキグサ”. 栃木県 (2011年). 2013年10月5日閲覧。
^ ^a ^b ^c “いしかわレッドデータブック植物編2010・マネキグサ” (PDF). 石川県 (2009年). 2013年10月4日閲覧。
^ “日本のレッドデータ検索システム「マネキグサ」”. （エンビジョン環境保全事務局）. 2014年2月8日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
^ ^a ^b “福岡県の希少野生生物 RED DATA BOOK 2011 FUKUOKA・マネキグサ”. 福岡県 (2011年). 2013年10月5日閲覧。
^ “レッドデータブックやまぐち・マネキグサ”. 山口県 (2002年). 2013年10月5日閲覧。
^ “徳島県版レッドデータブック” (PDF). 徳島県. pp. 303 (2011年8月). 2013年10月5日閲覧。
^ “埼玉県レッドデータブック2011植物編” (PDF). 埼玉県. pp. 149 (2011年). 2013年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月4日閲覧。
^ “神奈川県レッドデータブック2006年度版・マネキグサ”. 神奈川県 (2006年). 2013年10月4日閲覧。
^ “レッドデータブックまつやま2012・マネキグサ”. 松山市 (2012年). 2013年10月5日閲覧。
^ “三重県レッドデータブック2005・マネキグサ”. 三重県 (2005年). 2013年10月5日閲覧。
^ “レッドデータブックおおいた・マネキグサ”. 大分県 (2011年). 2013年10月5日閲覧。

参考文献[編集]

草川啓三『伊吹山案内』ナカニシヤ出版、2009年6月。ISBN 9784779503580。
佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫編『日本の野生植物草本Ⅲ合弁花類』平凡社、1981年10月。ISBN 4582535038。
林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421。

外部リンク[編集]

マネキグサの標本（静岡県と山梨県との県境の安倍峠で1990年9月18日に採集）　（千葉大学附属図書館）
マネキグサの標本　（島根大学生物資源科学研究科）
“レッドデータブックあいち2009・マネキグサ” (PDF). 愛知県. pp. 634 (2009年). 2013年10月5日閲覧。
Loxocalyx ambiguus （The Plant List）（英語）

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[7] 2007年以前の環境省レッドデータブックでは絶滅危惧II類（VU）の指定を受けていた。

[21] 千葉県のレッドリストのカテゴリーの重要保護生物（B)は、環境省の絶滅危惧IB類相当。

[22] 松山市では情報不足（DD）の指定を受けている。

[25] 奈良県のレッドリストのカテゴリー「希少種」は、環境省のカテゴリーの準絶滅危惧相当。

[27] キレハマネキグサは、山梨県でレッドリストの絶滅危惧IB類（EN）の指定を受けている。

[YList-1] 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “マネキグサ”. BG Plants 和名−学名インデックス（YList）. 2014年6月8日閲覧。

[村田_(1981)、91頁-2] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ 村田 (1981)、91頁

[chiba-3] “千葉県レッドデータブック－植物・菌類編（2009年改訂版）” (PDF). 千葉県. pp. 200 (2009年). 2013年10月4日閲覧。

[林_(2009)、218頁-4] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 林 (2009)、248頁

[5] 草川 (2009)、30頁

[biodic-6] “第４次レッドリスト「植物I（維管束植物）」”. 環境省. 2013年10月4日閲覧。

[biodic-3-8] “絶滅危惧情報検索「マネキグサ」”. 環境省. 2013年10月4日閲覧。

[kagawa-9] “香川県レッドデータブック・マネキグサ”. 香川県 (2004年3月). 2013年6月22日閲覧。

[gifu-10] “岐阜県レッドデータブック（初版）・マネキグサ”. 岐阜県 (2002年). 2013年10月4日閲覧。

[ehime-11] “愛媛県レッドデータブック・マネキグサ”. 愛媛県 (2003年). 2013年10月5日閲覧。

[okayama-12] “岡山県版レッドデータブック2009” (PDF). 岡山県. pp. 173 (2009年). 2013年10月5日閲覧。

[tochigi-13] “レッドデータブックとちぎ・マネキグサ”. 栃木県 (2011年). 2013年10月5日閲覧。

[ishikawa-14] “いしかわレッドデータブック植物編2010・マネキグサ” (PDF). 石川県 (2009年). 2013年10月4日閲覧。

[jpnrdb-15] “日本のレッドデータ検索システム「マネキグサ」”. （エンビジョン環境保全事務局）. 2014年2月8日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。

[fukuoka-16] “福岡県の希少野生生物 RED DATA BOOK 2011 FUKUOKA・マネキグサ”. 福岡県 (2011年). 2013年10月5日閲覧。

[17] “レッドデータブックやまぐち・マネキグサ”. 山口県 (2002年). 2013年10月5日閲覧。

[18] “徳島県版レッドデータブック” (PDF). 徳島県. pp. 303 (2011年8月). 2013年10月5日閲覧。

[19] “埼玉県レッドデータブック2011植物編” (PDF). 埼玉県. pp. 149 (2011年). 2013年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月4日閲覧。

[20] “神奈川県レッドデータブック2006年度版・マネキグサ”. 神奈川県 (2006年). 2013年10月4日閲覧。

[23] “レッドデータブックまつやま2012・マネキグサ”. 松山市 (2012年). 2013年10月5日閲覧。

[24] “三重県レッドデータブック2005・マネキグサ”. 三重県 (2005年). 2013年10月5日閲覧。

[26] “レッドデータブックおおいた・マネキグサ”. 大分県 (2011年). 2013年10月5日閲覧。

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[注釈 2]

[注釈 3]

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[注釈 4]

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[注釈 5]

マネキグサ

分布[編集]

特徴[編集]

種の保全状況評価[編集]

マネキグサ属[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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