ミヤマシロチョウ

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ミヤマシロチョウ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: 鱗翅目 Lepidoptera
: シロチョウ科 Pieridae
亜科 : シロチョウ亜科 Pierinae
: ミヤマシロチョウ属 Aporia
: ミヤマシロチョウ
A. hippia
学名
Aporia hippia (Bremer)
和名
ミヤマシロチョウ

ミヤマシロチョウ(深山白蝶 Aporia hippia japonica Matsumura )は、チョウ目(鱗翅目)アゲハチョウ上科シロチョウ科に分類されるチョウの一種。1901年に諏訪清陵高等学校の初代校長である千野光茂八ヶ岳で発見した[1]

概要[編集]

翅は白色で外縁と翅脈が黒く、後翅の裏面の基部に黄色斑を持つ。

東アジアの特産種で、日本では本州中部亜高山帯の、標高1,400~2,000mの範囲のみに分布する。生息地は南アルプス、八ヶ岳、浅間山系などであり、北アルプスではすでに絶滅した[1]。生息地の開発などによる環境の変化、植樹の衰退などで個体数を急激に減らしており、生息地でもごく限られた区域で見られるのみで、絶滅が危惧されている。

幼虫は食草の上に巣を作る。幼虫の食草はメギ科のヒロハノヘビノボラズ、メギなど。3~4齢幼虫で越冬し、成虫は年1回、7月上旬から8月上旬にかけて出現する。成虫の寿命は10日程度。

アザミ類、クガイソウなど、特に紫色の花を好んで吸蜜し、雄はしばしば湿地や水辺で集団となって吸水している光景を見ることも多い。

分布[編集]

国内では群馬県長野県山梨県静岡県の高山帯。国外では中国大陸チベットロシア極東地域に生息する。

保全状況評価[編集]

絶滅危惧IB類 (EN)環境省レッドリスト

長野県群馬県では、本種を天然記念物に指定している。

長野県茅野市の保護団体「茅野ミヤマシロチョウの会」によると、2016年の八ヶ岳での調査では越冬巣も成虫も確認できなかったという。同会会長は2010年頃の雨氷で急減したのが要因だと推測している[1]

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 牧林功解説 『日本の蝶』成美堂出版、1994年、ISBN 4-415-08045-6
  • 日本環境動物昆虫学会編『チョウの調べ方』文教出版、1998年、ISBN 4-938489-11-2

関連項目[編集]