メタルギアソリッド

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メタルギアソリッド
ジャンル ステルスゲーム
対応機種
開発元
メタルギアソリッド / インテグラル
ザ・ツインスネークス
コナミコンピュータエンタテインメントジャパン・シリコンナイツ
発売元 コナミ
シリーズ メタルギアシリーズ
人数 1人
メディア
  • CD-ROM2枚組
  • CD-ROM3枚組(インテグラル/初回幻想水滸伝II DEMO同梱版)
  • GC用光ディスク2枚組(ザ・ツインスネークス)
発売日
メタルギアソリッド
インテグラル
ザ ツインスネークス
Microsoft Windows
MASTER COLLECTION版
  • 2023年10月24日
対象年齢
コンテンツ
アイコン
CERO:セクシャル、暴力、犯罪
デバイス DUALSHOCK
その他 メタルギアソリッド: 限定版あり
ザ・ツインスネークス: ゲームキューブ同梱版あり
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メタルギアソリッド』(METAL GEAR SOLID、略称: MGS)は、コナミコンピュータエンタテイメントジャパンが開発、コナミから発売された戦術諜報アクションゲームであり、メタルギアシリーズの3作目となる作品である。

概要[編集]

1987年にMSX2用として発売された『メタルギア』の前2作品とは異なり、ポリゴンを用いた3次元描写による潜入アクションゲーム。

物語のテーマは「GENE」(遺伝子)。本作品のシナリオは、米国の『フォーチュン』誌にて「20世紀最高のシナリオ」と称され、小説版のキャッチコピーでも使われている。

ハード性能を活かした映像の他、兵士の吐く白い息等の描写で極寒のアラスカへの潜入を演出。詳細な人物設定等も評価されている。ハードの移行により大きな進展を見せた本作は、ポリゴンによる3次元描写となった事に加え、3次元でなければ不可能な演出を盛り込んでいる。また、ゲーム内では実在する武器が使用されている。

ストーリー[編集]

シャドー・モセス島事件[編集]

プロローグ
2005年。アラスカ半島アリューシャン列島フォックス諸島沖の孤島、シャドー・モセス島において、ハイテク特殊部隊・「FOXHOUND」とその傘下の次世代特殊部隊が突如として蜂起、同島の核兵器廃棄所を占拠した。
彼等は「ビッグ・ボスの息子達」を名乗り、米政府に対して5000万ドルとビッグ・ボスの遺体の引き渡しを要求。それが24時間以内に受け入れられない場合、シャドー・モセスにある核兵器を発射すると通告した。
政府は、元FOXHOUND司令官であり、元大佐でもあったロイ・キャンベルをこの鎮圧作戦の司令官として招集。それに従い、キャンベルは元FOXHOUND隊員であるソリッド・スネークを呼び戻した。
スネークに依頼された任務は2つ。核兵器廃棄所に単身潜入し、人質として囚われたDARPA(国防省付属機関先進研究局)局長のドナルド・アンダーソンと、アームズ・テック社社長のケネス・ベイカーの2名を救出すること。そして、テロリストの核発射能力の有無を調査し、事実ならばそれを阻止し、テロリストの排除と武装解除をすること。
この作戦は極秘案件のため、スネークの単独行動で進められるという。伝えられた任務内容にきな臭いものを感じつつも、スネークは渋々任務を承諾する[1]
序盤
アラスカ上空には強烈なブリザードが吹き荒れているため、パラシュートでの降下は不可能。オハイオ級原子力潜水艦で廃棄所付近まで接近した後、小型潜水艇を射出。島に最接近した所で潜水艇を破棄、後は泳ぎで島に上陸し、単独でのスニーキング・ミッション(潜入任務)を開始する。
シャドー・モセス島の施設を占拠した彼らによって、内部は軍事要塞へと変貌しており、スネークは彼らとの交戦を極力避けながら、ターゲットの人質と接触を図る必要があった。サバイバル技術のアドバイザーであるマクドネル・ミラーや、オペレーターのメイ・リンによる的確なサポートもあって、潜入ミッションを進めていく。そんな中、スネークは監獄に捕えられた女性兵士、メリル・シルバーバーグと出会う。
中盤
やがて、潜入を続けるスネークの前に、巨大なガトリング砲を自在に振り回す大男バルカン・レイブン、強力な念動能力と読心能力を持つガスマスクを付けた怪人サイコ・マンティス、驚異的な狙撃能力を持つ女性狙撃手のスナイパー・ウルフら、FOXHOUNDの精鋭メンバー達が立ちふさがる。
終盤
スネークの体にはFOXDIE(フォックス・ダイ)という殺人ウイルスがナノマシンとともに注入されており、ドナルド・アンダーソン(に化けていたデコイ・オクトパス)やケネス・ベイカーを殺していたのだった。アラスカから脱出しようとするスネークはリキッドとの死闘の果てに、リキッドもFOXDIEの効果により死亡する。オセロットの拷問に屈するかどうかでエンディングは分岐し、スネークはメリルまたはオタコンとともに脱出して生還する。

開発及び発売年表[編集]

  • 1994年 - メタルギアシリーズ第3作目として『メタルギア3(仮)』として開発開始。当初の発売予定プラットフォームはPlayStationではなく、『メタルギア』と『メタルギア2 ソリッドスネーク』でのMSX2で信頼があったパナソニック3DO用ソフトでの発売予定であったと、HIDECHAN! ラジオ内で小島秀夫が語っている。
  • 1995年1月17日 - 阪神・淡路大震災によるコナミ神戸本社(当時)の被災のため開発中断。
  • 1996年 - 震災の痛手から立ち直り、開発再開。しかし、パナソニックがハードゲーム機産業から撤退したのに伴い、3DO用ソフトからライバル会社だったソニー・コンピュータエンタテインメントのハード機PlayStation用のソフトに変更された。その後、東京ビッグサイトで開催された東京ゲームショウ'96のコナミブースでプロモーション動画が初公開された。
  • 1998年9月3日 - 発売。発売当日、秋葉原のゲームショップでは限定版を求めて100人近い行列ができ[2]、昼過ぎには限定版が完売[3]。すべての店に完売の文字が並んだ[3]
  • 1999年6月24日 - PlayStation用ゲーム『メタルギアソリッド インテグラル』が発売。音声が全て英語吹き替えになり、難易度設定が追加され、全300ステージのVRトレーニングを収録した「VRディスク」が新たに追加されCD3枚組になった。新たなキャラクター遺伝子怪獣ゲノラも登場。PocketStationにも対応している。VRディスクでは本作のトレーラー映像を見ることも出来る。
  • 2000年 - Microsoft Windows用ソフトとして発売されたが、アメリカなどでの販売にとどまり、日本では発売はされなかった。
  • 2004年3月11日 - 本作を原案に、システムや演出、グラフィックやアクション性などを『メタルギアソリッド2』と同じレベルまで向上させたゲームキューブ用ゲーム『メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス』が発売された。『ザ・ツインスネークス』には『メタルギアソリッド2』から登場した麻酔銃なども存在するが、ストーリーの関係上、元々死亡するキャラクターは麻酔銃で撃退しても変わらず死亡する結果となる。ゲームキューブ本体同梱版にはファミコン版『メタルギア』が収録されたディスクが付属していた。
  • 2008年3月21日 - ゲームアーカイブスよりPlayStation 3PlayStation Portableへの販売を開始。
  • 2008年5月 - 007シリーズなどの執筆も手がけたレイモンド・ベンソンによる、小説版が角川文庫より発売。一部の変更や著者オリジナルの描写がなされているが、後に発売されたメタルギアソリッドシリーズの設定に基づいた描写が増えている。
  • 2012年8月28日 - ゲームアーカイブス版がPlayStation Vitaに対応。PS Vita版『HD エディション』を購入し、『ピースウォーカー』のダウンロード版を購入することで、『メタルギアソリッド4』『メタルギアソリッドV』を除くメタルギアシリーズにおける小島秀夫監督作品(『メタルギア』から『メタルギアソリッド3』及び『メタルギアソリッドピースウォーカー』)までをPS Vitaでプレイする事が可能となった。
  • 2013年7月11日 - 『METAL GEAR SOLID THE LEGACY COLLECTION』の発売に合わせ、『インテグラル』のゲームアーカイブス版が配信開始。単体でも購入できるほか、『LEGACY COLLECTION』には無償ダウンロードできるプロダクトコードが付属する。
  • 2023年10月24日 - 『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1』の発売に合わせ、収録されている本作(『インテグラル』を含む)の単体ダウンロード版がPlayStation 4PlayStation 5Xbox Series X/SNintendo SwitchSteam向けに配信開始[4]

登場人物[編集]

装備品[編集]

派生版[編集]

メタルギアソリッド インテグラル[編集]

  • ムービーシーン・無線が全て英語音声に変更された。字幕は日本語・英語と自由に変更できる。
  • 本編のほか、オリジナル版にはない300の「VR TRAINING」を収録した三枚目のディスク「VR DISC」が追加されており、潜入任務の基礎を練習できる「SNEAKING MODE」、8種類の武器の習熟訓練を行う「WEAPON MODE」、武器を使用して敵兵を倒して行く「ADVANCED MODE」、様々な制限の元で(ほとんどネタ重視)ミッションをクリアする「SPECIAL MODE」の4つのモードが収録されている。モードには『メタルギア』、『メタルギア2 ソリッドスネーク』のBGMのアレンジ版が使われている。
  • クリア後に条件を満たしていれば、二度目のプレイからタキシード姿のスネーク、スニーキングスーツを着たメリル、色が赤を基調としたものに変更された忍者が登場するほか、敵兵の配置やルートが変更されるようになった。また、オリジナル版のクリアデータがあれば、最初から敵兵の配置とルートが変更される。
  • 本編プレイ中、渓谷・通信塔への通路・雪原で無線周波数「140.66」に通信すると、本編で使われなかったボツBGMを聞くことができる(ボス戦の最中は聞けない)。また無線周波数「140.07」に通信すると、制作スタッフによる「メタルギアソリッド」の開発裏話を文章で読むことができる。ゲーム中の各場面に応じて開発裏話が用意されており、難易度EASY以上で本編をクリアしクリアデータをロードして2周目を開始してからでないと読めない裏話も存在する(メリル・オタコンのどちらと脱出したかによっても、2周目の開始時に読める裏話は変わる)。なお、この周波数「140.07」はゲームボーイカラー版『メタルギア ゴーストバベル』の隠し要素として収録された、連続無線ドラマ「アイデアスパイ2.5(ツー・ハン)」を聞くことができる周波数と同一である。
  • PocketStationを使い、ナオミから依頼される極秘ミッションを遂行できるようになる。一定期間内に他のポケステと称号の交換を重ねることによってミッションを進めて行く。
  • 称号の数が48個に増えた。
  • 本編クリア後、一人称視点で本編をプレイ出来る「1P VIEW MODE」が追加された。
  • 本編クリア後に「VR DISC」でカメラを使ってナオミを撮影できる「生還記念写真撮影会」が追加される。最高難易度である「EXTREME」クリア後だとメイ・リンも撮影できる。撮影できる距離、撮影時間は取得した称号によって変わる。

難易度設定も変更できるようになっており、最初に選択できる4つの中のいずれか1つをクリアすることで最高難易度「EXTREME」が追加される。

VERY EASY(最低難易度)
プレイヤーのライフは多く、敵のライフは少なくなっている。最初からサプレッサー付き、弾数無限の武器「MP5SD」を所持した状態でゲームが開始される。ただし、この難易度に限り、エンディングに到達してもクリアデータは作成されない。
EASY(低難易度)
オリジナル版の難易度に準じる。
NORMAL(標準難易度)
オリジナル版と比べ、若干難易度があがっている。
HARD(高難易度)
プレイヤーのライフはNORMALと比べ少なくなっており、致命傷を受けやすいほか、敵兵の位置と視界を示すレーダーが表示されない。
EXTREME(最高難易度)
本編を一度クリアすると遊べるようになる最高難易度。受けるダメージは大きくなり、敵兵に与えるダメージは減っている。HARDと同じくレーダーは表示されず、敵兵の視界は二倍に伸びている。体力回復アイテムは敵から奪わないと入手が出来ない。

メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス[編集]

『メタルギアソリッド』を『メタルギアソリッド2』の映像技術、ゲームシステムで再現したニンテンドーゲームキューブ用ソフト。略称は『MGSTTS』。開発はKCEJとシリコンナイツ[5]

「主観」や「ホールドアップ」、「エルード」などの『メタルギアソリッド2』で新たに搭載されたアクションが追加された。麻酔銃とそれに伴うボスのスタミナゲージも導入されている[注 1]。これにより、狙い撃ち、無殺プレイ、ドッグタグを集める(特に特典はない)ことが可能。同時に敵兵のAIも強化されており、プレイヤーも巧妙に隠れる必要がある。

マップの構成は基本的にPS版と変わっていないが、ロッカーなど『メタルギアソリッド2』から導入された小物がいくつか追加されている。難易度変更など『インテグラル』で追加された要素も収録されたが、「VRトレーニング」は収録されていない。

小島秀夫と親交のある映画監督・北村龍平の演出によってイベントムービーがスネークがバク宙で弾丸をよける、飛んでくるミサイルを踏み台にしてジャンプするなどの当時のハリウッドアクション映画を意識した非現実的なアクションに変更されている[6]。小ネタも本作の仕様に合わせた条件で見られるものが存在する。BGMに関しては新規のものとなっている。また、任天堂ハードでの発売ということもあり、マリオとヨッシーの人形が登場するなどの任天堂ネタも盛り込まれた。

キャラクターボイスは『インテグラル』『サブスタンス』同様、全て新録された英語音声である。字幕は日本語に変更できる。日本語字幕のフォント表示にバグがあり字幕の文字が崩れ非常に読みづらくなっているがメーカーは不具合として認めていない。

作品内のネタ[編集]

小島秀夫監督作品に多用される、隠しイベントやジョーク要素が盛り込まれている。

キャラクターの名前
スネークの本名が「デイビッド」で、オタコンの本名が「ハル」と知ったスネークが「木星にも行けそうなコンビだ」と語る。これは映画『2001年宇宙の旅』に登場する宇宙船の船長が「デビッド・ボウマン英語版」で、コンピュータが「HAL 9000」、目的地が木星だったことに掛けたセリフとなっている。また、この映画で主人公が乗船していた宇宙船の名前は「ディスカバリー」であるが、作中でキャンベルが乗艦していたオハイオ級原子力潜水艦の名前も「ディスカバリー」である。
続編『ピースウォーカー』では、オタコンの父親であるヒューイが『2001年宇宙の旅』の大ファンであり、同作品についてネイキッド・スネーク(ビッグ・ボス)にひとしきり熱く語った後に「HALっていい名前だよね」と漏らすというやりとりがある。
小島監督作品の一つ『ポリスノーツ』に「メリル」とその相棒「デイブ」が登場するが[7]、「俺の名前はデイビッドだ」と本名を名乗った直後のスネークも「デイブ」と呼ばれるシーンがある。
サイコ・マンティスの超能力
振動機能のあるコントローラー「DUALSHOCK」を使用していると、「(できるだけ平らな)床の上にコントローラーを置いてみろ」と催促し、念力と称してコントローラーの振動機能を操作したり、セーブやアラート数などの行動記録から性格診断、趣味を言い当ててくる。
メモリーカード内にコナミがリリースしたゲームのセーブデータが保存されていると反応し、例えば『ときめきメモリアル』関連のセーブデータが存在すると「ときメモが好きなようだな」と真っ先に言い当ててくるほか、小島秀夫作品である『スナッチャー』と『ポリスノーツ』のデータには特殊な反応を示し、両方のデータが存在すると小島秀夫の肉声メッセージが聴こえる。これらのイベントは、後の『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1』に収録のバージョンでも疑似的に再現されている[8]。なお、同様の仕様は、後に「小島組」が制作した『ときめきメモリアルドラマシリーズVol.3 旅立ちの詩』でも用いられている。
画面を暗転させて視界を奪う「ブラックアウト」では、画面右上に「ビデオ」ではなく「ヒデオ」と表示された偽の外部入力待機画面を映し出す[9]。更にしばらくすると表示が縮小される等演出が凝っている。
続編『メタルギアソリッド4』でも「DUALSHOCK」ネタや「ヒデオ」ネタは使われており、「HIDEO」「HIDEO2」「ヒデオ2」と種類が増えている。
スタッフロール
エンディングのスタッフロールでは、小島秀夫の名前が20か所に登場する。1人で20か所クレジットされるのは家庭用ゲームとして史上初だった。また、3周目のスタッフロールではBGMが途中から主題歌からメインテーマへと変わる[10]
サイボーグ忍者の謎の呟き
サイボーグ忍者が初めて登場する際、「かわにしのせぐちきぬのべばしたきやまうぐいすのもり…」と呪文の様に謎の羅列を呟いているが、これは実在する能勢電鉄妙見線の駅名で、最終的に「…こうふうだいときわだいみょうけんぐち」と終点まで唱えると再び最初から繰り返す。かつて小島秀夫が妙見線の沿線に住んでいたことに由来し、『メタルギアソリッド2』(様子がおかしくなった大佐)、『メタルギアソリッド4』(サニーの目玉焼き)、『メタルギアソリッド ピースウォーカー』(ママルポッドのAI記憶板を全て抜き取る途中)、『メタルギアソリッドVグラウンド・ゼロズ』(デジャヴミッション中)、『メタルギアソリッドV ザ・ファントム・ペイン』(オセロットに麻酔銃を撃った時と、回収したママルポッドに向けて銃を発砲した時。オセロットが呟くのは川西能勢口から鶯の森まで)でも同様の羅列が登場している。また、サイボーグ忍者のライフをゼロにすると錯乱状態になり、今度は「アデニングアニンチミンシトシン…」という羅列が室内に響く。これは遺伝子を構成する塩基配列の名前で、本作のテーマが「GENE(遺伝子)」である事に掛けている。
赤いサイボーグ忍者
3周目では、サイボーグ忍者のカラーリングが赤に変化する。
隠しアイテム
隠しアイテム「ステルス迷彩」または「無限バンダナ」(プレイ内容によってアイテムが変わる)は、エンディング中でスネークに手渡される。ゲームクリア後に使用可能になるのはこの為であるという演出。両方使用可能にするには両パターンのシナリオでクリアする必要がある。
メタネタ
マスター・ミラーに無線連絡をすると「(睡魔に襲われている時や食後は)充分な仮眠または休憩をとってからプレイしろ」「バグと決めつけず落ち着いて行動しろ」「ゲーマーとしての勘を信じろ」などゲームプレイについて助言をしてくれる。
あるイベントの無線会話中にナオミがコントローラーの振動機能を利用してプレイヤーの腕をマッサージする。
音声出力をモノラルに設定した状態でハインドとの戦闘中にキャンベルに無線連絡すると「ひょっとしてスネーク、君はモノラルなのか?」と音声設定に関しての話題になり、ナオミ・ハンターやメイ・リンも驚愕した。
拷問イベント開始前にはリボルバー・オセロットが「連射パッドを使おうなどとは思うなよ」とスネーク(プレイヤー)に釘を刺すだけでなく、「コンティニューはなしだ」とプレッシャーをかける。実際に拷問イベントでゲームオーバーになるとEXIT(タイトルへ戻る)しか選択できない。
メイ・リンが怒る
セーブの際にメイ・リンを無線で呼び出し、呼び出す度にひたすら「セーブしない」を選び続けると怒ってしまい、最終的には無言であかんべえをされてしまう[11]。この演出は、続編『メタルギアソリッド2』プラント編にも受け継がれている。
下痢兵士
牢獄の看守の敵兵はジョニー佐々木という名前が設定されている。後の続編でも常に下痢に悩まされるというキャラクターとされ、『メタルギアソリッド2』『メタルギアソリッド4』にも登場している(『メタルギアソリッド2』では声のみ)。声優は今村直樹が担当しているが、『4』のみ福山潤に変更されている。特に『4』の登場人物紹介では「気が弱いが腸も弱い」とされている。『メタルギアソリッド3』や『メタルギアソリッド ポータブルオプス+』では彼の同名の祖父(こちらの声優も今村直樹)が登場し、後者はプレイアブルキャラクターとして登場。名前だけでなく腸の弱さも受け継がれていた。

業界初の試み[編集]

ステージ構築やシステム面、販売戦略などで、複数の業界初の試みが行われている。

従来の2次元描写では平面図形を用いて紙にステージ構成を書き上げる事が出来たのに対し、今作では3次元という立体が扱える為、空間の構成がより複雑になった。このため急遽レゴブロックが用意され、CCDカメラによる角度等の細部の研究が行われた。これらが当時業界初である「複数のアングルを自由に切り替えられる」といったシステムを実現している。また、2次元ハードの時代から受け継がれている「視覚や聴覚に訴える手段」においても大幅にバリエーションが増した。後続のシリーズでは更なるハードの進歩により一層複雑な表現が可能となり、以後レゴブロックの採用は見送られている。

当時主流であったプリレンダによるデモシーンを採用せず、リアルタイムレンダリングによりゲーム画面と同じクオリティで劇を展開する事に徹し、ムービーが無くなる日を想定したとされる[注 2]。性能上の制約から画質は荒いローポリゴンとなった為、表情の細部を描写することが出来ず、キャラクターの会話中の感情等は陰影と首の動きによって表現している。このためモーションキャプチャーも採用していない。また、史実が語られるシーンには実写映像が採用されている。

通常、PlayStation用ソフトのパッケージは横向きだが、「メタルギアソリッド」では初の縦置き仕様が採用された。MOOK本の先行発売も行われ、これも業界初の試みであった。また、コナミの『実況パワフルプロ野球'98開幕版』という全く異なるジャンルの作品に体験版を付属し、新たなユーザー開拓を試みた。これ等は全てメタルギアシリーズが前評判を得る前のものだった。

コラボレーション[編集]

  • マリオヨッシー任天堂から) - 人形で登場。マリオを撃つと1UPのBGM、ヨッシーを撃つとボイス(声 - 戸高一生)が聞ける(GC版のみ)。
  • ニンテンドーゲームキューブ本体とウェーブバード - 上記のマリオの人形と同じ部屋にある(GC版のみ)。
  • beatmaniaシリーズ - 『メタルギアソリッド』のメインテーマのリミックス曲が『beatmania(DISC2)』『beatmania 3rdMIX』『beatmania BEST HITS』(すべてPS用ソフト)及び、『beatmania GB』(GBC対応ソフト)『beatmania for WonderSwan』(WS用ソフト)に収録されている。
  • ときめきメモリアルドラマシリーズ(SS・PS) - メタルギアソリッドが実写映画という設定で上映されている(『Vol.2 彩のラブソング』『Vol.3 旅立ちの詩』)。なお、Vol.2とVol.3では内容が異なり、前者が本作発売前のもの、後者は発売後で本作のダイジェストとなっている。
  • ときめきメモリアル3 〜約束のあの場所で〜(PS2) - メタルギアソリッドが映画という設定で上映されている(ドラマシリーズとは違い、アニメ映画扱い)。
  • ドリームミックスTVワールドファイターズ(PS2・GC) - 主人公のスネークがコナミキャラからの参戦。隠しキャラなので最初から使用できない。
  • 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ - 主人公のスネークがゲストキャラとして参戦。作中で行われる無線ではキャンベル、メイ・リン、オタコンも登場し、無線画面はPS版のものが流用されている。その他、アイテム関連で多数のキャラや兵器が登場する。また、シャドー・モセス島をモチーフとしたステージも登場する。

ラジオドラマ[編集]

文化放送系のアニラジ番組CLUB dbの枠にて、本作のラジオドラマ版が1998年10月24日から1999年1月9日にかけて放送された。監督は「小島組」の村田周陽が担当している。

脚本はゲーム本編の軍事アドバイザーを担当した毛利元貞が手がけた。スネークやメイ・リン、メリル、キャンベル大佐といったおなじみのキャラクターは登場するものの、ゲーム本編のストーリーとはほとんど関係はない。

スタッフ[編集]

  • 製作:池田孝治(コナミ)
  • 監督:村田周陽(コナミ)
  • 脚本:毛利元貞(モリインターナショナル)
  • 演出:岩浪美和

独自の登場人物[編集]

アレン・イイシバ軍曹
声 - 古川登志夫
シュルツ准将/少将
声 - 中江真司
マーク・コルテズ大佐
声 - 阪脩
ライリー・マルティネス曹長
声 - 田中一成
セルゲイ・イワノビッチ大尉
声 - 中田和宏

小説版[編集]

メタルギア ソリッド
『メタルギアソリッド4』発売に先立って、角川文庫より2008年5月発売。執筆は007シリーズのレイモンド・ベンソン。訳者は富永和子。ISBN 978-4-04-276703-9
シナリオは基本的にゲーム版と同じ展開で進んでいくが、マスターミラーが何者かに襲撃されるシーンや、スネークの少年時代についての描写などゲーム本編では触れられていなかった場面や小説独自の場面も存在する。また、本編にこそ登場しないものの「E・E」や「ソリダス・スネーク」など、次作に登場するキャラクターの名前が挙げられるシーンもある。
著者のレイモンド・ベンソンがゲームの分野に明るいこともあり、作中では、「パンチ・パンチ・キック」などの単語や、新しいアイテムを入手するごとにナスターシャに無線連絡をするなど、ゲームのプレイ内容を再現した描写も見られる。
しかし一方で、一部主要キャラ達の性格や言動が変わっている。また、一部のキャラ達の一人称や台詞も変わっている。
物語は本編の33年前、クラーク博士がビッグ・ボスの遺伝子を持つ双子の出産に立ち会うシーンから始まり、本編でのスネークは33歳であることが分かる。
メタルギア ソリッド サブスタンスI -シャドー・モセス-
『メタルギアソリッドV』発売に先立って、角川文庫より2015年8月発売。著者は、次作『ピースウォーカー』のノベライズを手がけた野島一人(矢野健二)。ISBN 978-4-04-103228-2
『メタルギアソリッドV』との連動企画として3か月連続で刊行され、第1弾が本作にあたる。
2009年、マンハッタン(『メタルギアソリッド2』プラント編の舞台となる年、地域である)に住む一人の少年が読む「metalgear_solid」というテキストファイルという形でストーリーが展開される。ゲーム発売当時には存在しなかったアメリカ同時多発テロ事件が存在する世界でもあり、メタフィクショナルなストーリー展開となっているが、基本的にはゲーム本編に忠実な内容である。
また、登場人物の設定も最新作であり、最終作とされている『メタルギアソリッドV』までの作品の設定や内容にもとづいて細かく補完・補足されており、それ以降の作品との繋がりがより強化されている。

楽曲[編集]

  • 『The Best is Yet to Come』 / イーファ・ニ・アーリー - エンディングテーマソング。ゲール語で歌われる。
  • 『ENCOUNTER』 - 敵兵士に発見されたアラート状態に流れる緊張感あふれる曲。これをはじめとするBGMを手掛けた作曲家としては、当時コナミに所属していた岩瀬立飛が知られている。
  • 『MAIN THEME』 - メタルギアソリッドの顔とも言える曲。ビートマニアに収録されたのもこのバージョンが元である。
  • 『MAIN THEME 1997 E3 EDIT』 - 1997年E3で公開された開発版のムービーに使われたバージョン。開発版のムービーは「インテグラル」のVRディスク内のVR訓練をクリアするか本編で最上位の称号があるクリアデータがある事で解禁可能。
  • 『CONTROL MIX』 - ゲーム内の音声とメインテーマをマッシュアップしたバージョン。ミックスはQUADRA

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈 [編集]

  1. ^ ただし、ストーリー上死亡するキャラクターはスタミナを0にして勝利しても死亡する結末である。
  2. ^ 実際に本作でムービーが用いられたのは数か所のみ。

出典 [編集]

  1. ^ 『月刊ファミ通ウェーブ』8月号(創刊号)、アスキー、1998年8月、21頁。 
  2. ^ 『公式完全ガイドブック』 1998, p. 90.
  3. ^ a b 『公式完全ガイドブック』 1998, p. 91.
  4. ^ 「メタルギア」シリーズの集大成となるコレクション第1弾が登場! 「METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1」本日発売” (2023年10月24日). 2023年10月24日閲覧。
  5. ^ SOFTBANK GAMES 「 2003 E3 030515 」「海外クリエイターとの共感が生み出すGC版「MGS」」 NEWS:20”. SOFTBANK GAMES. Softbank Publishing (2003年5月15日). 2022年3月14日閲覧。
  6. ^ SOFTBANK GAMES 「 TGS 2003 030927 」「小島監督vs北村監督 GC版「MGS」ムービーはスゴイ!」 NEWS:11”. SOFTBANK GAMES. Softbank Publishing (2003年9月27日). 2022年3月14日閲覧。
  7. ^ 『公式完全ガイドブック』 1998, pp. 93, 224–225, 231.
  8. ^ 「METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1」レビュー:“かつての名作”を2023年にプレイする上で知ってほしいこと”. Gamer (2023年10月23日). 2023年10月24日閲覧。
  9. ^ 『公式完全ガイドブック』 1998, p. 193.
  10. ^ 『公式完全ガイドブック』 1998, p. 205.
  11. ^ 『公式完全ガイドブック』 1998, p. 231.
  12. ^ ニュータイプ 編『METAL GEAR SOLID naked』角川書店、2004年3月、73頁。ISBN 978-4-0470-7145-2 

参考文献 [編集]

  • 『メタルギアソリッド公式完全ガイドブック』コナミCP事業部 編さん、コナミデジタルエンタテインメント〈コナミ完璧攻略シリーズ 〉、1998年10月。ISBN 4-575-16131-4 

外部リンク[編集]