リック・アストリー

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リック・アストリー
Rick Astley
2023年
基本情報
出生名 リチャード・ポール・アストリー
Richard Paul Astley
生誕 (1966-02-06) 1966年2月6日(58歳)
出身地 イングランドの旗 イングランドランカシャー州ニュートン・ル・ウィローズ英語版
ジャンル ポップス
ブルー・アイド・ソウル
ユーロビート
職業 シンガーソングライター
活動期間 1985年 - 1993年
2001年 -
レーベル RCA
ソニー・ミュージック
共同作業者 ストック・エイトキン・ウォーターマン
公式サイト RICKASTLEY.co.uk
Astley performing in Copenhagen, Denmark, July 2009

リチャード・ポール・“リック”・アストリー(Richard Paul "Rick" Astley、1966年2月6日 - )は、イギリス歌手シンガーソングライター

プロフィール[編集]

イングランドランカシャー州で生まれ、歌手活動をしていたときに音楽プロデューサーピート・ウォーターマン英語版に見出される。華奢なルックスに似合わない、黒人のようなソウルフルな声が特徴である(これは当時「リッチー&ビューティーな歌声」と言われていた)。

1987年ストック・エイトキン・ウォーターマンのプロデュースのもとでリリースした「Never Gonna Give You Up」と、それに続く「Together Forever」が世界的な大ヒットとなりスターダムにのし上がる。日本でもデビューアルバムの『Whenever You Need Somebody』がオリコン洋楽アルバムチャートで1988年4月18日付から3週連続1位を獲得[1]するなどバブル景気真っ只中のディスコブームに乗り大ヒットとなり、数回に渡り来日しテレビ出演やライブを行ったほか、三ツ矢サイダーテレビCMにも出演していたことがある。

1990年代に入り、『Free』や、ソウルフルな『Body & Soul』といったセルフプロデュースの意欲作を発表するも、しばらくの間は人気の低迷が続き、その後、子育てのために一時休業するが、2001年にポリドールよりリリースしたアルバムKeep It Turned On』、そして1stシングルSleeping」、2ndシングルKeep It Turned On」がドイツをはじめヨーロッパでヒットし、さらに2005年にリリースしたアルバム『Portrait』がイギリス国内チャートの26位にまで上がり、見事に人気が復活した。

「Never Too Much」などのディスコヒットで有名な、ルーサー・ヴァンドロスの大ファンで、リック・アストリーのソウルフルな歌声は、ルーサー・ヴァンドロスから影響を受けたと言われている。

2012年7月21日22日放送のフジテレビの『FNS27時間テレビ 笑っていいとも! 真夏の超団結特大号!! 徹夜でがんばっちゃってもいいかな?』のテーマ曲に「Together Forever」が使用された(ただし番組で使用されたのはA. Kay-B.J.のカヴァーヴァージョンである)。2014年11月には25年ぶりの単独来日公演を行い、また、2015年にはフジテレビの『SMAP×SMAP』のコーナー「S-LIVE」(2月2日放送)に出演した。

2016年、アルバム『50』をリリース。デビューアルバムの『Whenever You Need Somebody』以来、約29年ぶりとなる全英アルバムチャート1位(初登場1位)を獲得した。2017年8月に来日しSUMMER SONICに出演[2]

リックロール[編集]

2007年頃から、主に英語圏のインターネット掲示板「4chan」でリックロール(RickRoll)と呼ばれる引っ掛けが流行するようになった。これは興味を引くタイトルの動画をアップロードし(例えば映画本編の違法アップロードなど)、見た者がリンクをクリックすると、内容はリックの「Never Gonna Give You Up」の動画であるという、俗に「釣り動画」と呼ばれる悪戯である(日本においても山口弘美の「私の彼はジャイアンツファン」の動画がこれに近い使われ方をすることがある)。

悪戯に使われてしまったものの幸いにもこのリックロール現象により、その声質と歌唱力が再評価されることとなった。2008年には同楽曲が全英シングルチャートで73位に再チャートインした。ほかにも、2008年MTVヨーロッパ・ミュージック・アワードにおいてインターネットからの大量の投票により「Best Act Ever(史上最高のアーティスト賞)」を受賞するなどしている。

上述の通り、リック・アストリーは2017年8月20日のサマーソニック東京に出演しているが、彼自身のステージ終了後、同日のヘッドライナーのフー・ファイターズのステージに飛び入り参加し、「Never Gonna Give You Up」を熱唱した[3]。これは、リックロールのブームの際、同曲とニルヴァーナ(フー・ファイターズのフロントマン、デイヴ・グロールはこのバンドのドラマーだった)の大ヒット曲「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」がマッシュアップされたものが、ネット上で大流行したことにちなむ。

私生活[編集]

リック・アストリーはレーヌ・バウセガー(Lene Bausager 1965?-)と結婚しており、エミリー・アストリー(Emilie Astley)という娘が1992年に誕生している。

ディスコグラフィー[編集]

アルバム[編集]

タイトル アルバム詳細 チャート最高位 認定
UK
[4]
AUS
[5]
AUT
[6]
CAN
[7]
GER
[8]
NLD
[9]
NZ
[10]
SWE
[11]
SWI
[12]
US
[13]
1987 Whenever You Need Somebody
  • 発売日: 1987年11月16日
  • レーベル: RCA
  • フォーマット: CD, LP, cassette
  • 全英売上: 120万枚[14]
1 1 3 2 1 2 3 2 2 10
1988 Hold Me in Your Arms
  • 発売日: 1988年11月26日
  • レーベル: RCA
  • フォーマット: CD, LP, cassette
  • 全英売上: 30万枚[14]
8 19 30 3 3 42 28 7 11 19
  • UK: プラチナ[14]
  • CAN: 2× プラチナ[15]
  • US: ゴールド[16]
1991 Free
  • 発売日: 1991年3月12日
  • レーベル: RCA
  • フォーマット: CD, LP, cassette
  • 全英売上: 10万枚[14]
9 20 24 17 8 23 16 26 31
  • UK: ゴールド[14]
1993 Body & Soul
  • 発売日: 1993年9月28日
  • レーベル: RCA
  • フォーマット: CD, cassette
185
2001 Keep It Turned On
  • 発売日: 2001年12月3日
  • レーベル: Cruz Music, Polydor
  • フォーマット: CD, LP
56
2005 Portrait
  • 発売日: 2005年10月17日
  • レーベル: RCA
  • フォーマット: CD, digital download
26
2013 My Red Book[17]
  • 発売日: 2013年
  • レーベル: Cruz Music
  • フォーマット: CD
2016 50[18]
  • 発売日: 2016年6月10日
  • レーベル: BMG
  • フォーマット: CD, LP, digital download
  • 全英売上: 30万枚[14]
1 41 21 65 44
  • UK: プラチナ[14]
2018 Beautiful Life
  • 発売日: 2018年7月13日
  • Label: BMG
  • Formats: CD, LP, digital download
6 70 40 44
2023 Are We There Yet?
  • 発売日: 2023年10月13日
  • Label: BMG
  • Formats:
2 - 29
"—"は未発売またはチャート圏外を意味する。

ベスト・アルバム[編集]

リミックス・アルバム[編集]

ビデオ作品[編集]

  • 1990年 『Best Video Hits』
  • 2004年 『Artist Collection Rick Astley』

シングル[編集]

来日公演[編集]

1989年 JAPAN TOUR 1989

2006年 80's Dance Pop Summit(共演:Belinda Carlisle, Siniita, Michael Fortunati)

2014年 Together Forever JAPAN TOUR 2014(オープニングアクト:Hazell Dean)

2017年 SUMMERSONIC 2017

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ オリコンのデータ協力による “全曲、80年代の週間オリコンチャートNo.1” の洋楽コンピが登場!、ソニーミュージック、2017年8月8日。
  2. ^ リック・アストリー サマソニ2017出演決定!(Rickastley info、2017年5月2日)
  3. ^ Daniel Kreps (2017年8月20日). “Watch Foo Fighters, Rick Astley Rickroll Tokyo Music Festival”. Rolling Stone. http://www.rollingstone.com/music/news/see-foo-fighters-rick-astley-rickroll-tokyo-music-festival-w498604 2017年8月22日閲覧。 
  4. ^ Peak positions in the United Kingdom:
  5. ^ Peak positions in Australia:
  6. ^ Hung, Steffen. “Discographie Rick Astley”. Austrian Charts Portal. Hung Medien (Steffen Hung). 2014年6月2日閲覧。
  7. ^ Rick Astley – Chart History: Canadian Albums”. Billboard. Prometheus Global Media. 2014年6月2日閲覧。
  8. ^ Peak positions in Germany:
  9. ^ Peak positions in the Netherlands:
  10. ^ Peak positions in New Zealand:
  11. ^ Peak positions in Sweden:
  12. ^ Peak positions in Switzerland:
  13. ^ Rick Astley – Chart History: Billboard 200”. Billboard. Prometheus Global Media. 2014年6月2日閲覧。
  14. ^ a b c d e f g h BPI Searchable Database”. British Phonographic Industry. 2010年1月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月27日閲覧。
  15. ^ a b Canadian Recording Industry Association (CRIA): Gold & Platinum”. Canadian Recording Industry Association. 2011年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月27日閲覧。
  16. ^ a b RIAA – Recording Industry Association of America – Searchable Database”. Recording Industry Association of America. 2011年6月27日閲覧。
  17. ^ http://www.facebook.com/RickAstley/posts/329631913802741
  18. ^ Fitzpatrick, Katie (2016年5月31日). “Rick Astley will perform and sign copies of his new album at HMV Manchester”. men. オリジナルの2016年6月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160602042810/http://www.manchestereveningnews.co.uk/news/showbiz-news/rick-astley-hmv-manchester-signing--11409007 2016年6月2日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]