ヴォーティシズム

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ヴォーティシズム (Vorticism) とは、キュビスム[1]未来派の影響を受けて、1910年代半ば(1913年または1914年)にイギリスに興った、美術(および)に関する運動およびそのグループ。「渦巻き派(渦巻派)」とも呼ばれる。この運動は、マリネッティの未来派や、ロジャー・フライ・オメガ・ワークショップスの「ポスト印象主義に対する反撃であることが、次第に明らかになっていった[2]

主たる参加者は以下のとおり(ラストネームの五十音順)。

中心メンバーは、ウインダム・ルイス、エズラ・パウンド、デイヴィッド・ボンバーグ、ウィリアム・ロバーツらである。

上記以外に、エズラ・パウンドに対する影響から、詩人・評論家・哲学者であるT・E・ヒューム(Thomas Ernest Hulme, 1883年-1917年)をメンバーに含める考え方もある。また、写真家アルヴィン・ラングダン・コバーン(作品Vortographなど。Alvin Langdon Coburn, 1882年-1966年)を含める考え方もある。

1914年に機関紙『BLAST』を刊行し、宣言を掲載した(BLASTは、翌年の第2号まで刊行されている。なお、BLASTには、T・S・エリオット(詩人、Thomas Stearns Eliot, 1888年-1965年)もかかわっている)。しかし、翌年の1915年にはグループは解散し、短命に終わった。

美術に関しては、「動き」を重視する点から、未来派の一分派と考えられることが多い一方で、幾何学的な形態や力強い線の強調(ここに、キュビスム由来のプリミティズムを見ることも可能)から、未来派とは一線を画すとする考え方もある。20世紀前半のイギリスにおいては、美術運動と呼べる数少ない美術グループだった。

脚注[編集]

  1. ^ ピカソやブラックを中心としたアート運動
  2. ^ For a full account of Vorticism see the introductory essay by Richard Cork in the exhibition catalogue Vorticism and Its Allies (London: Arts Council of Great Britain, 1974), pp. 5–26. A recent and concise definition is available at the Tate's website:vorticism 2023-8-5閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]